
米国株の高配当ETFを買いたいなーと思うのだけど、VYMっておすすめですか?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の結論
・米国株の高配当ETFとしては中途半端。あまりおすすめではない。
・キャピタルゲインとインカムゲインの両方を1本のETFで得たい人にはおすすめ
配当金をもらって暮らすFIRE生活は、みんなが憧れる生活のひとつ。

でもFIREまでひたすらガマンするのはやだなー。今すぐ高配当株を買って、高配当株を家計の一部に組み入れたい!
こんな風に高配当株に興味を持つ方も多いと思います。
特に、市場が好調だとインカムゲイン(配当)とキャピタルゲイン(株価上昇)の両方が狙えてしまうので、「米国(アメリカ)の高配当株」を買おうとしている人が多いみたい。
でも実は、高配当株としてアメリカのETF「VYM」を買うのはおすすめではありません。
今回は、高配当株としてアメリカのETF「VYM」を買うのがおすすめではない理由を整理してみたいと思います。
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VYMをおすすめしない理由
アメリカの高配当株として、ETF「VYM」を買うのはおすすめではありません。
その理由は主に3つあります。
おすすめしない理由① VYMは投資目的があいまいだからおすすめしない
おすすめしない理由② VYMは配当利回りが高くないからおすすめしない
おすすめしない理由③ VYMはキャピタルゲインもあいまいだからおすすめしない
ひとつずつ見ていきましょう。
理由① VYMは投資目的があいまいだからおすすめしない
おすすめしない理由のひとつめは、「VYMは投資目的があいまいだからおすすめしない」です。
アメリカのETFを買いたいと思った場合、大きく分けると2つの投資目的があります。
➀インカムゲイン(配当)
②キャピタルゲイン(株価上昇)
インカムゲインというのは、配当金をもらうことを目的にした投資です。
この場合は、なるべく高い配当金がもらえる「高配当株」を買います。
一方、キャピタルゲインというのは、株価の値上がりによる利益を得ることを目的にした投資です。
この場合は、なるべく株価が上昇する株を買います。
安定的な株価上昇を狙う人は「インデックス(=市場の平均点を示す指数)」に連動した値動きをする株を買います。
➀インカムゲイン(配当)が目的の場合
=高配当株投資
=配当利回りが高い株式を選び、なるべく多い配当金の受け取りを目指す投資
②キャピタルゲイン(株価上昇)が目的の場合
=インデックス投資
=市場の平均点を示す指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資
このように、目的によって買うETFが変わるのが普通です。
しかし、米国高配当株のひとつと言われている「VYM」は、その目的がちょっとあいまいです。

たしかに高配当株っぽいけど、とはいえ他の高配当株と比べると配当多くないし…えっとどっちが目的?
と思わせる動きをするのが米国高配当株「VTM」なのです。
キャピタルゲインの比較 VTMとVOOとSPYD
以下の3本でキャピタルゲインの比較をしてみましょう。
➀米国高配当株「VTM」
②「VTM」と同じ人気の米国高配当株「SPYD」
③「VTM」と同じVanguard(バンガード)社が運営するインデックスETF「VOO」(S&P500連動)

米国高配当株「VTM」は、高配当株なのにキャピタルゲインがある=株価の上昇が大きいETFであることが分かります。

株価の上昇が大きいのはすごくよいことだけど、本当に「高配当株」なのか?っていうとちょっと微妙で、正確には「高配当株とインデックス株の間」みたいな立ち位置なんです。
VYMは、他の高配当株ETFと比べると、投資目的があいまいです。
これが、「高配当株投資がしたい」人にVYMはおすすめしないと言われる理由のひとつです。
Vanguard(バンガード)社が運営するインデックスETF「VOO」と概要を比べてみると、目的が違う割にはとても似ています。
VYM | VOO | |
運営会社 | Vanguard(バンガード) | Vanguard(バンガード) |
設定日 | 2006年11月16日 | 2010年9月9日 |
投資対象 | 米国の高配当株 | 米国の代表企業500社 |
構成銘柄数 | 約400社 | 約500社 |
ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド指数 | S&P500指数 |
1年トータルリターン | 20.50% | 14.28% |
経費率 | 0.06% | 0.03% |

構成銘柄数も高配当株にしては多いし、1年のトータルリターンも高い!笑 もはやインデックス株なのかも…と錯覚しますね。笑
理由② VYMは配当利回りが低いのでおすすめしない
おすすめしない理由のふたつめは、「VYMは配当利回りが低いのでおすすめしない」です。

えーーー。高配当株EFTなのに、配当利回りが低いってどうゆうこと?
と思われるかもしれません。

びっくりするぐらい配当利回りが悪いわけではないのだけど、ちょっと高配当株EFTとしては…うーん…。笑
2021年のVYMの分配金を以下の通りです。VYMは、年に4回(3月、6月、9月、12月)分配金がもらえます。
VYMの分配金 (2021年)
21/12/21 | 0.93860% |
21/09/21 | 0.74880% |
21/06/22 | 0.75230% |
21/03/23 | 0.65640% |
合計 | 3.09610% |
VYMは1年間の合計で言うと、ぎりぎり3%です。
一般的に高配当株ETFは、3%以上のものを指すことが多いので、ぎりぎりのラインであることがわかります。

他の高配当株ETFと比べると、低めですね。やっぱり。税金をひいちゃうと2%とかになってしまうので、ちょっと微妙?と考える人も多いかも。
人気のアメリカ高配当株ETFと言えば、VYM、HDV、SPYDが有名です。
これらの配当利回りなどの概要を比較してみましょう。
配当利回りの比較 VTMとHDVとSPYD
VYM | HDV | SPYD | |
配当利回り(2021年) | 3.38% | 4.00% | 4.70% |
経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
銘柄数 | 約400 | 75 | 80 |
構成銘柄の特徴 | 銘柄数が多い | 銘柄の健全性に注目 | 均等配分で構成 |

こう見てもVYMだけちょっと異質なんですよね。そもそも構成銘柄がとても多いので、それだけ大きく分散されるのはあたりまえです。そうなると配当利回りも下がっちゃってあたりまえ。その代わり他の高配当株ETFと比べると、リスクは低そうです。
こう考えると、高配当を狙いたい人が買うには、ちょっと物足りない可能性が高いです。
これが、「高配当株投資がしたい」人にVYMはおすすめしないと言われる理由のひとつです。
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理由③ VYMはキャピタルゲインが中途半端なのでおすすめしない

配当利回りが悪いのはしょうがないとして、株価の値上がりがすごいなら、もう
それでもいいんじゃない?

うーん…。あんまり目的がぶれぶれになるのはおすすめしないけど…でも、キャピタルゲインだけを考えるのであれば、もうキャピタルゲイン狙いのETFのほうがいい気がするよね~。
そうなんです。
株価の上昇を狙うなら、VOO(S&P500連動インデックスETF)やVTI(CRSP米国総合指数連動インデックスETF)のほうが大きく上がるのです。


おまけにコロナの大暴落の時、VYMがいちばん低くまでさがっとるやん…。泣 二兎追う者は一兎も得ず。という言葉が頭の中ででんぐりがえししてます。。。
VTIは、株価の上昇はそこそこ、配当利回りもそこそこ、暴落時はちゃんと下がる。…こんな風に、ちょっとあいまいで、そこそこなETFなのです。
一般的には米国高配当ETFの仲間とされるVYM。
ここまで見てみると、「米国高配当ETF」に括られるのはちょっと微妙な気がしてきました。
でも、ちょっと待った。
配当利回りが目的の場合はあまりおすすめしないVYMですが、おすすめの人ももちろんいます。
ここからは、VYMについてもっと深く知り、おすすめの人を整理してみましょう。
VYMとは?
VYMは、世界最大級の運用会社バンガードが運営する米国の高配当ETFです。
VYMの歴史は古く、2006年に設立されています。
他の人気高配当ETFのHDVは2011年、SPYDは2015年に設立されているので、それらに比べると歴史が長いETFです。
VTMの推移を見てみると、アクシデントに強いことが分かります。


リーマンショック後、コロナ後の両方とも、きちんと元値に戻してきているのがスゴイですよね。
特徴
・高配当銘柄の中ではかなり銘柄数が多い(400社以上)
・銘柄上位10社で20%以上を占める(時価総額加重平均型)
・経費率が激安(0.06%)
・配当金が年4回もらえる
構成銘柄
構成銘柄は多く400社以上、銘柄上位10社で20%以上を占める時価総額加重平均型です。
また、ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)は59年連続増配、プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)は65年連続増配と、かなり老舗の安定起業が名を連ねていることがわかります。
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー 3.29%
ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J) 3.19%
ホーム・デポ 3.13%
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) 2.79%
ファイザー 2.34%
バンク・オブ・アメリカ 2.27%
シスコシステムズ 1.90%
ブロードコム 1.88%
エクソンモービル1.84%
ペプシ 1.70%
引用:ブルームバーグ https://www.bloomberg.co.jp/quote/VYM:US

成熟した割安株が多いので、急成長はないにしても、リスクに強いという強みはありますよね。
競合するHDVやSPYDの構成銘柄は、そもそも銘柄数が100以下と分散が小さく、また、それぞれセクターが偏りがちなので、これだけ多くのセクターに分散している高配当株は珍しいと言えるでしょう。
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VYMがおすすめの人はいるのか?
アメリカの高配当株ETFとしては、VYMは目的があいまいでおすすめしにくいですが、普通のETFとして考えてみると、なかなか個性的でおもしろく、メリットも多いETFです。
そして、おすすめできるケースもたくさんあります。
おすすめ① VYMは長期的にリスクを減らしたい人におすすめ
VYMがおすすめできるのは、長期的にリスクを減らしたい人です。
VYMはアメリカの高配当株ETFとしては、配当利回りがいまいちですし、インデックスETFとしてはキャピタルゲインがいまいちです。
しかし、長期的にみると、リスクに強いことが分かります。

なんだかんだでちゃんと毎年増配しているし、コロナショックからも立ち上がってるスゴイETFなんです。
人気の米国高配当株ETFであるVYM、HDV、SPYDの中では、VYMの暴落からの回復は目を見張るものでした。

5年後、10年後など長期的に見た時にリスクを減らしつつ利益を得たい人の選択肢のひとつとしては、おすすめできます。
おすすめ② VYMはキャピタルとインカムを同時に得たい人におすすめ
VYMがおすすめできるのは、キャピタルゲインとインカムゲインを同時に得たい人です。

いろんなETFや投資信託を組み合わせるのがめんどくさい。もうあんまり株のことを考えたくない…。
そんな人にとってVYMは、投資する銘柄を増やさなくても約400社に分散投資でき、配当もそこそこもらえ、株価もそこそこ上昇する、「そこそこ銘柄詰め合わせボックス」みたいな役割をしてくれます。
本当は自分で銘柄を調べて投資するのが理想ですが、それができない人にとっては、選択肢の一つとなり得るでしょう。
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まとめ ~VYMをおすすめしない理由~
アメリカの高配当株として、ETF「VYM」を買うのはおすすめではありません。
その理由は以下の3つです。
理由① VYMは投資目的があいまいだからおすすめしない
理由② VYMは配当利回りが低いのでおすすめしない
理由③ VYMはキャピタルゲインが中途半端なのでおすすめしない
VYMは高配当株ETFとインデックス連動ETFのちょうど真ん中に位置するETFなので、配当を期待するのか、株価の値上がりを期待するのか、投資している間に目的があいまいになりがちです。
実際に高配当株ETFの中に入れば、配当利回りは悪く、またインデックス連動型ETFの中に入ればキャピタルゲインがあいまいなので、特徴がないようにみえることもあります。
一方で、VYMは高配当株ETFとインデックス連動ETFのちょうど真ん中であるという強みもあります。
VYMを購入するだけでキャピタルゲインとインカムゲインを同時に得られる可能性がありますし、大暴落の時に回復しやすいことも見えてきました。(実際にリーマンショックやコロナショック時の回復はスゴイ)
おすすめ① VYMは長期的にリスクを減らしたい人におすすめ
おすすめ② VYMはキャピタルゲインとインカムゲインを同時に得たい人におすすめ
参考にしてみてね。
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