
老後が不安だから、iDeCoはじめようとしているんだけど…
なぜか「iDeCoはやめとけ!」「iDeCoはやばいよ」って言われます。
それってなんで?
と疑問をお持ちの方、いませんか?
たしかに「iDeCo(イデコ)はやめとけ!」といわれがち…。というのも、iDeCo(イデコ)は、わたしたちの老後に関わる制度。
同じ節税効果のある制度「NISA」に比べると、不透明なことが多くて、複雑です。
また、ひとりひとり状況が違うので、個人のメリットやデメリットを明確にするのが難しい…。
その割に一度はじめたら辞められないのも、ハードルをあげてしまう理由!
実際にわたしもいろいろ検討した結果、今のところは、以下の選択をしています。(あくまで「今のところ」です)
・NISAはやる
・iDeCoはやらない
iDeCo(イデコ)は、どーしても、メリットを大きく感じる人と、感じにくい人がいますよね。
今回は
・iDeCo(イデコ)とは?
・iDeCo(イデコ)はやめとけ!と言われる理由と5つのデメリット
・iDeCo(イデコ)の加入をおすすめする人はこんな人
・枝豆がiDeCo(イデコ)の加入をしていない理由
についてまとめてみたいと思います。
iDeCo(イデコ)とは?(概要)
iDeCo(イデコ)は、公的年金にプラスして給付を受けることができる、「私的年金制度」のひとつです。
加入の申し込みも、掛金をいくらにするかも、その掛金をどうやって運用するかも、すべて自分で決めることができます。
iDeCo(イデコ)
=個人型確定拠出年金
=私的年金制度のひとつ
令和3年10月時点での加入者数は、約221万人。ここ数年の新規加入者数は、40万人/年程度です。


思ったよりも順調に増えている印象!企業型確定拠出年金に入っていた人が退職するときに、企業からすすめられることもあるみたいです。なるほど~。
背景~なぜiDeCoができたのか?~
企業に勤めるサラリーマンの年金をフォローする制度として「企業型確定拠出年金」という制度があります。
でも、それはあくまで企業の「福利厚生」としてのもの。導入義務があるわけではないし、企業側の負担も大きいので、福利厚生が充実している企業に勤める人だけの制度でした。
令和3年10月時点での実施事業主数は38328社、加入者数は746.9万人。
導入件数が多いか少ないかは難しいところですが、企業負担も大きいことから導入の伸び率は鈍化してきていました。
そこで!今後日本の財政が厳しくなることを考え、年金だけに頼る人が少なくなるように、個人型の確定拠出年金、iDeCo(イデコ)が生まれました。
そもそも確定拠出型年金とは?

そもそも漢字が難しいんだけど…「確定拠出型年金」ってなに?
そう、すごく難しい漢字なので、難しく見えてしまうのですが、実は難しいのは漢字だけ。笑
拠出とは、お金を出すことを言います。
拠出
=お金を出すこと
確定拠出型年金とは、出すお金の額を最初に確定させて、それを継続的に運用していくタイプの年金のこと。
確定拠出型年金
=毎月の入金額(=拠出額)を最初に確定させて、運用していくタイプの年金
単純に毎月同じ額を入金して運用していく、安定的な年金のことを指しています。
確定拠出型年金の種類
確定拠出型年金には、2種類あります。
企業がお金をだし、そこに個人が任意で追加の掛金をのせて運用できる「企業型DC」。
そして、今回のテーマ、完全に個人で掛金を決めて運用する「iDeCo(イデコ)」です。
①企業型確定拠出型年金=企業型DC
=企業の福利厚生のひとつ。企業と個人がお金を出し合う。
=企業が出すお金は全額非課税+福利厚生費として全額損金にできる
=個人が出すお金は全額所得控除できる
②個人型確定拠出型年金=iDeCo
=個人で加入を決めて、お金を出す。
=個人が出すお金は全額所得控除できる
iDeCo(イデコ)は、毎月の掛金を自分で決めて、自分自身で積立をして運用し、60歳以降の受け取り方も自分で選択します。
特徴① 毎月の掛け金を自分で決める
特徴② 自分自身で積み立てて運用する
特徴③ 60歳以降の受け取り方法を自分で選択する

勤め先に企業型DCの制度がない人は、個人で入ることができるiDeCo(イデコ)で安心する方もいらっしゃるかもしれません。まずはiDeCo(イデコ)のメリットから見ていきましょう。
iDeCo(イデコ)のメリット
iDeCo(イデコ)を利用しても、個人で資産運用をしても、自分で責任を持ってお金を運用して安定的に増やしていくという意味では同じです。
しかし、iDeCo(イデコ)は国が応援してくれる制度なので、一定の「節税効果」が期待できます。
掛金を入金する「入金時」、掛金を運用していく「運用時」、老後に運用したお金を取り出す「出金時」の3段階に分けて、「節税効果」を見ていきましょう。
メリット① 入金時:掛け金は全額所得控除
iDeCo(イデコ)で入金した掛金は、全額所得控除が受けられます。
所得控除
=所得の合計金額から一定の金額を差し引くこと
=所得を小さくすることで所得税や住民税が少なくなる
毎年稼いだお金から、iDeCo(イデコ)で入金した掛金の分を差し引いて、所得を小さくすることができます。
所得が小さくなれば、所得に比例して支払わなければならない所得税や住民税が少なくなるので、結果的に節税できます。
メリット② 運用時:運用益は全額非課税
iDeCo(イデコ)で運用した掛金によって得ることができた利息や運用益は、すべて非課税になります。
運用益には通常約20.%の税金がかかります。
例えば、100万円を運用して、10万円の利益がでたらその20%は税金として納めなくてはいけません。
【通常時】
掛金:100万円
運用益:10万円
税金:2万円
【iDeCo(イデコ)】
掛金:100万円
運用益:10万円
税金:0万円
60歳まで運用した分すべての運用益が非課税になるので、iDeCo(イデコ)の運用益の節税効果は絶大です。
メリット③ 出金時:受け取り時は一部非課税
iDeCo(イデコ)で運用した掛金を60歳を超えて受け取る時も、一部節税メリットがあります。
60歳を超えた時、以下の3つの受け取り方法から1つを選びます。
①年金(雑所得)として分割して受け取る
②一時金(退職所得)として一度に受け取る
③年金+一時金として受け取る
その際、一定額までは非課税枠があります。
非課税枠は、受け取る時の年齢や公的年金額によって異なります。

実はこの、受け取り時の非課税枠が受け取る時にならないとわからない(メリットがない可能性がある)ことが、「iDeCo(イデコ)はやめとけ!」 と言われる原因のひとつなんですよね。
おまけメリット④ 自己破産しても没収されない
最後にもうひとつ、以外なメリットもご紹介しておきます。
実は、iDeCo(イデコ)で運用中の掛金は、自己破産しても没収されません。
iDeCo(イデコ)は確定拠出年金法という法律の下で運営され、運用中の財産は、税金の滞納処分以外では差し押さえができない「差押禁止財産」に分類されます。
そのため、60歳をすぎたら予定通り支給されます。
差押禁止財産
=生活に欠くことのできない家財道具や、給料および退職金請求権の4分の3のこと。自己破産しても没収することはできない。
参考:確定拠出年金法第32条
給付を受ける権利は、譲り渡し、担保に供し、又は差し押さえることができない。ただし、老齢給付金及び死亡一時金を受ける権利を国税滞納処分(その例による処分を含む。)により差し押さえる場合は、この限りでない。

ここまでがiDeCo(イデコ)のメリットでした。ここまでをみているとメリットが大きな制度に思えますが、実は人によっては、考えてしまうようなデメリットも隠れています。
iDeCo(イデコ)はやめとけ!と言われる理由と3つのデメリット
ここからはiDeCo(イデコ)反対派の間で語られるデメリットも見てみましょう。
デメリット① 節税というよりは、課税の繰り延べである
iDeCo(イデコ)反対派の方が注目しているデメリットの一つ目は、節税効果に対する疑問です。
iDeCo(イデコ)は、
節税というよりは、課税の繰り延べである
(非課税ではなく、実は先送りされているだけ)
という考えが、「iDeCoはやめとけ!」「iDeCoはやばい」とおっしゃる方が多い理由です。
メリットのところでご紹介した、3ステップの節税効果ですが、これらは全てある条件の元でしかメリットがないと言われています。
①入金時:掛け金は全額所得控除
→そもそも住宅ローン控除などの税額控除を受けていて、納税額が0円になる人、所得が低くて納税額が少ない人はあまり関係がない
→納付する税金が多い人ほどお得になる
② 運用時:運用益は全額非課税
③ 出金時:受け取り時は一部非課税
→運用益は全額非課税でも、受け取り時には非課税枠を超えた分は全て課税対象
→受け取り時には自分で積み立てた元本(利益以外)も課税の対象になってしまう(株式投資や投資信託なら、普通は利益分しか課税されない)
→非課税枠内に年金収入とiDeCoの受取額が収まる人はそれほど多くない
判断が難しい理由はかんたんです。
正式な非課税枠は、以下の情報が確定しないと出せないからです。
①いつ年金をもらうか?(65歳未満 OR 65歳以上)
②受け取る年金額はいくらか?(年金をもらう時までの年金加入実績によって変動)
正式な非課税枠は、企業年金連合会のホームページに掲載されている「公的年金等控除」で確認することができます。

またこの中の「受け取る年金額(A)」は、年金を受け取るときにならないと割り出せませんが、毎年はがきで届く「ねんきん定期便」に書かれた「これまでの加入実績に応じた年金額」から現状の金額を確認することはできます。


ただ、「これまでの加入実績に応じた年金額」でだすと、非課税枠内に年金額もiDeCo(イデコ)の受取額も収まらず、私の場合はiDeCo(イデコ)の節税効果は今のところ少なそうです。実際の年金額で確認しないと意味ないけどね…。
デメリット② やめられない!原則60歳まで資金が拘束される
上記のように、非課税枠が使えるかどうかわからないにも関わらず、iDeCo(イデコ)は60歳まで解約できません。
積み立てたお金は60歳になるまで戻ってきません。
どうしても金銭的に積立を続けるのが困難な場合は、新規の積立を止めることはできます。その場合は、iDeCo(イデコ)口座がある金融機関に「加入者資格喪失届」を提出します。
積立を一時停止している間は、これまでの拠出金の運用指示だけを行う「運用指示者」に変更されます。

メリットがわからないのに原則60歳まで資金が拘束されるというのが…ちょっと心配になりますね…。
デメリット③ 手数料がかかる!手数料負けや元本割れリスクあり
iDeCo(イデコ)は、手数料がかかります。
そのため、手数料負けや元本割れリスクもあります。また、途中で積立を辞めたとしても月々66円はかかりますので、運用方法をきちんと考えないと上手くいきません。
加入時手数料:2,829円(初回のみ)
運用時:171円/月 ※ 積立を行う場合
運用時:66円/月 ※積立を行わない場合
運営管理手数料:証券会社による
移行時:4,400円(退職や転職等)
受取時:440円(振込の都度)
iDeCo(イデコ)の加入がおすすめの人
iDeCo(イデコ)にはメリットもデメリットもありますので、自分の年金計画を建てる上で、加入が必要かどうか、じっくり検討することが必要です。
おすすめ① 資金に余裕がある人
iDeCo(イデコ)の加入がおすすめの人は、資金に余裕がある人です。
無理して将来の年金づくりをして、現在やりたいことを我慢するのは微妙かもしれません。若い時しかできないことを今するという選択も重要です。
入金時の節税効果はありますが、そもそも支払うべき税金が多くない場合、住宅ローンを組んでいる場合は、あまりメリットがないかもしれません。

「iDeCoはやめとけ!」「iDeCoはやばい」とおっしゃる方の真意は、やはり今現在の資金で精いっぱいなのに、将来にお金を先送りすることを心配されているケースが多そうですね。
おすすめ② 高年収の人
iDeCo(イデコ)は、基本的に高収入の人のほうがメリットが大きな制度です。
現状不明な点もありますが、高年収の人は節税効果が大きく、かなりメリットが大きい制度として着地する可能性が高くなります。
逆に低年収の場合、節税効果がどのくらいになるのかは不明な部分も大きいと考える人が多そうです。
おすすめ③ 将来の資産形成への優先度が高い人
iDeCo(イデコ)の加入がおすすめの人は、今現在よりも将来の資産形成のほうが優先度が高い人です。
今現在やりたいことよりか、将来の年金のほうが心配な人はiDeCo(イデコ)はその心配を解決してくれる可能性があります。
iDeCo(イデコ)のよくある質問Q&A
ここからは、iDeCo(イデコ)のよくある質問について整理してみたいと思います。
質問① iDeCoとNISAはどっちがおすすめ?
iDeCoとNISAは全く目的が違う投資方法です。
iDeCo:個人で毎月お金を拠出する年金制度
NISA:長期安定投資のための非課税制度
どちらも運用して得られた利益が非課税になるという意味では共通していますが、NISAは特に老後を意識した制度ではなく、5年から20年程度を見据えて運用するための制度です。(使用する必要がなければ、そのまま長期運用が理想です。)
ロールオーバーなどの延長制度もありますが、年金を目的とするiDeCoとはそもそも目的が異なります。
通常の公的年金以外に個人年金の準備をしたい方はiDeCoがおすすめで、5~20年の長期運用投資が目的の場合はNISAがおすすめです。
質問② 企業型DC加入済みの場合、iDeCoはいらない?
勤め先である企業が企業年金規約で企業型DCとiDeCoの併用を認めていれば、企業型DC加入済みでも、個人型確定拠出年金(iDeCo)に入ることができます。
しかし、認めていない場合は、そもそも加入ができません。
今後ますます少子化が進み、年金制度に不安があることから、制度の改正も進んでいます。
2022年10月1日からは、企業型DC加入者のiDeCo加入の要件が緩和され、規約の定めがなくても、iDeCoに原則加入できるようになる予定です。そうなると、すべての会社員がiDeCoに加入できるようになります。
【2022年10月1日以降のルール】
①すべての会社員がiDeCoに加入できる
②企業型DC加入者がiDeCoと併用する場合の掛金の上限は、月2万円
③企業型DC加入者は、企業型DCに個人で掛金を上乗せする「マッチング拠出」か、企業型DCとは別にiDeCoに加入するかを選択できるようになる
国としては、個人が老後資金を自分で準備できるようにサポートする制度をどんどんすすめているので、もしかしたら今後もう少しお得になるかもしれません。
これからの制度改正にも注意したいところです。
枝豆がiDeCo(イデコ)の加入をしていない理由
わたしは、今後はまだわかりませんが、現状、iDeCo(イデコ)の加入はしていません。
その理由としては、2つあります。
①すでに企業型DCには加入済みである(事業主掛金:24,000円/月のみ)
②個人年金代わりの資産をすでに積立積みである
【企業型DCの運用実績】
資産残高:3,222,336円
拠出金累計:2,544,000円
損益:678,336円
損益率:26.7%
運用利回り:5.4%
将来の年金はもちろん大事ですが、今しかできないことに使うお金もとても大事なので、今のところは将来のためのお金は上記2点で準備し、他は今現在に投資していく予定です。
しかし、国がiDeCo(イデコ)に力を入れて、制度改善を積極的に行っていると感じているので、またお得なことが増えたり、自分の状況が変わったら、今後加入する可能性もあると思います。

ルールが変わって心配な点が減ると、「iDeCoはやめとけ!」「iDeCoはやばい」とおっしゃる方も減ってくるかもしれませんね。
まとめ ~iDeCoはやめとけと言われる理由~
今回は、iDeCo(イデコ)について、まとめてみました。
iDeCo(イデコ)は、私的年金制度のひとつで、今国がとても力をいれて発展させている制度です。
しかし、さまざまな理由から「iDeCoはやめとけ!」「iDeCoはやばい」とおっしゃる方がいることも事実です。
iDeCo(イデコ)はやめとけ!と言われる理由は以下のとおり。
デメリット① 節税というよりは、課税の繰り延べである
デメリット② やめられない!原則60歳まで資金が拘束される
デメリット③ 手数料がかかる!手数料負けや元本割れリスクあり
iDeCo(イデコ)は、運用中は課税されないものの、将来的には非課税枠に収まらず、非課税のメリットがあまりない可能性があります。
また、一度はじめてしまうと60歳までやめられないことから、警戒する方も多くなっています。
積立をやめることはできますが、運用はやめられないので、積立をやめたとしても手数料はかかり続けます。
若いうちから老後の年金の準備をしておくことは大事なことですが、そのために今を犠牲にするのはあまりよい選択とは言えません。
自分が大事なことをもう一度振り返り、自分にとって後悔のないお金の使い方を考えてみてくださいね。
参考になればうれしいです。
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