
NISA枠で、S&P500に連動する投資信託を買いたい!
「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、どっちがいい?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim」の違い
・「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim」のどっちがおすすめ?
・筆者は「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim」のどっちを買った?
来年からはじまる新NISA。
マネックス証券の「NISA月間売れ筋ランキング」を見ると、S&P500連動型のインデックスファンドはとても人気が高く、中でも「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」は、必ずベスト3までにランクインしています。
でも、S&P500に連動している点は一緒だし、どっちを買うべきなのか、気になったことはありませんか?

実は、結構違うんです!
そこで今回は、S&P500連動型の2大インデックスファンド、「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」を徹底比較!
実際に筆者のファンド実績を確認しながら、2つの大人気ファンドの違いを整理してみましょう。
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimの概要(一覧表)
S&P500連動型のインデックスファンド(投資信託)の2大巨頭と言えば、「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」。

S&P500に連動するインデックスファンドと言えば、この2つ!
まずは、SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)の概要の違いを一覧表で比較してみましょう。
SBI・バンガード・S&P500 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | |
---|---|---|
運用会社 | SBI アセットマネジメント | 三菱UFJ アセットマネジメント |
具体的な運用方針 | S&P500に連動する ETFに投資 | S&P500インデックス マザーファンドに投資 |
純資産総額 | 1兆1,613億円 | 2兆7,802億円 |
信託報酬 | 0.0938%程度 | 0.09372%以内 |
実質コスト | 年率0.10% | 年率0.11% |
トータルリターン(1年) | +9.23% | +9.20% |
運用効率 | 100.0% | 99.8% |
運用報告書|SBI・バンガード・S&P500|2022年9月14日現在

ぱっとみは、やっぱりにてる?笑
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimの違い
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimの違いは、以下の通り。
・運用会社の違い
・具体的な運用方針の違い
・純資産総額の違い
・信託報酬の違い
・実質コストの違い
・トータルリターンの違い
・運用効率の違い
・番外編:楽天証券から購入できるのはeMAXIS Slimのみ
ひとつずつ見ていきましょう。
運用会社の違い
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、運用会社が違います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の運用は、三菱UFJアセットマネジメントが行い、またSBI・V・S&P500の運用はSBIアセットマネジメントが行っています。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)→三菱UFJアセットマネジメント
SBI・バンガード・S&P500→SBIアセットマネジメント

SBIだからといって、SBI証券専門の商品ではなく、マネックス証券などの別の証券会社からも購入できます!
具体的な運用方針の違い
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、運用方針や具体的な運用方法が異なります。

似ているのは、両方とも同じ「ファミリーファンド方式」を採用していること!
ファミリーファンド方式
=ベビーファンドを消費者が購入したお金をまとめて、マザーファンドが一緒に運用する方式
=資金をまとめることで、売買コストの削減、運用管理の効率化や規模のメリットが得られる
ベビーファンド
=消費者が直接購入するファンドで、直接運用は行わない
マザーファンド
=ベビーファンドが集めた資金を使って、直接運用する

バレンタインの義理チョコも1つ1つ買うと予算がめちゃくちゃかかるけど、個装のチョコなら安上がりでしょ?笑
でも、同じファミリーファンド方式でも、その投資方法は少し違います。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
→S&P500インデックスマザーファンドに投資
SBI・バンガード・S&P500
→S&P500に連動するETFに投資
マザーファンドに投資するeMAXIS Slim
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、みんなで集めたお金を「S&P500インデックスマザーファンド」に投資します。
そして、「S&P500インデックスマザーファンド」が直接米国株式に投資します。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
↓投資
S&P500インデックスマザーファンド
↓投資
米国株式
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この場合、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)がベビーファンド、「S&P500インデックスマザーファンド」がマザーファンドになります。
S&P500連動ETFに投資するSBIバンガード
一方、SBI・バンガード・S&P500は、S&P500に連動するETFに投資します。
SBI・バンガード・S&P500
↓投資
SBI・バンガード・S&P500インデックスマザーファンド
↓投資
バンガード・S&P500 ETF(VOO)
↓投資
米国株式

SBI・バンガード・S&P500が投資するETFは、「バンガード・S&P500 ETF(VOO)」というバンガード社のETF(VOO)です。

バンガード社と言えば、世界でも有名な資産運用会社のひとつ!インデックスファンドの世界シェアNO.1を誇る有名な会社です。
バンガード社が運用しているETFの一部を挙げてみると…
銘柄名(ティッカー) | 連動指数 | 経費率 |
---|---|---|
バンガード・ S&P500ETF(VOO) | S&P500指数 | 0.03% |
バンガード・ 米国高配当株式ETF(VYM) | FTSEハイディビデンド・ イールド・インデックス | 0.06% |
バンガード・ 米国増配株式ETF(VIG) | NASDAQ USディビデンド・ アチーバーズ・セレクト・ インデックス | 0.06% |
バンガード・トータル・ ワールド・ストックETF(VT) | FTSE グローバル・ オールキャップ・インデックス | 0.09% |

ETFが好きな人なら、みんな知ってる定番の銘柄です。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、マザーファンドが直接米国株式に投資するのに対し、SBI・バンガード・S&P500は、間にETFが入ります。
一見すると、「ETFを経由する分、手数料が増えてしまうのでは…?」と思う人もいるかもしれません。
でも、そこはインデックスファンドの世界シェアNO.1のバンガード社。
普通では考えられないような低コストでの運用が可能です。

場合によっては、マザーファンドが直接株式を買うよりも運用コストを低く抑えられるんだって。
純資産総額の違い
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、純資産総額が異なります。
銘柄名 | 純資産総額 |
---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 2兆7,802億円 |
SBI・バンガード・S&P500 | 1兆1,613億円 |
iFree S&P500インデックス | 1,293億円 |
iシェアーズ 米国株式(S&P500) | 266億円 |

わぁ…1兆とか2兆とか…多すぎてもうよくわかんない…笑
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)に共通するのは、莫大な純資産があることです。

ダントツで純資産総額が大きい2本です。
そういう意味ではどちらを選んでも問題ないぐらい、安定性が高いファンド。
この2本については気にする必要はありませんが、純資産総額が小さすぎるファンドに投資するのはあまりおすすめできません。
なぜなら、もし思ったようにお金が集まらず、純資産総額が伸びていかない場合、投資信託を効率的に運用することが難しくなり、途中で「繰上償還」をされてしまうことがあります。
繰上償還
=決まっていた信託期間が終了する前に、投資信託の運用が終了すること
例えば、2023年の9月には、投資信託「ダイワ・バランス3資産」が繰上償還になりました。

繰上償還のお知らせが出てましたね。「ダイワ・バランス3資産」は、「純資産額が30億円程度を下回った場合は繰上償還」という決まりがあったようです。


あー残念…泣
一般的に「純資産額は最低でも50億円以上のものを選んだほうがよい」と言われますが、それはこの「純資産額が30億円程度を下回ると繰上償還される可能性がある」という暗黙のルールに由来しているようです。

SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)はどっちも全く心配ないですね。
信託報酬の違い
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、信託報酬も微妙に違います。
銘柄名 | 信託報酬 |
---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 0.09372%以内 |
SBI・バンガード・S&P500 | 0.0938%程度 |

くー…微妙すぎる差…笑 でもこれ、定期的に結構変わります。昔はSBI・バンガード・S&P500の方が低かった時期も。そもそも「以内」とか「程度」とか、あいまいだよね…w
信託報酬とは、投資信託を管理・運用してもらうためのコスト(経費)のことを指します。
信託報酬
=投資信託を管理・運用してもらうためのコスト(経費)
=投資信託を持っている間は毎日、基準価額から引かれ続ける
=支払ったお金は、投資信託の販売をする販売会社、管理・運用する信託銀行、運用の指示を出す運用会社などに分配される
その計算式は、以下のとおり。
保有期間中の平均基準価額×信託報酬率×保有日数/365

投資のために販売や管理、運用をしてくれる人たちに払うお給料のようなものです。
信託報酬は、純資産総額が増えれば増えるほど低くなっていく傾向にあります。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合は、以下のようにどんどん下がっていきました。
純資産総額:1兆5000億円→2兆円→2兆5000億円
実質信託報酬(税込・年率):0.09306→0.09290→0.09280

現状は若干、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうが安いですね。
実質コストの違い
実は、投資信託の運用にかかるコストは、信託報酬だけではありません。
信託報酬は、会社でいうところの固定費のようなもので、これ以外に変動費のようなものがかかります。
・監査法人に払われる監査費用
・有価証券の売買時に取引した証券会社への手数料
・海外の保管期間に支払われる費用
・その他、信託事務の処理にかかる諸費用 など
これらも踏まえた実質コスト(総経費率)は、SBI・バンガード・S&P500のほうが若干ですが、抑えられています。
銘柄名 | 実質コスト |
---|---|
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 年率0.11% |
SBI・バンガード・S&P500 | 年率0.10% |
運用報告書|SBI・バンガード・S&P500|2022年9月14日現在

これも時期によって変わってくるため、大体同じくらい…と考えてよさそうです。どちらもかなりの低コストファンドです。
実質コストは別名「隠れコスト」と呼ばれることもあります。
これは、目論見書には載っておらず、日々の運用報告書を見ないとわからないため。

なかなか毎回見るのは難しいけど…運用報告書もチェックしておきたいところですね。
トータルリターンの違い
同じS&P500に連動している投資信託ですが、SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、トータルリターンも微妙に違います。

これも絶対にこっちがいいというわけではなく、時期によって違います。全体的には、1年の短期ではSBI・バンガード・S&P500、3年の長期ではeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)のほうが若干高め…
銘柄名 | 1年 | 2年 | 3年 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | +9.20% | +10.65% | +23.20% |
SBI・バンガード・S&P500 | +9.23% | +10.57% | +23.08% |

めちゃくちゃいい勝負ですね…w
同じS&P500に連動しているはずなのに、なぜSBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、トータルリターンが違うのか…疑問に思うかもしれません。
この差を生んでいる理由のひとつに、運用効率の差があります。

集めたお金をどのくらい運用に回しているか…という点が、どうやら若干違うみたいなの。
銘柄名 | 運用効率 |
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | 99.8% |
SBI・バンガード・S&P500 | 100.0% |
運用報告書|SBI・バンガード・S&P500|2022年9月14日現在
また、対象インデックスとの連動を維持するために、各ファンドはいろいろな対策を打つことがあります。

その対策の方針も、びみょーに違うんです。
eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、先物取引を行うことがあります。
対象インデックスとの連動を維持するため、先物取引等を利用し、株式の実質投資比率が100%を超える場合があります。

eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、「場合によっては、アクティブリスクもとっていこう」っていうある意味、チャレンジャー精神で運用されてます。一方、SBI・バンガード・S&P500は堅実派。先物取引はしていません。
番外編:楽天証券から購入できるのはeMAXIS Slimのみ
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、購入可能な場所も若干違います。
SBI・バンガード・S&P500は楽天証券からは投資できない
SBI・バンガード・S&P500は、楽天証券からは購入することができません。

なので、楽天証券から買いたい場合は、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を選ぶことになりそうです。
SBI証券やマネックス証券では、SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の両方を購入することができます。
どうしてもSBI・バンガード・S&P500が購入したい人は、この機会にSBI証券やマネックス証券でも口座を作ってみるといいかもしれません。
どっちを購入するか迷うなら両方買ってもいい?
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、どちらもかなり優秀なファンドです。
どちらも長期的に持ちやすいファンドですが、とても似ているのは事実。
どっちを購入するか迷うケースも多いかもしれません。
そんな時は、「なんとなく好きな方をまず買ってみて、早く投資を始める」のがおすすめ。
どうしても決められないなら、予算を半分に分けて「両方買ってみる」のもありかもしれません。

結局のところ、どっちでもいいかなと思います。笑 その理由は…
信託報酬や運用コスト、トータルリターンは常に変化する
運用報告書を見るとわかるように、信託報酬や運用コスト、トータルリターンは常に変化しています。

この時期ならこっち、あの時期ならこっちって、最適解が変わるから…おすすめするのもむずい…笑
SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、どちらもコスト、リターン、信頼性、効率性など様々な観点からみて、とても優秀なファンドです。
どちらを選ぶか、長く悩みこんでしまうよりも、投資経験を早く・長くするために今すぐ始めるのがおすすめです。

投資を始めてみないとわからないことはいっぱいあります!慣れてみるとわかることもたくさんあるよ。
筆者の考えは?
ただ、ぶっちゃけ「どっちを購入するか迷うなら両方買ってもいい?」という質問については、正直そんなにおすすめしません。
実はわたしは、SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の両方を持っています。
最初に購入したのは、SBI・バンガード・S&P500。
そして、その1年後ぐらいにeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)を購入しました。

経験したがりなわたし。特に強い理由はなく、何が違うんだろう…?という好奇心から、乗り換えちゃいました。笑
でも…今思うのは、別に乗り換えなくてもいいと思います。
その理由は、単純に管理画面がややこしくなってしまうから。笑
今や、わたしの管理画面はS&P500関連の銘柄だらけ。
NISA口座と特定口座の両方で同じ銘柄を買うと、別の項目として表示されるのもあって(マネックス証券の場合)、結構どれがどれだかわからなくなります。

今わたしが初めて買うとしたら……どっちにしろ、どっちかだけにすると思います。笑
S&P500はETFでも買える?投資信託との違いは?

そうそう、実は、SBI・バンガード・S&P500の投資先になっているETF(上場投資信託)は、個人が直接買うこともできます。
S&P500に連動するETFを個人が直接買うのと、ETFに投資する投資信託(SBI・バンガード・S&P500)を買うのには、以下のような違いがあります。
・経費率が低い
・為替手数料がかかる
・米ドルで購入する(日本円では購入できない)
・リアルタイムで取引できる(好きなタイミングで購入できる)
・自動で再投資することができない(税金が都度かかる)
一つずつ見ていきましょう。
経費率が低い
一般的には、ETFのほうが投資信託より、経費率が低いと言われています。

たしかにそうなんだけど…最近は投資信託の経費率がどんどん下がっているので、あまり違いがなくなってきています。
特にSBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim 米国株式(S&P500)は、かなり経費率が低いことで有名な投資信託なので、その違いは年率にして約0.08%ほど。
確かにETFのほうが経費はかかりませんが、逆にETFにしかかからない費用もあるので、トータルコストを計算すると逆転してしまう可能性もあります。
為替手数料がかかる
投資信託とETFの大きな違いは、購入時に外国株式の口座を開設する必要があるかどうか。
投資信託:外国株式の口座を開設する必要がない、為替手数料がかからない
ETF:外国株式の口座を開設する必要がある、為替手数料がかかる
外国株式の口座を開設する必要があるので、ETFを購入する際は、為替手数料が発生します。
為替の状況によっては、経費率の低いETFでも、投資信託よりトータルコストが大きくなる可能性があります。

ETFはコスト計算が難しくて、最終的な損得は過ぎてみないとわかんないという問題があるんだよね…。
米ドルで購入する(日本円では購入できない)
ETFは、米ドルで購入する必要があります。

米ドルを買うのがめんどくさいという人もいるかもしれないけど、一部の資産を米ドルに換えておくのはリスク管理の面でもとても重要なことです。
例えば、米ドルにあらかじめ変えておくと、円安の時に大きく資産が増える可能性があります。

2022年のレンジ相場の時に、思ったよりも資産が減らなかったと言っていた人は、みんな米ドル資産を持っていた…というのは有名なはなし。わたしもちょっと助かりました…。
リアルタイムで取引できる(好きなタイミングで購入できる)
ETFは、個別株のように好きなタイミングで購入できるというメリットがあります。

これはたしかに、おっきなメリットですよね!!
一方、投資信託は、狙った日時にリアルタイム購入することはできません。
投資信託の価格(基準価格)が決定するのは、1営業日1回だけ。
特に米国株が対象の投資信託の場合は、注文した翌営業日の夜に基準価格が決まるので、注文を出した時と金額が確定する時で値段が変わります。

投資信託は、いくらで買えるかわからないから、諦められるっていうメリットもあるんだけどね。諦めて、無心で積み立てできます。笑
その代わり投資信託は、積立投資などの設定ができる商品が多く、ほったらかし投資に向いています。

短期売買が好きな人は、投資信託よりもETFを好むことが多く、積立投資やほったらかし投資が好きな人は投資信託を好むことが多い気がします。
ETFは、自動積立ができないケースが多く、ほったらかしているうちに爆増していた…といううれしいアクシデントは、起こりにくい仕組み(※)になっています。

(※)ただし!証券会社によっては毎月一定額で株式を購入する「株式累積投資」の対象銘柄にETFを組み込んでいる場合もあるので、ETFが全部積立できないわけではないよ。
自動で再投資することができない(税金が都度かかる)
ETFは、投資信託のように分配金を自動で再投資することができません。

なので自動で複利効果を得にくいという特徴があります。
投資信託であれば、ほったらかしていても、分配金や配当金を巻き込んで再投資してくれます。
そのため、自動で資産が増えやすいというメリットがあります。
また、ETFの場合、分配金や配当金が吐き出されるたびに利益が確定するため、都度税金がかかってしまいます。

自分のタイミングで利益確定ができる投資信託は、資産をまだまだ増やしたい人にとってはとても便利な仕組みです。
ETFと投資信託のどちらでS&P500に投資するかは、自分の目的や状況によって異なります。
S&P500連動型ETFのおすすめは?
S&P500連動型のETFには、たくさんの種類があります。
大きく分けると米国市場に上場している「米国上場ETF」と日本市場に上場している「日本上場ETF」。
S&P500連動型のETFのおすすめは、以下のとおり。
・米国上場ETF「VOO」
・米国上場ETF「SPY」
・米国上場ETF「IVV」
・日本上場ETF「1655」(iシェアーズS&P500)
・日本上場ETF「2558」(MAXIS米国株式)

うわぁ、並べてみるといっぱいあるなぁ…。
ざっと概要を比較すると、こんなかんじ。
米国上場ETFはドル資産を持てるという意味ではおすすめですが、日本上場ETFのほうが少額から買えるので、気軽に手を出しやすいというメリットがあります。
また、米国上場ETFは、為替や二重課税の影響を考慮する必要も。
二重課税
=米国株から得る配当金には日本と米国の両方の税金がかかる
(日本課税20.315%+米国課税10%=30.315%)

うーん…。米ドル資産を持ちたいなら米国上場ETFがおすすめだけど、正直税金は気になるよね…。これは人によってどっちをよしとするか考えが異なりそう…。
ざっと基本スペックを比較すると、以下のとおり。
VOO | SPY | IVV | 1655 | 2558 | |
---|---|---|---|---|---|
信託報酬額 | 0.03% | 0.09% | 0.03% | 0.077% | 0.077% |
純資産総額 (百万円) | ー | ー | ー | 60,920.00 | 41,833.00 |
純資産総額 (百万ドル) | 319,247.92 | 393,766.76 | 341,269.99 | ー | ー |
1年後の 騰落率(%) | 16.56 | 16.49 | 16.58 | 19.81 | 19.75 |
最小 購入代金(円) | 47,359 | 51,303 | 51,535 | 3,633 | 14,450 |
一つずつ見ていきましょう。
米国上場ETF「VOO」とは?
VOOは、経費率が低く、株価も手ごろなので、とても人気があるS&P500連動型のETFです。
世界最大規模の資産運用会社「ザ・バンガード・グループ・インク」が運用しています。
VOO | |
---|---|
信託報酬額 | 0.03% |
純資産総額(百万ドル) | 319,247.92 |
1年後の騰落率(%) | 16.56 |
最小購入代金(円) | 47,359 |

バンガードは、インデックス型投資信託(インデックスファンド)を個人投資家に提供したはじめての会社として有名です。
米国上場ETF「SPY」とは?
SPYは、歴史が古く、純資産額が多い昔からあるS&P500連動型のETFです。
米国国内で2番目に古い歴史を持つ金融機関「ステート・ストリート(State Street Corporation)」が運用しています。
SPY | |
---|---|
信託報酬額 | 0.09% |
純資産総額(百万ドル) | 393,766.76 |
1年後の騰落率(%) | 16.49 |
最小購入代金(円) | 51,303 |

信託報酬額がちょっと高め。「元祖」というイメージが強く、昔から買っている人が多いのかも?
米国上場ETF「IVV」とは?
IVVは、経費率が低く、トータルリターンも安定しているS&P500連動型のETFです。
世界最大の資産運用会社「ブラックロック(BlackRock Inc.)」が運用しています。
IVV | |
---|---|
信託報酬額 | 0.03% |
純資産総額(百万ドル) | 341,269.99 |
1年後の騰落率(%) | 16.58 |
最小購入代金(円) | 51,535 |

経費率も0.03%とVOOに並ぶ低水準!ちょっと最小購入代金が大きいけど、気にならない人はIVVもおすすめです。
日本上場ETF「1655」(iシェアーズS&P500)とは?
1655は、上場日が2020年1月ととても新しいS&P500連動型のETFです。
つい先日、信託報酬が0.095%から0.077%に下がり、最小購入代金もかなり小さいので、一気に人気の商品になりました。
日本上場ETFなので、二重課税も自動調整され、効率的に投資ができます。

新しいS&P500連動型のETFの選択肢のひとつとして注目されています。
1655 | |
---|---|
信託報酬額 | 0.077% |
純資産総額(百万ドル) | 60,920.00 |
1年後の騰落率(%) | 19.81 |
最小購入代金(円) | 3,633 |

日本上場のETFを、今(2023年11月)買うなら私なら1655を選ぶかな…
ただし、心配なのが「iシェアーズETF東証シリーズ」は、よく信託終了(上場廃止)となることが多いこと…。
1581 iシェアーズ 先進国株ETF-JDR(MSCIコクサイ)
1582 iシェアーズ エマージング株ETF-JDR(MSCIエマージングIMI)
1583 iシェアーズ フロンティア株ETF-JDR(MSCIフロンティア100)
1587 iシェアーズ 米国超大型株ETF-JDR(S&P100)
1588 iシェアーズ 米国小型株ETF-JDR(ラッセル 2000)
1589 iシェアーズ 米国高配当株ETF-JDR(モーニングスター配当フォーカス)
1590 iシェアーズ 米国リート・不動産株ETF-JDR(ダウ・ジョーンズ米国不動産)
1361 iシェアーズ 米国ハイイールド債券ETF-JDR(iBoxx ドル建て LHYC)
1362 iシェアーズ 新興国債券ETF-JDR(自国通貨建)
1363 iシェアーズ 米国債ETF-JDR(米7-10年国債)

めっちゃ上場廃止してるww…まぁ、乗り換えればよいと言えばよいのだけど…
日本上場ETF「2558」(MAXIS米国株式)とは?
上場廃止が心配な方は、やっぱり王道の「2558」を選ぶのもおすすめ。
2558はマザーファンドが「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と同じということもあり、安定感があります。
1655 | |
---|---|
信託報酬額 | 0.077% |
純資産総額(百万ドル) | 41,833.00 |
1年後の騰落率(%) | 19.75 |
最小購入代金(円) | 14,450 |

安定も捨てがたい…笑
結論:結局おすすめなのは?
S&P500に連動する資産を持ちたい場合、結局どれがおすすめなのでしょうか?
重要なのは経費率と効率性、そしてトータルリターンです。
その重要な点は、正直「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に大きな違いはありません。

運用報告資料を見ると、経費率や投資割合、トータルリターンは時期によって異なるので、絶対にこっちのほうがいいというのはなさそう…。
投資信託で買うか、ETFで買うかは個々の価値観や目的によって変わってくる可能性があるものの、投資信託の「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」に関しては、もう好みの問題と言わざるを得ません。
ざっくり整理してみると…
SBI・バンガード・S&P500がおすすめなのはこんな人
バンガード社の方針が好きな人
先物取引を混ぜた運用に反対な人(堅実派の人)
長期的に資産を増やすことに集中したい人(分配金は自動で再投資)
eMAXIS Slimがおすすめなのはこんな人
楽天証券から購入したい人(楽天証券からはSBI・バンガード・S&P500は購入不可)
先物取引を混ぜた運用に賛成な人(チャレンジャー派の人)
長期的に資産を増やすことに集中したい人(分配金は自動で再投資)
S&P500連動型ETFがおすすめなのはこんな人
株価の上下を見ながら、リアルタイムに売買したい人
短期的に利益を得たい人(分配金は都度振り出される+税金がかかる)
筆者はSBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimのどっちを買った?
「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」について、筆者の枝豆はどんな選択をしているのでしょうか?
整理してみていきます。
・実は…投資信託は両方持ってます!
・S&P500連動型ETFを買わない理由
・考察検証:運用実績を徹底比較!
・考察結果:とにかく長期投資することが重要
実は…投資信託は両方持ってます!
実は、「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」、両方持っています。
でも、そんなに深い意味はなく、実験的に両方持ってみたかっただけ。笑

ほんとに違いが気になって、体感してみたかっただけ。
初回購入月は、SBI・バンガード・S&P500が2020年10月、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)が 2021年7月です。
最初は、SBI・バンガード・S&P500だけ少額の積立投資をしていましたが、途中でeMAXIS Slim米国株式(S&P500)に積立銘柄を切り替えました。

確か経費率とかを確認して、当時はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)のほうがいいかも…と思ったんだよね。
その後はSBI・バンガード・S&P500は、完全放置。eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は積立を今も継続しています。
S&P500連動型ETFを買わない理由
私は、S&P500連動型ETFは現状購入していません。

興味がないわけではないけど…
買わない理由はいろいろありますが、「投資信託の方がほったらかしができるから好き」という根本的な理由が大きいです。
ETFはリアルタイムで買えるため、どうしてもタイミングを狙いたくなりがちです。
また、分配金の再投資や積立などを完全に自動化するのが難しいので、普段の生活が忙しくなると、どうしても投資効率が悪くなります。

私の場合、サラリーマンの仕事や普段の生活が忙しくなると、どうしても投資のことを考える余裕がなくなってしまって、あとから…あーーーもうちょっとちゃんと見ておけばよかった!!って後悔するんですよね…
その点、投資信託は積立も分配金の再投資も全部自動化できます。

投資が唯一の趣味でいつも投資のことばっかり考えている…みたいな方の場合は、ETFももちろん管理できると思うのですが、私の場合はサラリーマンを卒業してからじゃないと、完全管理は難しそう…
なので、いったんは投資信託のみを積立で買い付けるほうが都合が良いのです。

ただ、ETFも興味はあるので、一気に下落したタイミングとかに立ち会うことができたら、スポット購入してみる可能性はあります。
私のようにほったらかし投資のほうがよいというずぼらな方や、仕事や家事・育児で忙しくなりがちな会社員や主婦の方は、まずは投資信託を積立設定してみるのがおすすめです。
考察検証:わたしの運用実績を徹底比較!
それではこれまでの「SBI・バンガード・S&P500」と「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」の入金額とどれくらい増えたのか、実績を公開します!

あらためて振り返ると、おもしろいことがわかったよ!
これから買う人の参考になればうれしい!
SBI・バンガード・S&P500の評価損益&評価損益率
まず、これまでの資産推移のグラフをみてみましょう。

そしてこれが、これまでの入金時期と入金額のすべてです。
総額で、548万円を入金していることがわかりました。
入金時期 | 入金種類 | 入金額 |
---|---|---|
2020年10月 | 積立 | 1万円 |
2020年11月 | 積立 | 1万円 |
2020年12月 | 積立 | 1万円 |
2021年1月 | 積立 | 5万円 |
2021年2月 | スポット | 500万円 |
2021年3月 | 積立 | 5万円 |
2021年4月 | 積立 | 5万円 |
2021年5月 | 積立 | 5万円 |
2021年6月 | 積立 | 5万円 |
2021年7月 | スポット | 20万円 |

2021年2月に急に上昇相場に気が付いて、500万円を投入!われながら、あわててます。笑
そして、これが今現在の評価損益と評価損益率です。
SBI・バンガード・S&P500
2023年11月現在の評価損益: +3,426,305
2023年11月現在の評価損益率: +61.95%

やったー!増えてるねぇ~~
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)の評価損益&評価損益率
一方、こちらがeMAXIS Slim米国株式の資産推移のグラフです。
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途中でSBI・バンガード・S&P500の積立設定を解除し、eMAXIS Slim米国株式に変更しています。その時期は、2021年9月です。
総額で、1,380万円になりました。
日時 | 入金種類 | 入金額 |
---|---|---|
2021年7月 | スポット | 800万円 |
2021年9月 | 積立 | 20万円 |
2021年10月 | 積立 | 10万円 |
2021年11月 | 積立 | 10万円 |
2021年12月 | スポット | 10万円 |
2022年1月 | 積立 | 10万円 |
2022年2月 | 積立 | 10万円 |
2022年3月 | 積立 | 10万円 |
2022年4月 | 積立 | 10万円 |
2022年5月 | 積立 | 10万円 |
2022年6月 | 積立 | 10万円 |
2022年7月 | 積立 | 10万円 |
2022年8月 | 積立 | 10万円 |
2022年9月 | 積立 | 10万円 |
2022年10月 | 積立 | 10万円 |
2022年11月 | 積立 | 10万円 |
2022年12月 | 積立 | 10万円 |
2023年1月 | 積立 | 10万円 |
2023年2月 | 積立 | 10万円 |
2023年3月 | 積立 | 10万円 |
2023年4月 | 積立 | 10万円 |
2023年5月 | 積立 | 10万円 |
2023年6月 | 積立 | 10万円 |
2023年7月 | 積立 | 10万円 |
2023年8月 | 積立 | 10万円 |
2023年9月 | 積立 | 10万円 |
2023年10月 | 積立 | 10万円 |
2023年10月 | スポット | 130万円 |

2021年7月に急に800万円を入金してるのは、住宅ローンを先に返そうと思ってとっていた現金を先に投資に回す決意をしたため。コロナ以後の相場の急成長にびっくりして、一気に投資に振り切ったんです。少しは間に合ったけど、もうちょっと早く気が付けばなぁ…w
そして、以下が評価損益と評価損益率です。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
2023年11月現在の評価損益: +3,987,058
2023年11月現在の評価損益率: +32.41%

着実に増えてるけど、ちょっとタイミングを逃した感あるなぁ…。
考察結果:とにかく市場に参加し続けることが重要
投資期間が1年しか変わらない&投入合計額が大きく違うわりには、評価損益率にかなりの違いが出てしまった、わたしのSBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slim米国株式(S&P500)。
SBI・バンガード・S&P500
2023年11月現在の評価損益: +3,426,305
2023年11月現在の評価損益率: +61.95%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)
2023年11月現在の評価損益: +3,987,058
2023年11月現在の評価損益率: +32.41%
この違いを分けるのは、コロナ後の上昇相場にちゃんと参加できたかどうかです。
SBI・バンガード・S&P500は、2020年の10月から購入できているので、多少出遅れたとはいえ、コロナ後の上昇相場にいちお参加できています。
一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は、ほとんどコロナ後の上昇相場は終わり、2023年の再度上昇相場が来るタイミングまでは、ヨコヨコしてしまっています。


eMAXIS Slim米国株式(S&P500)は途中から慌てて800万円も投資してるけど、こうやってみてみると、もうほとんど上昇相場が終わったタイミングで買ってるんですよね。
ちゃんと再上昇前に買ってはいるので、高値掴みというほどではないけど…、市場にいなかったために、かなりチャンスを逃しています。
これを見て思うのは、やっぱり投資は細かいことよりも、市場に参加し続けることが大事だということ。
ちゃんと参加し続けることができていれば、またいつかくる上昇相場に最初から参加することができるのです。

これからも早め早めで入金していこ。
まとめ:SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimどっちがいい?
結局のところ、SBI・バンガード・S&P500とeMAXIS Slimどっちがいいかは、そんなに大きな問題ではなく、とにかく早く市場に参加すること、そして長期的に投資していくことが大事であることがわかりました。

今、どっちを買うか考えていて、考え始めてから1か月以上たってしまった方!
もしかしたら、次の上層相場、乗り遅れちゃうかもよ?!
投資はとても難しいけど、わたしは、「とにかく市場に参加しよう!」という低い目標から資産を増やすことに成功しています。
わたしのように難しく考えすぎずに、まずは慣れることからはじめるのがおすすめです。
それでは今日も、まめまめしい一日を。
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