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タカ派・ハト派とは?投資に役立つ金融ワードの意味を大解説

株式投資
新人投資家
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金融ニュースに出てくる、「タカ派」「ハト派」ってどういう意味ですか?

今回は、こんな疑問にお答えします。

▼本記事の内容
・政治界の「タカ派」「ハト派」とは?
・金融界の「タカ派」「ハト派」とは?

アメリカの金融政策を決定する会合、「FOMC(連邦公開市場委員会)」。

金融政策はどうするか、インフレ対策はどうするか、利上げはいつから始めるのかなど、さまざまな金融の方針を決定する世界的な会議です。

米国株のニュースを見ているとよく出てくるのが、「タカ派」「ハト派」という言葉です。

「パウエル議長は、従来通りハト派的な見解」
「ウォラー理事は、ややタカ派」

金融のニュースを見るなら、金利が上がった下がっただけじゃなく、こういう細かいニュアンスがわかるとわたしたちの投資方針も変わってきます。

今回は投資に役立つ金融ワード、「タカ派」「ハト派」についてまとめてみました。

本記事の執筆者_枝豆

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政治界の「タカ派」「ハト派」とは?

タカ派、ハト派という言葉は、もともと政治用語として使われていました。

英語でも使われる言葉で、タカ派はhawk(ホーク)、ハト派はdove(ダヴ)です。

枝豆
枝豆

日本語だけじゃないんですね!ちなみに、鳩は英語でdove(ダヴ)以外にも、pigeon(ピジョン)という単語があります。しかし、政治・金融用語として使われる時は、 pigeon(ピジョン) は使わないんだって。(別の意味で使うケースはあります。後述) 日常生活でよく見る公園にいるようなハトはpigeon(=薄汚いハトに近い意味)だけど、あくまでdove(=真っ白な平和の象徴に近い意味)を使うそう。おもしろいねー。

「タカ派」「ハト派」の意味

「タカ派」「ハト派」のおおまかな意味は、以下のとおり。

タカ派=鷹の力強いイメージ=強硬派
ハト派=鳩のおだやかなイメージ=穏健派

敵の勢力に対して「強行突破」、「武力行使」などの姿勢をとる政治家は、タカ派と呼ばれます。また一方で、敵の勢力に対して「穏健」、「平和主義」的な姿勢をとる政治家は、ハト派と呼ばれます。

日本の岸田総理は、タカ派?ハト派?

日本の岸田総理は、「安倍首相は保守、タカ派。私はリベラル、ハト派。」と語ったことがあるそう。

岸田総理は、自分の政治手法に関して、トップダウンで決定していくことよりも、個性や多様性を大事にするボトムアップを重視すると言及したことがあります。

枝豆
枝豆

やっぱり、政治用語として使われる時は、ハト派=平和主義の印象が強いように思いますね。

しかし、政治のスタンスについては、「この人は〇〇派」というようなはっきりした立場をとり、生涯全く変化しないということは少ないようです。

それこそ、政治の流れや空気を読んで、立場を変えていくのは政治の世界ではあたりまえ。また、あえてスタンスを示さずに中立的な立場をとる場合も多いでしょう。

枝豆
枝豆

英語では、この中立的な立場をとり続けることを、「Pigeon(ピジョン)=薄汚いハト」と呼ぶそうです。でてきたぞ、ピジョン。笑 同じハトでも、かなりイメージが違うなぁ。

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金融界の「タカ派」「ハト派」とは?

もともとは政治用語だったタカ派とハト派。今では金融や経済界でもよく使われる言葉になりました。

政治用語の場合は、タカ派が明らかに強く、武力行使も辞さない強硬路線のコワイ人達、ハト派は相談から始めようとする穏健路線のやさしい人達…のように感じませんか?

しかし、金融用語になると、ちょっとそのイメージは弱まるように思います。

なぜなら、どちらも「経済の安定を願っている」からです。

枝豆
枝豆

ある意味、どちらも穏健派??経済の安定のためになにを重視し、どんな金融政策をよしとするかによってタカ派とハト派は分かれます。強硬路線・穏健路線というよりは、あくまで金融政策の立場をあらわすための言葉って考えたほうがわたしは理解しやすかったです。うん。

ここからはそれぞれの派が推進する立場や良しとする金融政策について、詳しく見てみましょう。

金融方針① 物価の安定を重視する「タカ派」

タカ派は、物価が不安定になり、インフレなどが起こることをいちばん心配している人たち(立場)のことを指します。

枝豆
枝豆

インフレなどが起こって国家が破綻しちゃうのがいちばんこわいから、まずは物価を安定させることをサポートしなきゃと思う人達のことです。

特徴① 物価の安定を重視(インフレリスク小)
特徴② 金融引き締めを推進(利上げを推進)
特徴③ 財政引き締めを推進(増税を推進)

具体的には、物価を安定させるために金融や財政を引き締めるようとして、金利をあげて企業がお金を借りにくくしたり、消費者に増税して市場からお金を減らす施策を行おうとします。

金融方針② 雇用の安定を重視する「ハト派」

ハト派は、景気が悪化して失業者が増えてしまうことをいちばん心配している人たち(立場)のことを指します。

枝豆
枝豆

働けない失業者が多いのがいちばんこわいから、まずは失業者を出さないようにすることが大事だと考えます。それぞれの企業ががんばって利益を出すためにはお金が借りやすいほうがいいから利下げもするし、企業がリストラしなくても成り立つ環境をサポートするという考え方です。

特徴① 雇用の安定を重視(インフレリスク大)
特徴② 金融緩和を推進(利下げを推進)
特徴③ 財政刺激を推進(減税を推進)

具体的には、企業がお金を借りやすくするために金利を下げる金融緩和施策や人々が消費を行いやすくするための減税を推進します。企業は借りたお金で、より多く利益を挙げるための投資をすることができます。

金融界の「タカ派」「ハト派」、どんな時に使われる?

金融界の「タカ派」「ハト派」に、どっちのほうがいいとか、善悪はありません。なぜなら、国が安定して存続するために大事な調整方針を表現しているだけだから。

市場環境を見ながら、時と場合によって、どんな金融施策をするか選んでいくのが普通で、ずっと同じ方針をとらないといけないなどの決まりはありません。

ひとりの人が、「今日はタカ派だけど、3か月後はハト派寄りの考え方になった」というのはよくあることです。

「タカ派」「ハト派」が使われる例

各国の金融政策を決める会議などのメンバーに対して、そのスタンスを 「タカ派」「ハト派」と表現されることがあります。

例えば、アメリカの金融政策を決める会議「FOMC」はとても有名です。

FOMC
=Federal Open Market Committee
=米国連邦公開市場委員会
=米国の中央銀行ともいうべき米連邦準備理事会(FRB)が開く会合で、地区ごとの銀行の総裁が集まり、アメリカの金融政策の方針を決定する場。年に8回開催され、また臨時で開かれることもある。

FOMCに参加する議長やメンバーがどんな金融政策のスタンスをとっているかは、今後の金融施策に大きく影響します。

枝豆
枝豆

だから、「パウエルさんはハト派っぽい発言をした!!」とか、ニュースになったりして注目されているんですね。そりゃそうだよね、大事、大事!

「タカ派」から「ハト派」に変更するのはあり?

よく金融関連のニュースで、「〇〇さんはハト派だから」とか、「ハト派っぽい発言をした!」と切り取られることがあります。

しかし、これまでタカ派の発言が多かった人がハト派の発言をしたり、逆にハト派の発言が多かった人がタカ派の発言をすることはめずらしいことではありません。

金融用語として、タカ派とハト派というスタンスに分けるのは、あくまで金融政策の方向性を考える上でわかりやすいからです。

1人の経済や金融の専門家が、ずっと同じスタンスでいることは少なく、その時の経済や金融の状況や課題に応じて、発言や派閥は変化していきます。

例えば、1987年にレーガン大統領から米連邦準備銀行(FED)の議長に指名されたアラン・グリーンスパンさんは、もともとは物価の安定を重視するタカ派だといわれていました。

しかし、1990年代になって、アメリカ経済が成長していたにも関わらず、利上げについても踏みとどまる決断をしたことから、ハト派寄りの人というイメージが付きました。

枝豆
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その数年後に、その決断は正しかったことをアメリカ国民は知り、のちにアラン・グリーンスパンさんの評判は高まりました。2021年の相場もそうだけど、好景気になってきたらテーパリング開始(利上げ)しないと…みたいな決断になりそうよね?そう考えるとかなり勇気のいる決断だったんじゃないかなと思います。アラン・グリーンスパンさんは、2002年に「バブルは崩壊して、初めてバブルと分かる」という名言も残しています。

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2021年FOMCメンバーのスタンスは、「タカ派」「ハト派」のどっち?

さて、タカ派・ハト派の意味がわかったところで、今現在のFOMC(米国連邦公開市場委員会)のメンバーのスタンスは、タカ派・ハト派のどっちだといわれているのか、まとめてみたいと思います。

2021年6月のFOMC前:ハト派メンバーが多い

2021年6月のFOMC前の段階では、パウエル議長をはじめとするFOMCメンバーのほとんどがハト派寄りのスタンスを保っていました。

枝豆
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パウエル議長は、インフレ率の上振れは一時的だとしていたし、ボウマン理事はサプライチェーンの障害が解消するまでには時間がかかりそうだと言っていて、雇用の安定を重視して、利下げをそのまま推進し、テーパリングはまだまだ先と考えるメンバーが多かったわけです。

三井住友DCアセットマネジメントが3月時点のFOMCメンバーのスタンスをまとめた資料によると、FOMCの常任メンバーや各地域の銀行総裁のうち投票権があるメンバーのスタンスは以下のとおり。

パウエル議長:ハト派
クラリダ副議長:ハト派
クオールズ理事:中立
ブレイナード理事:ハト派
ボウマン理事:ハト派
ウォラー理事:ハト派

ウイリアムズ総裁(ニューヨーク地区):ハト派
エバンス総裁(シカゴ地区):ハト派
バーキン総裁(リッチモンド地区):中立
ボステイック総裁(アトランタ地区):中立
デイリー総裁(サンフランシスコ地区):ハト派

参考:三井住友DCアセットマネジメント作成資料 FOMCメンバーのスタンス(3月時点)
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/07/irepo210728/

ハト派・タカ派と言っても、メンバーそれぞれに考え方は違いますが、この時点では2023年末までの利上げを予想したFOMCメンバーは全18人中の13人で、22年末までの利上げを予想したのが7人でした。

2021年6月のFOMC後:タカ派寄りのメンバーが増える?

2021年6月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、こんな内容が決定されました。

決定事項① 金利の誘導目標を据え置き
決定事項② 2023年末までに2回の利上げ見込み

この決定事項に対して市場関係者は、「タカ派寄りのサプライズ」としての報道することが多く、この決定事項に至った理由は、コロナ不安の改善があるといわれています。

理由① ワクチン接種のスピードが予想より早かった
理由② ソーシャルディスタンスの解除措置が進行している

ドイツ銀行のストラテジストのジョージ・サラベロス氏も、アメリカの金融当局はいつまでもハト派ではなく、タカは寄りであることを指摘しています。

三井住友DCアセットマネジメントが7月時点のFOMCメンバーのスタンスをまとめた資料によると、FOMCの常任メンバーや各地域の銀行総裁のうち投票権があるメンバーのスタンスは以下のとおり。

パウエル議長:ハト派
クラリダ副議長:ハト派
クオールズ理事:中立
ブレイナード理事:ハト派
ボウマン理事:ハト派
ウォラー理事:中立

ウイリアムズ総裁(ニューヨーク地区):中立
エバンス総裁(シカゴ地区):中立
バーキン総裁(リッチモンド地区):タカ派
ボステイック総裁(アトランタ地区):タカ派
デイリー総裁(サンフランシスコ地区):中立

参考:三井住友DCアセットマネジメント作成資料 FOMCメンバーのスタンス(3月時点)
https://www.smd-am.co.jp/market/ichikawa/2021/07/irepo210728/

特に投票権を持つ地区連銀総裁たちが、タカ派寄りの発言が多くなっています。デイリー総裁は、7月には年内のテーパリング開始も可能性があると言及し、また投票権を持っていない地区連銀総裁たちの中には年内のテーパリング開始を指示する人も現れ始めました。

2021年9月のFOMC前:タカ派・ハト派分裂?

2021年9月に開かれた米連邦公開市場委員会(FOMC)では、こんな内容が決定されました。

決定事項① 年内にテーパリング開始

しかし、FOMCメンバー間でも利上げのシナリオは分かれていて、タカ派とハト派の意見が分裂している部分は利上げのスピードであると日本経済新聞は報じています。

タカ派・ハト派の意見が分裂する中で、その中央値としての意見は以下のとおり。

2022年度中にゼロ金利解除
2023年と2024年に3回ずつ利上げ見込み

枝豆
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ゆっくりではありますが、タカ派もハト派も利上げに対して肯定的になってきていますよね。

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まとめ ~金融界のタカ派・ハト派とは?~

もともとは政治用語として使われることが多かった「タカ派」と「ハト派」。今では金融用語としても広く使われています。

一見、タカ派が強硬派、ハト派が穏健派と思われますが、金融用語として使う場合はそのイメージは弱まり、どちらも「経済の安定を願っている」という点では一緒です。

タカ派は、物価の安定を重視し、ハト派は雇用の安定を重視するというのが最大の違いです。

【タカ派】 物価が不安定になり、インフレなどが起こることを懸念
特徴①物価の安定を重視(インフレリスク小)
特徴②金融引き締めを推進(利上げを推進)
特徴③財政引き締めを推進(増税を推進)

【ハト派】 景気が悪化して、失業者が増えてしまうことを懸念
ポイント① 雇用の安定を重視(インフレリスク大)
ポイント② 金融緩和を推進(利下げを推進)
ポイント③ 財政刺激を推進(減税を推進)

2021年FOMCメンバーのスタンスは、6月前はハト派優勢だったものの、最近ではタカ派の意見も大きくなり、利上げスピードの差はあるにせよ、これから本格的な利上げがはじまることはほぼ確実となっています。

さて、株式市場はどうかわるのか…。参考になったらうれしいです。


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