配当金120万円達成するにはいくら必要?どんな銘柄を選んだらいいの?
配当金生活を実現させるためのコツと注意点をおしえて!
今回は、こんな方に向けた記事です。
▼本記事の内容
・配当金120万円達成するにはいくら必要?
・年間配当金120万円を作る銘柄選びのコツと注意点
・年間配当金120万円を継続するためのコツと注意点
・注目の高配当銘柄をご紹介(日本株)
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
株式投資をはじめると、一度はあこがれる夢の配当金生活。
配当収入だけで暮らすのは難しくても、普通の収入のほかに毎月10万円(年間120万円)の配当金が不労所得で入ってきたら、生活はかなり楽になるハズ!
実際のところ、年間120万円の配当金を手に入れるためには、いくら必要なのでしょうか?
そこで今回は、年間120万円の配当金額を達成するための原資はいくら必要なのか、金融商品別にシミュレーション!
さらに、配当金生活を実現し、継続していくための具体的な銘柄や選び方のコツや注意点を整理してみました。
配当金120万円達成するにはいくら必要?
まずは、年間120万円の配当金額を達成するための原資(投資資金)を整理してみましょう。
年間配当金120万円を達成するために必要な投資資金は?
年間配当金120万円にかかる課税額は?
シミュレーション➀ 日本高配当株や国内ETFの場合
シミュレーション➁ 米国高配当株や米国ETFの場合
一つずつ見ていきましょう。
年間配当金120万円を達成するために必要な投資資金は?
年間配当金120万円を達成するために必要な投資資金は、運用利回り(年率)によって異なります。
配当利回りは、もちろん銘柄によって大きく違いますが、大体3%~5%で見積もるのが現実的です。
例えば、3%利回りを想定した場合、120万円を3%で割ると、必要な投資資金は約4,000万円になります。
配当利回りごとの投資資金は、以下のとおり。
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約4,000万円 | 120万円÷3% |
4% | 約3,000万円 | 120万円÷4% |
5% | 約2,400万円 | 120万円÷5% |
1%の違いで1000万円も違うんだ…
安定した配当金収益を求めるなら、分散投資が必要ですが、ざっくり見積もると約3,000万円~5,000万円が年間配当金120万円を達成するために必要な投資資金の目安になります。
でも、配当金には必ず税金がかかります。ここからは課税後の額も計算してみるよ。
年間配当金120万円にかかる課税額は?
年間配当金120万円にかかる課税額は、投資資金をどんな金融資産で持っているかによって異なります。
日本株や国内ETFに投資をする場合は、国内税が約20%かかります。
米国株や米国ETFに投資をする場合は、国内税に加えて、外国税10%がかかります。
日本株・国内ETF:合計約20%(国内税20.315%)
米国株・米国ETF:合計約30%(国内税20.315%+外国税10%)
ただし、米国株・米国ETFの場合の外国税は、二重課税に該当するため、確定申告をすれば取り戻すことが可能です。
ややこしいんだけど、国内ETFで米国株に投資をする場合は、自動的に二重課税調整が行われることもあるよ。
対象となる銘柄は、外国資産(株式・不動産等)に投資を行い、そこから生じた利益を元に投資家に分配金を支払っている投資信託等です。これらの投資信託等が2020年1月1日以降に支払う分配金については、自動的に二重課税調整が行われます。ただし、対象となる投資信託等をNISA口座で保有されている場合は、国税分は非課税となり、外国との二重課税状態が発生しませんので、本措置の対象とはなりません。
ここではわかりやすくするために、税金は20%で見積もることにしましょう。
20%の税金を考慮して、手取りの年間配当金120万円を実現しようとすると、税込みで必要な配当金は、約1.25倍になります。
120万円÷3%×1.25=約5,000万円
配当利回りごとの投資資金は、以下のとおり。
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約5,000万円 | 120万円÷3%×1.25 |
4% | 約3,750万円 | 120万円÷4%×1.25 |
5% | 約3,000万円 | 120万円÷5%×1.25 |
税金を考えると、かなり増えますね…これが現実的な必要投資資金!
年間配当金120万円を達成するために必要な投資資金は、3,000万円~5,000万円であることがわかりました。
米国株に投資をする場合は、ここに為替リスクの問題も絡んできて、米ドルと円の変動によって手取り額が変化します。
さらに、配当利回りは一定ではありません。
毎年変化するのがあたりまえの数値なので、なるべく余裕を持った投資計画を立てましょう。
特に配当金を期待する場合は、ゆとりのある資金計画がキモ!税金だって変更される可能性もあるし、ちょっと多めぐらいにしといたほうが安心です。
\高配当株投資が気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
【比較】高配当株とインデックス、どっちがいい?迷ったときの選び方と考え方のコツ
シミュレーション➀ 日本高配当株や国内ETFの場合
ここからは実際の銘柄の配当利回りを確認しながら、必要資金を見ていきましょう。
日本の人気高配当株を100%で保有した場合、年間120万円の配当金を得るために必要な金額をまとめました。(2023年12月現在)
必要金額の計算上、万円以下は切り捨てています。
銘柄名 | 配当利回り | 年間120万円の配当金を 得るために必要な金額 |
---|---|---|
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数 連動型上場投信(1489) | 3.73% | 4,021万円 |
NEXT FUNDS 野村日本株高配当70 連動型上場投信 (1577) | 3.45% | 4,347万円 |
KDDI (9433) | 3.15% | 4,761万円 |
日本郵政(6178 | 4.00% | 3,750万円 |
三菱商事(8058) | 3.16% | 4,746万円 |
三菱UFJフィナンシャル グループ(8306) | 3.41% | 4,398万円 |
三井住友フィナンシャル グループ(8316) | 3.99% | 3,759万円 |
みずほフィナンシャル グループ(8411) | 4.24% | 3,537万円 |
ソフトバンク(9434) | 4.98% | 3,012万円 |
東洋建設(1890) | 5.48% | 2,737万円 |
日東工業(6651) | 5.40% | 2,777万円 |
もちろん、1銘柄に全額突っ込むわけではないです。笑
でも、現実的に存在する銘柄でみてみると、不思議と実感がわいてくる…
日本株の高配当銘柄の配当利回りは、その多くが3~5%。
そのため、年間120万円の配当金を得るために必要な金額も大体3000万円~5000万円に落ち着きます。
もちろん、実際は分散投資が必要なので、このままの金額になることはありませんが、一つの目安として参考にしてください。
シミュレーション➁ 米国株や米国ETFの場合
今度は米国高配当株の配当利回りを確認しながら、必要資金を見ていきましょう。
アメリカの人気高配当株を100%で保有した場合、年間120万円の配当金を得るために必要な金額をまとめました。(2023年12月現在)
必要金額の計算上、万円以下は切り捨てています。
銘柄名 | 配当利回り | 年間120万円の配当金を 得るために必要な金額 |
---|---|---|
SPYD SPDRポートフォリオ S&P500高配当株式ETF | 5.44% | 2,757万円 |
VYM バンガード 米国高配当株式ETF | 3.94% | 3,807万円 |
HDV iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF | 3.82% | 3,926万円 |
JEPI JPモルガン・米国株式 プレミアム・インカムETF | 8.48% | 1,768万円 |
コカ・コーラ (KO) | 3.14% | 4,777万円 |
エクソン・モービル (XOM) | 3.72% | 4,032万円 |
ファイザー (PFE) | 5.91% | 2,538万円 |
スリーエム (MMM) | 5.55% | 2,702万円 |
AT&T (T) | 6.70% | 2,238万円 |
ベライゾン コミュニケーションズ (VZ) | 7.10% | 2,112万円 |
米国の高配当銘柄に分散投資した人気のETF「SPYD」は、分散されているにも関わらず、配当利回りが5.44%と高水準。
SPYDなら、3000万円弱で年間120万円の配当金をGETできます!これはスゴイ。
個別株で配当金を得ようとすると、分散投資が難しく、高レベルな調整を毎度行わなくてはなりません。
その点、高配当株ETFと呼ばれる高配当株への分散が効いたETFは、調整の手間が少なくおすすめです。
高配当株を保有するなら、個別株だけではなくETFや投資信託も組み入れていきたいですね~。
\高配当株投資が気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
VYMはおすすめしない7つの理由!高配当ETFなのに配当利回りが低いってホント?
年間120万円の配当金があると、生活はどのくらい楽になるの?
実際のところ、年間120万円の配当金があると、生活はどのくらい楽になるんだろ?
月10万円ってひとことに言っても、世帯状況によって家計の何%になるかは違ってくるよね…
独身・一人暮らし世帯の場合
2人以上の勤労者世帯の場合
世帯状況別の割合をみてみましょう。
独身・一人暮らし世帯の場合
総務省が毎年発表している家計調査によると、単身世帯の生活費(消費支出)は、244,231円(1世帯当たり)です。
配当金10万円が不労所得で手に入ると仮定すると、その金額は生活費の約40%になります。
消費支出平均額=244,231円(1世帯当たり)
配当金10万円の割合=支出の40.9%
4割が配当金で賄えるのは、かなりうれしい!
仕事を4割減らしても今の生活を維持できるということになるので、お金をあまり使わない人であればサイドFIREぐらいならできそうです。
2人以上の勤労者世帯の場合
総務省が毎年発表している家計調査によると、2人以上の勤労者世帯の生活費(消費支出)は、290,865円(1世帯当たり)です。
収入は2倍のご家庭もあるのに、支出が独身と大きく変わらないのは、独身者のわたしからみるとうらやましい…。
配当金10万円が不労所得で手に入ると仮定すると、その金額は生活費の約35%になります。
消費支出平均額=290,865円(1世帯当たり)
配当金10万円の割合=支出の34.4%
さすがに、3.5割でサイドFIREは勇気がいるかもだけどw
月10万円があれば、各項目のどれかは十分に配当金で賄えます。
・家賃(一人暮らしの場合)
・食費
・光熱費
・保険代 など
都内に住んでいたとしても、一人暮らしなら家賃がそのまま浮く人もたくさんいそう…
配当金10万円は、完全FIREは難しくても、十分に家計を助けてくれる金額であることがわかります。
また、65歳以上の夫婦などの場合であれば、投資による配当金で年金の不足分を賄う計画を立てる人もいるでしょう。
厚生年金の受取額は、現状約22万円です。
配当利回り | 令和5年度(月額) | 令和4年度(月額) |
---|---|---|
国民年金(満額) | 66,250円 | 64,816円 |
厚生年金(標準的な年金額) | 224,482円 | 219,593円 |
前述した消費金額が大体30万円弱だから、年金だけで暮らそうとすると少し生活レベルを下げる必要があるかも…
年金の不足分を補う意味でも、毎月10万円、年間120万円の配当金は有効に作用します。
配当金120万円達成への道!必要資金を準備しよう
ここからは、実際に年間120万円の配当金を作るための方法を整理していくよ。
配当金年間120万円を達成するためには、➀必要資金を準備して、その原資を➁適切な銘柄に投資していくことが必要です。
➀必要資金を準備
➁適切な銘柄に投資
まずは必要資金を準備しないと始まらない!
必要資金を準備する方法は、以下のとおり。
配当金120万円達成への目標金額を明確にする
生活費の見直し&節約で入金力を上げる
副業をして収入を増やす
転職して本業の収入を増やす
生活防衛資金には、絶対に手をつけない
一つずつ見ていきましょう。
配当金120万円達成への目標金額を明確にする
配当金120万円達成のためには、まず目標金額を明確にイメージすることが必要です。
なんとなく「配当金ほしいなー」って思っているだけだと、いつまでたっても配当金は手に入りません。
ここで重要なのは、具体的に購入予定の銘柄をイメージすること。
銘柄名 | 配当金利回り | 必要資金 |
---|---|---|
SPYD SPDRポートフォリオ S&P500高配当株式ETF | 5.44% | 2,757万円 |
VYM バンガード 米国高配当株式ETF | 3.94% | 3,807万円 |
HDV iシェアーズ・コア 米国高配当株ETF | 3.82% | 3,926万円 |
例えば、以下のように具体的な目標を立てるのです。
投資目標:SPYDに2757万円を投資して、配当金生活(10万円/月)を送る
行動目標:毎月10万円(年間120万円)をSPYDに投資する
すると、約14年後に目標が実現することがわかります。
年間投資額:120万円
想定利回り(年率):7.99%(5年トータルリターン)
目標を具体的な数値にするだけで、現実的になるから不思議です。
配当金を作る時にいちばん大切なのは、とにかく「積立を継続」すること。
毎月必ず10万円は投資をすると決めても、なかなか実践できないのが人間です。
おすすめは、自分の心よりシステムを信用することです。証券会社の積立設定をしてしまって、それ以降は見ないというのがいちばん!笑
14年は長い…と思った人は、入金力を上げることに力を注ぐ必要があります。
生活費の見直し&節約で入金力を上げる
配当金120万円達成に向けて、わたしたちができることは限られています。
正直、積立設定をしてしまったら、あとはほったらかしがいちばん!できることと言えば、入金力を上げることぐらいです。
毎月5万円を投資している人は、来月は6万円を投資にまわす。
毎月10万円を投資している人は、来月は11万円を投資にまわす。
毎月15万円を投資している人は、来月は16万円を投資にまわす。
毎月20万円を投資している人は、来月は21万円を投資にまわす。
こんな感じで、来月は+1万円を目指して、入金力を上げる取り組みにチャレンジしましょう。
配当金120万円達成に向けた資金調達のうち、いちばん簡単なのは、生活資金の節約です。
不要な出費を削減する
↓
削減した分のお金を投資に回す
特に重要なのが、固定費の削減です。
固定費って毎月必ずかかるものなので、一度削減・節約するとその後にも影響するんだよね。
固定費割合が多い費用
家賃(住宅ローン):家賃の低い家に引っ越す
水道光熱費:契約内容や会社を見直す、省エネ家電に買い替えて節約する
通信費:契約内容や会社を見直す、携帯を格安SIMにする
保険費用 :契約内容や会社を見直す
一般的に変動費割合が多い費用の中にも、固定費になっているものや無駄遣いに繋がっている費用があります。
変動費割合が多い費用
食費・日用品費
交際費
娯楽費
医療費
美容代
外食が多い人は、外食をやめて自炊をするだけでもかなり変わるよ…。わたしは飲みに行く回数を減らしたら、数万円が手元に残ってびっくりしました…。
自分で節約箇所がわからない人は、最初に家計簿(アプリ)をつけて、自分のお金の流れをチェックするようにすると、無駄なものが見える化されるのでおすすめです。
副業をして収入を増やす
配当金年間120万円をなるべく早く達成したかったら、副業をして収入を増やすのも効果的です。
どんなに無駄な出費を減らしても、入ってくるお金には限界があります。
その限界を変化させてしまうのが、副業です。
毎月の本業からのお給料が変わらないなら、プラスで稼ぐしかない…
副業にはいろんな探し方がありますが、比較的小さい規模から少しずつ始められる方法なら、クラウドソーシングがおすすめです。
クラウドソーシング
=仕事の発注者と受注者が直接やり取りできる場所や集まり
クラウドソーシングには、さまざまなプロジェクトが集まり、いろんな業種の仕事に出会うことができます。
知り合いの紹介やSNSなどでも仕事を得ることはできますが、自分の能力やスキルを再確認する意味でも、クラウドソーシングを利用するのは悪いことではありません。
最初はクラウドソーシングで副業がどんなものなのか経験してみるのがおすすめ。自分のスキルや適性なリターンがわかってきたら、自分から仕事を作っていくこともできるかもしれません。
転職して本業の収入を増やす
配当金年間120万円をなるべく早く達成したいけど、うちの会社副業禁止なんだ…。
そんな時は思い切って転職しちゃう…という手もあるよ。笑
ウェブココル株式会社が行ったインターネット調査によると、転職で収入が上がった人は、全体の50%もいることがわかりました。
意外と多いよね!
・転職して年収が上がった人の割合は、50%
・転職するときの年収に、マネジメント経験の有無は関係ない
・転職で年収が上がりやすい年代は、1位30代、2位20代、3位40代
・前職の勤務年数が長いほうが転職時の年収が上がりやすいという傾向は見られない
もし今の仕事の給与が見合っていないと思うなら、転職を検討してみるのもおすすめです。
転職活動だけでもしてみると、自分の市場価値がわかるのでおすすめ!カウンセリングだけならどこも無料だし、わたしも自分の価値を知るためにお願いすることがあるよ。
最近は、自分に合った転職エージェントを見つけてくれるサービスもあります。
生活防衛資金には、絶対に手をつけない
配当金年間120万円を達成するためために重要なことは、入金を継続することです。
投資に夢中になって、生活防衛資金に手を出してしまうと、大きく損が出たときに立ち直ることができません。
生活防衛資金とは、生活を守るために確保しておくお金のこと。
生活防衛資金
=生活を守るために確保しておくお金
=一般的には、1か月分の生活費の3か月~6か月分程度
普通は、生活費の3か月~6か月分!
生活防衛資金は、どんなアクシデントがあっても手をつけず、長期的に投資を続けることを目標にしましょう。
入金を継続するための注意点は、以下のとおり。
・生活防衛資金には、絶対に手をつけない
・市場のボラティリティが高い時こそ、毎月同じ額を入金する
・冷静さを欠いているときは、無理して入金額を増やさない
・平常時に「暴落時の緊急対応リスト」を作っておく
本当に暴落が来た時は判断力が鈍るので、「暴落時の緊急対応リスト」をあらかじめ作っておくと、冷静な対応ができるのでおすすめです。
\高配当株投資が気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
VYMはおすすめしない7つの理由!高配当ETFなのに配当利回りが低いってホント?
年間配当金120万円を作る銘柄選びのコツと注意点
年間配当金120万円を作るための原資ができたら、次は投資先選びです。
ここで投資先銘柄を間違えると、せっかく作った原資が減ってしまうから要注意。
大事な銘柄選びのコツと注意点は、以下のとおり。
業績や財務が安定し、減配リスクが少ない企業を選ぶ
配当性向が100%に近い銘柄は避ける
タコ足配当を出す銘柄は避ける
景気敏感セクターへの集中に注意!業界分散を意識
配当利回り水準によって戦略を変える
新NISAスタート!非課税口座を活用する
一つずつ見ていきましょう。
業績や財務が安定し、減配リスクが少ない企業を選ぶ
年間配当金120万円を作るなら、注目すべき指標は「配当利回り」です。
配当利回り
=株価に対する年間配当金の割合を示す指標
=1株当たりの年間配当金額÷1株購入価額×100
一般的に高配当株と呼ばれるのは、大体3.5%~5%代の株。
でも、単純に配当利回りが高い株式を買えばいいわけでもないんです。
配当利回りは、以下の公式から導かれるただの数字です。
1株あたりの年間配当金額÷1株あたりの購入価額×100
例えば、1株あたりの購入価額が下がるだけで、一時的に利益が高い株のように見えてしまいます。
1株あたりの購入価額が下がる時はどういう時かというと、会社の業績が下がった時なんです。
会社の業績が下がると、株価も下がるのが普通です。
しかし、株価は反応が遅く、一時的に業績が下がっているのに株価が変わらない状態がキープされることがあります。
業績が下がる(株価はそのまま)
↓
数値上、一時的に利回りが高く見える
↓
高配当株だと思って買ってしまう
↓
減配が発表される
↓
株価下落&減配による大ダメージを受ける
配当利回りしか見ていない人は、この違和感になかなか気がつけません…。
購入しようとしている時の瞬間的な利回りだけで判断せず、過去にさかのぼって安全性をチェックするのが、配当利回りの罠をすり抜けるコツです。
【安全性をチェックする項目例】
・過去の配当利回り→安定成長しているかどうか?
・現在までの株価の変動→安定成長しているかどうか?
・決算の数値→安定成長しているかどうか?
・記念配当や不祥事などの一時的な変化→配当利回りを変化させている理由がないか?
「創業〇〇周年」など記念配当で、一時的に利回りが高くなっていることもあるよ。
こういうこともあるので、高配当株はほったらかしすぎも危険…油断禁物なんです…!
投資をする時は、配当利回りの数字の大きさだけでなく、企業の財務状況や配当の持続性、事業の将来性などをしっかり勉強・分析してから、購入することが重要です。
配当性向が100%に近い銘柄は避ける
年間配当金120万円を作るなら、もう一つ注目すべき指標は「配当性向」です。
配当性向
=利益から配当金をどのくらい支払っているかの割合を示す指標
=1株当たりの配当額÷1株当たりの当期純利益×100
50%以下が普通だよ。
配当性向が高い会社は、株主のことを考えてくれる良い会社のように見えますが、高ければ高いほど良いわけではありません。
逆に配当性向が100%に近いということは、利益のほとんどを配当に回していて、企業の次の成長のために使うお金(=内部留保)がないことを示します。
配当性向が低い=ケチっていうことじゃないよ。笑
例えば、世界中で人気の米国通販企業のアマゾン・ドット・コム(AMZN)は、配当金を一切ださない「無配」企業です。
配当利回り:0.0%(無配)
配当性向:ー
でも、これはAmazonが利益を独り占めしているわけでも、利益が出ていないわけでもありません。
アマゾン・ドット・コム(AMZN)の営業利益は、なんと100億ドルを超えて、右肩上がりに成長中。
2023年7-9月期の決算は、純利益が前年同期に比べ3.4倍まで上昇し、広告収入も過去最高の120臆ドルを突破しています。
じゃあ、やっぱり利益を独り占め??
いやいや。笑 アマゾン・ドット・コムは将来のために先行投資をし続けているの。
1997年に創業者のジェフ・ベゾス氏が書いた株主宛の手紙には、しっかりと成長戦略についての方針が語られていました。
It’s All About the Long Term
We believe that a fundamental measure of our success will be the shareholder value we create over the long term. This value will be a direct result of our ability to extend and solidify our current market leadership position.
すべては長期的なものです
私たちは、当社の成功の基本的な尺度は、当社が長期的に生み出す株主価値であると信じています。この価値は、現在の市場リーダーとしての地位を拡大し、確固たるものとする当社の能力の直接の結果となります。
配当性向が高いか低いかは、その企業の方針によるため、どちらかが悪いというわけではありません。
しかし、配当性向が100%に近い企業は、将来への投資割合が少なくなっている可能性があります。
その会社の方針がきちんと検討された上でのものであればよいのですが、そうでない場合は本当にそのまま配当を出し続けられるのかは、疑問が残ります。
だから、配当性向が100%に近い企業は注意が必要なのです。
\高配当株投資が気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
【比較】高配当株とインデックス、どっちがいい?迷ったときの選び方と考え方のコツ
タコ足配当を出す銘柄は避ける
タコ足配当とは、十分な利益のない企業が借入や資本金の払い出しによって、配当を振り出すこと。
タコ足配当
=十分な利益のない企業が、借入や資本金の払い出しによって、配当を振り出すこと
=持続不可能な財政状態を示している
タコが自分の足を食べるのに似ていることから、タコ足配当って呼ぶんだって。
結構…グロテスク…?w
タコ足配当を出す企業は、継続的な成長が期待できません。
もちろん年間配当金120万円を作るなら、不安定なタコ足配当企業はスルーしたいところ。
無理やり配当金を出していて、企業価値が下がっている企業には注意しましょう。
景気敏感セクターへの集中に注意!業界分散を意識
年間配当金120万円を目指すなら、関連性の薄い違う業種の銘柄を選ぶことが大切です。
特に景気変動の影響を受けやすい景気敏感セクターへの集中投資はかなり危険。配当金も減配など混乱する恐れがあります。
景気敏感セクター
=景気の動向によって業績が大きく変動するセクターのこと
=自動車や金融、半導体、不動産、鉄鋼、商社など
分散投資によってリスクを低減し、安定した配当収入の確保を目指しましょう。
複数のセクターに分散したポートフォリオを構築することで、景気変動や業界のトラブルに対する耐性を高め、投資全体のリスクを抑えることができます。
配当利回り水準によって投資方針を変える
安定的な配当金を得るためには、配当利回りの変動を予想することも重要です。
業績の悪化や減配といったリスクに敏感に対処することで、減配リスクから逃れられる可能性があります。
【予想配当利回りが3%~4%の場合】
業績が拡大していて増配する余力が生じているかどうかをチェック
【予想配当利回りが4%超えの場合】
業績の悪化などに伴って減配に陥る恐れがないかどうかをチェック
配当利回りを四半期ごとに確認しよう。
新NISAスタート!非課税口座を活用する
2024年から、新NISA(非課税口座)制度が生まれ変わります。
新NISA=利益に対して税金が発生せず、確定申告も不要な口座
NISA口座は、20%の税金がかからないため、投資資金目標を小さくできます。
配当利回り3%だと、通常5000万円必要なところ、4000万円で目標達成。これはすごくない?
NISA口座の場合
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約4,000万円 | 120万円÷3% |
4% | 約3,000万円 | 120万円÷4% |
5% | 約2,400万円 | 120万円÷5% |
特定口座の場合
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約5,000万円 | 120万円÷3%×1.25 |
4% | 約3,750万円 | 120万円÷4%×1.25 |
5% | 約3,000万円 | 120万円÷5%×1.25 |
予定よりかなり早くFIREできるかもしれません。笑
NISA口座が空いているのであれば、使わない手はありません。
NISA口座での投資を優先し、淡々と買い続けていきましょう。
\NISA口座が気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
【考察】つみたてNISAで元本割れする確率は?確率をゼロに近づける方法を解説!
年間配当金120万円を継続するためのコツと注意点
年間配当金120万円を作る銘柄選びができたら、あとは継続するだけ。
でも、この継続が難しいんです…
ここからは、年間配当金120万円を継続するためのコツを整理してみましょう。
高配当株は、つみたて投資が基本
短期的な値動きに惑わされない!長期的な投資視点を持とう
一つずつ見ていきましょう。
高配当株は、つみたて投資が基本
年間120万円の配当金を継続するためには、つみたて投資がおすすめです。
積み立てることで時間分散ができ、長期的に安定的な配当収入を得ることができるから。
平均取得コストを下げつつリスクを分散する手法は、「ドルコスト平均法」とも呼ばれ、長期的に市場に参入する戦略として効果的です。
短期的な値動きに惑わされない!長期的な投資視点を持とう
配当金120万円を目指すには、長期的な視点を保つことが大切です。
今だけの短期的な騰落に一喜一憂せず、市場の長期トレンドを信じて投資を継続することを目標にしましょう。
いつも冷静に現状を整理する力が大事だよ。
注目の高配当銘柄を紹介!(日本株編)
ここからは、年間配当金120万円を達成するお手伝いをしてくれそうな、注目の高配当銘柄をご紹介します。
ここで紹介するのはあくまで一例!ほかにもいろんな高配当株があるから、自分でじっくり吟味してみてね。
【日本株ETF】1489
【個別株】KDDI
【個別株】ブリヂストン
【個別株】三菱UFJフィナンシャル・グループ
【個別株】三菱商事
【個別株】JT
一つずつ見ていきましょう。
【日本株ETF】1489
正式名称 | NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信 |
愛称 | NF・日経高配当50 ETF |
基準価額 | 57,959円 |
NISA | 〇 (成長投資枠) |
配当金利回り | 3.73% |
直近配当金 | 893円 |
配当金支払い基準日 | 毎年1月、4月、7月、10月の各7日(年4回) |
配当イメージ | 1株約58,000円で 1株あたり配当金が約3,600円/年 |
NEXT FUNDS 日経平均高配当株50指数連動型上場投信は、高配当株50銘柄に分散投資ができる投資信託です。
NEXT FUNDSは、信頼性の高い運用会社の一つで、運用に伴う手数料などが透明性も高いので、ストレスなく投資ができるのも大きなメリット。
ポートフォリオ内の銘柄のバランスを保つことができるので、個別株をたくさん買うよりも管理がしやすく、便利です。
1489なら、分散効果もあって、低リスクで安定した配当収入が期待できるよ。ずぼらさんはコレ1択?!
【個別株】KDDI
正式名称 | KDDI |
基準価額 | 4,439円 |
配当金利回り | 3.12% |
株主優待 | カタログギフト |
直近配当金 | 70円 |
配当金支払い基準日 | 年2回 |
配当イメージ | 1株約4,500円で 1株あたり配当金が約140円/年 |
KDDIは、日本を代表する通信事業者の一つ。
携帯電話やブロードバンドなど、多岐にわたる通信サービスを提供しています。
スマホキャリア「au」は有名ですよね!
通信サービスは基本的なインフラとしての需要が安定していて、KDDIはその収益基盤を築いています。これにより、投資家は安定的な収益を期待できます。
さらに注目なのが、創新的なテクノロジーを導入し、5G技術への積極的な投資を行っていること。
IoTやAIなどの最新技術を導入しようとしている企業のひとつなので、今後の成長性も楽しみな、長期投資にぴったりの企業です。
負債比率も低くて、投資家としては安心!株主優待がカタログギフトだったりと、顧客や株主を楽しませてくれる工夫があって、好きな会社です。
【個別株】ブリヂストン
正式名称 | ブリヂストン |
基準価額 | 5,932円 |
配当金利回り | 3.36% |
株主優待 | – |
直近配当金 | 100円 |
配当金支払い基準日 | 年2回 |
配当イメージ | 1株約6,000円で 1株あたり配当金が約200円/年 |
ブリヂストンは世界的なタイヤメーカーとして、グローバルで認知されるブランドのひとつ。
自動車用タイヤが中心だけど、自転車やゴルフ用品なども扱っていて、幅広いラインナップが特徴です。
今後、電気自動車が一般的になって、エネルギー形態が変わってもゴム部分のタイヤは変わらなそうだなとは思うんだけど…そういう意味では長期的な成長が期待できます。
ブリヂストンの強みは、長い歴史の中で培った高い技術力と革新性。
自動車用タイヤと聞くとアナログに感じますが、ブリヂストンはデジタル技術の導入にも積極的で、タイヤのモニタリングや車両の遠隔監視など、先進的なサービスを提供しています。
歴史が古い会社なのに、今もなお成長中…!今後も期待できます。
【個別株】三菱UFJフィナンシャル・グループ
正式名称 | 三菱UFJフィナンシャル・グループ |
基準価額 | 1,203円 |
配当金利回り | 3.38% |
株主優待 | – |
直近配当金 | 20.5円 |
配当金支払い基準日 | 年2回 |
配当イメージ | 1株約1,200円で 1株あたり配当金が約41円/年 |
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)は、日本国内で最大級の規模を持つ金融グループです。銀行を中心に、幅広い金融サービスを提供しています。
2023年3月に経営破綻したアメリカのシリコンバレーバンクの波を受けて、一時株価が下落しましたが、そこから驚異の復活を遂げ、右肩上がりで成長中。今年、上場来最高値を更新しています。
基盤が強いって素敵…!
デジタル技術の進化に迅速に対応し、デジタル化への積極的な投資を行っているため、今後も効率向上や新たなサービスの提供に期待できる企業です。
【個別株】三菱商事
正式名称 | 三菱商事 |
基準価額 | 2,212円 |
配当金利回り | 3.12% |
株主優待 | – |
直近配当金 | 35円 |
配当金支払い基準日 | 年2回 |
配当イメージ | 1株約2,200円で 1株あたり配当金が約135円/年 |
三菱商事は、卸売業で総資産1位の大手総合商社。
多角的な事業経営が特徴で、エネルギー、金属資源、産業インフラ、化学品、食品など、幅広い分野で事業を展開しています。
そうかと思えば、リソース開発にも積極的に投資していて、鉱山やエネルギープロジェクトなど、資源を活かした事業も展開中で、デジタル技術やIoTなどの先端技術の導入にも積極的です。
お堅いイメージがあったんだけど、デジタル技術やIoTなどの先端技術の導入にも余念がないので、まだまだ成長してくれるかも…。長期的に年間配当金120万円達成を手伝ってくれる企業になるかもしれません。
さらに、三菱商事は世界的な企業との戦略的なパートナーシップを築いていて、これがグローバルなビジネス展開やリスク分散に寄与。
投資の神様と言われる、ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイも、2023年に三菱商事への投資比率を上げる意向を示しているほど、世界的な注目企業になっています。
三菱商事など5大商社株は買いが先行している。米著名投資家ウォーレン・バフェット氏率いる投資会社バークシャー・ハザウェイが19日、持ち株比率を引き上げたと明らかにし、好感されている。
午前9時5分時点で、伊藤忠商事は2.7%高、丸紅は3.5%高、三菱商事は4.0%高、三井物産は4.2%高、住友商事は2.8%高となっている。
バフェットさんも大注目?!とにかく将来が面白そうな企業です。
【個別株】JT
正式名称 | JT |
基準価額 | 3,727円 |
配当金利回り | 5.05% |
株主優待 | – |
直近配当金 | 94円 |
配当金支払い基準日 | 年2回 |
配当イメージ | 1株約3,700円で 1株あたり配当金が約188円/年 |
日本の高配当株と言えば必ず名前が挙がるほど、配当利回りが高いことで有名なJT(日本たばこ産業)。
配当利回りは、なんと脅威の6〜7%代!年間配当金120万円を達成するために尽力してくれそうです!
世界的なたばこメーカーとしての地位を築いており、多くの国で製品を提供しています。
グローバルな展開はもちろんのこと、非たばこ事業にも注力しているのは有名なはなし。
多角的なビジネスモデルが特徴で、医薬品や飲料など市場のトレンドを見据えた新商品の開発・投入に積極的です。
たばこ企業だけど、健康志向な一面も…!
デジタル技術を活用し、たばこの販売から喫煙者の行動分析まで、様々なデータを基にした戦略で、低リスクたばこ商品や禁煙支援商品の開発・提供に余念がありません。
ただのたばこ企業なら、衰退の一途をたどるだけだけど、JTさんはちゃんと市場を見ています…!
\NISAが気になる人は、こちらの記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
【考察】つみたてNISAで元本割れする確率は?確率をゼロに近づける方法を解説!
まとめ:配当金120万円達成するにはいくら必要?銘柄選びの注意点
配当金120万円達成するには、大体約3,000万円~約5,000万円が必要なことがわかりました。
金額に幅があるのは、配当利回りはもちろん、資産を置いておく口座によってもかかる税金が違うから。
NISA口座の場合
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約4,000万円 | 120万円÷3% |
4% | 約3,000万円 | 120万円÷4% |
5% | 約2,400万円 | 120万円÷5% |
特定口座の場合
配当利回り | 必要な投資資金 | 計算式 |
---|---|---|
3% | 約5,000万円 | 120万円÷3%×1.25 |
4% | 約3,750万円 | 120万円÷4%×1.25 |
5% | 約3,000万円 | 120万円÷5%×1.25 |
なるべく早く配当金120万円達成することを考えるなら、配当利回りをしっかりチェックして長期的に成長してくれる銘柄を選ぶことや、NISA口座を活用することが大事になってきます。
大事な銘柄選びのコツと注意点は、以下のとおり。
業績や財務が安定し、減配リスクが少ない企業を選ぶ
配当性向が100%に近い銘柄は避ける
タコ足配当を出す銘柄は避ける
景気敏感セクターへの集中に注意!業界分散を意識
配当利回り水準によって戦略を変える
新NISAスタート!非課税口座を活用する
具体的な日本高配当株の例も挙げてみました。
ここで紹介するのはあくまで一例!
ほかにもいろんな高配当株があるから、自分でじっくり吟味して、各企業の将来性をイメージしてみることが大切です。
【日本株ETF】1489
【個別株】KDDI
【個別株】ブリヂストン
【個別株】三菱UFJフィナンシャル・グループ
【個別株】三菱商事
【個別株】JT
それでは今日もまめまめ楽しい一日を。
\お金に強くなるには、無料マネースクールの参加もおすすめ(*´▽`*)/