「初心者が株を買うなら、インデックスファンドから」って言うよね。でも…種類が多すぎて、何を選んだらいいかわかりません。
そんな疑問がある方、いませんか?
「インデックスファンド」といっても、その種類は多く、初心者は特に選ぶのが難しいのが実情です。そもそも「インデックスファンド」ってなに?思っている方も多いと思います。
今回は
・インデックスファンドとは?
・インデックスファンドとアクティブファンドの違い
・インデックスファンドの種類(指数)
・初心者におすすめのインデックスファンド3選
についてまとめてみました。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
インデックスファンドとは?
インデックスファンドとは、インデックスと呼ばれる市場の動きを示す指数に連動した値動きを目指して運用される投資信託のことです。
インデックスファンド
=市場の動きを示す指数に連動する投資信託
市場の動きを示す指数にはたくさんの種類があります。
例えば日本株なら、「日経平均株価」や「TOPIX」などです。
インデックスファンドを買うなら、「どの指数(インデックス)が伸びると思うか」を考える必要があるってこと!考え方によって投資先が変わります。
インデックスファンドとアクティブファンドの違い
投資信託の種類は、大きくわけると2つあります。
種類① インデックスファンド
種類② アクティブファンド
この2つの投資信託の大きな違いは、運用目標です。
インデックスファンドは、インデックス(指数)に連動することを目指す投資信託です。そして、アクティブファンドはインデックス(指数)に連動するのではなく、上回ることを目指しています。
一般的にはインデックスファンドがローリスクローリターンなのに対し、アクティブファンドはハイリスクハイリターンになります。
アクティブファンドのほうが、ちょっと目標が高いんですね。目標が高ければ、ちょっとムリなこともしなければならず、リスクが高くなります。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いは以下のとおりです。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
運用目標 | 指数(インデックス)に連動する | 指数(インデックス)を上回る |
方針 | ローリスクローリターン | ハイリスクハイリターン |
組入銘柄 | 指数と同様の構成 | 調査や分析を通じて優良な銘柄を厳選 |
手数料 | 低い | 高い |
インデックスファンドは、手数料(運用管理費用)を低く抑えながら、低コストで市場平均のリターンがとれるというメリットがあります。
インデックスファンドの組入銘柄は、指数の構成銘柄と同じであり、投資信託の中身の構成銘柄も自動的にリバランスされます。そのため、投資家が毎日チャートをチェックし続けなくても大きな問題になりません。気軽に投資が始められます。
一方、アクティブファンドは、ファンドマネージャーと呼ばれるプロの投資家が投資判断をして、彼らが企業分析をしながら組入銘柄を決定していきます。
指数に勝つことを目標にしているので、プロの投資家も必死です。
目標が高ければ高いほど、他のファンドマネージャーと違う動きをしないといけないので、ハイリスクハイリターンになりやすくボラティリティが大きくなるのが特徴です。
一般的に投資初心者にインデックスファンドをすすめる人が多い理由は、ローリスクローリターンだからなんですね。手数料もインデックスファンドは低いのが特徴です。
インデックスファンドとアクティブファンドの利回り
2022年1月現在のみんかぶ「投資信託の売れ筋ランキング」で人気の投資信託の利回りをチェックしてみましょう。
投資信託の売れ筋ランキング10位までの商品とその利回りはこちらです。ローリスクローリターンのインデックスファンドですが、実は利回りも高く、手数料も安く、比較的良い点が多いことがわかります。
ファンド名 | 種類 | 基準価額 | 利回り | 信託報酬 | |
1 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信 Dコース毎月決算型(為替ヘッジなし)予想分配金提示型 | アクティブ | 12,129円 | 42.44% | 1.73% |
2 | eMAXIS Slim米国株式(S&P500) | インデックス | 18,978円 | 44.52% | 0.10% |
3 | グローバルAIファンド(予想分配金提示型) | アクティブ | 11,843円 | 19.67% | 1.93% |
4 | SBI・V・S&P500インデックス・ファンド(SBI・V・S&P500) | インデックス | 16,839円 | 32.71% | 0.11% |
5 | 投資のソムリエ | アクティブ | 12,211円 | 0.34% | 1.54% |
6 | eMAXIS Slim全世界株式(オール・カントリー) | インデックス | 16,839円 | 32.71% | 0.11% |
7 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Cコース毎月決算型(為替ヘッジあり)予想分配金提示型 | アクティブ | 11,309円 | 28.58% | 1.73% |
8 | アライアンス・バーンスタイン・米国成長株投信Bコース(為替ヘッジなし) | アクティブ | 47,533円 | 42.87% | 1.73% |
9 | 楽天・全米株式インデックス・ファンド(楽天・バンガード・ファンド(全米株式)) | インデックス | 19,810円 | 40.90% | 0.13% |
10 | マニュライフ・円ハイブリッド債券インカム・ファンド(年1回決算型) | アクティブ | 10,457円 | 2.45% | 0.59% |
「投資信託の売れ筋ランキング」を見ると、なんかインデックスファンドのほうが利回り含めてお得な気がしてきません?しかしそこにはちょっと落とし穴があります。
インデックスファンドだけ買えばいいのか?
利回りを見ると、インデックスファンドだけ買っておけばいいと思ってしまう人も多いかもしれません。でもインデックスファンドの選び方を間違えると、偏った投資になってしまうことがあるので注意が必要です。
例えば、複数のインデックスファンドを買って、リスク分散をしたつもりでも、その複数のファンドが同じ指数に連動していることがあります。
知っていて同じ指数連動商品に投資しているのなら良いのですが、分散しているつもりで購入している場合は、思った結果が出ないので注意が必要です。
初心者は1つのインデックスファンドを始めるところからでOKですが、永遠にインデックスファンドだけ買っていても大きく勝つことはできません。このあたりが悩みどころで、ついついリスクの大きな個別株やアクティブファンドを買いたくなってしまうのよね。
インデックスファンドの注意点
インデックスファンドは、アクティブファンドに比べて、ローリスク・ローリターン・ローコストで初心者向きだと言われています。
それは正しい認識ですが、一方で注意点もあります。
注意点① 短期で大きなリターンを生むのは難しい
インデックスファンドは、長期投資が基本です。
少なくとも数年は投資し続けることが重要で、特に積立投資などコツコツ積立てていくことで複利効果が得やすくなります。
注意点② 市場全体がマイナスの時は勝てない
インデックスファンドは、インデックスに連動します。
インデックスは市場全体や相場全体の影響を受けます。ということは、インデックスファンドは、市場全体の成長が止まった時や調整の時には勝てなくなります。
それがわかっていれば、市場全体がマイナスの時に買い増しをしたり、コツコツと積立を続けることができるのですが、あまりわかっていない場合は目減りしたとたんに売ってしまって、損失を確定させてしまいます。
むしろ、市場がマイナスな時は買い増ししやすい時であり、安易に売却しないほうがよい可能性が高いので、いったんとどまることが必要だと念頭に置いておきましょう。
インデックスファンドの選び方3選
インデックスファンドには、たくさんの種類があります。しかし、同じ指数に連動している類似ファンドも多いので、選び方は注意が必要です。
何を選んだら良いかわからない人は、以下の3つのポイントを意識するようにしてみましょう。
選び方① 連動している指数は何か?
選び方② コストはどのくらいか?
選び方③ 純資産総額の大きさはどのくらいか?
選び方① 連動している指数は何か?
インデックスファンドには、必ず連動している指数があります。
指数には、日本国内のインデックス、米国のインデックス、全世界のインデックスなど、いくつか種類があります。
まずは、長期的にどの指数が伸びていくか、自分の予想を整理してみましょう。その予想に合った指数に投資するというのが、初心者が投資しやすい方法のひとつです。
最初はこの自分なりの投資方針を明確化して、自分が伸びると思う指数に連動しているインデックスファンドを購入することをおすすめします。
具体的な指数の種類については、のちほど詳しくまとめます。
選び方② コストはどのくらいか?
インデックスファンドを買うとかかるコストは、複数あります。
インデックスファンドの種類によってかかるコストの種類は違うので、なるべくシンプルでコストが安いインデックスファンドを選んだほうがお得です。
買付手数料
信託報酬
監査報酬
売買委託手数料
信託財産留保額
アクティブファンドに比べると、インデックスファンドは買付手数料も信託報酬もかなり低価格です。しかし、インデックスファンドの中でもかなり差があります。
例えば同じS&P500の動きに連動するインデックスファンドの信託報酬を比べてみましょう。
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:0.0938%
eMAXIS Slim米国株式(S&P500):0.0968%
iFree S&P500インデックス:0.2475%
このように同じ指数に連動している投資信託でも、手数料は全く違います。他に違いがないようであれば、なるべく運用コストが安いものを選ぶことをおすすめします。
選び方③ 純資産総額の大きさはどのくらいか?
純資産総額は、そのインデックスファンドの保有資産の総額を指しています。
純資産総額が多ければ多いほど、投資家から資金が集まっていて、人気がある投資信託だと言えます。純資産総額が順調に成長しているかどうかは、念のためチェックしておきましょう。
あまりにも純資産総額が少ない場合は、ちょっと様子をみてみるのもひとつの手です。なぜなら、あまりにも純資産総額が少ない場合は、運用が行えなくなり、途中でサービスがストップしてしまうこともあるからです。
例えば同じS&P500の動きに連動するインデックスファンドの純資産総額を比べてみましょう。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500):963,618百万円
SBI・V・S&P500インデックス・ファンド:463,553百万円
iFree S&P500インデックス:46,187百万円
一番人気はeMAXIS Slim米国株式(S&P500)でした!このように純資産総額は大きく違うので投資前にチェックしておきましょう。
株式型×インデックスファンドの種類(指数)
ここからはインデックスファンドを購入する際に意識する指数の種類について、詳しく見ていきましょう。
インデックスファンドは、株式だけの株式型と債権やリートなども入ったバランス型に分けることができます。
種類① 株式型=株式のみ
種類② バランス型=株式・債権・リートも含む
まずは、株式型を5種類に分けてご紹介します。
種類① 国内インデックスファンド:日経平均株価・TOPIX
インデックスファンドが連動する日本国内の指数には、主に「日経平均株価」と「TOPIX」があります。
日経平均株価
=東証一部上場株式のうち代表的な225銘柄
TOPIX
=東証一部上場株式すべて (約2100銘柄)
幅広く投資してリスク分散したいときは「TOPIX」連動型がいいし、代表的な企業に絞ったほうが利益が出やすいと思えば「日経平均株価」連動型がおすすめです。将来に対する自分の予想結果によって、買いたいインデックスファンドは変わってくるよね。
種類② 全世界インデックスファンド:MSCI ACWI・FTSEGlobalAll
インデックスファンドが連動する全世界の指数には、主に「MSCI ACWI」と「FTSEGlobalAll」があります。
MSCI ACWI
=全世界約50か国の大企業&中企業約3000銘柄
FTSEGlobalAll
=全世界約50か国の大企業&中企業&小企業約7800銘柄
全世界のインデックスはそもそもかなり範囲が広いですね。日本だけより全世界のほうが成長すると思えば、「日経平均株価」連動型よりも「MSCI ACWI」連動型を買ったほうが良いです。
種類③ 米国インデックスファンド:S&P500・CRSPU.S.TotalMarket
インデックスファンドが連動する米国の指数には、主に「S&P500」と「CRSPU.S.TotalMarket」があります。
S&P500
=米国株式市場上場株式のうち大企業約500銘柄
CRSPU.S.TotalMarket
=米国株式市場上場株式すべて (約3600銘柄)
今現在は一人勝ちともいえる米国市場!これからもまだまだ米国株一強の時代が続くと思えば、「S&P500」連動型が最強かも?!
種類④ 先進国インデックスファンド:MSCI コクサイ
インデックスファンドが連動する先進国の指数には、主に「MSCI コクサイ」があります。
MSCI コクサイ
=日本を除く先進国22か国の大企業&中企業約1300銘柄
種類⑤ 新興国インデックスファンド:MSCI Emerging Markets
インデックスファンドが連動する新興国の指数には、主に「MSCI Emerging Markets」があります。
MSCI Emerging Markets
=新興国24か国の大企業&中企業約1100銘柄
バランス型×インデックスファンドの種類(指数)
インデックスファンドには、バランスファンドと呼ばれる株式、債権、不動産など株式以外にもバランスよく投資をするファンドがあります。
バランスファンド
=株式だけでなく債権や不動産にも投資をするバランス型のファンド
バランスファンドは、株式ファンドよりも分散される傾向にあるので、リスク分散して、資産をなるべく守りたい人向きです。そのため、若者よりも高齢者におすすめされることが多くなりがちなインデックスファンドです。
バランスファンドの指数は、合成指数・合成ベンチマークと言われるものです。
合成指数(合成ベンチマーク)
=2つ以上の指数を合算したもののこと
=バランスファンドの運用成績を測る際に利用される
例えば、つみたてNISAで購入することもできる「ニッセイ・インデックスバランスファンド(4資産均等型)」の場合は、以下の指数をそれぞれ25%ずつ組み合わせた合成指数に連動しています。
国内株式:東証株価指数(TOPIX)
先進国株式:MSCI Kokusai Index(MSCIコクサイ インデックス)(円換算ベース)
国内債券:NOMURA-BPI総合および
先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本、円換算ベース)
バランスファンドにはその分散の範囲によって、以下の3種類があります。
種類① 4資産インデックスファンド
「国内株式」「国内債券」「外国株式」「外国債券」の4資産に分散投資するインデックスファンドのことを指します。
種類② 6資産インデックスファンド
「国内株式」「国内債券」「国内不動産(リート)」「外国株式」「外国債券」「外国不動産(リート)」の6資産に分散投資するインデックスファンドのことを指します。
種類③ 8資産インデックスファンド
「国内株式」「国内債券」「国内不動産(リート)」「外国株式」「外国債券」「外国不動産(リート)」「新興国株式」「新興国債券」の8資産に分散投資するインデックスファンドのことを指します。
若い人が投資をしようとしていたらバランスファンドはあまりおすすめじゃないけど、資産を守りたい人にとってはメリットもあるよね。バランスファンドに関しては、別の記事で詳しくまとめているのでこちらもぜひ読んでみてね。
初心者におすすめのインデックスファンド3選
最後に初心者におすすめのインデックスファンド3選をご紹介しましょう。
先ほどご紹介した選び方のポイントをクリアしているおすすめのインデックスファンドをまとめてみました。
選び方① 連動している指数は何か?
選び方② コストはどのくらいか?
選び方③ 純資産総額の大きさはどのくらいか?
ファンド① eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)は、「オルカン」と略されることも多い人気のインデックスファンドです。全世界約50か国の大企業&中企業約3000銘柄に投資をするので、分散力ばっちりです。
日本だけ、米国だけ、と国別に投資するよりも全体に投資したい方には人気があります。
連動している指数(インデックス): MSCI ACWI (配当込み、円換算ベース)
純資産総額:4079億1800万円
信託報酬:年率0.1144%
販売手数料:なし
ファンド② SBI・V・S&P500インデックス・ファンド
SBI・V・S&P500インデックス・ファンドは、人気の米国指標「S&P500指数」に連動したインデックスファンドです。米国一強時代がまだまだ続くと思われている方は、全世界に投資するよりも効率がよいのでおすすめです。
驚きなのは信託報酬の安さです。「S&P500指数」連動型のインデックスファンドのうち、2022年1月現在では一番信託報酬が少ないインデックスファンドです。
連動している指数(インデックス):S&P500指数(円換算ベース)
純資産総額:4635億5300万円
信託報酬:年率0.0638%
販売手数料:なし
ファンド③ 楽天・全米株式インデックス・ファンド
楽天・全米株式インデックス・ファンドは、米国指標「CRSPU.S.TotalMarket」に連動したインデックスファンドです。
こちらも「S&P500指数」と同じくこれからの米国に期待する人向けですが、「S&P500指数」が大企業500社への投資だとすれば、「CRSPU.S.TotalMarket」は中小企業も含めた約3600銘柄への投資です。
米国一強時代がまだまだ続くけど、今の中小企業に未来の大企業が混ざっていると思われている方は、「S&P500指数」連動型のインデックスファンドよりおすすめです。
連動している指数(インデックス):CRSPU.S.TotalMarket(円換算ベース)
純資産総額:4733億8100万円
信託報酬:年率0.132%
販売手数料:なし
まとめ ~インデックスファンドとは?どんな種類がある?~
インデックスファンドとは、インデックスと呼ばれる市場の動きを示す指数に連動した値動きを目指して運用される投資信託のことを指しています。
インデックスファンド
=市場の動きを示す指数に連動する投資信託
その種類は大きくわけると2つです。
種類① インデックスファンド
種類② アクティブファンド
インデックスファンドは、インデックス(指数)に連動することを目指す投資信託です。そして、アクティブファンドはインデックス(指数)に連動するのではなく、上回ることを目指しています。
インデックスファンドとアクティブファンドの違いは以下のとおりです。
インデックスファンド | アクティブファンド | |
運用目標 | 指数(インデックス)に連動する | 指数(インデックス)を上回る |
方針 | ローリスクローリターン | ハイリスクハイリターン |
組入銘柄 | 指数と同様の構成 | 調査や分析を通じて優良な銘柄を厳選 |
手数料 | 低い | 高い |
インデックスファンドにもどの指数に連動するかによって多くの種類があり、自分の未来予想に合った指数連動型のインデックスファンドを選ぶのが投資の醍醐味です。
初心者がインデックスファンドを買う時の選び方のポイントは以下の3つです。
選び方① 連動している指数は何か?
選び方② コストはどのくらいか?
選び方③ 純資産総額の大きさはどのくらいか?
参考にしてみてね。