8資産均等型の投資信託がダメな理由をおしえて!
バランスが良くて最強だという人もいるけど、結局どっち?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・そもそも8資産均等型とは?投資家の評判は?
・8資産均等がダメな理由と最強な理由
・8資産均等がおすすめなのはこんな人
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、新NISAの非課税枠でも投資できる、人気の投資信託です。
「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2020」では、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」や「eMAXIS Slim 先進国株式インデックス」を抑えて、なんと6位にランクイン!
その一方で、「8資産均等型はダメ」「頭が悪い配分」と言った、批判の声も少なくありません。
これだけ意見や好みが分かれる投資信託もめずらしいよね。
そこで今回は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)をはじめとする、「8資産均等型」の投資信託がダメな理由を徹底解説!
8資産均等型の特徴、メリット、デメリット、評判などをまるっと整理してみました。
8資産均等とは?
8資産均等型とは、日本を含む世界各国の株式、債券およびリートなど、8つの資産に均等に投資することができるインデックス型の投資信託のことです。
ここでは、8資産均等型の投資信託の中でも人気の「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を元に、その特徴を整理していきましょう。
【eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の基本情報 2023/11時点】
運用会社 | 三菱UFJアセットマネジメント |
連動対象 | 合成ベンチマーク(8資産均等) |
ファンド設定日 | 2017年5月9日 |
ファンド分類 | バランス型インデックス |
販売手数料(購入時手数料) | 無料 |
信託報酬(運用管理費用) | 0.143%以内 |
信託財産留保額 | なし |
総経費率 | 0.19% |
純資産総額 | 2,327.03億円 |
トータルリターン(1年) | +5.12% |
トータルリターン(3年) | +9.84% |
8つの資産に分散投資できる
8つの指数に連動している
バランス型ファンドの定番である
比較対象:4資産均等・6資産均等とは?
一つずつ見ていきましょう。
8つの資産に分散投資できる
8資産均等型のインデックスファンドで投資できるのは、以下の8つの資産です。
これらを12.5%ずつ均等に分散して投資するので、「8資産均等型」と呼ばれています。
【8つの資産】
国内株式:12.5%
先進国株式:12.5%
新興国株式:12.5%
国内債権:12.5%
先進国債権:12.5%
新興国債権:12.5%
国内REIT:12.5%
外国REIT:12.5%
引用:交付目論見書|eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
債券もREITも新興国も…小さい市場も大きい市場も全部均等なのが、8資産均等型の投資信託の特徴です。
8つの指数に連動している
8資産均等型のインデックスファンドの中でも人気の投資信託「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」を例に、指数を確認してみましょう。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、8つの資産それぞれに関連する指数に連動することを目標にしています。
引用:交付目論見書|eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
資産種別 | 指数 |
---|---|
国内株式 | TOPIX(東証株価指数) |
先進国株式 | MSCIコクサイ・インデックス |
新興国株式 | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
国内債券 | NOMURA-BPI総合 |
先進国債券 | FTSE世界国債インデックス(除く日本) |
新興国債券 | JPモルガン GBI-EMグローバル・ダイバーシファイド |
国内REIT | 東証REIT指数 |
先進国REIT | S&P先進国REITインデックス(除く日本) |
改めて見てみると、8資産均等型ってかなり大規模な運用がされていることがわかるよね…。
バランス型ファンドの定番である
バランス型ファンドとは、投資の基本である分散投資が1本でできるファンドのことを言います。
バランス型ファンド
=いくつかの金融資産にお金を分散させて運用する投資信託のこと
投資の基本は、分散投資です。
分散投資には大きくわけて、「時間分散」「資産分散」の2つがあります。
分散投資
∟時間分散
∟資産分散
∟アセットクラス分散=株式、債券、REIT、金など
∟地域分散=先進国、新興国、国内、外国など
時間分散を効かすためには、購入するタイミングをずらす必要がありますが、資産分散はバランス型ファンドを1本買えば、解決できるケースも少なくありません。
8資産均等型の投資信託は、アセットクラス分散と地域分散が1本だけでできるのが大きなメリットだよ。
まだ投資信託の種類が多くなかったころは、自分で自分のアセットクラス分散を1から考えなくてはなりませんでしたが、近年はたくさんの投資信託が生まれ、1本だけでも分散が効いた銘柄が増えてきました。
そうなると、より分散の効いた商品を求める投資家も出てきて、2010年ごろからはREITや新興国へ投資する人も増えています。
地域は国内・先進国・新興国の3つ、アセットクラスは株式、債権、REITの3つに分ける考え方が浸透し、バランス型ファンドの基本は「8資産」だと考える人も多くなりました。
「4資産均等型」や「6資産均等型」のバランス型ファンドもあるけど、一般的に人気なのは「8資産均等型」みたい。投資信託ランキングでも上位だしね!
\S&P500が気になる人は、こちらの記事を読んでみてね(*´▽`*)/
比較対象:4資産均等・6資産均等とは?
8資産均等型とよく比較されるものに、4資産均等型と6資産均等型、3地域均等型があります。
【4資産均等型】
構成要素:「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」
有名なファンド:JP4資産均等バランス
【6資産均等型】
構成要素:「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」「国内REIT」「外国REIT」
有名なファンド:野村6資産均等バランス
【3地域均等型】
構成要素:「国内株式」「外国株式」「新興国株式」
有名なファンド:eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)
分散型のファンドって、投資のセオリーに合っているから、信頼性が高いという特徴も。新NISAでも対象商品になることが多いよね!
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8資産均等がダメな理由
8資産均等型のインデックスファンドは、投資の安定性を求める人にとっては、とても便利な投資信託です。
1本買えば、地域やアセットクラスを幅広く分散してくれて、自分のポートフォリオを安定的に保つことができる可能性があります。
でも…、はたして、各地域や各アセットクラスに均等に投資をすること(=8資産均等)だけが、安定的な資産運用に効果的なのでしょうか?
ここが正直、微妙かも…と思っている人も多そうなんだよね。
ここからは、8資産均等がダメと言われる理由を整理してみましょう。
市場規模が小さい資産の比率が高すぎる
低成長国比率が高すぎる
暴落に弱く、回復が遅い
パフォーマンスは株式に劣る
安全資産は実質25%のみ
信託報酬は最安ではない
若い世代の資産形成には不向き
市場規模が小さい資産の比率が高すぎる
8資産均等型は、市場規模が小さい資産の比率が高すぎてしまうという課題があります。
8資産均等がダメと言われる、大きな理由のひとつです。
8資産均等型は、8つの資産に12.5%ずつ投資されています。
一見、バランスがよく見えますが、その市場規模(時価総額)の大きさは全く違います。
【時価総額】
国内株式:約729兆円
国内リート:約15.5兆円
時価総額が全く違うにも関わらず、同じ割合で組み入れられているため、時価総額が小さい資産の影響が強くなってしまう点には注意が必要です。
さらに言えば、先進国株式は1,300程度の銘柄が切磋琢磨しているのに対し、国内REITの銘柄数は100以下です。
同じ割合で組み入れると、世界的な大企業のアップルやマイクロソフトに日本国内のリート銘柄(J-REIT)の影響力が並んでしまうという結果に。
実際に、「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の組み入れ銘柄の上位を見てみると、以下のとおり。
組入上位銘柄 | 種類 | 国・地域 | 比率 |
---|---|---|---|
TAIWAN SEMICONDUCTOR MANUFAC | 株式 | 台湾 | 0.7% |
APPLE INC | 株式 | アメリカ | 0.6% |
MICROSOFT CORP | 株式 | アメリカ | 0.5% |
TENCENT HOLDINGS LTD | 株式 | 香港 | 0.5% |
BRAZIL-LTN 240101 | 債券 | ブラジル | 0.3% |
10.5 SOUTH AFRICA 261221 | 債券 | 南アフリカ | 0.2% |
BRAZIL-LTN 260101 | 債券 | ブラジル | 0.2% |
PROLOGIS INC リート | リート | アメリカ | 1.1% |
日本ビルファンド投資法人 リート | リート | 日本 | 0.8% |
EQUINIX INC | リート | アメリカ | 0.7% |
ああ…国内REITやブラジル債券が、アップルやマイクロソフトに並んでる…。これはリターンが伸びにくそうだ…。
8資産均等型は、バランスよく見えますが、高リターンを目指すのにはあまり向かないファンドであると言えそうです。
低成長国比率が高すぎる
8資産均等型は、市場規模の違いだけでなく、低成長国の比率も高すぎてしまうことも問題視されています。
8資産均等型は、地域分散を国内、国外、新興国の3つに分けているため、どうしても日本国内の株式や債券、リートとの比率が高くなってしまいます。
日本の経済成長率は、残念ながら右肩下がり…2021年の名目GDPは、97年比で1.00倍で、ここ数年の日本は成長できていません。
それにもかかわらず、8資産均等型の組入上位通貨の比率を見ると、なんと日本が約40%を占めています。
組入上位通貨 | 比率 |
---|---|
円 | 37.8% |
アメリカドル | 25.7% |
ユーロ | 6.0% |
香港ドル | 3.0% |
中国元 | 2.5% |
ブラジルレアル | 1.9% |
イギリスポンド | 1.8% |
ニュー台湾ドル | 1.7% |
メキシコペソ | 1.7% |
インドルピー | 1.6% |
あんまり言いたくないけど、日本に40%も降るのは…ちょっと投資効率悪い気がしちゃう。そりゃわたしも日本人なので、日本に期待したい気持ちはあるけどさ…。
2023年の世界の時価総額ランキングトップ10は、1社を抜かしてすべて米国企業です。
企業 | 時価総額 |
---|---|
アップル | 2兆6,090億ドル |
マイクロソフト | 2兆1,460億ドル |
サウジ・アラビアン・オイル | 1兆8,931億ドル |
アルファベット | 1兆3,302億ドル |
アマゾン・ドットコム | 1兆584億ドル |
エヌビディア | 6,860億ドル |
バークシャー・ハサウェイ | 6,756億ドル |
テスラ | 6,564億ドル |
メタ・プラットフォームズ | 5,494億ドル |
ビザ | 4,753億ドル |
日本の成長に40%もベットするなら、人口増加による人材の確保や開発資金を多く使うことができるアメリカにもう少しベットしたほうが、資産が増える可能性は高そうです。
さらに、投資先が日本に偏ってしまうことで、日本特有の経済リスクも被りやすくなってしまうことも心配です。
分散投資は投資のセオリーですが、市場規模や時価総額を無視して単純に均等割りすることによって、一定のリスクが生じることには注意が必要かもしれません。
うーむ…。
暴落に弱く、回復が遅い
8資産均等型は、暴落に弱く、回復が遅いこともダメだと言われがちです。
分散投資は、一般的に考えるとリスクを最小限に抑え、リターンを確保する賢い投資法です。
しかし、コロナショックなどの相場全体が一気にすべてやられてしまう時はあまり意味がありません。
そもそも分散投資をする意味は、全く違う動きをする2つの商品があって、何か事件があった時に全く違う方向に動くからこそリスクが分散されます。
しかし、2020年のコロナショックや2009年のリーマンショックのように、短期間で株式も債権も同じ方向に下落した場合、ほとんど意味がないのです。
実際のコロナショック時のチャートを確認してみましょう。
8資産均等型がコロナショックから回復するまでにかかった時間は、約10カ月。
しかし、S&P500はコロナショックからの回復に約6カ月しかかかっていません。
暴落に対する強さは、確実にS&P500のほうが優秀です!
この原因は、8資産均等型には立ち戻りが早い先進国株式以外に、不動産や新興国株式が一定割合含まれているため。
守りの資産の筆頭に挙げられる債券が、コロナショックから守ってくれているため下落率は少ないのですが、回復力が足りていないのが8資産均等型がダメと言われる理由です。
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パフォーマンスは株式に劣る
ここまで見てみると、8資産均等型の特徴がわかってきたと思います。
8資産均等型のパフォーマンスは、どうしても株式オンリーの投資信託に劣ります。
8資産均等型最強説は、否定せざるを得ません…
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の年間収益率を比較してみると、以下の通り。
【年間収益率の推移】
年 | 8資産均等型 | S&P500 |
---|---|---|
2013年 | 28.2 | 60.4 |
2014年 | 18.4 | 31.7 |
2015年 | ー3.0 | 0.9 |
2016年 | 3.5 | 6.1 |
2017年 | 7.8 | 17.5 |
2018年 | -6.7 | ー7.7 |
2019年 | 16.3 | 30.5 |
2020年 | 1.0 | 10.3 |
2021年 | 16.0 | 44.5 |
2022年 | -4.7 | ー6.1 |
2023年 | 5.1 | 9.1 |
・2016年以前はベンチマークの年間収益率を表示
引用:交付目論見書|eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
引用:交付目論見書|eMAXIS Slim バランス(S&P500)
8資産均等型は、債券が組み入れられているので、暴落時の下落率は抑えられているよね。
安全資産は実質25%のみ
8資産均等型は、安全だ、安定的だと言われますが、実は安全資産の割合はそれほど多くありません。
もちろん株式100%の投資信託よりは、安全資産は多いけど、これは意外と盲点です。
アセットクラスのうち、株式はもちろんREITも、値動きは激しく、安全資産とは言えません。
実質的な安全資産は債券のみで、さらに言えば新興国債券は値動きが大きく、デフォルトリスクも高いため、安全資産とはいいがたい存在です。
そうなると…安全資産は国内債券と先進国債券だけなので、約25%です。意外と少ないかも…?
1本で全アセットクラスを網羅しているとはいえ、8資産均等型は安全だからとこれ1本で行くとしたら、それなりにリスクが大きい商品であることは認識しておくべきです。
8資産均等型がダメな理由として注目されるのは、安定資産としても意外と中途半端な点です。
本気で安定資産を構築したい人にとっては、8資産均等型だけだと不十分かも…。
信託報酬は最安ではない
8資産均等型は、低コストで広く分散投資が可能な商品ではありますが、そのコストは最安ではありません。
あくまで比較的安いよっていうだけ。笑
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」の信託報酬と総経費率を比較してみると、以下の通り。
8資産均等型 | S&P500 | |
---|---|---|
信託報酬 | 0.143%以内 | 0.09372%以内 |
総経費率 | 0.19% | 0.11% |
引用:交付目論見書|eMAXIS Slim バランス(S&P500)
8資産均等型は、比較的コストはかからないけど、最安とは言えません。
若い世代の資産形成には不向き
資産形成をするにあたり、まだ時間がたくさんある若い人と、時間が少ない中年から高齢者の戦略は、違ってあたりまえです。
8資産均等型は、長期的に高いリターンが狙える株式の割合が低く抑えられているため、せっかく時間がある若者の資産拡大チャンスの足を引っ張ってしまう可能性があります。
逆に、資産を守りたい中年以上の人、人生の資産構築をほぼ終え、目標にすでに達成している人にとっては、注目の商品であることは言うまでもありません。
高齢者:リスクをなるべく避ける
若年者:リスクをなるべくとる
お金をまだまだ増やしたい!と思っている人は、8資産均等型だともったいないかも?もう少し株式の比率を上げるのがおすすめです。
8資産均等が最強な理由
誰が何と言おうと、分散投資は投資の基本!8資産均等が最強でしょ?
うーん。笑 最強とは言えないけど、もちろんメリットはたくさんあるよ。
8資産均等型ファンドのメリットは、以下のとおりです。
ポートフォリオの分散性が高い
リスクとリターンが平準化されている
これ一本で長期分散積立が可能
自動でリバランスしてくれる
純資産が右肩上がりで人気がある
一つずつ見ていきましょう
ポートフォリオの分散性が高い
8資産均等が最強といわれる理由は、ポートフォリオの分散性が高いことです。
そりゃそうだよね。国もアセットクラスも、幕の内弁当級に少しずついろいろ入ってるもん。
8資産均等型のファンドがすごいのは、安定資産である債券にも40%投資しながら、きちんと毎年成長していける成長力を持っているところ。
もちろん株式だけのポートフォリオに比べたら、トータルリターンは少なくなりますが、暴落時の暴落割合が少なく抑えられるのは、債券を含んでいるおかげです。
暴落のダメージを少しでも抑えたい人は、8資産均等型を組み入れるのもありだよ。
ちなみに、株式100%の投資信託を買いながら、自分で債券を別途購入する方法でももちろん大丈夫です。
リスクとリターンが平準化されている
8資産均等が最強といわれるもうひとつの理由は、とにかく平均点がとれること。
リターンがそこそこな分、リスクもそこそこで抑えられているというのが、8資産均等型ファンドの特徴です。
株式市場が不調でも、債券市場に助けられ、債券市場が不調でも不動産市場に助けられるため、結果的には平均点がとりやすい仕組みになっています。
さらに、地域分散も聴いていることから、国固有の経済状況や為替リスク、地域の紛争や地震などの自然災害など、予想できないアクシデントで被るリスクを最小限に抑えることができます。
プロのトレーダーだって、地域リスクの予想はできません…。
正直、8資産均等型のファンドで最大リターンを得るのは難しいですが、そこそこのリターンで満足できる人には、とてもおすすめのファンドです。
これ一本で長期分散積立が可能
8資産均等型のファンドは、これ一本で分散投資が可能という点で、最強と言わざるを得ません。
さらに、8資産均等型のファンドをNISAなどのつみたて投資枠で、長期積立していけば、地域・資産・時間のすべての分散が可能になります。
分散投資
∟時間分散
∟資産分散
∟アセットクラス分散=株式、債券、REIT、金など
∟地域分散=先進国、新興国、国内、外国など
8資産均等型は、安定運用に向いているため、NISA口座でも買うことができる対象ファンドになっています。
自動でリバランスしてくれる
8資産均等型ファンドをわざわざ買わなくても、自分で分散投資をすればいいと考える人もいるでしょう。
それももちろん一理あります。てか、わたしはそっち派。
ただ、ポートフォリオを自分で組んでいく場合は、定期的なリバランスが必要になり、それなりに投資が好きな人でないと続きません。
8資産均等型は、プロのファンドマネージャーが自動でリバランスしてくれる点も最強と言われる理由です。
純資産が右肩上がりで人気がある
投資信託を選ぶ時に実はとても重要なのが、純資産額です。
人気のない銘柄は、純資産額が上手く伸びず、途中で早期償還になるリスクがあるからです。
その点、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、純資産額は十分に育っていて、さらに右肩上がりで増え続けています。
好き嫌いは分かれるけど、8資産均等型ってファンが多いイメージがあります。
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比較:8資産均等の過去のトータルリターン
8資産均等型投資信託の例として、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を使用して、利回り・トータルリターンを整理していきましょう。
実は「8資産均等型はダメ」「頭が悪い配分」と言われる大きな理由は、この利回りやトータルリターンにあると言われています。
3地域均等型との比較
オールカントリーとS&P500との比較
eMAXIS Slimバランス8資産均等型の評価
一つずつ見ていきましょう
3地域均等型との比較
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」のトータルリターンを比較してみましょう。
8資産均等型 | 3地域均等型 | |
---|---|---|
1ヶ月 | -2.26% | -2.88% |
3ヶ月 | -3.35% | -3.97% |
6ヶ月 | +4.45% | +9.29% |
1年 | +5.12% | +14.02% |
2年 | +2.54% | +5.93% |
3年 | +9.84% | +14.99% |
5年 | +6.80% | +10.73% |
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、地域分散のほかにアセットクラス分散もされているため、マイナスリターンの時の下落は少なく安定しているものの、上昇局面のリターンはひかえめです。
一方、「eMAXIS Slim 全世界株式(3地域均等型)」は、国内、外国、新興国の3つの地域に分散されていますが、アセットクラスは全部株式。
そのせいで「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と比較すると、長期的にはリターンが増えやすいという特徴があります。
地域分散はしたいけど、アセットクラスは株式に振りたい…という人に3地域均等型は人気です。
オールカントリーとS&P500との比較
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」と「eMAXIS Slim 全世界株式(オールカントリー)」、「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」のトータルリターンを比較してみましょう。
8資産均等型 | オールカントリー | S&P500 | |
---|---|---|---|
1ヶ月 | -2.26% | -3.26% | -3.06% |
3ヶ月 | -3.35% | -4.19% | -3.25% |
6ヶ月 | +4.45% | +9.69% | +13.06% |
1年 | +5.12% | +10.66% | +9.20% |
2年 | +2.54% | +7.68% | +10.65% |
3年 | +9.84% | +19.70% | +23.20% |
5年 | +6.80% | +13.90% | +17.05% |
人気のオルカンやS&P500と比べると、8資産均等型のトータルリターンは、かなりひかえめです。
特に長期投資になると、その違いは顕著で、資産の振り分け方に関してもったいないと感じる投資家も多そうです。
「8資産均等型はダメ」「頭が悪い配分」と言われる理由は、主にこのトータルリターンの低さにありそうです。
eMAXIS Slimバランス8資産均等型の評価
個人投資家のeMAXIS Slimバランス8資産均等型に対する評価は、以下のとおり。
・8資産均等型は安心感がある(精神安定剤)
・個人的には好きだけど、儲からない
・教科書的には正しい分散投資ができるけど、地味
・お金が増えないので、オルカンやS&P500に乗り換えた
eMaxis slimバランス8資産均等型、何気に好きな投信。
うむ、居てくれたか、な安心感がある。
サッカー日本代表だと、川島永嗣選手のような存在。
引用:Xより
新NISAの設定完了!
とりあえず5万円で始めて、キツかったら調整します
8資産均等は精神安定剤です
引用:Xより
皮肉なことに1番利益が載ってないのが8資産均等型…😢 親しい人には分散投資を勧めたいけど、分散投資は儲かんないね。
引用:Xより
たわらノーロード8資産均等とかTracers MSCIオール・カントリー・インデックス(全世界株式)とか、最近全然話題にあがらへんけど、どうなんやろ?!
新NISA、オルカンかS&P500の2択のみですか?!
教科書的には8資産に分散投資するのがオススメやと思うんやけど
引用:Xより
長期投資で8資産均等型を持ってたけど米国株に変えてしまった。これがイイか悪いかは10年後を見ないとわからないけどある程度リスクとってお金を増やしたいんでこうした。どっちがいいってわけじゃないだけどね。結果は誰もわからない
引用:Xより
好きだけど儲からない、分散投資ができるけどリターンはダメ…などなど…。8資産均等は好きな人も多いけど、それだけに投資し続けるのは…思うところが多い投資家が多いようです。
\オルカンやS&P500が気になる人は、こちらの記事を読んでみてね(*´▽`*)/
8資産均等がおすすめの人
8資産均等がおすすめの人は、以下のとおり。
資産を減らしたくない人・平均が好きな人
株式投資に興味がなくほったらかしたい人
詳しく見てみましょう。
資産を減らしたくない人・平均が好きな人
今ある資産を絶対に減らしたくない人は、銀行に預けるのが得策です。利子がほとんどつかない分、元本が減るケースはほとんどないと言っていいでしょう。
でも、まったく増えないのも心配だ…と思う方にとっては、8資産均等型はちょうどいいパフォーマンスを出してくれる可能性があります。
株式投資に興味がなくほったらかしたい人
低コストで分散投資を可能にしている8資産均等型は、株式投資に興味がなくほったらかしたい人にもおすすめです。
大きな暴落が来たら債券が守ってくれ、逆に暴騰が来たら程よく株式が増やしてくれます。
多少ほったらかしていても大きなリスクはなく、安定的に持っている資産を守ってくれる可能性が高い商品です。
新NISAのつみたて投資枠に8資産均等型ファンドを採用する人も多いみたい。
8資産均等をおすすめできない人
8資産均等がおすすめできない人は、以下のとおり。
リスクをとって資産を増やしたい人
20~30代の年が若い人
詳しく見てみましょう。
リスクをとって資産を増やしたい人
人生の資産構築目標にまだ達しておらず、もう少し資産を増やしたいと考えている人には、8資産均等型のインデックスファンドはおすすめできません。
やっぱり8資産均等型のリターンを見ると、ちょっと心もとないんだよね…。
20~30代の年が若い人
多少リスクをとってでも資産運用スピードを高めたい20~30代の方も、8資産均等型投資信託をコツコツつみたてるのは、ちょっともったいない可能性があります。
せっかく時間が味方してくれるんだか、もう少しリターン重視の投資信託を選んでみてもいいのかも?
自分にとって納得できる選択をするために、自分でいろいろ調べてみてね。
筆者は8資産均等を買う?買わない?
実際のところ、この記事を書いている枝豆は、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)への投資はしていません。
とはいえ、8資産均等はダメと思っているわけではなく、最強とは思わないけど、人によっては便利な商品だなぁと思っています。
要は納得できるかできないか
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、比較的クセがわかりやすい商品だと思います。
いわゆる投資のセオリーである分散投資を徹底しているため、クセのない基本的な定番商品だと思いきや、市場規模を無視して均等に各アセットを配分していることで、冒険心も垣間見れます。
8資産均等は決して頭が悪い配分だとは思いませんし、「ダメ」とも思いません。
ただ、単純なようでいてクセがある商品なので、このクセをちゃんと理解&納得できる人じゃないと、時間が経った後に後悔してしまいそうです。
要は自分が納得できるかどうか!ご自身が納得できるなら、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)への投資もすごく良いと思います。
自分の資産運用目標に合えば「買い」
わたしがeMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を選んでいない理由は、あくまで自分の資産運用目標に合っていないからです。
8資産均等型が嫌いとか、ダメとか、頭が悪いとか、決して思ってません。笑
わたしの資産目標は、1億6000万円で、まだまだ守りに入りたい時期ではないのが大きな理由。
また、市況的にも、これまでの経験的にも、日本株や債券よりも、米国株式への投資比率を上げたいと思っているため、今現在は8資産均等型の商品の購入予定はありません。
日本の未来は気になるけど、投資を始めたころに日本株100%で時間を大きく溶かしてしまった経験があるので、地域分散で日本40%はちょっとふりすぎかなぁとも。
こればっかりは、ちょっと好みもあるかも。経験上、米国株が好きなんです。みなさんはみなさんの基準で、好きな投資信託を選んでみてね。
\わたしの投資方針の詳細は、こちらの記事を読んでみてね(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
わたしの投資運用方針と資産目標
まとめ:8資産均等がダメな理由と最強な理由を解説!
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)は、ダメでも最強でもありません。
市場規模は関係なしに、「国内株式」、「先進国株式」、「新興国株式」、「国内債権」、「先進国債権」、「新興国債権」、「国内REIT」、「外国REIT」の8つに均等に投資をするという、おもしろいコンセプトの商品です。
一見、投資の基本である分散投資に忠実な、定番商品に見えますが、個人的には市場規模を無視している前提が、かなりとがったこだわりのある銘柄に見えます。
8資産均等型は、特徴にとがりがあるので、好きな人と嫌いな人が大きく分かれる銘柄です。
8資産均等がダメな理由として挙げられるのは、こちらの7つ。
市場規模が小さい資産の比率が高すぎる
低成長国比率が高すぎる
暴落に弱く、回復が遅い
パフォーマンスは株式に劣る
安全資産は実質25%のみ
信託報酬は最安ではない
若い世代の資産形成には不向き
そして、逆に8資産均等が最強だと思う方の理由として挙げられるのは、こちらの5つ。
ポートフォリオの分散性が高い
リスクとリターンが平準化されている
これ一本で長期分散積立が可能
自動でリバランスしてくれる
純資産が右肩上がりで人気がある
結局のところ、どんな投資方針を持って投資をしているのか次第で、8資産均等型の好き嫌いは分かれます。
8資産均等型を選ぶにせよ、選ばないにせよ、自分の投資方針を明確にして、自分らしい銘柄を選択をしてみてください。
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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