
つみたてNISAで8資産均等型の投資信託を選ぼうとしたら、やめたほうがいいって言われました。でも、8資産均等型がバランスが良くて最強だと言う人もいます。結局どっちが正しいでしょうか?8資産均等がダメな理由と最強な理由ってなんですか?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・8資産均等とは?(4資産均等・6資産均等との比較)
・8資産均等がダメな理由
・8資産均等が最強な理由
・8資産均等型投資信託を上手に利用する方法
今回のテーマは、「8資産均等型投資信託」と呼ばれる種類のバランスファンド。
その中でも、人気の投資信託と言えば「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」です。
「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」は、毎年恒例の「投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year2020」でも、なんと6位にランクイン!
【投信ブロガーが選ぶ!Fund of the Year 2020】
1位:eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
2位:<購入・換金手数料なし>ニッセイ外国株式インデックスファンド
3位:Vanguard Total World Stock ETF(VT)
4位:セゾン・バンガード・グローバルバランスファンド
5位:ひふみ投信
6位:eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)
7位:eMAXIS Slim 先進国株式インデックス
8位:eMAXIS Slim 全世界株式(除く日本)
9位:eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)
10位:農林中金<パートナーズ>長期厳選投資おおぶね
こんなに人気があるにも関わらず、「8資産均等はダメだ!」って言われてしまうことも多く、新人投資家さんは混乱中。
その上、「8資産均等は最強だ!」とおっしゃる方も少なくありません。
こんなに賛否両論が吹き荒れるのは、いったいなぜなのでしょうか?
今回は8資産均等とはなにか、そして、8資産均等がダメな理由、最強な理由までまるっと整理してみたいと思います。
8資産均等とは?
つみたてNISAの普及によって人気になった、「8資産均等型」。
つみたてNISAは、2018年からはじまったつみたて型の非課税投資制度です。
つみたてNISA
=投資をすると通常約20%の税金がかかるところ、非課税にできる非課税投資制度
=金融庁が定めた基準を満たした「長期運用向け」の投資信託のみに投資できる
短期・ギャンブル的に投資を行う場合と、長期安定的に投資を行う場合じゃ、選ぶべき投資信託が異なります。
この8資産均等型の投資信託は、金融庁が「長期」「積立」「分散」投資をするならコレ!って選んだ中にあった、比較的安心な投資信託商品なんです。

つみたてNISA用の商品を調べていたら、8資産均等型の投資信託にぶち当たったって言う人も多いよね。基本的に長期投資用なんです。
ここからは、8資産均等型投資信託の特徴を整理してみましょう。
8資産均等の特徴① 8つの資産に分散して投資できる
8つの資産とは、「国内株式」「先進国株式」「新興国株式」「国内債権」「先進国債権」「新興国債権」「国内REIT」「外国REIT」のことです。
これらを12.5%ずつ均等に分散して投資するので、「8資産均等型」と呼ばれています。
①国内株式:12.5%
②先進国株式:12.5%
③新興国株式:12.5%
④国内債券:12.5%
⑤先進国債券:12.5%
⑥新興国債券:12.5%
⑦国内REIT:12.5%
⑧外国REIT:12.5%

きれーに正確に8分割するのが、8資産均等型の投資信託です。バランスが違うのは8資産均等型の投資信託とは言いません(*´▽`*) 運用しているうちに割合が変わっていっちゃいそう~笑
8資産均等の特徴② 現代のバランス型ファンドである
バランス型ファンドとは、株式や債権、REITなどのいろんな種類の金融資産にバランスよく投資できるファンドのことをいいます。
バランス型ファンド
=いくつかの金融資産にお金を分散させて運用する投資信託のこと
分散投資の基本と言えば、「株式」と「債権」の2種類に分けて投資するというのが基本中の基本。
2010年ごろからREITや新興国へ投資する人も増え、3~4種類の金融資産に分散する投資信託が増えてきました。
そして今、国内・先進国・新興国に分けて、株式や債権を持つのが一般的になり、バランス型ファンドの基本は「8資産」だと考える人も多くなりました。

他にも4資産均等の投資信託や6資産均等の投資信託もありますが、一般的に知られているのはやっぱり8資産均等の投資信託かも…!投資信託ランキングでも上位だしね!
8資産均等の特徴③ 8つの指数に連動している
人気の投資信託「eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)」の場合は、8資産それぞれに関連する指数に連動することを目標にしています。
【eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の運用目標】
国内株式:TOPIX(東証株価指数)に連動する投資を目指す
先進国株式:MSCIコクサイ・インデックスに連動する投資を目指す
新興国株式:MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動する投資を目指す
国内債券:NOMURA-BPI総合に連動する投資を目指す
先進国債券:FTSE世界国債インデックス(除く日本)に連動する投資を目指す
新興国債券:JPモルガンGBI-EMグローバル・ダイバーシファイドに連動する投資を目指す
国内REIT:東証REIT指数に連動する投資を目指す
先進国REIT:S&P先進国REITインデックス(除く日本)に連動する投資を目指す
こうみると、インデックスファンドを8本束ねているようなものなので、本当に対象が幅広い商品です。
比較対象:4資産均等・6資産均等とは?
8資産均等型とよく比較されるものに、4資産均等型と6資産均等があります。
こちらもご紹介してみましょう。
【4資産均等型】
構成要素:「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」
有名なファンド:JP4資産均等バランス
【6資産均等型】
構成要素:「国内株式」「外国株式」「国内債券」「外国債券」「国内REIT」「外国REIT」
有名なファンド:野村6資産均等バランス
各資産に分散するので、8資産均等型と同じようにつみたてNISAの対象になっている信頼性の高い投資信託です。
8資産均等の実際の投資結果(利回り)
それではここからは、8資産均等の実際の投資結果を見ていきましょう。
8資産均等型投資信託の例として、eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)を使用します。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の利回り(3年)は、9.74%です。
eMAXIS Slim バランス(8資産均等型)の利回り(3年)=9.74%
引用:モーニングスター株式会社 https://www.morningstar.co.jp/
8資産均等型だけみてもわからないので、先ほどご紹介した4資産均等型、6資産均等型、そして最近とても人気のS&P500に連動した「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」とナスダック100に連動した「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」も比べてみましょう。
ファンド名 | 会社名 | リターン (3年) | 標準偏差 (3年) | 信託報酬等 (税込) | 純資産額 (百万円) |
JP 4資産均等バランス | JP投信 | 8.91% | 7.83 | 0.24% | 10,675 |
野村 6資産均等バランス | 野村 | 9.81% | 11.11 | 0.24% | 30,059 |
eMAXIS Slimバランス (8資産均等型) | 三菱 | 9.74% | 11.49 | 0.15% | 122,208 |
eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) | 三菱 | 21.52% | 18.33 | 0.1% | 826,524 |
iFreeNEXT NASDAQ100インデックス | 大和 | 32.6% | 19.56 | 0.5% | 45,663 |
おわかりでしょうか?
eMAXIS Slimバランス(8資産均等型)って、人気のS&P500やナスダック100連動型と比較すると、利回りがちょっと低いんです。

利回りだけ見ちゃうと、うーんってなるよね。笑 「標準偏差」っていうのは「ばらつき」のあるなしを示してます。ばらつきが少なめということは、資産が極端に減ったり、増えたりする機会は少ないことがわかります。
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8資産均等がダメな理由
8資産均等型の利回り低すぎ問題が、「8資産均等はダメ」とウワサされる理由かもしれません。
ではなぜ、8資産均等型は利回りが低くなるのでしょうか?
ダメな理由① 規模が小さい資産へ投資しすぎている
8資産均等型の利回りが低い理由は、市場規模を考慮しない投資方法だからです。
例えば、規模が小さい国内REIT市場の銘柄が10銘柄入っているとします。一方、先進国株式は1000以上の銘柄があるにも関わらず、同じ%しか組み入れられません。
そうなると、どんどん伸びているアメリカの大企業の株よりも、日本の小さいREIT銘柄の%が多くなってしまうのです。
結果、他の外国株式を多く組み入れた投資信託と比べると、成長しにくい投資信託になります。
ダメな理由② 低成長国へ投資しすぎている
8資産均等型の利回りが低い理由は、低成長な日本への投資比率が異常に高いからです。
構成銘柄の分散が十分で国内投資=国内株式+国内債券+国内REIT=37.5%
日本人としては、日本に投資したい気持ちが大きくなりがちです。しかし、全資本の40%近くを日本に投資してしまうのは、かなりもったいありません。
OECD(経済協力開発機構)が2021年5月に発表した、「経済見通し2021(Economic Outlook 2021)」によると、2022年の予想実質GDP成長率は、日本2.0%に対し、アメリカは3.6%です。中国は5.8%、インドはなんと8.2%です。

日本を応援したい気持ちが強すぎて、何年も日本の割合を多くしてたんだけど…ちょっとさすがに最近のリターンの違いを見ると…うーん。悩んじゃうよね~…。
ダメな理由③ コロナショックなどのショックに弱い
8資産均等型の利回りが低い理由は、ショックに弱いからです。
分散投資は、一般的に考えるとリスクを最小限に抑え、リターンを確保する賢い投資法です。
しかし、コロナショックなどの相場全体が一気にすべてやられてしまう時はあまり意味がありません。
そもそも分散投資をする意味は、全く違う動きをする2つの商品があって、何か事件があった時に全く違う方向に動くからこそリスクが分散されます。
しかし、2020年のコロナショックや2009年のリーマンショックのように、短期間で株式も債権も同じ方向に下落した場合、ほとんど意味がないのです。
「8資産均等型は分散投資だからショックに強い」と思っている人がいたら、安心しすぎは禁物です。

むしろリーマンショックやコロナショックなどのショックが起きたときに、「分散投資、意味ないじゃん!」って思った人が、8資産均等型などのバランス型に文句をいいがちなので、普通じゃない相場の時に評判が悪くなるらしいよ。
ダメな理由④ 20~30代には向いてない
8資産均等型は、20~30代には向いてない投資信託です。自分より年上の人が薦めてくれた場合は注意が必要です。
一般的に歳をとればとるほど、投資できる期間が短くなり、若ければ若いほど投資できる時間が長くなります。
投資できる時間が短い高齢者は、リスクをとって損が生まれた場合、取り戻すのが困難になります。しかし、若年者はある程度リスクをとって、資産が増えるスピードをあげたほうが得策です。時間があるので多少失敗しても取り戻すことができるからです。
高齢者:リスクをなるべく避ける
若年者:リスクをなるべくとる
そう考えた場合、8資産均等型は若者には物足りない投資信託だと言えそうです。
8資産均等が最強な理由
8資産均等型投資信託がダメな理由ばかりをあげてしまいましたが、一方で8資産均等型投資信託が最強だと言う人もいます。
ここからは8資産均等型投資信託のメリットや最強な理由をまとめてみましょう。
最強な理由① リスクが低いので初心者向き
8資産均等型がスゴイ理由は、とにかくリスクが抑えられるところです。
8資産に分散投資しているということは、1番リターンを挙げることを早々にあきらめて、平均値を常にキープすることができるということ。
eMAXIS Slim米国株式(S&P500)やiFreeNEXT NASDAQ100インデックスなどの米国の株式指数連動型は、リターンが大きい分、標準偏差ももちろん大きいです。
上がったと思ったら、がくっと下がるというのを繰り返すので、いちいち株価の価格変動にドキドキしていられません。
8資産均等型をはじめとするバランス型の投資信託の標準偏差は、米国株式指数連動型の半分程度。心安らかに投資をしたい人にとっては、とても始めやすい商品です。
最強な理由② 地域・資産の分散が可能
8資産均等型がスゴイ理由は、分散力に長けていること。ただいろんな商品に分散しているということではなく、「地域」「資産」の両方に分散できます。
8資産均等型をつみたてNISAや一般の積立で購入していけば、「時間」の分散もでき、最強です。
銀行に預け続けるのはちょっと…でもガクッと資産が減るのもコワイという方にはかなりおすすめです。
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8資産均等型投資信託を上手に利用する方法
8資産均等型投資信託は、そんなに高いリターンがでるタイプの商品ではありません。しかし、大きく資産が減るリスクは低く、着実に増やすことができるタイプの投資信託であるのは事実です。
ここからは、8資産均等型投資信託を上手に利用する方法をみていきましょう。
おすすめパターン 資産を減らしたくない人
今ある資産を絶対に減らしたくない人は、銀行に預けるのが得策です。利子がほとんどつかない分、元本が減るケースはほとんどないと言っていいでしょう。
しかし、全く増えないのも困るという方も多いのでは?
そんな場合に使えるのが、8資産均等型投資信託をはじめとするバランス型の投資信託です。
リーマンショックやコロナショックがまたすぐ来ると予想している人は、また違う選択肢もあるかもしれませんが、そんなアクシデントがある可能性は低いと思っている人、そしてとにかく減らしたくない人は、8資産均等型投資信託をコツコツ積み立てるのも選択肢のひとつです。
もったいないパターン 20~30代のリスクをとっても大丈夫な人
多少リスクをとってでも資産運用スピードを高めたい20~30代の方は、8資産均等型投資信託をコツコツつみたてるのは、ちょっともったいないかもしれません。
せっかく時間が味方してくれるのですから、もう少しリターン重視の投資信託を選んでみてもいいのかも?
まとめ ~8資産均等がダメな理由・最強な理由~
8資産均等の8つの資産とは、「国内株式」「先進国株式」「新興国株式」「国内債権」「先進国債権」「新興国債権」「国内REIT」「外国REIT」のことです。
これらを12.5%ずつ均等に分散して投資するので、「8資産均等型ファンド」とか「8資産均等型投資信託」と呼ばれています。
8資産均等がダメといわれがちな理由は、利回りが大きく出にくいことが挙げられます。なぜなら、8資産に均等に分散されるため、規模が小さい資産や低成長国にも大きな割合が投資されてしまうからです。
一方で、変動が少なく、リスクが低いというメリットがあることを忘れてはいけません。8資産均等投資信託は、40代以降ですでにある程度の資産があり、あまり減らしたくない人には向いています。
要は投資や市況をどのようにとらえているかによって、向いている投資信託は変わってきます。自分がどんな未来を想定して、今現在どんな状況にあるか、一度整理してみてください。そうすると、自分に合った投資先が見つかるハズです。
参考にしてみてね。
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