米国株の高配当ETFを買いたいなーと思うのだけど、VYMっておすすめですか?
「VYMはおすすめしない」って聞くのだけど、なんで?理由が知りたい!
今回は、毎月5,000万円超の株式投資をしているサラリーマン投資家の枝豆が、私なりの考えをまとめてみたいと思います。
▼本記事の内容
・VYMってなに?メリットとデメリットは?
・「VYMはおすすめしない」と言われる8つの理由
・考察:筆者はVYMへ投資をする?しない?
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
VYMってなに?
VYMは、アメリカにある世界最大級の運用会社「バンガード」が提供する、「上場投資信託(ETF)」のひとつです。
上場投資信託(ETF)
=金融商品取引所に上場している投資信託のこと
数多くある上場投資信託の中でも、VYMは「高配当ETF」と呼ばれるタイプのもの。
高い配当利回りが期待されるETFです。
配当利回り=1株当たり配当金÷株価
配当金がたくさんもらえる企業を自分でひとつひとつ調べるのは大変!
VYMは、高配当企業の詰め合わせパックみたいなものだから、人によってはとても便利だよ。
VYMの基本情報(一覧)
名称 | バンガード米国高配当株式ETF (Vanguard High Dividend Yield ETF) |
---|---|
銘柄(ティッカー) | VYM |
運営会社 | Vanguard(バンガード) |
本社 | アメリカ合衆国ペンシルべニア州 |
設定日 | 2006年11月16日 |
市場 | NYSE ARCA |
投資対象 | 米国の高配当株 |
構成銘柄数 | 約400社 |
ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド指数 |
資産総額 | 46.998億米ドル |
基準価額 | 102.66米ドル |
経費率 | 0.06% |
直近配当利回り | 3.06% |
トータルリターン(1年) | -1.35% |
トータルリターン(3年) | 8.64% |
取扱証券会社 | SBI証券、楽天証券、マネックス証券など |
VYMは、2006年に設立されています。
同じ高配当ETFの「HDV」は2011年、「SPYD」は2015年にできたばかり。
VYMは、高配当ETFの中ではかなり歴史があり、「定番」のイメージがあります。
主な特徴
VYMの最大の特徴は、「FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス」指数に連動するように設計されていること。
FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス
=REIT(不動産)を除く、高配当利回り銘柄約400社で構成される株価指数
=時価総額加重平均型なので、時価総額が大きい企業の影響を強く受ける
=1年に1回しかリバランスしないので、ポートフォリオの回転率は低め
VYMは、REIT(不動産)が除かれています。
REIT=不動産が入ってないっていうのも、めずらしいなぁ。
さらに、時価総額加重平均型なので、時価総額が大きい老舗企業や成熟企業の割合が多くなっています。
時価総額加重平均型
=時価総額の大きさに比例して、各銘柄の組み入れ割合を決定すること
=値がさ株(株価が高い会社)の影響を受けにくい
=時価総額が高い(大型株)の影響を受けやすい
時価総額加重平均型の特徴は、株価が高い値がさ株の影響を受けにくい一方で、時価総額が高い大型株の影響を受けやすくなってしまうこと。
大型株の成長性はどうしても期待しずらいよねぇ…。
VYMは成長性よりも安定性?!
特徴をざっくりまとめると、以下のとおり。
・高配当銘柄の中ではかなり銘柄数が多い(400社以上)
・銘柄上位10社で20%以上を占める(時価総額加重平均型)
・金融・ヘルスケア・生活必需品セクターが多い(50%弱)
・不動産セクターは含まれない
・経費率が激安(0.06%)
・配当金が年4回もらえる
400社以上に分散されているのは、高配当株の中ではかなり珍しいです。
主要構成銘柄
構成銘柄について、もう少し深堀してみましょう。
構成銘柄は多く400社以上、銘柄上位10社で20%以上を占めることはお話しました。
時価総額加重平均型なので、成熟企業の割合がかなり高いんです。
例えば、VYMの構成銘柄として有名なJ&J(ジョンソン・エンド・ジョンソン)は、日本でも有名な生活用品や医療用品の会社。こちらはなんと、2023年時点で61年連続増配の高配当株企業です。
さらに、ペプシコーラで有名な食品・飲料企業のペプシコは、2023年時点で51年連続増配中。
成熟した割安株が多いので、急成長はないにしても、リスクに強いというメリットがあります。
2023年11月12日時点の構成銘柄の上位を、インデックス連動型ETFの「VOO」と比較してみると…
VYM | 投資比率 | VOO | 投資比率 |
---|---|---|---|
エクソンモービル | 3.61% | アップル | 6.97% |
JPモルガン | 3.21% | マイクロソフト | 6.50% |
J&J | 2.88% | アマゾン | 3.20% |
P&G | 2.64% | エヌビディア | 2.97% |
ブロードコム | 2.57% | アルファベット | 2.15% |
ホーム・デポ | 2.35% | テスラ | 1.91% |
シェブロン | 2.29% | メタ | 1.85% |
アッヴィ | 2.02% | アルファベット | 1.84% |
メルク | 2.01% | バークシャー ハサウェイ | 1.77% |
ペプシコ | 1.79% | エクソンモービル | 1.30% |
予想してたけど、やっぱり全く違う。笑
VYMの上位組み入れ銘柄は、50年以上連続増配している、成熟した割安株が多くなっています。
VOOの上位組み入れ銘柄は、GAFAMなど米国を代表するテクノロジー系企業で、そのほとんどが無配当です。
配当にお金を回さない代わりに、技術開発にお金を回して、さらなる成長を目指します。
VOOの上位組み入れ銘柄は、テクノロジー系が多く、VYMは金融やヘルスケアが多いのも大きな特徴ですね。
VYMの組み入れ銘柄の投資セクターのバランスを見てみると、以下のとおり。
金融 | 19.30% |
生活必需品 | 13.30% |
ヘルスケア | 12.80% |
エネルギー | 10.20% |
資本財 | 9.40% |
他の高配当株ETFと比較すると、VYMはセクター比率のバランスが良いと言われています。
インデックス型に多い景気敏感株と言えば、金融やテクノロジーセクターです。
VYMも金融は多いものの、テクノロジーはとても少なく、代わりに不景気に強いと言われるヘルスケアが多く組み込まれているため、どんな時でもバランスが良いように幅広く調整されている印象があります。
チャートで見るVYMの株価推移
VTMのチャートを他の高配当株(HDV・SPYD)と比較してみましょう。
HDV・SPYDとのいちばん大きな違いは、暴落耐性の強さです。
一般的に暴落に弱いと言われる高配当株ですが、コロナショックの後も数か月で元値に戻してきています。
HDV・SPYDが1年以上かかっているのと比べると、かなり暴落に強いと言えそうですね…
VTMは、高配当株の中では、いちばんインデックス株に近い動きをする(リターンも狙える)と言われています。
参考:有名な高配当株ETFと徹底比較!
VTMと他の高配当株(HDV・SPYD)の概要を一覧で比較してみましょう。
VYM | HDV | SPYD | |
---|---|---|---|
運用会社 | Vanguard | Black Rock | State Street |
ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス | モーニングスター配当フォーカス指数 | S&P500高配当指数 |
構成銘柄数 | 400銘柄以上 | 75銘柄 | 80銘柄 |
直近配当利回り | 3.06% | 4.50% | 5.14% |
経費率 | 0.06% | 0.08% | 0.07% |
トータルリターン(1年) | -3.69% | -4.60% | -10.91% |
トータルリターン(3年) | 8.64% | 7.85% | 7.85% |
配当利回りが高ければ高いほど、トータルリターンが低くなることは、要チェック!VYMは、良くも悪くも高配当株ETFの中では、かなりインデックス寄りの動きをしています…。
VYMのメリット
VYMのメリットを整理すると、こんな感じ。
経費率が低い
純資産額が多い
1本で分散投資ができる
歴史が長い
高配当ETFの中ではリターンが高い
一つずつ見ていきましょう。
経費率が低い
VYMの経費率は、0.06%と非常に低く抑えられています。
HDVやSPYDなどの高配当ETFと比べると、いちばん安いです。
低コストで分散投資ができるという意味では、高配当株をはじめて買ってみるという方にもおすすめしやすい銘柄です。
VYM:0.06%
SPYD:0.07%
HDV:0.08%
あら、お安い。…大きな違いではないけどね。笑
純資産額が多い
VYMの純資産額は、496億ドルとかなり大きくなっています。
なんといっても歴史がありますから!
VYM:496億ドル
SPYD:68億ドル
HDV:105億ドル
HDVやSPYDなどと比べると、その違いは雲泥の差。早期償還リスクはとても低いと言えるでしょう。
1本で分散投資ができる
VYMの組み入れ銘柄数は、400社以上とかなり大きくなっています。
HDVやSPYDなどの高配当ETFと比べると、5倍以上!
VYM:約400社
SPYD:約80社
HDV:約75社
「高配当株を買ってみたいけど、銘柄選定難しくてよくわからない」
「高配当株ETFを初めて買うので、1本だけでも分散できるものを選びたい」
というあなたにはぴったりの銘柄です。
逆にHDVやSPYDは、かなり偏っているため、これ1本だとリスクが高め。
HDVやSPYDを選ぶなら、ちゃんと自分で組み合わせを考えて購入しないといけません。
HDVやSPYDから始める人がいたら、それはある意味、上級者向けの買い方だと言えそうです。
反対にVYMは初心者でも買いやすいかもしれません。
歴史が長い
VYMは歴史が長い、老舗の高配当ETFです。
VYM:2006年11月16日
HDV:2011年3月31日
SPYD:2015年10月22日
高配当ETFは、そもそもそんなに歴史が長くない銘柄が多く、あまり大きな暴落を経験してきていません。
暴落耐性がないと言われがちだけど、正直サンプルデータは多くなく、よくわかってないところもあるんです…。
そういう意味では、2009年のリーマンショックから経験できている銘柄はVYMだけ。
安心感は大きいです。
高配当ETFの中ではリターンが高い
VYMは高配当ETFの中では、かなりリターンが大きい高配当ETFです。
トータルリターン(1年)
VYM:-3.69%
HDV:-4.60%
SPYD:-10.91%
トータルリターン(3年)
VYM:8.64%
HDV:7.85%
SPYD:7.85%
他が下がり過ぎ…っていう心配はあるけど、トータルリターン(1年)のマイナスは3.69%に抑えられ、3年では唯一、8%まで上がっています。
良くも悪くも、配当金だけでなく売却益も一緒に狙いたい方に好かれるETFになっています。
このどっちつかずな感じを良いとみるか、悪いとみるかは、あなた次第。笑
VYMはおすすめしない7つのデメリット
ネット上では、「VYMはおすすめしない」と言われがちなVYM。
なぜ、VYMはおすすめしないと言われてしまうのでしょうか?
その理由となるデメリットを7つ、ご紹介したいと思います。
投資目的があいまいでおすすめしにくい
高配当株なのに配当利回りが微妙
キャピタルゲインはインデックス投資より低い
分散しすぎていて集中投資できない
暴落に強いわけではない
為替の影響を受ける
二重課税がかかる(確定申告が必要)
ひとつずつ見ていきましょう。
投資目的があいまいでおすすめしにくい
VYMは、投資目的があいまいで、おすすめしにくい銘柄です。
投資の目的は、大きく分けると以下の2つ。
➀インカムゲイン(配当)
②キャピタルゲイン(株価上昇)
インカムゲインというのは、配当金をもらうことを目的にした投資です。
この場合は、なるべく高い配当金がもらえる「高配当株」を買います。
一方、キャピタルゲインというのは、株価の値上がりによる利益を得ることを目的にした投資です。
この場合は、なるべく株価が上昇する株を買います。
➀インカムゲイン(配当)が目的の場合
=高配当株投資
=配当利回りが高い株式を選び、なるべく多い配当金の受け取りを目指す投資
②キャピタルゲイン(株価上昇)が目的の場合
=インデックス投資
=市場の平均点を示す指数(インデックス)と同じ値動きを目指す投資
さきほどもご紹介したVOOは、インデックス連動型のETFです。
このように、目的によって買うETFが変わるのが普通です。
しかし、米国高配当株のひとつと言われている「VYM」は、その目的がちょっとあいまい…。
購入目的としては「➀インカムゲイン」がメインのはずなんだけど…、言うほど配当効率良くないし。とはいえ、VOOより「②キャピタルゲイン」は少ないし…。
目的があいまいなVTMは、どんぴしゃで合う人がいないため、とてもおすすめしにくいのです。
\高配当株とインデックス株で迷ったらこのページを見てね(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
【比較】高配当株とインデックス、どっちがいい?迷ったときの選び方と考え方のコツ
高配当株なのに配当利回りが微妙
VYMは高配当株なのに、配当利回りが微妙です。
3%って…そもそも高配当株って言えるかなぁ…。
VYM:3.06%
HDV:4.50%
SPYD:5.14%
VYMの配当利回りが他の高配当ETFよりも下がってしまうのは、400以上の銘柄に分散投資しているため。
「高配当っぽいやつは全部入れとこう!」っていうチョコアソートバリューパック(お菓子)に見えちゃう…。まぁ、おいしいけどね。笑
そのため、高配当株を買いたい人にとって、VYMが本当にニーズに答えることができる高配当ETFなのかは、少し疑問が残ります。
配当利回りを優先したいなら、他の高配当ETFを選びながら、自分でバランスをアレンジするほうが良いかもしれません。
3%でも全然OKっていう人にはおすすめ!
ただ、4%以上を狙いたいならVYMはおすすめしません。
キャピタルゲインはインデックス投資より低い
VYMは、配当利回りは微妙でも、代わりにキャピタルゲインが期待できるから大丈夫!と考える方もいるでしょう。
たしかにごもっとも!
でも、だったらインデックス連動型のETF「VOO」や「QQQ」でよくない?
VYMは他の高配当ETFよりは値上がり率が期待できる銘柄ですが、それはあくまで高配当ETFと比較した場合です。
値上がり率がそもそも高いインデックス連動型のETFである「VOO」や「QQQ」と比べてしまうと、かなりアウトパフォームしてしまうのは事実。
例えば、コロナショック前の株価から、2023年11月まででどのくらい値上がりしたかを確認してみると…
VYM:約10%UP
VOO:約20%UP
QQQ:約75%UP
うーん、やっぱり…。
そもそもVYMには、上昇局面で強いGAFAMを中心としたハイテク銘柄は含まれません。
その代わりに景気良しあしにあまり影響がない、ヘルスケアや消費財関連セクターの組み入れ率がかなり多くなっています。
安定したパフォーマンスを出せる優良企業の力で、いちお高配当ETFの中ではパフォーマンスが良くなっていますが、これはある意味ラッキーパンチ。
値上がり率を上げることを目的に組み入れ銘柄を厳選しているインデックス連動型ETFに比べたら、パフォーマンスが悪くて当たり前なのです。
アップルもマイクロソフトも、アマゾンもエヌビディアも入ってないのに、ちゃんと値上がりしているのはすごいことだけどね!
分散しすぎていて集中投資できない
VYMのメリットとしても紹介した、400銘柄以上への分散投資は、考え方によってはデメリットにもなりえます。
さすがに分散しすぎじゃないの?という意見も多いんです。
VYM:約400社
SPYD:約80社
HDV:約75社
分散するのは良いことですが、そもそも優良な高配当株ってそんなに多いのでしょうか?
組み入れ銘柄数を増やせば増やすほど、そこには中配当銘柄も含まれてしまいます。
配当利回りは毎回同じではないので、リスク分散にはなりますが…「厳選された高配当ETFだけ」とは言えません。
VYMは「高配当株ETF」より「高~中配当株ETF」って呼んだほうが誤解がないかもしれない…
その点、本当に高配当株ETFとして厳選に厳選を重ねているのは、SPYDやHDV。
SPYDやHDVを選んだほうが、高配当株ETFを買いたい人の満足度は高くなることが予想できます。
その分、高配当株ETFのデメリット「リターンがマイナスになるコワさ」「暴落耐性の弱さ」は、そのままがっつり打撃を受ける覚悟が必要にはなります。
暴落に強いわけではない
「VYMは、400社以上に分散投資されているので、さぞかし暴落にも強いだろう…。」
そう考える方も多いかもしれません。
確かに、「分散投資=守備の強化」という考え方は、投資のセオリー。
しかし、高配当銘柄をそろえたVYMの場合は、そんなに暴落に強いわけではないことが実証されています。
もちろん、他の高配当株ETFのSPYDやHDVよりは、暴落に強いです!
…でも、そもそも高配当株が、かなり暴落に弱いので…期待のし過ぎは禁物です。
本気で暴落に強いポートフォリオを作りたいなら、私たちは債券や不動産、金や原油など、一般的な株式とは違う動きをする商品を組み入れる必要があります。
【一般的な株式とは違う値動きをする商品例】
債券
不動産
金
原油など
VYMは、不動産関連株も一切入っていませんし、暴落に強いと言われるハイテク銘柄の割合も少ないです。
そのため、ハイテク銘柄の割合が高いインデックス連動型のETFである「VOO」や「QQQ」と比較すると、むしろ暴落に弱いことがわかります。
先ほどご紹介した、コロナショック前の株価から、2023年11月までのチャートを見ても、VYMの暴落耐性は微妙であることがわかると思います。
VYM 約10%UP
VOO 約20%UP
QQQ 約75%UP
VOOの銘柄数は約500銘柄で、VYMより多いですが、QQQは約100銘柄。
「銘柄数が多い=暴落に強い」というセオリーは、一理あるものの、それがどんな場合にも当てはまるわけではないことは、理解しておきましょう。
暴落に強い銘柄を持っておきたいなら、むしろインデックス連動型も組み入れたほうが良いかもしれません。
為替の影響を受ける
VYMは、米国市場に上場している、米ドルで購入することができるETFです。
日本市場に上昇している株にはない、「為替の影響」によって、大きく利益が異なります。
特に2023年は円安がぐぐぐっと進んだ年だったので、為替の影響でかなり利益が上下しました。
2023年1月6日:134円
2023年10月31日:151円
ひーこれからどうなるの…w
過去10年で見ても、2023年はかなりボラティリティが高い年でした。
VYMを購入する際は、為替の影響もしっかりと確認する必要があります。
二重課税がかかる(確定申告が必要)
VYMは、米国市場に上場している米国株ETFであるため、米国課税を含めた30.315%を税金として納める必要があります。
米国課税 | 日本課税 | 合計 | |
---|---|---|---|
米国株 | 10% | 20.315% | 30.315% |
日本株 | 0% | 20.315% | 20.315% |
日本株は約20%のところ、米国株は約30%の税金がかかるよ。
配当金は毎回振り出されるため、振り出されるたびに約30%の税金が掛かることになります。
受け取れるのは配当金の約70%であることは理解しておきましょう。
米国課税分の10%は、確定申告すれば還付を受けられます!
\「二重課税」が気になる人はこのページも読んでみてね(*´▽`*)/
VYMをおすすめする人・しない人
VYMは、高配当株ETFとしては、かなり個性的な銘柄です。
そのため、VYMをおすすめする人(しやすい人)とおすすめしない人(できない人)がぱっくりと分かれます。
VYMをおすすめする人は以下のとおり。
高配当株投資を低リスクでやりたい人におすすめ
配当金と値上がり益の両方を狙いたい人におすすめ
詳しく見てみましょう。
高配当株投資を低リスクでやりたい人におすすめ
「高配当株投資をしたことがないので、とりあえず勉強のために1回やってみたい」
という方に、VYMはおすすめです。
投資コストが0.06%の高配当株ETFは他になく、また高配当株ETFのデメリットである暴落耐性も多少は緩和されているという点で、他の高配当株ETFと比べると低リスクです。
・低い投資コスト
・高い分散性が暴落耐性を下支え
本気で「高配当株投資」をする時は、自分でポートフォリオを調整する力が必要だけど、その前に配当金をもらう体験をしてみたいという方におすすめです。
配当金と値上がり益の両方を狙いたい人におすすめ
「高配当株投資をしたいけど、SPYDやHDVの値下がりが怖くて手を出しにくい。配当利回りは3%あればいい。」
という方に、VYMはおすすめです。
たしかに、VYMは、SPYDやHDVに比べたら、パフォーマンスも期待できる唯一の銘柄です。
VYM=「そこそこの配当利回り(約3%)」+「そこそこの成長性(目減りしずらい)」
そこそこの配当利回り(約3%)でいいので、資産価値が減りにくいほうがいいという方なら、おすすめできます。
たしかに、SPYDやHDVは結構減るときは減るので、心配される方も多いですよね…
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考察:筆者はVYMへ投資をする?しない?
最後に、筆者である枝豆は、VYMに投資しているのでしょうか?
あくまで現状ですが、枝豆はVYMに投資していません。
かなり迷った時期もありましたが、私の投資目標にあまりあっていないことを感じ、現在はインデックス連動型の投資信託や株に全振りしています。
目標に合わせて高配当ETFは投資しない(インデックス投資一択)
高配当ETFを買うとしたら、特化型のSPYD×HDV
VYMには投資信託もあるけれど…
超高配当ETF「QYLD」もあるけれど…
目標に合わせて高配当ETFは投資しない(インデックス投資一択)
結論からお伝えすると、わたしは1億6000万円の資産をなるべく早く作ることを目指して、投資をしているため、高配当ETFには投資しません。
現状は配当金は一切手にすることなく、配当金や分配金が振り出されてしまうものに関しては、自動で再投資される投資信託を利用しているため、ETFの割合も低めです。
私のように、目標の資産額があり、そこになるべく早く到達したい人は、道半ばで配当金を得てしまうことはあまりおすすめできません。
なぜなら、配当金を得る=投資している企業の開発コストを減らすことになるから。
開発コストが減ると、その分企業の成長の邪魔をしてしまうのは、想像に難くないと思います。
投資家が配当金を得る
↓
その分、企業の開発コストが減る
↓
企業の開発が遅れる
↓
企業価値の成長が遅れる
↓
キャピタルゲインが減る
今現在の枝豆は、今はとにかく企業の成長を願っています。配当金はいらないです。笑
\わたしの投資戦略が気になる方はこのページを見てね(*´▽`*)/
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わたしの投資運用方針と資産目標
高配当ETFを買うとしたら、特化型のSPYD×HDV
ただ、配当金はいらないと言い切ってしまうと、配当金がいる人の参考にならないので、いったん配当金を得ることを目標にすると仮定してみました。
「配当金、いらない、いらない」って、かわいげなくてすいません…。
いや、ぽろっと道端でくれるならほしいんだけどねw
それでも私は、目的が中途半端に見えるVYMは、買わないと思います。
そして、VYMにはもうひとつ、買わないだろうなと思う理由が…。
VYM・HDV・SPYDの3大高配当ETFの構成銘柄を見てみると、実はVYMとHDVの構成銘柄がかなり似ているんです。
VYM | 投資比率 | HDV | 投資比率 |
---|---|---|---|
エクソンモービル | 3.61% | エクソンモービル | 7.91% |
JPモルガン | 3.21% | ベライゾン | 6.84% |
J&J | 2.88% | J&J | 6.39% |
P&G | 2.64% | アッヴィ | 5.92% |
ブロードコム | 2.57% | シェブロン | 5.47% |
ホーム・デポ | 2.35% | コカ・コーラ | 4.13% |
シェブロン | 2.29% | ペプシコ | 3.96% |
アッヴィ | 2.02% | アルトリア・グループ | 3.70% |
メルク | 2.01% | IBM | 3.57% |
ペプシコ | 1.79% | シスコシステムズ | 3.47% |
VYMとHDVは、どっちかでいいかも…。
もし、わたしが配当金がほしい投資家だと仮定した場合、VYMは買わずに、HDVとSPYD、そしてインデックス系の投資信託を保持します。
HDV+SPYD+インデックス
バランスは、運用しながら、自分の心地がいいところを探っていきます。
結局、わたしってインデックス好きだなぁ…笑
VYMには投資信託もあるけれど…
VYMと同じ指数に連動する投資信託もありますが、個人的にはあまりおすすめではありません。
SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド
楽天・米国高配当株式インデックス・ファンド
投資信託は、分配金・配当金が振り出されず、自動で再投資される商品です。
せっかく高配当株なのに、配当金が出ないって…なんかちょっと違う気がする…
キャピタルゲインを狙うのであれば、もっと値上がり率がよい商品はたくさんあるので、あえてVYMと類似する投資信託を選ぶ必要はないかなと思います。
超高配当ETF「QYLD」もあるけれど…
VYMの配当利回り3%がかすんでしまうほどの、配当利回り11%の超高配当ETFがあります。
その名も…「QYLD」。
超高配当ETF「QYLD」は、カバードコールという取引手法で運用されています。
カバードコール
=オプション取引を利用した投資手法のひとつ
=コールオプションの売り建てにより、原資産の一定水準以上の値上がり益を放棄する代わりに、オプションのプレミアムを受け取る
引用:カバードコール|用語解説|大和証券
かんたんに言うと、株価の値上がり益を放棄する代わりに、配当金を得る投資方法で、カバードコールの実践によって、超高配当を実現しています。
ただ…総経費率が0.6%と高いのと、5年間のリターンがマイナス27%なのを見ると、なかなかリスキーな選択になりそうです…。
このくらい変わり種をちょっとだけ組み込んでみるのもおもしろいかも…
と思ってしまった枝豆でした。あくまでちょっとだけね。
\わたしのポートフォリオは定期的に公開中(*´▽`*)/
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ポートフォリオ公開
まとめ:VYMはおすすめしない7つの理由!
VYMは、アメリカにある世界最大級の運用会社「バンガード」が提供する、「上場投資信託(ETF)」のひとつです。
数多くある上場投資信託の中でも、VYMは「高配当ETF」と呼ばれるタイプのもので、高配当ETFの中では、いちばんの定番商品と言っても過言ではありません。
でも、定番で安定的な分、投資目的がはっきりしない、どっちつかずな商品になってしまっていることは否めません。
VYMはおすすめしないと言われる理由は、主に以下の7つです。
投資目的があいまいでおすすめしにくい
高配当株なのに配当利回りが微妙
キャピタルゲインはインデックス投資より低い
分散しすぎていて集中投資できない
暴落に強いわけではない
為替の影響を受ける
二重課税がかかる(確定申告が必要)
目的がはっきりしない中で、なんとなくVYMを買うのなら、絶対にやめたほうがよいですが、以下のような方にはVYMをおすすめします。
高配当株投資を低リスクでやりたい人におすすめ
配当金と値上がり益の両方を狙いたい人におすすめ
それでは今日も、まめまめたのしい一日を。
\お金に強くなるには、無料マネースクールの参加もおすすめ(*´▽`*)/