
新NISAや積立NISAで何を買うか迷ってます…。
S&P500だけでいい?全突っ込みしても大丈夫?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・新NISAや積立NISAの購入銘柄は、S&P500だけでいい?
・S&P500だけしか購入しない場合のデメリットは?
・S&P500だけだと怖いと感じる人ができる対策法は?
多くの投資の専門家が、口をそろえてほめる米国株インデックス「S&P500」。
「S&P500はいい指数」とみんなが言うので、逆に「本当にS&P500だけでいいの?」と心配になる人もいるようです。
今回は、金融会社が公開しているデータを参考に、枝豆の投資経験も踏まえながら、S&P500だけでいいと言われる理由や、S&P500だけしか購入しない場合のデメリットを整理してみました。

わたしも積立NISAに関しては「S&P500だけでいい」と判断し、2022年と2023年は全額S&P500を買っています。ポートフォリオ全体の約40%がS&P500なので、かなりS&P500が好きなほうかと…笑 ポートフォリオは定期的に公開しているので、気になる方はみてみてね。
S&P500だけでいいと言われる理由
米国インデックス「S&P500」に連動する投資信託は、極めて魅力的な投資対象のひとつ。
ほぼ同じ動きをする株を複数買って、分散投資できた気になっているぐらいなら、S&P500に連動するインデックスファンドに全突っ込みしたほうが、結果的にはリスクが低くなる可能性があります。
S&P500だけでいいと言われる理由は、以下のとおり。
・過去の実績・パフォーマンスがすごいから
・米国株は今後も長期的な経済成長が期待できるから
・S&P500だけでも分散投資効果があるから
・良い銘柄が生き残る仕組みを採用しているから
・投資コストが低く、効率的に投資できるから
・番外編:投資の神様バフェット氏も推奨しているから
一つずつ見ていきましょう。
過去の実績・パフォーマンスがすごいから
S&P500だけでいいと言われるいちばん大きな理由は、過去の実績・パフォーマンスがすごいからです。
さらにS&P500は起源が古く、1923年からデータが蓄積されているため、信頼性が高いというメリットも。
下のグラフは、これまでのS&P500と日経平均株価の推移です。
青がS&P500、黄色が日経平均株価です。

引用:Google Finance (2023年11月06日時点)
S&P500:2520%増 (1923年~)
日経平均株価:35%増 (1950年~)

すっ…すごすぎて、日経平均株価が見えない!笑
さらに、過去5年間(2018年~2023年)の推移も見てみましょう。

引用:Google Finance (2023年11月06日時点)
S&P500:56.72%増
日経平均株価:47.00%増

だめだ…w きりとったところで、S&P500のすごさはかわんないや。笑
全世界的にダメージを受けた、2022年のコロナショック。
S&P500(米国)、日経平均株価(日本)ともに大きなダメージを受けていますが、米国は金融緩和によって、株価が急回復&急上昇。
そして、今も堅調に推移しています。
2020年 コロナショックで、株価下落
↓
2021年 金融緩和で、株価上昇
↓
2022年 金融引き締めで、株価下落
↓
2023年 リセッション予想をはねのけ、堅調に推移

S&P500がすごいのは、立ち直りの早さです。これまでにも何度も暴落しているのに、長期的にみると、ちゃんと成長し続けているのがすごい!
利回りもチェックしてみましょう。
以下は、インデックスファンド「eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)」と「eMAXIS Slim 国内株式(日経平均)」の近年のトータルリターンです。
S&P500 | 日経平均 | |
---|---|---|
1ヶ月 | -3.06% | -3.14% |
3ヶ月 | -3.25% | -6.28% |
6ヶ月 | +13.06% | +7.86% |
1年 | +9.20% | +14.07% |
2年 | +10.65% | +5.41% |
3年 | +23.20% | +12.31% |
5年 | +17.05% | +9.06% |
昔は、米国株の平均パフォーマンスは年率7%だと言われていました。
しかし、近年のアメリカの経済成長は著しく、平均パフォーマンスを優に超えるリターンをたたき出しています。

これはあくまで過去のデータで、将来の利回りを約束するものではありません。でも…やっぱりS&P500の利回りには目を見張るものがあります…!
米国株は今後も長期的な経済成長が期待できるから
アメリカは、これからも一時的な下落を繰り返しながら、長期的には経済的に成長していく…というのが、一般的な経済アナリスト達の見解です。
その根拠は、主に以下の3つ。
・堅調に推移するGDP
・人口増加
・金融政策
一つずつ見ていきましょう。
堅調に推移するGDP
GDPとは、国が作るモノやサービスの付加価値の総額のこと。
GDP=一定期間内に国内で新たに生み出されたモノやサービスの付加価値の総額
一般的には、株価とGDPは相関関係にあると言われています。

価値を作り出すことができれば、その価値を作り出している企業の価値も上がっていく…ということね。
世界4大会計事務所「Price waterhouse Coopers」が発表した、GDPの世界順位予測は以下のとおり。
2014 | 2030 | 2050 | |
---|---|---|---|
1位 | 中国 | 中国 | 中国 |
2位 | 米国 | 米国 | インド |
3位 | インド | インド | 米国 |
4位 | 日本 | 日本 | インドネシア |
5位 | ドイツ | インドネシア | ブラジル |
6位 | ロシア | ブラジル | メキシコ |
7位 | ブラジル | ロシア | 日本 |
8位 | フランス | ドイツ | ロシア |
9位 | インドネシア | メキシコ | ナイジェリア |
10位 | 英国 | 英国 | ドイツ |
中国や新興国が追い上げる中、30年後も米国はインドに抜かされる程度で、まだ上位をキープしています。

日本やドイツの下落と比較すると、米国のすごさがわかりますね。
人口増加
米国は、先進国の中ではめずらしく、人口がこれからも増加していく国のひとつです。
経済産業省が公開した資料によると、世界の人口の変化予想は、以下のとおり。

日本の人口が2100年までに半分になってしまう中、米国はほぼ変わらずに推移しています。

新興国の爆増には及ばないものの、アメリカって先進国の中ではかなりめずらしい、今後も発展が期待しやすい国なんです。
金融政策
コロナショックをきっかけに、米国が行う金融政策とそのスピード感は大きく注目されています。
コロナショック時の米国の対応は、以下のとおり。
2020年2月:コロナショックで、株価急落
↓
2020年3月:金融政策方針決定
・緊急で利下げを開始=お金を借りやすくすることで経済を活発化
・国債を買い上げ(量的緩和)=市場にお金を増やすことで経済を活性化
・様々な財政施策の実施=法人税減税、失業給付、融資の返済免除など

アメリカはとにかく決定が早いっ!!1か月以内に方針を決めて、すぐに対策をしたからこそ、コロナショックが長引かなかったのかも…?
今後、さまざまな新興国が世界市場に台頭してくることが予想できますが、暴落に見舞われた時、今回の米国と同じようなスピード感での対策が果たしてできるのか…。
米国がまだ長期的に伸びる、S&P500だけでも十分と思われる理由のひとつに、この金融政策のスピード感も注目されています。

コロナ後の株価の急な上昇は、コワいほどでした…。でも、米国なら暴落が来てもいつか回復できる!と思わせてくれました…!
S&P500だけでも分散投資効果があるから
S&P500だけでいいと言われる理由の3つ目は、S&P500だけでも分散投資効果があるからです。
S&P500は、アメリカの代表的な500銘柄の詰め合わせパックのようなもの。
採用されるには時価総額が82億ドル以上など、複数の条件を満たす必要があるだけでなく、セクターバランスも考慮されているため、米国株式市場全体に投資しているのとほぼ同じです。
S&P500(S&P500種指数)
=米国の取引所(ニューヨーク証券取引所・NASDAQ等)に上場する約500銘柄
=市場規模(時価総額が82億ドル以上)、流動性、業種バランス等を加味して厳選
=選定された企業を時価総額で加重平均し、指数化

同じく人気の指数、ナスダック100は、ハイテク・IT(情報技術)関連が中心!米国全部にまるっと投資したいなら、S&P500が良いと言われています。
世界に分散したい場合は、オルカンと呼ばれる「全世界株式・オールカントリー」を選ぶほうがより分散効果がありますが、実はオルカンの60%は米国株。
全世界株式とはいえ、米国株に偏っているので、米国株の将来に期待する人達の間では、S&P500のほうが人気があります。

逆にオルカンは、新興国も入っているので、新興国の伸びに期待する方に人気!
ただ、上手く伸びてくれない場合、新興国が全体の足をひっぱる可能性も高く、こればっかりは何が正解か、だれにもわかりません。

わたしは、もともと日本株メインで投資をしてて、やっぱり米国ってすごいなと思うことが多かったので、オルカンよりS&P500のほうが好きかも…。また、どんな未来を想像しているかで、何が好きか変わってきますよね。
\枝豆の詳しい投資方針はこちら(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
わたしの投資運用方針と資産目標
良い銘柄が生き残る仕組みを採用しているから
S&P500だけでいいと言われる理由の4つ目は、良い銘柄が生き残る仕組みを採用しているからです。
S&P500は、銘柄選定の段階で、かなり厳しい審査(リバランス)が行われることはご説明しました。
でも、それだけじゃないんです。
このリバランスを、なんと年に4回も行っているのです。

成長していく見込みがない銘柄は、どんどんはじき出されちゃう!だから、いつも優等生銘柄がそろっている状態をキープできます。
個別株を自分で買うとなると、このリバランスを定期的に行うのがとても難しいです。
でも、S&P500に連動するファンドを買っておけば、ほっておいても年に4回は勝手に棚卸しをしてくれるため、ほったらかし投資になりそうな人にとっては、とても購入しやすく、S&P500だけでいいと言われる理由のひとつになっています。
倒産や経営不振のニュースをちゃんと追っていく自信のない人は、個別株を自分で買うより、S&P500をホールドするほうが長期的に高いリターンが期待できます。

S&P500は毎年、20社前後が入れ替わっています。日経平均株価の構成銘柄の変更は年に1~2社なので、他の商品と比べても管理状態がよいと言えそうです。
投資コストが低く、効率的に投資できるから
S&P500だけでいいと言われる理由の5つ目は、投資コストが低く、効率的に投資できるからです。
S&P500に連動するインデックスファンドは、とても人気が高く、他の投資信託よりもかなり投資コストが低く抑えられています。

わたしが買い始めたころは、こんなに安くなかったので、近年の激安価格には脱帽です…!ナスダック100系のインデックスファンドももうちょっと安くならないかなぁ…。笑
S&P500に連動する投資信託のコストは、以下のとおり。
ファンド名 | eMAXIS Slim 米国株式(S&P500) | SBI・V・S&P500 インデックス・ファンド |
運用会社 | 三菱UFJ | SBI |
申込手数料率 | 無料 | 無料 |
解約手数料率 | 無料 | 無料 |
信託財産留保額 | なし | なし |
信託報酬率 | 0.09372%以内 | 0.0938%程度 |

どちらもとても人気があるS&P500に連動する投資信託です。信託報酬もほぼ変わらないね…!
特に長期積立投資を検討している場合は、投資コストの低さは大きなメリットになります。
番外編:投資の神様バフェット氏が推奨しているから
投資はあくまで自己責任、そして、投資先は自分で考えて決めるものです。

なので、あくまで番外編!
実は、「迷うぐらいならS&P500だけでいい」という話がここまで一般化したのは、投資の神様と言われるウォーレンバフェット氏のあるエピソードにも関係があります。

彼が妻への遺言の中で、資産の90%をS&P500に連動するインデックスファンドに変えることを推奨したんですって。
そこから、バフェット氏は、投資のプロではない方が資産を積み立てていく場合において、S&P500を持つことを推奨している…と話題になりました。
その手紙の内容は、以下のとおり。
私から管財人へのアドバイスはこれ以上ないほどシンプルです。「10%の現金で米国短期債を買い、残る90%の現金でS&P500に連動する非常に低コストのインデックスファンドを買う」のが良いと思います。(私はバンガードのインデックスファンドを勧めます)。
この方針で運用された信託財産の長期間のパフォーマンスは多くの投資家と比べて優れたものになるでしょう-例えば高いコストでファンドマネージャーを雇っている年金基金や運用機関などよりも、です。

厳密にいえば、バフェット氏もS&P500だけでいいとは言っていないんですが…w みんな、あの投資の神様までもがすすめてる!ってびっくりして話が大きくなって広まったのかも…。笑
S&P500だけしか持たないデメリット
実際のところ、S&P500だけしか持たないデメリットは、多いです。
ただし、どの銘柄や投資信託を買うかの検討に時間を費やし、投資を始めるまでに膨大な時間がかかるくらいなら、いったんS&P500の積立投資からはじめてみるのもよい選択だと思います。

実際に投資をはじめてみないとわからない感覚ってありますもん。私も、最初のころは暴落を怖がっていた記憶があるけど、今は当たり前にいつかは来るものと据えられるようになりました。慣れってほんとに大事。
S&P500だけしか持たないデメリットを整理すると、以下のとおり。
・米国経済が衰退する可能性
・為替リスクへの対応が難しい
・上位5銘柄のリターンに頼り過ぎている
一つずつ見ていきましょう。
米国経済が衰退する可能性
米国経済がどんなに強いとしても、将来どうなるかはわかりません。
また、2020年のコロナショックの下落期間は、たった1か月とびっくりするほど短いものでしたが、毎回こんなに早く回復できるとは限りません。
事件 | 最安値 | 下落値 | 下落率 | 下落期間 |
---|---|---|---|---|
2000年 ITバブル崩壊 | 20,833 | 7,603 | -64% | 36ヶ月 |
2007年 リーマンショック | 18,295 | 6,994 | -62% | 15ヶ月 |
2015年 チャイナショック | 20,952 | 14,865 | -29% | 8か月 |
2020年 コロナショック | 23,807 | 16,358 | -31% | 1か月 |
2024年はインフレ再燃や景気後退が心配されています。
S&P500だけしか持たない=米国経済に100%頼って資産を運用することになるので、もちろんリスクは大きく、S&P500だけに投資するデメリットのひとつとなりえます。
S&P500を1本持ちするのであれば、米国経済が衰退したり、暴落するリスクも念頭に置いておかないといけません。
現在は、アメリカの債券市場で、長期国債の利回りが短期国債利回りを下回る「逆イールド」が続いています。
逆イールド
=長期国債の利回りが短期国債利回りを下回ること
=解消されるころにリセッション(景気後退)がくると言われている

逆イールドは、景気後退の予兆であり、解消されるころにリセッションが来ると言われて、恐れられているよ。
2024年は、正確な時期はわからないにしても、不景気が来ると言われているため、暴落を待ってからS&P500に投資をする予定の方もいるようです。
たしかにひとつの考え方としては、ありかもしれません。

私の場合、待っていて暴落が来たっていうことはほぼなくて、待っていて資産拡大のチャンスを逃した経験のほうが多いので、自分はこのまま投資を継続する予定!こればっかりは、これが正解!っていう考えはないですね…。
S&P500だけしか持たないつもりなら、大きな暴落による資産の減少も覚悟しなくてはいけません。
為替リスクへの対応が難しい
S&P500で自分の資産を運用する場合、大きくわけて2つの方法があります。
1:S&P500に連動する投資信託を購入する(円貨決済)
2:S&P500に連動するETFを購入する(外貨決済)
投資信託は、通常円で購入すしますが、ETFは通常米ドルで購入します。
ETFを購入する際は、先に円で米ドルを買い、米ドルでETFを買い付けることになります。
円→米ドル→S&P500に連動するETF
この場合、通常の運用コストのほかに、為替手数料や為替レートにも注意しなくてはなりません。
円安になった場合は利益が出やすいですが、円高になった場合は損失が出やすくなります。
そしてレートが同じ場合は、為替手数料分だけ損失が膨らむことになります。

結構複雑です・・・w 2022年は全体的に市場はヨコヨコしていたけど、為替のおかげで米国株の利益は出やすかったよ。
S&P500だけしか持たないとしても、投資信託で持つのか、ETFで持つのかによって、利益は変わってきます。
場合によっては、持ち方で分散を図る方法もあるので、自分に合った持ち方を検討してみましょう。
上位5銘柄のリターンに頼り過ぎている
S&P500に連動する投資信託やETFは、米国をまるごと買うようなイメージで投資できる便利な商品です。
S&P500(S&P500種指数)
=米国の取引所(ニューヨーク証券取引所・NASDAQ等)に上場する約500銘柄
=市場規模(時価総額が82億ドル以上)、流動性、業種バランス等を加味して厳選
=選定された企業を時価総額で加重平均し、指数化
しかし、ITmediaは、そのリターンのほとんどを上位5銘柄のGAFAMのリターンが占めていることを報じています。
GAFAM
=Google、Amazon、Facebook、Apple、MicrosoftのS&P500の代表5銘柄

この5社のことをまとめて、GAFAM(がーふぁむ)って呼んでます。
S&P500からGAFAM(代表5銘柄)を引いたS&P495のリターンは、ほぼTOPIXと同レベルだったとのこと。
S&P500のリターンは、そのほとんどをGAFAMがけん引していたのです。
S&P500-GAFAM(代表5銘柄)=S&P495

出典:S&P495で分かる ブーム化する「米国株投資」に隠れた歪み|ITmedia

時価総額で加重平均されているので、自然とGAFAMに引っ張られてしまってます…。
S&P500は、500社に分散できているとはいえ、実際はGAFAMへの依存度が高く、分散できているとはいえないのではと指摘する声もあるみたい…。
組み入れ上位銘柄 | 業種 | 比率 |
---|---|---|
Apple | テクノロジー | 7% |
Microsoft | ソフトウェア | 6.4% |
Amazon | 一般消費財・小売 | 2.7% |
Nvidia | 半導体 | 1.9% |
AlphabetA | メディア・娯楽 | 1.8% |

たしかに…。アップルとマイクロソフトの割合が特に多いですね…。
S&P500だけでいいのはこんな人
S&P500だけでいいかどうかは、人によります。
S&P500だけでいいのはこんな人です。
・デメリットを理解した上で、リスク管理ができる人
・投資経験が少なく、まずは投資に慣れたい人
一つずつ見ていきましょう。
デメリットを理解した上で、リスク管理ができる人
S&P500だけに投資をする場合はデメリットも多く、絶対大丈夫とは言い切れません。
しかし、デメリットを理解し、そのリスクを享受できるのであれば、間違った選択ではありません。
また、資産状況次第では、自分のリスク許容度に合わせたアレンジをするコアサテライト戦略で投資を行うのもおすすめです。
コアサテライト戦略
=保有する資産をコア(核)部分とサテライト(衛星)部分に分けて運用する投資手法
コア資産はS&P500に連動する投資信託やETFを積立投資し、サテライト資産で、新興国や債券への投資をしたり、ドル円のバランスをとるなどして、リスクの調整を行う方法です。

持っているすべての資産をS&P500に連動させるより、コア資産だけS&P500に連動させるほうが、より安定したポートフォリオになりそうです。
コアとサテライトの適正比率は、人によって異なりますが、一般的には「コア70−80%、サテライト20−30%」に調整するケースが多いようです。

まぁ、バランスは自分次第かな?私は大体、コア70~80%ぐらいのイメージで投資してます。
投資経験が少なく、まずは投資に慣れたい人
NISAやつみたてNISAはもちろんのこと、これまでにほとんど投資をしたことがない人に関しては、自分のリスク許容度やお金に関する価値観もよくわからないと思います。
その場合は、とりあえずS&P500に連動するインデックスファンドを積立投資することから始めるのもひとつの手です。
まずは、資産を株に変えてみる経験をしながら、投資の勉強をしていくとよいでしょう。
S&P500は米国にまるっと投資できるという意味では、特に難しい分析も必要がないため、最初の一歩として悪くない選択です。

いきなり大金を投じるのではなく、積立で少しずつ買ってみるのが良いと思います。
S&P500だけでいいと思えない人向け!+αの対策アイデア
ここまでS&P500だけでいいケースと、そのデメリットを整理してみました。
デメリットを理解したら、やっぱりS&P500だけじゃなく、少し工夫した買い方をしたいと思う方も多いでしょう。
ここからは、わたしが意識しているS&P500+αの対策アイデアもシェアできればと思います。
・投資時間の分散を意識する
・債券を併せて持つ
・金利上昇に強い銘柄を併せて持つ
・それでも気になるならやっぱり全世界株を買う
一つずつ見ていきましょう。
投資時間の分散を意識する
デメリットは理解した上で、それでもS&P500だけを全突っ込みするぞ!と思った方のうち、相場感に自信のない方は、投資時間の分散を意識することも検討してみましょう。
リスクを下げる手段と言えば、大きく以下の3つの方法があります。
投資対象の分散
時間分散
長期投資
投資対象の分散は、S&P500に任せるのであれば、つみたて設定をして、少しずつ買っていくのもおすすめです。
ただし、つみたてが必ずしも増えやすいというわけではないので、自分の資産状況によって、どんな方法がよいか自分で検討してみてください。
米金融大手チャールズ・シュワブの金融研究センターが「市場のタイミングは機能するのか?」という記事を公開しています。
この記事によると、S&P500に20年間、毎年2000ドルづつ投資をした場合、毎月積立(ドルコスト平均法)で買うよりも、年初に一括で買って、市場になるべく早く参加したほうが資本が増えやすかったことがわかっています。
【上から資本が増えやすい順】
➀連続して完璧なタイミングで買う
➁年初に一括で買う
➂毎月積立で買う
➃連続して最悪なタイミングで買う
➄S&P500ではなく国債を買う


余裕資金がある人は、新NISA枠をすべて年初に埋めちゃうのもありかも?
やってみようかな…笑 やってみたら、結果をシェアしますね!
一括投資の余裕がなく、相場を読む力に自信がないなら、毎月積立で買うのがおすすめです。
債券を併せて持つ
ウォーレンバフェット氏が奥さんにあてた手紙の内容は、S&P500だけに全突っ込みするのではなく、債券を一緒に買うように促すものでした。
S&P500:90%
債券:10%
S&P500だけに全突っ込みすると、米国経済や市場の動きをもろに受けることになります。
資産の目減りがリスクに感じるなら、守りの資産として一部を債券や現金に変えておくのもよい方法です。

とにもかくにも守りを固めたい人、結構資産が育ってしまってて、ここから資産を失うのはきつい…という方は、資産をちゃんと分けておきましょう。
金利上昇に強い銘柄を併せて持つ
S&P500だけに全突っ込みすると、上位5銘柄の影響を大きく受けてしまうことはお話しました。
S&P500の上位銘柄は、現状ハイテク銘柄の割合が大きくなっています。
ハイテク銘柄は、どうしても金利の影響を受けやすく、金利が上昇すると下落しやすいという特徴があります。

ハイテク銘柄は、金利上昇に弱いのです。金利上昇に負けない銘柄を追加で購入しておくと、合理的にリスクを減すことができます。
金利上昇や景気後退の影響を受けづらい銘柄と言えば、銀行関連株や日用品関連株です。
三菱UFJFG
三井住友FG
コカ・コーラ
P&G
プロクター・アンド・ギャンブル など

コカ・コーラは、ウォーレンバフェット氏もお気に入りの株として有名だよね。
それでも気になるならやっぱり全世界株を買う
それでもS&P500だけに全突っ込みするのはちょっと…と思う方は、もしかしたら全世界株への投資の方が投資方針に合うかもしれません。
eMAXIS Slimシリーズのオールカントリー(オルカン)や楽天全世界株式が有名です。
eMAXIS Slim 全世界株式(オール・カントリー)
楽天・全世界株式インデックス・ファンド

とはいえ、オルカンも約60%は米国株です。本当に米国を信じられないOR好きじゃないなら、オルカンも微妙かも…!笑 くれぐれも他人の意見を鵜呑みにせず、自分の価値観に合った選択をしましょう!
まとめ:NISAはs&p500だけでいいと言われる理由を解説!
結論から言うと、S&P500だけ全突っ込みしても問題ないかどうかは、人に寄ります。
S&P500だけでいいと言われる理由は、以下のとおり。
・過去の実績・パフォーマンスがすごいから
・米国株は今後も長期的な経済成長が期待できるから
・S&P500だけでも分散投資効果があるから
・良い銘柄が生き残る仕組みを採用しているから
・投資コストが低く、効率的に投資できるから
・番外編:投資の神様バフェット氏も推奨しているから
S&P500に連動するインデックスファンドは、とても人気がありますが、全突っ込みするとしたら心配なデメリットもゼロではありません。
S&P500だけしか持たないデメリットを整理すると、以下のとおり。
・米国経済が衰退する可能性
・為替リスクへの対応が難しい
・上位5銘柄のリターンに頼り過ぎている
デメリットに対して自分がどれくらいリスクをとれるかをよく考えて、S&P500+αの対策を含めたコアサテライト戦略で投資を進めるのがおすすめです。
・投資時間の分散を意識する
・債券を併せて持つ
・金利上昇に強い銘柄を併せて持つ
・それでも気になるならやっぱり全世界株を買う
それでは今日も、まめまめしい一日を。
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