国内ETFはおすすめしないってほんと?メリットとデメリットを教えて!
どんな人なら国内ETFをおすすめできる?
今回は、こんな方に向けた記事です。
▼本記事の内容
・国内ETFをおすすめしない6つの理由(メリット&デメリット)
・国内ETF選びで必ずチェックしたいポイントと注意点
・国内ETFがおすすめ・向いている人
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
2024年からはじまる新NISA。
そんな日本の株式市場の盛り上がりを受け、高配当米国株を投資対象にした国内ETFの上場が相次いで決定しています。
国内ETFの上場ブーム到来?国内ETFの選択肢が増えるのは、個人的にはすごくうれしいです。笑
でも、プロの投資家の中には「国内ETFはおすすめしない」という方が多いことをご存じですか?
国内ETFは、メリットとデメリットをしっかり理解しておかないと、大きな損をしてしまう可能性があるからです。
そこで今回は、国内ETFをおすすめしない理由やメリット・デメリットを徹底解説!
国内ETF選びで必ずチェックしたいポイントと注意点も整理してみました。
そもそもETFとは?
国内ETFと米国ETFの違いの前に、そもそもETFについて、おさらいしてみましょう。
個人投資家が買うべき金融商品はETFである
ETFは金額を指定して買うことができない
ETFには種類がある
国内ETFと海外ETFの主な違い
国内ETFとインデックスファンド(投資信託)の違い
一つずつ見ていきましょう。
個人投資家が買うべき金融商品はETFである
ETFは、日本語にすると「上場投資信託」を意味する言葉です。
ETF=Exchange Traded Fund(上場投資信託)
資産運用会社のブラックロックが発表した資料によると、海外ETFは2000年からの約10年で、純資産残高・銘柄数ともに約5倍に拡大。
個人投資家・機関投資家に関わらず、多く購入されている一方で、日本の国内ETF市場は小さく、まだまだ発展途上だと言われています。
引用:今後のETF市場について|日本取引所グループ 東京証券取引所
なんと米国ETF市場は、日本国内のETF市場の約14倍だと言われているよ。人気だとは思っていたけど、やっぱりすごいなw
日本の国内ETF市場が伸び悩んでいる理由のひとつに、日本人の金融リテラシーの低さが関係しています。
そもそも日本の投資人口は少なく、個人投資家の知識も乏しいため、証券会社は手数料をとることができる投資信託を優先的に売ってきた経緯があります。
近年、インターネットで気軽に取引ができるネット証券会社が発展し、国の非課税口座制度(NISA)なども構築されたおかげで、自ら調べて投資をする個人投資家が増えました。
さらに金融庁も、「ETFは個人投資家の資産形成に適した商品の1つといえる」と宣言したことから、少しずつ国内ETFに注目が集まるようになってきています。
国内ETFは、将来的に注目の市場です!
東京証券取引所が発表した資料にも、こんな文言が…!
ETFの特徴は、設定交換を大口に限定したことや、株と同じ様に取引所で取扱われていることで、コストが抑えられていることが多い。指数に連動することが求められているためシンプルな商品であり、上場規則により透明性が高い→個人投資家の資産形成に適した商品の1つといえる
今までは投資信託ばかりが注目されていたけど、今後はETFも一般的になっていきそう。透明性が高いのはETFの大きなメリットだよね!
ETFは金額を指定して買うことができない
ETFがどうしても広まりにくいのは、「価格×口数」で購入しなければならないという制限があるからです。
・「価格×口数」で購入するため、少額投資ができない
・「価格×口数」で購入するため、積立投資がしにくい(クレカ積立も不可)
・購入する度に「販売手数料」を支払う必要がある
投資信託のほうが購入方法が自由で便利なのは否めません…。ゆーて、わたしも自由な投資信託が好き。
投資信託の場合は、100円から購入可能な商品が一般的です。
さらに1万円分だけ買うなどのキリが良い買い方ができ、販売手数料が無料(ノーロード)の商品が多いので、毎月少しずつ買う積立投資に適しています。
一方、ETFは口数で購入しなければならないため、まとまったお金を一度に株に替える必要があります。
さらに販売手数料も高いので、手数料負けしないよう、まとまったお金をどどんと入れたくなり、どうしても初心者が購入するにはハードルが高くなりがちなのです。
投資初心者におすすめしやすいのは、やっぱり投資信託かな…?
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ETFには種類がある
その一方で、ETFにはおもしろい商品がたくさんあります。
種類 | 特徴 |
---|---|
株式ETF | 複数の企業に投資するETF |
債券ETF | 複数の債券に投資するETF |
商品ETF | 物理的な商品に投資するETF |
レバレッジ型ETF | 目標とする指標の2倍、3倍など、 倍の動きをするETF |
インバース型ETF | 目標とする指標とは逆の動きをするETF |
レバレッジ型やインバース型は、かなりボラティリティが高いので玄人向けです。
他にも、コンパクトなテーマを持ったETFも増えています。
2244 グローバルX US テック・トップ20 ETF
=米国を代表するテクノロジー関連20銘柄へ投資するETF
2564 グローバルX MSCIスーパーディビィデンド-日本株式 ETF
=配当利回りが高い日本の25銘柄へ投資へ投資するETF
米国のハイテク株ETFと言えば、NASDAQ100に連動するQQQが有名。でももうちょっと分散を弱めたいなら、2244を買ってみるのもおもしろいよ。私も持ってます。購入時のレポートはこちらから!
国内ETFと海外ETFの主な違い
国内ETFと海外ETFの主な違いは、以下のとおり。
国内ETF | 海外ETF | |
---|---|---|
銘柄数 | 309 (内国ETF:287 外国ETF:22) | 2,096 |
信託報酬 | 高い | 安い |
外国税額控除 | なし | あり |
国内ETFと比べて、海外ETFは種類が豊富です。
さらに銘柄数が多いことで競争原理が働くため、信託報酬などのコストも安く、購入しやすくなっています。
国内ETFは、実質まだ日本株関連のETFがほとんど。
米国株などの海外への投資がしたければ、インデックスファンド(投資信託)を買うほうがお得なことも多く、どうしても選ばれにくい現状があります。
これからの国内ETF市場の発展で変わってくる可能性は大いにあるよ。
国内ETFとインデックスファンド(投資信託)の違い
国内ETFとインデックスファンド(投資信託)の違いをまとめると、以下のとおりです。
国内ETF | インデックスファンド (投資信託) | |
---|---|---|
購入手数料 | 高い | 低い(ゼロのファンドが多い) |
信託報酬 | 低い | 高い |
少額投資可否 | ✖ | 〇 |
分配金の自動再投資 | ✖ | 〇 |
リアルタイム取引 | 〇 | ✖ |
インデックスファンド(投資信託)は、購入手数料がゼロのファンドが多く、100円などの少額投資が可能なので、初心者でも気軽につみたて投資から始める際に有効です。
一方、国内ETFは運用中の信託報酬は安く抑えられているものの、最初の購入時に必要な金額が数万円からであるため、つみたて投資には使いずらく、スポット購入向きです。
ここからはさらに詳しい違いを見ながら、国内ETFをおすすめしない理由を整理していきましょう。
国内ETFをおすすめしない6つの理由(デメリット)
実はわたくし枝豆も、資産のほとんどをインデックスファンド(投資信託)で持っています。
国内ETFも買ってはいるのですが、一部のみ。国内ETFが嫌いとかではなく、メリットとデメリットを整理すると、どうしても現状はこうなってしまうの…。
国内ETFをおすすめしない理由をまとめると、以下のとおり。
種類・品揃えが海外ETFよりも少ない
信託報酬が海外ETFよりも高い
海外ETFより配当利回りが低い
海外ETFより流動性が低く取引しずらい
投資信託のように分配金が再投資できない
投資信託のようにクレカ積立ができない
一つずつ見ていきましょう。
種類・品揃えが海外ETFよりも少ない
国内ETFをおすすめしないのは、種類や品揃えが海外ETFよりも少ないからです。
前述したように、海外ETFは2,096もの銘柄が選べるのに対し、国内ETFはたった290銘柄のみ。
それも、そのほとんどが日本株に関する銘柄なので、米国株に関する銘柄を買いたい場合は、海外ETFで買わざるを得ない現実があります。
それに、各証券会社で海外ETFが購入できるので、いまのところ国内ETFにこだわる理由がないんです。
クチコミを見てみても、みなさんこんなかんじ…。
VYMに相当するような国内ETFってないんだなぁ🤔
引用:Xより
国内ETF扱ってるYouTube少ないけど、それだけ需要がないってことですかね?
引用:Xより
国内ETFは出来高が少ないものが多いのがネックですね。
資産運用の中心には出来ないですがサテライトとしてはありかなと思っています^^ ほとんど趣味です(笑)
引用:Xより
ちなみに国内ETFで買えるS&P500は
1655 iShares S&P500 米国株
2558 MAXIS S&P500上場投信
eMAXIS Slim シリーズのように金額指定では買えず、1口単位での注文。そうなると端数が出て精神的に気持ち悪いが、そこに1655の単価500円ほどのETFを組み合わせれば限りなく満額に近い形で非課税枠を埋めれる
引用:Xより
特に米国株が買いたい人の場合、よっぽど、日本の市場を応援したい人でない限り、選んでいない印象があります。
でも最近は、少しずつ国内ETFも増えてきています。
来年は、米国高配当株や連続増配株に投資できる国内ETFも上場予定。
・2013 米国高配当(米国ETFのHDVに類似)
・2014 米国連続増配(米国ETFのDGROに類似)
個人的には国内ETFの今後が楽しみだし、注目していきたい市場です。
信託報酬が海外ETFよりも高い
国内ETFをおすすめしないと言われがちなのは、信託報酬が海外ETFよりも高いからです。
正直いちばんのデメリットは、コレ…。運用コストの問題です。
国内ETFの平均的な信託報酬は0.25%程度ですが、海外ETFは、信託報酬0.1%以下のものも数多くあります。
人気の海外ETFの経費率を並べてみると、以下のとおり。
ティッカー | ETF名 | 経費率(%) |
---|---|---|
VOO | バンガード・S&P500ETF | 0.03% |
VTI | バンガード・トータル・ ストック・マーケットETF | 0.05% |
VYM | バンガード・米国高配当株式ETF | 0.09% |
VEA | バンガード・FTSE先進国市場(除く米国) | 0.09% |
VIG | バンガード・米国増配株式ETF | 0.10% |
VT | バンガード・トータル・ ワールド・ストックETF | 0.14% |
国内ETFと比較すると、この差は歴然としています。
ティッカー | ETF名 | 経費率・信託報酬(%) |
---|---|---|
1655 | iシェアーズ S&P 500 米国株 ETF | 経費率:0.07% 信託報酬:0.077% |
2236 | グローバルX S&P500配当貴族ETF | 経費率:不明 信託報酬:0.275% |
2840 | iFreeETF NASDAQ100 (為替ヘッジなし) | 経費率:0.20% 信託報酬:0.2% |
引用:ブルームバーグ
米国ETFの場合は「経費率」だけど、国内ETFの「信託報酬」と何か違うの?
米国ETFは、信託報酬ではなく、経費率を開示することが多いんだよね。
信託報酬は、ETFを保有している期間にかかる経費のひとつ。
ETFの運用にかかる経費は、純資産額が増えれば増えるほど下がる傾向にあります。
まだ発展途上の国内ETFは、純資産額が低く、まだまだ海外ETFと比較すると高めに設定されている印象があります。
とはいえ…だいぶ安くなってきた印象はあります。今後に期待!
米国ETFは、信託報酬ではなく、経費率(=経費の純資産残高に対する割合)を開示します。
だから、国内ETFとまったく同じ条件では比べられません。
本ページではブルームバーグ社のホームページに掲載された「経費率」の数値も掲載して、比較しやすくしています。
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海外ETFより配当利回りが低い
国内ETF市場は、まだ発展途上で、一般的には海外ETFより配当利回りが高い銘柄が少ないと言われています。
そもそも国内ETFで米国高配当株に投資できる銘柄が少ないので、利回りが低いというより、単純に比較しずらいんだよね。
米国高配当株に投資できる銘柄は、現状2023年1月に上場したばかりの2236(為替ヘッジありなら2095)のみ。
2236
=グローバルX S&P500配当貴族ETF
=米国を代表する株価指数であるS&P500の構成銘柄のうち、25年以上連続して増配を継続している銘柄で構成される
「S&P 500配当貴族指数(配当込み、円換算ベース)」に連動する投資成果を目指すETF
まだ1年経ってないからなぁ…。
ブルームバーグ社のデータで高配当株海外ETFと配当利回りを比べてみると、以下のとおり。
ティッカー | ベンチマーク | 構成銘柄数 | 配当利回り 直近1年 | 経費率 |
---|---|---|---|---|
VYM (Vanguard社) | FTSE ハイディビデンド・イールド・インデックス | 約400銘柄 | 3.29% | 0.06% |
SPYD (State Street社) | S&P500 高配当指数 | 約80銘柄 | 4.70% | 0.07% |
HDV (Black Rock社) | モーニングスター配当フォーカス指数 | 約75銘柄 | 4.07% | 0.08% |
2236 (Global X社) | S&P500 配当貴族指数 | 約67銘柄 | 0.27% | 0.30% |
2013 (Black Rock社) | 新規上場予定 | 新規上場予定 | 新規上場予定 | 新規上場予定 |
引用:ブルームバーグ
直近1年の配当利回りはかなり低く、経費率が高いこともあって、現状は選びにくくなっています。
まぁ…上場から1年未満じゃ、比較は難しいか…
国内ETF市場はまだ発展途上。
2024年1月にはBlack Rock社からモーニングスター配当利回りフォーカス指数に連動する期待の米国高配当株 ETF(2013)が上場されるので、今後は米国高配当株も国内ETFで投資する選択肢が出てくるかもしれません。
今後に期待です!
海外ETFより流動性が低く取引しずらい
国内ETFは海外ETFより流動性が低く取引しずらいことも、国内ETFをおすすめしないと言われてしまう大きな理由。
株式投資の流動性とは、その株が売買しやすいかどうかを示す言葉です。
流動性が高い=取引量や時期、種類の制限がなく、いつでも売買が可能
流動性が低い=取引量や時期、種類の制限があり、売買がしにくい
国内ETF市場は、まだ発展途上にあるので、投資対象が日本国内の株式にほぼ限定されています。
米国株式に投資できるものもあるけど、約20銘柄のみ。これから増えていくのかなと思います。
一方、海外ETF市場は世界規模で取引されているため、その種類は多く、1日の取引量も国内ETFのくらべものになりません。
流動性が低い銘柄が困るのは、市場価格が基準価格よりも高くなる可能性が大きいこと。
市場価格>基準価額=割高(プレミアム)
市場価格<基準価額=割安(ディスカウント)
その結果、割高で購入せざるを得ないことも多く、常に市場の取引やタイミングを注視しておかねばなりません。
取引に知識と技術が求められます…正直いってムズイんです。
取引したい時にしたいタイミングで取引するのが難しくなるリスクや、適正な価格で取引しずらくなる可能性を秘めているため、現状は投資初心者にはハードルが高い商品だと言えるでしょう。
ここまでは、海外ETFと国内ETFを比べた場合のおすすめできない理由でした。ここからは投資信託とも比較してみるよ。
投資信託のように分配金が再投資できない
国内ETFをおすすめしにくい理由のひとつに、投資信託のように分配金が再投資できないことが挙げられます。
投資目的にもよるのですが、とにかく資産を拡大させたい人にとっては、とても大きな問題です。わたしはこれがネックで、投資信託比率が高くなっています。
資産をなるべく早く拡大させたい場合、あえて分配金を受け取らないように設定された投資信託に投資する方法があります。
分配金を受け取ってしまうと、その分資産額が減るので、効率的に資産を増やすことができません。
そのため、あえて分配金を抑えて、財産の成長を重視し、運用効率を上げるのです。
しかし、多くの国内ETFでは勝手に分配金が振り出されてしまうので、投資家が受け取らないという選択をすることができません。
さらに、運用中に吐き出される分配金を自動で再投資することもできないため、ほったらかし投資には向いておらず、比較的株式投資に慣れて、常にチャートを追うことが習慣になっている人に向いています。
資産を雪だるま式に増やしていくには分配金を自動で再投資したいけど、毎回その手続きを自分でやらないといけないのが、ETFなんです。これ、結構大変…笑
投資信託のようにクレカ積立ができない
投資信託ではあたりまえのようにできるクレジットカードでの積立ですが、国内ETFではできないのもおすすめしずらい理由のひとつ。
単純にクレカ積立ができないんじゃなくて、ETFは口数単位でしか取引ができないことが問題なんです。
クレカ積立の場合、毎月いくらずつ投資するか金額をあらかじめ決めておき、各証券会社の設定画面からつみたて設定をする必要があります。
しかし、ETFは金額単位で買うことがそもそもできません。
国内ETF&海外ETF:口数単位で購入・少額購入不可能
投資信託:金額単位で購入・少額購入可能
そのためクレジットカード決済でもらえるポイント還元が受けられず、お得な積立投資ができません。
どうしてもETFを買いたい場合は、クレカ積立分は投資信託で設定して、それ以外をETFで購入する必要があるんです。
それでも買いたい!国内ETFのメリット
現状、国内ETFは投資初心者にはかなりハードルが高い、おすすめしにくい金融商品です。
現状は玄人向きなんですよね。
でも、デメリットを知って、上手く使い分けることができれば、こんなメリットを享受できるかもしれません。
リアルタイムで取引できる
為替手数料がかからない
二重課税の確定申告が不要
一つずつ見ていきましょう。
リアルタイムで取引できる
海外ETF・国内ETFともに、リアルタイムでの取引が可能なのは大きなメリットです。
特に国内ETFの場合、日本の株式市場の取引時間である日中にリアルタイム取引ができます。
国内ETFの場合:9時~15時(除く11時半~12時半)
米国ETFの場合:23時半~6時(サマータイム時は22時半~5時)
サラリーマンがさくっと昼休みに投資できちゃう。
自分で購入価格や売買価格を決められるため、短期的な利益を狙った取引ももちろん可能。
資産運用が目的の場合はあまり必要ないかもしれませんが、日中に株取引を楽しみたい投資家にとっては、国内ETFはとても便利でしょう。
短期トレーダーさんや株式投資が趣味の個人投資家さんは、やっぱりETFのほうが楽しいっていうよね。
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為替手数料がかからない
国内ETFは、基本的に円で取引をするため、米ドルに両替する必要がありません。
米ドルに両替する手間や時間って、意外と大きいです。その時に手続きができず、翌日に持ち越す時も。今すぐ買いたいのに!って思うこともあります。
また、通常は円を米ドルに両替をする際、為替手数料がかかります。(※)
※2023年12月から各社、為替手数料を値下げして、今では無料の証券会社も増えました※
証券会社 | 1ドルあたりの往復手数料 |
---|---|
楽天証券 | 0銭 |
SBI証券 | 0銭 |
マネックス証券 | 25銭 |
松井証券 | 25銭 |
auカブコム証券 | 40銭 |
昔はあたりまえにかかっていた為替手数料が、今は証券会社によってはかからなくなりました。
あたりまえですが、国内ETFなら証券会社に関わらず、為替手数料は無料です。
二重課税の確定申告が不要
国内ETF・米国ETF国内上場ともに、分配金に対しては米国と日本の両方で源泉課税があります。
国内ETF:国内税(20.315%)
米国ETF:米国税(10%)+国内税(20.315%)
しかし、国内ETFの場合は、ほとんどの銘柄で二重課税分が自動で控除(外国税額控除)される仕組みになっています。
対象となる銘柄は、外国資産(株式・不動産等)に投資を行い、そこから生じた利益を元に投資家に分配金を支払っている投資信託等です。これらの投資信託等が2020年1月1日以降に支払う分配金については、自動的に二重課税調整が行われます。ただし、対象となる投資信託等をNISA口座で保有されている場合は、国税分は非課税となり、外国との二重課税状態が発生しませんので、本措置の対象とはなりません。
国内ETFは二重課税の心配がないのは、メリットです。
一方、特定口座で米国ETFを買う場合は、投資家が自分で確定申告をしないと外国税額控除を受けることはできません。
とはいえ、特定口座で米国ETFを買う時は、確定申告をすれば問題ないです。ちょっと困るのは、NISA口座で米国ETFを保有した場合…。
NISA口座は、もとも国内配当金課税が非課税になる口座です。
そのため米国ETFを保有したとしても二重課税にならず、外国税額を摂り戻すことはできません。
国内ETF:国内:国内税(非課税)
米国ETF:米国(対象外=10%)+国内税(非課税)
NISA口座を使うなら、国内ETFのほうがお得!米国ETFは、NISA口座で買うともったいないのでおすすめしないよ。
国内ETF選びで必ずチェックしたいポイントと注意点
国内ETFは、すべての人におすすめできない、ダメな金融商品というわけではありません。
目的や選び方次第では、メリットが大きい素晴らしい商品です。
だからこそ、国内ETFを選ぶ前には考えておかないといけないポイントがあるの。
国内ETF選びで必ずチェックしたいポイントは、以下のとおり。
投資目的と期間は?
利用する口座は?(NISA口座と特定口座)
信託報酬と純資産額は?
一つずつ見ていきましょう。
投資目的と期間は?
国内ETFの購入を検討するなら、購入前にきちんと購入目的を整理しましょう。
購入目的と運用する期間によっては、国内ETFを買うべきではないケースがあります。
ETFと投資信託のそれぞれに合った投資目的・期間・タイミングをまとめてみると、以下のとおり。
ETF | 投資信託 | |
---|---|---|
投資目的 | キャッシュフロー改善 &値上がり益の獲得 | 資産形成&年金づくり &長期の運用益の獲得 |
投資期間 | 短期に強い | 長期に強い |
投資タイミング | 一括に強い | 積立に強い |
長期で資産形成したいなら、売買手数料が無料(ノーロード)で、分配金を自動で再投資してくれる投資信託がおすすめだけど、短期的な値上がり益を狙うなら、リアルタイムに売買できるETFがおすすめ。
整理すればあたりまえだけど、この投資目的がごちゃごちゃになっている人が多い印象があります。
金融商品を購入する時は、とりあえず深呼吸。
まずは投資目的を整理して、目的に合った投資先をよーく検討するのがおすすめです。
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利用する口座は?(NISA口座と特定口座)
NISAでETFを保有するなら、国内ETFがおすすめです。
なぜなら、せっかくの非課税口座なのに、外国税が取り戻せなくなってしまうから。
NISA=毎年一定金額の範囲内で購入した金融商品から得られる利益が非課税になる仕組み
NISA口座で保有している株式・投資信託・ETFは、国内課税分が非課税になります。
国内ETF:国内:国内税(非課税)
米国ETF:米国(対象外=10%)+国内税(非課税)
しかし米国上場ETFは、国内税が非課税になると同時に、外国税が対象外となり、確定申告をしても取り戻せなくなります。
米国ETFを買いたいなら特定口座で運用するのがおすすめです。特に高配当ETFの場合は、損する額が大きくなるので、注意してね。
信託報酬と純資産額は?
いろいろあってもやっぱり国内ETFの値上がりに期待したい!
よし、そんなキミへのさいごのお願い!信託報酬と純資産額はチェックしてから買おう。
国内ETFは、海外ETFと比べて市場規模が小さく、マーケットは成熟していません。
そのため、心配なのは上場廃止や償還されてしまうリスクです。
ETFの価値が一切なくなることはありませんが、大きな損を被る可能性もあるので注意が必要。
また、国内ETFは信託報酬が比較的高めに設定されている点も注意です。
投資信託や海外ETFと比べると、ただでさえ運用コストの平均値が高いので、なるべく信託報酬を抑えた国内ETFを購入しましょう。
国内ETFがおすすめ・向いている人
国内ETFがおすすめの人はこんな人です。
為替リスクについて考えたくない人
NISA口座で高配当ETFを保有したい人
一つずつ見ていきましょう。
為替リスクについて考えたくない人
米国ETFを持っているということは、米ドル資産を持っているということになります。
すると、金融商品自体の問題だけでなく、為替についても深く理解する必要がでてきます。
分配金もドルで入金されるので、換金のタイミングはどうするかなど、持っているだけでも悩みは尽きません。
しかし、国内ETFなら円で買えるので、悩みの大部分は回避できます。
為替について考えたくない人に、国内ETFはおすすめです。
ホントのことをいうなら、ドル資産はある程度持っておいた方がいいとは思うけど、悩みすぎて投資をやめちゃうぐらいなら、ドル資産をあきらめるほうがまだマシかな…笑
NISA口座で高配当ETFを保有したい人
NISA口座で高配当ETFを保有したい人は、NISA口座の非課税メリットを活かすため、国内ETFを保有するのがおすすめです。
2024年には米国高配当ETFも上場予定があるので、今後はもっと選択肢が増えてくる可能性があります。
うん、米国高配当ETF、個人的にはすごく楽しみだ!
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国内ETFをおすすめできない・向いていない人
国内ETFがおすすめできない人はこんな人です。
なるべく早く目標資産を作りたい人
クレカ積立でポイントもお得に貯めたい人
一つずつ見ていきましょう。
なるべく早く目標資産を作りたい人
国内ETFに関わらず、ETFは投資信託に比べて、長期の資産作りには不向きです。
なるべく早く目標資産を作ってFIREしたい人、老後の資産づくりを早く終わらせて安心したい人におすすめなのは、分配金が再投資でき、積立購入も可能で、ほったらかしても大丈夫な投資信託です。
わたしは運用目的が長期的な資産作りなので、ポートフォリオのほとんどが投資信託です…。
長期的な資産作りが目的でも、国内ETFや海外ETFを一切買わないということではありません。
短期投資で値上がり益が期待できる時は、国内ETFや海外ETFでチャレンジするのがおすすめです。
ほったらかし投資メインのわたしも、コアサテライト戦略のサテライトのほうで、国内ETFや海外ETFを買ったりするよ。
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クレカ積立でポイントもお得に貯めたい人
クレカ積立設定ができるのは、投資信託だけなので、クレジットカードでポイントをもらいながら資産形成がしたい人は、国内ETFはおすすめできません。
こればっかりは、しょうがない…
使うクレジットカードによって貯まるポイントの割合は異なりますが、1か月に数千円分のポイントがほったらかしでもらえるチャンスをムダにするのはもったいないと思います。
クレカ積立は投資信託でしっかり確保して、それ以外の余裕資金で国内ETFや海外ETFにチャレンジしましょう。
まとめ:国内ETFはおすすめしないといわれる理由
国内ETFをおすすめしない理由をまとめると、以下のとおり。
種類・品揃えが海外ETFよりも少ない
信託報酬が海外ETFよりも高い
海外ETFより配当利回りが低い
海外ETFより流動性が低く取引しずらい
投資信託のように分配金が再投資できない
投資信託のようにクレカ積立ができない
国内ETFは、一見投資初心者には向かない、難しい商品に見えますが、デメリットを知って、上手く使い分けることができれば、短期的に大きなリターンを得られる可能性もあります。
リアルタイムで取引できる
為替手数料がかからない
二重課税の確定申告が不要
国内ETFがおすすめの人とおすすめできない人はこんな人です。
国内ETFがおすすめの人
為替リスクについて考えたくない人
NISA口座で高配当ETFを保有したい人
国内ETFがおすすめできない人
なるべく早く目標資産を作りたい人
クレカ積立でポイントもお得に貯めたい人
国内ETFが向いているかどうかは、結局、投資目的と方針次第であることがわかりました。
改めて自分の投資目的を整理して、自分にあった金融商品を選ぶことがなによりも大切です。
そして…なによりも今後が期待できるおもしろい市場であることも知っておいてほしい!
来年は、米国高配当株や連続増配株に投資できる国内ETFも上場予定。
・2013 米国高配当(米国ETFのHDVに類似)
・2014 米国連続増配(米国ETFのDGROに類似)
ますます盛り上がりを見せる、国内ETF市場を積極的にチェックしていきましょう。
それでは今日もまめまめ楽しい一日を。
\お金に強くなるには、無料マネースクールの参加もおすすめ(*´▽`*)/