初心者
家賃保証してくれるサブリースに、わたしたち不動産投資初心者を守ってくれる
「サブリース新法」ができたってほんと?
そうなんです!
不動産投資業界で激震が走った2018年。
サブリース業者と銀行による不正融資等によって、多くのサラリーマン投資家が破産に追い込まれ、被害総額は1000億円以上にのぼりました。
当時から不動産投資に興味があった人は、ご存知かもしれません。そう、俗に言う「かぼちゃの馬車」事件です。
初心者
知ってる!!1億円分のローンを組んだら、借金だらけになったってやつでしょ?
たくさんのメディアで取り上げられたので、「サブリースってコワイ」と思った方も多いかもしれません。サブリースとはなにかについては、別の記事で詳しく書いたので、ぜひこちらをご確認ください。
しかし、環境はちゃんと改善しています。
2020年12月には、サブリース業者を規制する「サブリース新法」が施行され、国土交通省は2029年までにサブリースによるトラブルを今の1/3に減らすことを目標に法整備を推進中。
今回は
・サブリース新法とは?サブリース新法の概要
・サブリース新法施行後の変化と今後の注意点
についてまとめてみたいと思います。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
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サブリース新法が作られた背景
俗にいう「サブリース新法」は、正式な名称を「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」といいます。
サブリース新法
=賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律
国土交通省が賃貸住宅の管理業務を円滑にするために、法律の解釈や運用の考え方についてまとめた法律です。
このサブリース新法の公布は、2020年6月。
そのうちサブリースに関連する部分だけ、先行して施行されています。
なぜ、サブリースに関するところだけ、先に施行する必要があったのでしょうか?
トラブルが多発するサブリース契約
サブリース新法と呼ばれる「賃貸住宅の管理業務等の適正化に関する法律」のうち、サブリースに関連する部分だけ先に施行されたのは、不動産オーナーとサブリース業者の間のトラブルが絶えず、裁判になることが増えていたからです。
トラブルの詳細は、いろんなケースがありますが、例えばこのようなものが挙げられます。
ケース① 突然の賃料値下げ
サブリース契約を結んでから数年は問題なく賃料が入っていたが、途中から当初の約束から30%も減額することを提示された。
ケース② 突然の契約解除
20年間は家賃が保証されると言われてサブリース契約を結んだのに、同意なく契約を解除され、住人も減り、予定していた家賃が回収できなくなった。
ケース③ 突然の家賃不払い
20年間は家賃が保証されると言われてサブリース契約を結んだのに、突然家賃が振り込まれなくなり、連絡がつかなくなった。
初心者
どれも最悪だぁ…不動産投資、コワくなってきちゃった。
いやいや、いわれるがままに契約するんじゃなくて、ちゃんと考えていれば大丈夫!それにそんなリスクを減らすために国土交通省も「サブリース新法」を作ったんだから。
トラブルの多くは、不動産オーナー側からみて大きな不利益になるものでした。不動産オーナーは信用力がある大企業のサラリーマンが多く、多額のローンが借りられてしまいます。
そのわりに、契約内容を正確に理解している人は少なく、リスクの高いサブリース契約を知らぬ間に結ばされて、多額のローンだけが残ってしまうというケースもすくなくありませんでした。
サブリース業者は悪?借地借家法の判断
しかし、すべてのサブリース業者が悪かと言えば、そうではありません。契約内容をきちんと読んで理解していれば起こらなかったトラブルもたくさんありました。
そもそも20年後の不動産価値を予想するのは、誰にとってもかなり難しい難題です。それなのに、20年以上も家賃保証がされるなんて…ちょっといびつなビジネスモデルだと言わざるを得ません。
サブリース業者もビジネスをしているので、儲けがどこかにないとサービスとしておかしいです。ボランティアじゃないんだもん。健全なサービスならば、ちゃんと利益になるビジネスモデルになっているか、他に何かしら利益になるサービスを抱き合わせるはず…かな?
さらに、いびつに感じさせているのは法律でした。
不動産投資に関わる法律である借地借家法は、通常、借主の保護が強く規定されています。サブリース契約の場合の借主は、不動産投資のプロであるサブリース業者です。
貸主=不動産投資の素人であるサラリーマン
借主=不動産投資のプロであるサブリース業者
詳しいはずのプロを保護する力が強く、サラリーマン投資家などの素人を守りにくいという点でも、サブリース契約はいびつでした。
サブリース業者にとっても、不動産オーナーにとっても、全体的にかなり複雑でいびつなサブリース…。複雑でわかりにくいのをいいことに、不正を働く業者もでてきたのです。
サブリース契約トラブル例:「かぼちゃの馬車事件」
通称、「かぼちゃの馬車事件」。
「かぼちゃの馬車」とは、スマートデイズ株式会社が発売していた地方に住む女性向けのシェアハウスのブランド名です。
「かぼちゃの馬車」
=地方に住む女性向けのシェアハウス
=上京したての女性たちの東京での生活をサポートする名目
=低家賃、家具付きですぐ住める
上京したいけどお金がないので節約したい若い女性をターゲットにした、女性専門のシェアハウスで、低家賃・家具付きなどが魅力でした。
信用力のあるサラリーマンが1億円前後のローンを組んで購入。しかし、収益化が難しいビジネスモデルになっており、時間がたつと家賃が払われなくなりました。
この「かぼちゃの馬車事件」の問題は、金融機関であるスルガ銀行とスマートデイズ株式会社が組んで、普通ならば審査が通りにくいサラリーマン投資家に対して融資が受けられるようにしていたことです。
サブリース契約関連のトラブルは、詐欺まがいのものも多かったのは事実です。
しかし、「そもそもサブリースに関連する法律自体の改正が必要なのでは?」という意見が多く出て、サブリース新法が検討されることになりました。
サブリース新法の概要
サブリース新法の概要については、国土交通省の「サブリース事業適正化ガイドラインの策定」というページを元に、新しくなった箇所を整理してみたいと思います。
これまでと大きく変わったのは、以下の3点です。
変更条文① 誇大広告の禁止(法28条)
変更条文② 不当な勧誘の禁止(法29条)
変更条文③ 重要事項の証明(法30条)
ここからはひとつひとつ詳しく見ていきましょう。
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変更条文① 誇大広告の禁止(法28条)
サブリース新法では、誇大広告が禁止されました。 誇大広告とは、例えばこんな内容です。
・20年間家賃保証します
・空室保証付きです
このような表現は、「契約解除や変更があっても、絶対に保証します」という意味にとらえられてしまうことが問題でした。
サブリース新法では、誇大広告をしてはいけいないものとして、こちらをあげています。
・サブリース業者がオーナーに支払う家賃の額と条件
・サブリース業者が行う管理内容・費用分担
・マスターリース契約(オーナーとサブリース業者の借上げ契約)の解除条件
サブリース新法では、これらの表現をする時は、ちゃんと近くに条件文を書かなければならなくなりました。
・家賃減額の可能性あり
・定期的な家賃の見直しあり
・修繕費等の支払いあり
・契約解除条件は〇〇〇
これまでのサブリース広告では、サブリースによる不動産投資のメリットばかりが誇張されていたため、きちんとリスクを見せることが条文化されました。
変更条文② 不当な勧誘の禁止(法29条)
サブリース新法では、不当な勧誘が禁止されました。
不当な勧誘とは、以下のような偏った勧誘を指しています。
・メリットばかりを強調する
・わざとデメリットを伝えない
・事実と違うことを伝える
事実と違うことを伝えるのは問題外ですが、メリットばかりを強調したり、デメリットを伝えない勧誘方法が禁止されました。
実際の契約の時に、その場でサインさせることを強制する企業ってなんかコワいですよね…私はこういう時はいったん持ち帰ってる。笑
変更条文③ 重要事項の証明(法30条)
サブリース新法では、サブリース契約を結ぶ前に重要事項を書き出して、説明しなくてはいけなくなりました。
国土交通省「サブリース事業に係る適正な業務のためのガイドライン」によると、書き出して説明しなくてはならない重要事項はこちらです。
①マスターリース契約の家賃と賃貸の条件に関すること
②契約期間・更新内容とその解除に関すること
③サブリース業者が行う賃貸住宅の管理内容と費用分担に関すること
重要事項の証明(法30条)については、少し複雑なので、ひとつずつ説明します。
サブリース新法の重要事項とは?
契約時にサブリース業者が説明しなければならない、サブリース新法の重要事項は以下の3つです。
重要事項① マスターリース契約の家賃と賃貸の条件に関すること
マスターリース契約とは、不動産オーナーとサブリース業者の間に結ばれる一括賃貸借契約のことです。
不動産オーナーはこの契約を結ぶことによって、サブリース業者に賃貸借の権利と義務を移動させる代わりに、予め決めた賃料を支払います。そのため、賃料を含む賃貸条件の合意がなによりも重要です。
・不動産オーナーに払う家賃はいくらか?
・いつまでに不動産オーナーに家賃を払うのか?
・どんな条件で不動産オーナーに家賃を払うのか?
・家賃を変更する時はどんな時か?(減額する時はどんな時か?)
重要事項② 契約期間・更新内容とその解除に関すること
そもそも不動産オーナーとサブリース業者は、マスターリース契約によって成り立っている関係です。契約内容自体の更新や解除に関することも重要です。
・契約期間はいつまでか?
・契約更新や解除条件は?
・契約期間と家賃額との関係や条件は?
重要事項③ サブリース業者が行う賃貸住宅の管理内容と費用分担に関すること
サブリース業者と不動産オーナーの役割分担も重要です。特にサブリースの場合は、この分け方が曖昧になりがちで、トラブルに発展する可能性が高いため、説明が必要になりました。
・サブリース業者が行う賃貸住宅の管理内容
・サブリース業者が行う賃貸住宅の費用分担
重要事項説明が不要な場合
このようにサブリース新法では、不動産オーナーの不利益が多くならないように重要事項の説明が必要です。
しかし、以下の条件を満たした時のみ重要事項説明が不要です。
宅建業者が貸主の場合
駐車場契約の場合
更新時の更新契約の場合
適用除外者(国・地方公共団体など)の場合
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サブリース新法施行と今後の注意点
このようにサブリース新法は、不動産オーナーの立場が弱くなりすぎないように、そして今後サブリースによるトラブルが増えないように制定されました。
サブリース新法施行後の目標
国土交通省がサブリース新法施行前の2019年7月に行った「賃貸住宅管理業務に関するアンケート調査」によると、不動産オーナーの46%がサブリースに関するなんらかのトラブルを抱えていました。
国土交通省は、この状況を脱するべく、サブリース新法を制定し、また、2029年までにサブリースに関するなんらかのトラブルを抱える人の割合を16%(今の1/3程度)まで減らしたいという考えを示しています。
サブリース新法の罰金規定は?
国土交通省は、今後、サブリース新法に従わず、不当な勧誘をし続け、また重要事項の説明を怠った場合は、サブリース業者はもちろんその営業を行う個人についても懲役や罰金刑などの処分を求めるとしています。
誇大広告の禁止(第28条)=30万円以下の罰金
不当な勧誘等の禁止(第29条)=6月以下の懲役もしくは50万円以下の罰金(併科あり)
サブリース新法ができたこと、そしてきちんとした罰則ができたことで、これまでよりは悪徳業者は減っていくと考えられています。
しかし、そもそも不動産オーナーもよく理解できていない契約を安易に結んだり、短期投資のメリットばかりを優先して、長期的な視点で考えられない投資家がいるのは事実です。きちんとオーナー業のリスクを理解して、自分がとることができるリスク以上のリスクを抱えないようにしましょう。
誇大広告だけよりもやっぱり勧誘のほうが罪が重いんですね。サブリース新法によって、ずるいことを考えるサブリース業者が減っていくといいなぁ…。
サブリーストラブルに巻き込まれないための注意点
最後にサブリーストラブルに巻き込まれないための注意点をまとめてみました。いくつか気を付けるだけで、サブリーストラブルに巻き込まれる可能性が各段に低くなります。
注意① 業者選びは比較を徹底する
サブリース式の不動産投資をしたいと思ったら、必ず複数のサブリース業者とコンタクトをとって説明を聞くようにしましょう。
1社の話を聞いたところで、比較対象がなければ、そのサービスが良いモノなのか、悪いモノなのか、判断ができません。複数社のはなしを聞くと、誰のはなしが論理的かつ現実的な事業計画に近いのかわかってきます。
・将来にわたって現実的な収益計画になっているか?
・物件のみならず、周辺情報をきちんと調べた上での納得感がある提案か?
・会社自体の経営が安定しているか?
・会社自体のビジネスモデルに納得感があるか?
・不動産オーナー側の立場をくみ取れる業者か?
・これまでの類似物件の実績等リクエストした情報・データを公開してくれるか?
契約前は納得いくまで、ちゃんと自分の目でいろいろみてから判断したほうがイイと思います。焦る必要はありません。
注意② システムが正確に理解できないなら契約しない
不動産契約は、サブリースはもちろん、利回り計算や確定申告など、複雑な決まりや理解しなければいけないことがたくさんあります。
あまり複雑に感じる時は、その場で判断するのはやめましょう。一度持ち帰り、わからなかったところを全て明確にできたときに、投資したい!と思ったら契約するようにしましょう。
実は、事件発覚前にかぼちゃの馬車のスマートデイズのオーナー説明会に行ったことがあるんだけど、ビジネスモデルが複雑で、利益が出るように思えなくて、なんとなく変だなーと思って、それ以上話を聞くのをやめました。なんとなくおかしいなと思ったら辞めましょう。その気持ち、大体あってます。笑
注意③ 不動産投資は疲れたら休むべし
不動産投資は、疲れたら休みましょう。ムリヤリ前に進み、目の前の契約に判を推す必要はありません。まずは、調べて、調べて、調べて、複数社とコンタクトをとることから始めましょう。
そしてその中から安定した家賃収入を得るためのパートナーとして、信頼できそうな不動産会社を探してみてください。なかなか出会えない方は、一度、紹介サービスを使ってみるのもアリですよ。
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まとめ ~サブリース新法の変更点と注意点~
サブリース新法は、国土交通省が賃貸住宅の管理業務を円滑にするために、法律の解釈や運用の考え方についてまとめた法律です。
サブリース新法がつくられたきっかけは、サブリース関連のトラブルが多かったこと。賃料の値下げや契約解除、突然の家賃不払いなどの不動産オーナー側の不利益が多くなる事件が多発したことで、ある意味不動産オーナーを守るための法律の見直しでした。
変更された内容は主に以下の3点です。
変更条文① 誇大広告の禁止(法28条)
変更条文② 不当な勧誘の禁止(法29条)
変更条文③ 重要事項の証明(法30条)
サブリース新法ができたこと、そして規定を守らなかったときの罰則規定ができたことで、これまでよりは悪徳業者は減っていくと考えられています。
参考にしてみてね。
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