初心者
サブリース契約って危ないの?やめとけって言われる理由は?
サブリース契約について、実際に不動産業をしている人の話が聞きたい!
今回の記事は、こんな方に向けて書いた記事です。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
不動産オーナーになったばかりのころは、とにかく空室が怖いもの。
サブリース契約は、専門業者が所有不動産を長期で借りて一定の家賃を保障してくれるため、空室が心配な不動産オーナーにとても人気です。
不動産投資歴約15年の私も、まだ新米オーナーだったころにサブリース契約のお誘いを受け、「おお!私の不動産、大人気!」「これからは空室保証もされて安泰すぎる!」と思ったものです。
でも、ちょっとまった。
契約書をしっかり読み込んで、メリットとデメリットを分析したら…かなり危ない橋を渡ろうとしていたことに気が付きました。
そこで今回は、なぜ私がサブリース契約を辞めたのか、その理由を徹底解説!サブリースの仕組みやメリット、デメリットをわかりやすく整理します。
▼本記事の内容
サブリース契約は、危ないのか?
実際に不動産投資15年の筆者がサブリース契約の提案を断った理由
サブリース契約とは?わかりやすく解説
サブリース契約とは、サブリース業者が不動産を一括で借り上げて、第三者に転貸する契約のことを言います。
サブリース契約=サブリース業者が不動産を一括で借り上げて、第三者に転貸する契約のこと
引用:賃貸住宅経営(サブリース方式)に関する契約を締結する前に|消費者庁
一見すると空室リスクを減らしてくれる魅力的な制度に見えますが、安易に契約を結びトラブルに発展することも珍しくないようです。
全国消費生活センターに寄せられたサブリース関連の消費生活相談件数は、年間約450件を超え、ついに消費者庁は、サブリース契約をしようとしている方に向けた注意喚起に力をいれるようになりました。
こんな専用の資料も制作されています。
引用:賃貸住宅経営(サブリース方式)の契約を検討する方へ|消費者庁
サブリースの仕組み
サブリース契約は、一般的な賃貸借契約とは違い、不動産オーナーと入居者の直接的な契約はありません。
賃貸借契約=不動産オーナーと入居者との契約
サブリース契約=サブリース事業者と入居者との契約
サブリース業者は不動産オーナーの代わりに家賃や更新料を受け取って、不動産オーナーに毎月家賃を支払います。
サブリース契約を結ぶと必ず「家賃保証」や「空室保証」がされると思っている人がいるけど、それは違うよ。
賃料保証型=空室のありなしに関わらず、毎月一定の賃料が得られる
実績賃料連動型=入居者実績に連動して賃金がもらえるので、空室の場合は賃料が得られない
そんなに多くはありませんが、一部の業者では「実績賃料連動型」のサブリース契約を結ぶこともあるため、注意が必要です。
サブリース契約とマスターリース契約の違い
初心者
サブリース契約とマスターリース契約って何が違うの?
契約の主体者が違うよ。
サブリース契約がサブリース事業者と入居者との賃貸借契約ならば、マスターリース契約は不動産オーナーとサブリース事業者との契約です。
サブリース契約=サブリース事業者と入居者との賃貸借契約
マスターリース契約=大家とサブリース事業者との賃貸借契約
サブリース契約が発生するところには、必ずマスターリース契約も発生しています!
また、サブリース契約とマスターリース契約を1つのセットにして、二つ合わせて広義の意味で「サブリース契約」と呼ぶこともあります。
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大公開!実際にわたしが提示されたサブリース契約
これまでの約15年の不動産投資経験の中で、実際に大手企業様のマンスリーマンション利用を目的としたサブリース契約(転貸借契約)をご提案されたことがあります。
ご提案内容の概要を整理すると、以下のとおり。
①マンスリーマンション利用を目的とした長期の転貸借契約を結ぶ
②現在の月額賃料から、2000円/月分減額される
③敷金はない代わりに、ルームクリーニング代を借主(先方)が出す
④ルームクリーニング代以上の内装・修繕費用は貸主(わたし)が出す
⑤礼金はない
⑥契約開始から1か月分は無料(1か月フリーレント)
ご提案内容を整理してみると、トラブルが増えていると話題になっていた「サブリース契約=転貸借契約」だと気が付きます。
でも、もちろん、法律上は決して問題がないサブリース契約です。
この機会にきちんと調べながらメリットとデメリットをしっかり分析して、契約を結ぶかどうか考えてみることにしました。
ここからは実際に私が考えた、サブリース契約のデメリットとメリットを整理してみたいと思います。
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サブリースのデメリット!私が危ないと感じた理由
サブリース契約は、正確に理解しないと危ない落とし穴が詰まった、若干複雑な契約です。
契約締結後に「思っていたのと違った!」と思わないよう、しっかりとデメリットを整理しておく必要があります。
当時のわたしが考えたサブリース契約のデメリットは、以下のとおり。
現在の賃料や利回り、収益性が下がる
契約更新時に賃料が減額されるリスクがある
原状回復費用や大規模修繕費用はオーナー負担
礼金や更新料は受け取れない契約が多い
契約後は賃借人が付くまで無料期間がある
内装や修繕の業者は選べない
入居者の審査に介入できない
サブリース業者からの解約が容易(オーナーからの解約が難しい)
サブリース契約が不動産の売却価格を下げる懸念も
一つずつ見ていきましょう。
現在の賃料や利回り、収益性が下がる
サブリース契約は、現在の賃料よりも安い賃料で契約を結ぶのが一般的であるため、不動産事業の利回りや収益性は下がる傾向にあります。
私が実際に提示された価格は、通常時のマイナス2000円。
サブリース業者は、不動産オーナーから賃貸物件を借り上げて、空室だろうがなかろうが、家賃を払い続けるため、少し安めの金額で契約することが多いようです。
空室になってもすぐに入居者が決まるわたしの物件。
わざわざ家賃を減額してまで空室対策が必要かどうかは…ちょっと疑問です。
契約更新時に賃料が減額されるリスクがある
サブリース契約は、たとえ20~30年の長期契約を結んだとしても、そのまま継続されるとは限りません。
入居者がなかなか見つからなくなり、収益が落ちると、サブリース業者は不動産オーナーに対して、家賃の減額請求(賃料増減請求権)をする権利があるからです。
これは、借地借家法第32条に定められている、借主側(サブリース業者)の正当な権利だよ。
意外と知らない人が多い、サブリースの落とし穴です。
第三十二条 建物の借賃が、土地若しくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地若しくは建物の価格の上昇若しくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の借賃の額の増減を請求することができる。
引用:借地借家法第32条
不動産オーナーが家賃の減額請求に応じなければ、サブリース事業者は契約の途中でも解約を申し出ることができるので、不動産オーナーは解約に応じるか、減額請求に応じるかの究極の2択を迫られることになります。
サブリース契約は、不動産オーナーが他人に収益の増減の決定権を譲らざるをえないという意味で、安易に結ぶとリスクが大きい契約なのです。
実際に私にサブリース契約の打診をしてくださったマンスリーマンション経営企業は、だれもが名前を知っている大企業。
なのに、大企業が減額交渉をできて、個人のサラリーマン大家である私の立場が弱くなるのはひどいんじゃ…と思う方もいるかもしれません。
しかし、これはある意味あたりまえ。
減額請求を許可している法律(借地借家法)の前提が、貸す人より、借りる人を守るための法律だからなのです。
賃貸人(貸す人)=不動産オーナー(わたし)
賃借人(借りる人)=マンスリーマンション経営企業(大企業)
サブリース契約の場合、わたしの立場がどんなに小さく非力でも、あくまでわたしは不動産オーナーです。
マンスリーマンションを経営するサブリース業者は、どんなに大きな企業でも、あくまで法律に守られている賃借人の立場。
不動産オーナーよりもその物件を借りる人を守る借地借家法がある限り、いつでも賃借人の都合で空室リスクを抱える可能性はありますし、家賃が減額される可能性もあります。
さらに契約期間自体は20年や30年など長期にするのが普通なので、契約上、20年間は必ず家賃が保障されるように見せることができます。
実際の契約書をよく読むと、サブリース賃料を減額できる旨の文言が盛り込まれていることがほとんどなので、20年の契約期間にはほとんど意味はなく、数年たったらしれっと「減額通知」が届くことも。
ちょっと危ない不誠実な業者の場合、不動産オーナーの空室不安を上手くついてきて「20年家賃保証」「30年一括借り上げ」などの甘いセールストークでにおわせることも…。
あたりまえですが、完全なる空室保証なんてありえません。
原状回復費用や大規模修繕費用はオーナー負担
サブリース契約の場合、貸したらそのまま家賃が定期的に入ってくるだけと誤解していませんか?
詳細は契約次第ではありますが、多くの場合は物件のメンテナンスにかかる費用や設備の老朽化に伴う修繕費用、建物全体の大規模修繕費用などは、不動産オーナーが負担します。
私が実際に打診された契約も、ルームクリーニング代でさえ敷金の範囲内の対応で、敷金以上の分はすべて不動産オーナーが負担するという内容でした。
・敷金はない代わりに、ルームクリーニング代を借主(先方)が出す
・ルームクリーニング代以上の内装・修繕費用は貸主(わたし)が出す
サブリース契約は、あくまで契約主体が変わるだけで、物件の管理や維持の権利と義務が移動するものではないことも注意が必要です。
礼金や更新料は受け取れない契約が多い
サブリース契約の場合、通常不動産オーナーが受け取る礼金や更新料は、サブリース業者の収益になるのが普通です。
礼金=入居に際して貸主に支払う謝礼的な費用。原則返還の必要なし。
更新料=契約更新の際に貸主に支払う謝礼的な費。用原則返還の必要なし。
どちらも入居者が不動産オーナーに対して謝礼やあいさつの意味で渡すお金という名目なので、敷金とは違って、原則返還の必要はありません。
わたしが所持している中古ワンルームマンション物件の場合は、礼金も更新料も家賃の1か月分をいただくことが多いです。
名目上は謝礼やあいさつの意味があるお金ではありますが、実際のところ礼金と更新料を含めた上で不動産経営計画が立てられているので、受け取れないとなると一気に物件の収益性が落ちてしまいます。
礼金や更新料が受け取れなくなっても、きちんと経営が回るのかは具体的な計算が必要です。
また、悪質なサブリース業者の場合、家賃自体は下げて不動産オーナーに渡すお金を減らし、礼金や更新料を高くして、サブリース業者側の収益性を上げようとするケースもあるので注意が必要です。
契約後は賃借人が付くまで無料期間がある
サブリース契約後は、次の入居者が決まるまで、不動産オーナー側が空室リスクを負うのが普通です。
この前入居者の退去からの免責期間の長さは契約によって異なり、大体1か月~2か月が通常のようです。
私の実際の契約では、1か月のフリーレント期間が契約の条件でした。
この免責期間は入居者が決まっても決まらなくても変わらないので、サブリース契約を結んだ段階で一定の空室リスクを抱えることになります。
私の物件の場合、平均空室期間は2~3週間。1か月以上空室になることはないので、やっぱりサブリース業者側に有利な契約に見えちゃったんだよなぁ…。
免責期間はその後の不動産経営計画を崩してしまう要因になりかねないので、もしサブリース契約を結ぶ際はしっかりとチェックすることが必要です。
内装や修繕の業者は選べない
サブリース契約の場合、物件のリフォーム計画を立て、主導するのはサブリース業者になることが多いです。
契約内容次第ではありますが、サブリース業者が提案するリフォーム計画に反対するのは難しく、場合によっては内装や修繕業者の選定ができなくなるので、費用が割高になってしまう可能性もゼロではありません。
わたしはこれまでお願いしていた管理会社の選定に信頼を置いていたので、この業者選定の方針が変わってしまうことに対しても不安がありました。
特にマンスリーマンション業者とのサブリース契約では、入居者の入れ替え自体は早いため、内装や修繕の回数は多いことが予想され、物件の収益性にもなんらかの影響を及ぼす可能性があります。
入居者の審査に介入できない
サブリース契約の場合、入居者の入居審査に不動産オーナーが介入することができなくなります。
通常は管理会社を通じて入居者を募集し、入居者を決定する前に不動産オーナーの承認が必ず必要になります。
入居審査の際には、入居者の個人情報を確認することができます。
その段階で入居を断ったことは1回もないけど、それでも入居者の情報が事前に確認できると安心感があります。
しかし、サブリース契約にすると、サブリース業者が入居者の募集から審査、退去までの手続きもすべて担うことになり、入居者の情報が皆無になります。
あまりないとは思いますが、トラブルを起こしそうな入居者であっても、入居を断ることができません。
また、サブリース業者としては、入居者が決まっても決まらなくても、オーナーに賃料を収める必要があります。誰でもいいので早く入居者を見つけたいと考えて、入居審査が甘くなる可能性もあり得ます。
サブリース業者からの解約が容易(オーナーからの解約が難しい)
サブリース契約の場合、基本的には契約期間中の解約はできません。
しかし、前述したようにサブリース業者から家賃の減額請求を行い、不動産オーナーがその請求に応じない場合に解約を求めることが可能です。
サブリース業者は借地借家法で守られる立場にあります…
では逆に、不動産オーナー側から解約できるかというと、過去の判例を見ても認められることはほとんどありません。
契約上、認められるケースがあったとしても、違約金などが発生する場合も多く、一般的には不動産オーナー側からの解約は難しいと言われています。
第二十八条 建物の賃貸人による第二十六条第一項の通知又は建物の賃貸借の解約の申入れは、建物の賃貸人及び賃借人(転借人を含む。以下この条において同じ。)が建物の使用を必要とする事情のほか、建物の賃貸借に関する従前の経過、建物の利用状況及び建物の現況並びに建物の賃貸人が建物の明渡しの条件として又は建物の明渡しと引換えに建物の賃借人に対して財産上の給付をする旨の申出をした場合におけるその申出を考慮して、正当の事由があると認められる場合でなければ、することができない。
引用:借地借家法28条
基本的には「正当な自由」が必要です。
悪質なサブリース業者の場合、不動産オーナーがローンを完済するまでは解約しない旨の口約束をすることもあるようですが、結局は認められないことも多いので、契約書にないことを安易に信じるのは危険です。
サブリース契約が不動産の売却価格を下げる懸念も
サブリース契約は、基本的に不動産オーナー側から解約するのは難しい契約です。
契約を解除できない場合にとれる手段としては、その不動産物件を売却することのみになりますが、売却する場合でもサブリース契約が解除できず、サブリース契約を引き継いだまま、オーナーチェンジ物件として売却しなくてはならないケースがあります。
サブリース契約を引き継いだままのオーナーチェンジ物件は、家賃収入が低く、類似条件の不動産より利回りが低いため、売却価格が下がり、安値で売却するほかないという最悪の事態に陥るケースもあります。
将来的に物件を売却したいと考えている人は特に、サブリース契約は危ない橋を渡る第一歩になってしまうかもしれません。
うわぁ…さいあくだぁ…。
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サブリースのメリット!私がお得と感じた理由
サブリース契約は安易に結ぶと、思いもよらないデメリットが潜んでいる危ない契約かもしれません。
しかしその一方で、所持物件や目的次第では大きなメリットを感じる人もいます。
管理がほぼ不要になる
空室や滞納のリスクを削減できる
新規募集のための広告費を削減できる
(マンスリーマンションの場合)定期清掃のため部屋の劣化を防げる
一つずつ見ていきましょう。
管理がほぼ不要になる
サブリース契約の場合、その物件管理はほぼすべてサブリース業者が行うことになります。
自分で管理を行っている不動産オーナーが管理を誰かに任せたい場合、または委託している管理業者の対応に不満がある場合に、サブリース契約を結ぶことで、オーナーの課題解決ができる可能性があります。
サブリース業者と管理委託業者の違いは、以下のとおり。
サブリース業者 | 管理委託業者 | |
---|---|---|
管理手数料 | なし | あり |
家賃価格 | 低い | 適正 |
更新料 | 受け取れない | 受け取れる |
礼金 | 受け取れない | 受け取れる |
維持費 | 割高になる懸念あり | 適正 |
広告費 | なし | あり |
トラブル対応 | サブリース業者が対応 | 管理委託業者が対応 |
サブリース業者は、管理手数料や広告費がかからない代わりに委託範囲が広く、管理委託業者よりもさらに物件管理の手間が省けるというメリットがあります。
特に入居者募集や退去手続きなどはサブリース業者がすべて引き受けてくれるため、管理業務作業を大幅に省略できます。
空室や滞納のリスクを削減できる
サブリース契約の場合、空室や滞納のリスクを削減できます。
サブリース契約が続く限り、サブリース業者は不動産オーナーに一定の家賃を支払い続けます。
そのため入居者のありなしに関わらず、安定した収入の確保が可能です。
空室が心配な物件に関しては、そのリスクを軽減することが可能です。
もちろん家賃減額請求や解約請求が届く可能性はあるので、長期の家賃保証が確定したわけではない点は注意が必要だよ。
新規募集のための広告費を削減できる
サブリース契約の場合、入居者の新規募集コストをほぼゼロにすることが可能です。
一般的には、入居者が退去してから次の入居者が決まるまでの間に、広告費を投じる必要があります。
私が所持する中古ワンルームマンションの場合は、約1か月分の家賃を広告費として管理会社に支払っているよ。
その分のコストが一切かからず、知らないうちに次の入居者が決まっているのは、空室による収益低下が怖い不動産オーナーから見ると、大きなメリットになるでしょう。
(マンスリーマンションの場合)定期清掃のため部屋の劣化を防げる
すべてのサブリース契約のメリットではありませんが、マンスリーマンションとして貸す場合に部屋の劣化を防ぐことができます。
マンスリーマンションは、1人の入居者が1年未満で入れ替わるケースが多い住居形態です。
そのため、1年未満で定期的に清掃が入り、不動産物件のこまめなメンテナンスが可能です。
実際に同じ入居者が1年住んだ時と4年住んだ時のリフォーム代を比べると…なんと6倍も違うんです。
実際に、これまでに1人の入居者が契約して退去するまでの期間が、1年の場合と4年の場合を比較してみましょう。
入居期間1年のリフォーム代:64,900円
↓実際の請求書↓
入居期間4年のリフォーム代:360,000円
↓実際の請求書↓
こまめに清掃や修繕をすることで、大規模な修繕や内装工事の回数を減らすことができ、長期的な収益性を上げることができます。
この点は意外と大きなメリットで、私がサブリース契約を結ぶかどうかいちばん迷ったポイントは、コレでした。
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サブリース契約で失敗しないための対策とは?
サブリース契約は、メリットとデメリットが混在する契約です。
なぜなら人や物件、現在の管理体制や抱える課題によって、そのメリットとデメリットの感じ方や大きさが大きく異なることが予想できるため。
自分にどんな契約が合っているかについて論理的な答えを出し、後から後悔しない選択をするためには、チェックすべきポイントがあります。
契約内容を確認・理解する
メリット・デメリットを冷静に分析する
賃貸管理業者の登録を調べる
一つずつ見ていきましょう。
契約内容を確認・理解する
何と言っても重要なのが、サブリース契約の内容をきちんと確認して、理解すること。
腹落ちしない契約は、絶対に結ばないのが鉄則です。
正直、サブリース契約は普通の賃貸借契約よりも数倍複雑で、専門知識がないと解読が難しいところもたくさんあります。
さらにその複雑さに隠れて、詐欺まがいの方法で契約をさせようとする悪質な業者も多く、消費者庁はトラブル回避のための注意事項を交付しているほどです。
契約前にしっかりと説明を受け、不明点が一つでもある時は安易に契約しないことが重要です。
サブリース契約は、サブリース業者がアパート等の賃貸住宅をオーナーから一括して借り上げるため、一定の賃料収入が見込めることや、管理の手間がかからないことなど、オーナーにとってのメリットがある一方で、近年、賃料減額をめぐるトラブルなどが発生しています。サブリース契約をする場合は、契約の相手方から説明を受け、契約内容や賃料減額などのリスクを十分理解してから契約してください。
消費者庁もこんな注意喚起をしてるよ。リスクとリターンは紙一重です。リターンだけある契約は存在しないことを忘れずに!
メリット・デメリットを冷静に分析する
サブリース契約を結ぶ場合と結ばない場合を比較して、自分にとってのメリット・デメリットを冷静に分析しましょう。
例えば、わたしがサブリース契約を提案された時は、サブリース契約のメリットを書き出して、一つ一つ自分の不動産経営にとって、本当にメリットになるか整理しました。
例えばこんな感じ…
管理がほぼ不要になる
↓
もともと管理は管理会社にお任せしていて、不満はない
↓
大きなメリットにならない
空室や滞納のリスクを回避できる
↓
約15年の経営経験の中で、1か月以上空室になったことがない。家賃滞納の経験もない。
↓
大きなメリットにならない
管理会社の対応や空室や滞納リスクをほぼ感じていなかったわたしにとって、サブリース契約はそこまでメリットの大きな契約ではありません。
さらに、新規募集のための広告費の削減分とサブリースにすることによる家賃減額分を比べてみると、明らかに広告費は大きな出費でないことも確認できました。
サブリース契約をした場合 | サブリース契約をしない場合 | |
---|---|---|
1入居者あたりの 家賃減額分 | 120,000円 (=2,000円×60か月) ※家賃減額分:2,000円/月 ※平均入居期間:60か月 | なし |
広告費 | なし | 63,000円 |
家賃の減額分より広告費のほうが、ぜんぜん安い…。
その一方で、マンスリーマンションとしてのご提案だったので、「定期清掃のため部屋の劣化を防げる」という点は、かなり大きなメリットを感じました。
なぜなら、これまでに契約年数が長ければ長いほど、内装費用が上がることを経験していたからです。
1年のリフォーム代:64,900円
4年のリフォーム代:360,000円
特にサブリース契約の場合、クリーニング代以上の内装費は不動産オーナー負担であるため、このメリットはあるかもしれません。
とはいえ…ちょっとサンプル数少なくて、毎回こんなに差があるとも思えないなぁ…。
今までの不動産経営経験ではっきりしている確定要素だけを見ると、やはりメリットよりもデメリットが大きいと感じ、このお話は辞退させていただきました。
サブリース契約は、メリットとデメリットが複雑に絡み合う契約であり、大家さん次第でどちらが大きいか変わる契約なので、だれかの意見を鵜呑みにせずに、自分の判断軸で冷静に分析することが大切です。
賃貸管理業者の登録を調べる
メリットとデメリットを冷静に分析した上で、サブリース契約を結ぶことがよいと思えるようであれば、契約の前に必ず、賃貸管理業者として登録されているか調べましょう。
賃貸住宅管理業は必ず、国土交通大臣の登録を受けなければならないという決まりがあります。
この工程をすっとばして、詐欺まがいの業者とお話を進めちゃったら最悪です…!
さらに、国土交通大臣の登録を受けたサブリース業者は、将来の家賃変動等について書面で交付し、一定の実務経験者等が重要事項として説明することなどが義務付けられています。
国土交通省の賃貸住宅管理業者登録制度による登録を受けているサブリース業者は、オーナーに対し、サブリース契約の締結前に、将来の借上げ家賃の変動に係る条件を書面(※)で交付し、一定の実務経験者等が重要事項として説明することなどが義務付けられています。
きちんと国のルールに沿った対応をしているサブリース業者かどうかチェックすることで、危ない事件に巻き込まれないように自己防衛をすることを忘れずに!
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危険!サブリース契約が招いた恐怖の事例
サブリース契約が「危ない」とか「やめとけ」と言われるようになったのは、サブリース契約のしくみをつかった詐欺まがいの事件がメディアで大きく取り上げられたことに由来します。
かぼちゃの馬車事件(2018)
レオパレス事件(2019)
ここではこれまでのサブリース契約関連の事件をかんたんにおさらいしてみましょう。
かぼちゃの馬車事件(2018)
かぼちゃの馬車事件は、女性専用シェアハウス「かぼちゃの馬車」をめぐるサブリース契約の落とし穴が露呈した有名な事件です。
実は私も「かぼちゃの馬車」の運営会社のスマートデイズのオーナー説明会に参加しています。契約しなくて本当に良かった…
シェアハウス「かぼちゃの馬車」は、上京してきた女性を低家賃で住まわせ、社会進出を応援するというコンセプトのもとに作られました。
不動産オーナーはシェアハウス「かぼちゃの馬車」を約1億円の銀行融資を受けて建設し、サブリース業者であるスマートデイズとサブリース契約を結びます。
当初は「30年間の家賃保証」がうたわれるなど、魅力的に見えた不動産経営システムでしたが、実際には入居率が低く、サブリース業者であるスマートデイズは収益が悪化、2018年11月に経営破綻しました。
不動産オーナーは、家賃収入がほぼゼロになってしまったにもかかわらず、スルガ銀行から融資を受けた建設資金の約1億円だけが残り、約30年かけて毎年数百万円を返さないといけないという状況に。
債務者となった不動産オーナーの多くは、自己破産を余儀なくされました。
その後、スルガ銀行は金融庁から業務処分を受け、新規の投資用不動産融資を停止するに至りました。
サブリース契約のイメージが「危ない」とされるようになったきっかけともいえる事件です。
レオパレス事件(2019)
レオパレス事件は、単身者向けアパート「レオパレス21」をめぐる違法建築とサブリース契約の落とし穴が露呈した有名な事件です。
株式会社レオパレス21が土地の所有者に対し、30年の家賃保証が含まれたサブリース契約によるアパート建設を持ち掛け、多くのアパートが建設されました。
そんな折、2018年に単身者向けアパート「レオパレス21」の不動産オーナーが建築基準法に違反していることを理由に、修繕費などの支払いを求めて提訴。
このような施工不備の問題が発覚し、さらに同時に多くのアパートが建設されたこともあり、多くの入居者は転居、なかなか空室が埋まらない事態に陥りました。
サブリース契約自体は特に問題がなかったものの、借地借家法の知識の不足から家賃が減額されることに驚く不動産オーナーも多く、訴訟が乱立する大トラブルに発展しました。
サブリース契約自体は通常の契約で違法性はないけど、不動産オーナー側が大きなリスクを伴う、ある意味危ない契約であることは知っておく必要があります。
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サブリースは危ない?よくある質問
サブリース契約についてのよくある質問をまとめました。
サブリース契約は違法ですか?
サブリース契約は何年契約ですか?
一つずつ見ていきましょう。
サブリース契約は違法ですか?
サブリース契約自体は、法律で禁止されている契約ではなく、違法ではありません。
上手に活用すれば、不動産オーナーの空室リスクを軽減することができる有用な契約です。
しかし、借地借家法は基本的に貸主よりも借主を保護するための法律なので、長期にわたる家賃収入が保障されるわけではなく、サブリース業者は減額請求や契約途中での解約も可能であることは知っておくべきです。
サブリース契約は何年契約ですか?
サブリース契約の契約期間は、その契約により異なります。
ただ、一般的な管理委託契約の2年に比べると、2年、10年、20年、30年などの長期契約が一般的です。
まとめ:サブリースは危ない?わたしが契約をやめた理由
結局のところ、わたしはマンスリーマンションとして貸し出すサブリース契約は結ばず、今も普通の賃貸借契約で、不動産経営を続けています。
今思うのは、やっぱり私の場合は、サブリース契約ではなく賃貸借契約のままにしておいてよかったということ。
でもこれは、決してサブリース契約が悪いということではありません。
あの時実際に情報収集をして、自分なりにメリットとデメリットを分析し、「自分の不動産経営方針的にはこれがベストだ!」という答えが出せたから、自分の結論に自信が持てているのだと思います。
わたしが考えるサブリース契約のデメリットは、以下のとおり。
現在の賃料や利回り、収益性が下がる
契約更新時に賃料が減額されるリスクがある
原状回復費用や大規模修繕費用はオーナー負担
礼金や更新料は受け取れない契約が多い
契約後は賃借人が付くまで無料期間がある
内装や修繕の業者は選べない
入居者の審査に介入できない
サブリース業者からの解約が容易(オーナーからの解約が難しい)
サブリース契約が不動産の売却価格を下げる懸念も
わたしはデメリットほどには魅力を感じませんでしたが、以下のメリットに大きな魅力を感じる人もいるでしょう。
管理がほぼ不要になる
空室や滞納のリスクを削減できる
新規募集のための広告費を削減できる
(マンスリーマンションの場合)定期清掃のため部屋の劣化を防げる
大事なのは、自分で考えて自分が納得できる結論を出すことです。
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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