配当金で暮らしたい…!
分配金利回りが 6%もあるとウワサの日本版PFFD【2866】ってどうなの?
今回は高配当株投資でお金のなる木を育てたい方に向けて、グローバルX米国優先証券ETF【2866】の魅力と注意点を整理したいと思います。
▼本記事の内容
・【2866】グローバルX米国優先証券ETFとは?
・米国上場【PFFD】と日本上場【2866・2019】の違い
・優先証券ETFの有効活用法
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
【2866】グローバルX米国優先証券ETFとは?
「配当金で働かなくても裕福な暮らしがしたい…!」
そう思って高配当株を購入している人は多いと思います。
でも、高配当株ETFとして有名な「VYM」「HDV」「SPYD」でさえ、その配当利回りは3~5%程度。
高配当株ETF | 直近配当利回り(税込) |
---|---|
VYM | 3.94% |
HDV | 3.82% |
SPYD | 5.57% |
もっと高い利回りを狙いたい!そんな人の新しい選択肢が、米国の優先証券ETF「PFFD」の日本版と言われている、2866なんです。
PFFDの日本版、2866の特徴について、詳しく見ていきましょう。
議決権がない!普通株より高配当なETF
東証に上場する日本版PFFD
新NISA対応型の2019が登場!流行が来るかも?
議決権がない!普通株より高配当なETF
グローバルX米国優先証券ETF【2866】は、投資家にとって、とても魅力的な選択肢のひとつ。
なぜなら2866は、株主総会での議決権を持たない代わりに、高い配当利回りを目指している「優先証券」と呼ばれるETFなのです。
普通の投資家は議決権なんて要らないと思います。そう考えると、優先証券は個人投資家向きかも…!
Bloomberg(2024年1月現在)によると、グローバルX米国優先証券ETF【2866】の直近配当利回りは、6.42%。
高配当株ETF | 直近配当利回り(税込) |
---|---|
VYM | 3.94% |
HDV | 3.82% |
SPYD | 5.57% |
2866 | 6.42% |
2866は、高配当ETF御三家である「VYM」「HDV」「SPYD」に配当利回りで勝っています。
東証に上場する日本版PFFD
2866は、東京証券取引所に上場している国内ETFのひとつ。
国内ETFのメリットは、為替リスクを気にする必要がないところです。
直接円で投資ができるので、米国ETFよりも気軽に購入できますし、円からドルへの換金の手間がないので、購入タイミングも測りやすいという特徴があります。
また2866は、米国の優先証券ETFであるPFFDの日本版と言われています。
米国の優先証券市場に興味があるものの、為替リスクや外貨への両替が面倒で、なんとなく手が出せない…
そんな方が米国株投資に手を出すきっかけにもなりそうです。
新NISA対応型の2019が登場!流行が来るかも?
2866は毎月分配金が出る、毎月分配型のETFです。
サラリーマンが会社から給与をもらうように、2866が毎月分配金を出してくれます。配当金ってイイよね…。
しかし、毎月分配型にはデメリットも。
新NISA(少額投資非課税制度)のつみたて投資枠や成長投資枠で購入することができません。
がーん…。その時の日経新聞はこちら。
公募投信全体の3分の1にあたる約2000本が新NISA対象で、そのうちの約250本がつみたて投資枠で投資できる。長期の資産形成にそぐわないとされた毎月分配型投信などは除外された。
しかし、これは2023年までのはなし。なんと、2024年1月31日に2866を新NISAの成長投資枠でも買えるように隔月分配型にバージョンアップしたETF「2019」が登場するんです。
隔月分配型ETF2019の登場により、類似する2866や米国の優先証券ETFであるPFFDなども再注目されています。
最近2866に人気が集まっているのは、2019のおかげかもしれません。
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【合わせて読みたい】日経高配当株50ETFの評判は?利回り・手数料・メリット&デメリットを徹底解説!
優先証券ETFとは?
ちょっと、今更かもだけど、そもそも「優先証券ETF」って、どんなもの?
確かにわかりにくいよね…かんたんに言うと、優先して分配金を出してくれるってことなんだけど、これがなかなか複雑なの…。
特徴は、以下の3点です。
高配当で毎月分配があるETF
社債と株式の特徴を合わせ持つハイブリッド型
金融セクター割合高め!金融危機の影響を受けやすい
一つずつ見ていきましょう。
高配当で毎月分配があるETF
優先証券ETFは、その名の通り、優先的に分配金を振り出してくれる投資商品です。
優先証券ETF
=優先的に分配金を振り出してくれる投資商品
例えば、今回のテーマである【2866】グローバルX米国優先証券ETFの2023年の分配金は、以下のとおり。
このように毎月必ず分配金を受け取ることができます。キャッシュがほしい人向きですね。
優先証券ETFは、サラリーマンのお給料のように毎月必ず分配金を振り出してくれるため、安定した収入源になります。
中でも【2866】グローバルX米国優先証券ETFは配当利回りが高く、長期的な資産形成を目指す投資家に注目されている金融商品のひとつです。
社債と株式の特徴を合わせ持つハイブリッド型
優先証券ETFは、社債と株式の特徴を融合したハイブリッド型の投資商品です。
株式のように配当を提供
社債のように価格が安定
例えば、米国株式と米国優先証券のふり幅をまとめてみましょう。
株式のボラティリティはやっぱりすごい…それに比べると、優先証券ETFはかなり落ち着いて見えます。
優先証券ETFは、市場の変動に対して比較的安定した投資が行えるという特徴があります。
投資家は、このユニークな特性を活用することで、リスクを分散し、ポートフォリオの安定性を高めることができます。
金融セクター割合高め!金融危機の影響を受けやすい
優先証券ETFは、金融セクターの割合が大きいのも特徴のひとつ。
金融セクターは、経済状況や金融政策の変化にとても敏感で、金融危機が起こったり、景気の後退が長引くと悪い影響を受けやすいと言われています。
参考:どんな企業が投資しているの?|グローバルX 米国優先証券 ETF2866関連資料
72%が金融?!この偏りはすごい!!
景気後退
↓
中央銀行が利下げする
↓
銀行の貸付金も利下げされる
↓
配当金が減る
優先証券ETFを買う時は、金融危機になる時のことも少し念頭においておく必要があります。
金融危機に弱いんだよね…これだけ偏っていればあたりまえですが、金融危機の下落には注意が必要です。
例えば、リーマンショック。
リーマンショック後の株価の変動を見てみると、やはり金融セクターがいちばん下落率が高かったことがわかりました。
引用:第3-3-5図 業種別株価指数と為替変動との相関 リーマンショック以降の株価回復に業種別の違い
優先証券ETFは、高配当と安定性を兼ね備えた魅力的な投資商品ですが、金融セクターへの依存度が高いため、市場の変動に対するリスクも伴います。
投資家は、これらの特性を理解し、自身の投資目標やリスク許容度に合わせて、優先証券ETFをポートフォリオに組み入れることが重要です。
2866を買うなら、金融セクターが入っていないナスダック100系の投資信託を一緒に買うのもおもしろいかもしれません。笑
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【合わせて読みたい】VYMはおすすめしない7つの理由!高配当ETFなのに配当利回りが低いってホント?
代表的な優先証券ETF
ここからは、優先証券ETFの中でも人気のETFをピックアップしてご紹介しましょう。
【PFF】歴史が長く純資産総額・信頼性が高いETF
【PFFD】経費率が安く、分配利回りが高いETF
【2866】東証に上場する日本版PFFDは為替リスクなし
【2019】隔月分配型で新NISA成長投資枠でも購入可能
年々種類が拡大している印象があります。よし、実際に見ていこう!
【PFF】歴史が長く純資産総額・信頼性が高いETF
【PFF】は、優先証券ETFの中でも特に歴史が長く、信頼性が高い商品です。
元祖優先証券ETFと言えば、PFFです!
PFFは、多様な優先証券に投資することができるため、分散投資効率がよいという利点があります。
純資産総額が大きく、投資家からの信頼が厚い優先証券ETF。
長い運用実績に裏打ちされた安定性は、リスクを抑えつつ配当を求める投資家にとって魅力的な選択肢と言えるでしょう。
【PFFD】経費率が安く、分配利回りが高いETF
【PFFD】は、2017年9月11日に上場された、比較的新しいETFです。
経費率が低く、分配利回りが高いため、高配当株の代わりに買うことを検討する投資家も多いのだとか。
グローバルX米国優先証券ETF | |
---|---|
別名 | 米国版PFFD |
ベンチマーク | ICE BofA Diversified Core U.S.Preferred Securities Index |
通貨 | 米ドル |
分配金支払い | 年12回 |
分配金支払い基準日 | 毎月5日ごろ |
経費率 | 0.23% |
上場日 | 2017年9月11日 |
新NISA成長投資枠 | ×対象外 |
二重課税調整制度 | ×なし |
新NISAの対象銘柄になっていないのがとても残念…。分配金支払いが多すぎるのが、対象銘柄に慣れない理由なのだそう。
低コストで運用されるPFFDは、長期的な投資先を探している投資家に人気です。
コストパフォーマンスに優れた優先証券ETFとして、多くの投資家に選ばれています。
優先証券ETF業界の真ん中に位置する、有名なETF。でも、ドルで売り買いするのが面倒な方は、やっぱり2866がお手軽です。
【2866】東証に上場する日本版PFFDは為替リスクなし
【2866】グローバルX米国優先証券ETFは、東証版PFFDと言われるほどPFFDにそっくりなETFです。
グローバルX米国優先証券ETF | |
---|---|
別名 | 東証版PFFD |
ベンチマーク | ICE BofA Diversified Core U.S.Preferred Securities Index |
通貨 | 円 |
分配金支払い | 年12回 |
分配金支払い基準日 | 毎月10日ごろ |
経費率 | 0.2575% |
上場日 | 2022年9月28日 |
新NISA成長投資枠 | ×対象外 |
二重課税調整制度 | 〇あり |
東京証券取引所に上場していて、円建てで投資できるので、日本の投資家の生活リズムに合うんですよね。
二重課税調整も勝手にしてくれるので便利です。
しかし、せっかく国の制度である新NISAができたのに、2866はNISA枠対象外。
NISA枠は、毎月分配型の証券は入れないの…。
そこで新NISAに対応させるべく、隔月分配型にしたのが2019です。
【2019】隔月分配型で新NISA成長投資枠でも購入可能
【2019】は、隔月分配型のETFであり、新NISAの成長投資枠での購入が可能です。
この特徴は、定期的な収入を求めると同時に、税制上のメリットを享受したい投資家にとって魅力的です。
隔月分配型は、毎月ではなく隔月で分配金が支払われるため、分配の頻度を考慮しながら投資計画を立てることができます。
グローバルX米国優先証券ETF(隔月分配型) | |
---|---|
別名 | 東証版PFFD(隔月分配型) |
ベンチマーク | ICE BofA Diversified Core U.S.Preferred Securities Index |
通貨 | 円 |
分配金支払い | 年6回 |
分配金支払い基準日 | 奇数月の24日 |
経費率 | 0.2575% |
上場日 | 2024年1月31日 |
新NISA成長投資枠 | 〇あり |
二重課税調整制度 | 〇あり |
これらの代表的な優先証券ETFは、それぞれ異なる特徴を持ち、投資家のニーズに応じた選択肢を提供しています。
【PFF】の信頼性と安定性
【PFFD】の低コストと高配当
【2866】の為替リスクの低減
【2019】の新NISA対応と隔月分配
などの特徴は、投資家が自身の投資目標に合わせて最適なETFを選択する際の重要なポイントになります。
米国上場【PFFD】と日本上場【2866・2019】の違い
うーん、同じ指数連動なのに3種類もコースがあるなんて…。どれを選ぶべき?
ここではそんな方に向けて、米国上場【PFFD】と日本上場【2866・2019】の違いをみてみよう。
為替の影響が違う
外国税額控除の有無が違う
売買手数料が違う
一つずつ見ていきましょう。
為替の影響が違う
米国上場の【PFFD】と日本上場の【2866】および【2019】は、為替の影響のあるなしが違います。
【PFFD】に投資する場合、米ドル建ての投資となるため、為替変動の影響を受けます。
これに対し、【2866】や【2019】は円建てで取引されるため、直接的な為替リスクを回避できる利点があります。
為替はなかなか読めません…。為替リスクが気になる投資家にとっては、【2866】や【2019】のほうが安心感を得られます。
外国税額控除の有無が違う
米国ETFである【PFFD】は、外国税額控除の制度により、二重課税調整の対象となります。
外国税額控除
=2つの国から税金を徴収される二重課税を調整するために、外国で納付した外国税額を一定の範囲で税額から控除する仕組みのこと
外国税額控除を利用すれば、一部の税金が還付される可能性があります。でも、そのためには確定申告をしなくてはいけません。
これに対して、【2866】や【2019】は日本で上場している国内ETFです。
国内ETFならそもそも外国で上場しているわけではないので、二重課税されません。
そのため、外国税額控除の手続きが不要です。
面倒な手続きが要らないのは大きなメリット!うれしいですね。
売買手数料が違う
売買手数料の面でも違いが見られます。
米国のETFを取引する際には、通常、外国株取引の手数料がかかります。
これに対し、日本で上場している【2866】や【2019】は、国内株式の取引手数料が適用されるため、一般的にはより低コストで取引が可能です。
特に頻繁に取引を行う投資家にとっては、取引手数料を低く抑える努力はとても大事です。
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優先証券ETFの有効活用法
優先証券ETFは、資産をどんどん増やしたい資産拡大期にはあまり向いていません。
なぜなら作った利益を配当金として、どんどん株主に配ってしまうから。
しかし、投資家の立場で見ると、毎月配当金をもらえるお得な商品であるのも確かです。
今すぐキャッシュを増やしたい人は、優先証券ETFが力になってくれるかもしれません。
優先証券ETFを買うのなら、自分のポートフォリオにどうやって組み込むべきか、一定の戦略が必要です。
ポートフォリオの一部に加えて配当利回りアップ
タイミング大事!安価な時期に仕込んで長期保有が吉
一つずつ見ていきましょう。
ポートフォリオの一部に加えて配当利回りアップ
優先証券ETFをポートフォリオの一部に組み入れると、ポートフォリオ全体の配当利回りを向上させる効果的な戦略です。
特に【2866】や【PFFD】のような高配当ETFは、ポートフォリオ全体の収益性を高めることができます。
これらのETFは、安定した配当を提供するため、特にインカムゲインを重視する投資家に適しています。ただし、全体のバランスを考え、過度に優先証券に偏らないようにすることが重要です。
ほおっておくと、金融セクターだらけのポートフォリオになってしまうかも…。
タイミング大事!安価な時期に仕込んで長期保有が吉
優先証券ETFの投資においては、購入するタイミングが重要です。
金融セクターが多いので、リーマンショックなどの金融危機でガクッと価値が下がってしまうタイミングがあるからね。
市場が低迷している時期に【2866】や【PFFD】を購入すると、長期的に見てより高いリターンが期待できます。
特に、市場の暴落後などは、価格が下落しているため、購入のチャンス。
市場の回復とともに資産価値の増加を期待できるだけでなく、定期的な配当収入も得られます。
暴落後の価格が下がったタイミングで買うのって本当に難しい…!
まとめ:超高配当?!2866グローバルX米国優先証券ETFを徹底解説!
【2866】グローバルX米国優先証券ETFは、高配当を求める投資家にとって非常に魅力的な選択肢のひとつ。
普通の株主は、議決権なんて要らない人が多いので、その分配当金がもらえる可能性が高い【2866】のような優先証券は、とても好まれます。
また、東京証券取引所に上場しているため、日本の投資家は為替リスクを気にすることなく投資が可能で、さらに円で買えるため、とても気軽な投資先のひとつと言えます。
しかし、心配なのは金融セクターに大きく偏っていること。
リーマンショックのような金融危機の影響を受けやすいというリスクもあります。
毎月分配型の【2866】は、残念なことに新NISAで買うことができません。
しかし、2024年1月には新NISAに対応した隔月分配型優先証券【2019】が登場。
今後ますます注目されそうです。
市場の低迷期に【2866】や【2019】に投資を行い、長期保有することで、市場の回復とともに資産価値の増加を期待できます。
2866や2019を上手く活用できれば、より強固なポートフォリオを作ることができるかも?
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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