
高配当株はおすすめしないってほんと?株を持っているだけで配当金をたくさんもらえるし、お得なのになんで?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の結論
・高配当株はきちんと株のことを知らないと、損失が出やすいのでおすすめしない
・一方で、高配当株にしかないメリットも多いので、デメリットを知ってて買うならおすすめ
「早く種銭をたくさん貯めて、配当金で毎日生活したい」
そう思う個人投資家がこぞって購入するのは「高配当株」です。
でも、「この高配当株さえあれば、配当金を毎年がっぼがっぽ受け取れるぞー」と思っている人がいたら、ちょっとストップ。

高配当株って、インデックス投資などとは全く違うスキルが必要だし、ほったらかし投資には向いてないと思うけど…大丈夫?
今回は、ちょっと運用にコツがいる高配当株が、一部のプロの投資家から「あまりおすすめしない」と言われやすい理由についてまとめてみたいと思います。
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高配当株をおすすめしない理由
高配当株をおすすめしない理由は、以下の4点です。
理由① 成熟した企業への投資が基本なので、株価の成長率は良くない
理由② 配当金には、必ず税金がかかる
理由③ 減配・無配リスクがある
理由④ 配当利回りの罠がある
それではひとつずつ説明していきましょう。
理由① 成熟した企業への投資が基本なので、株価の成長率は良くない
高配当株をおすすめしない理由のひとつめは、「成熟した企業への投資が基本なので、株価の成長率は良くない」です。
高配当株の基本。それは、「配当を出す企業は成長企業ではない」ということです。
企業が出す利益の使い道は大きく分けて、6種類あります。
①借金の返済
②税金の支払い
③従業員への給料
④未来への投資
⑤株主への配当
⑥内部留保
➀の借金は借りていたお金を返すこと、②の税金の支払いは国民の義務なので、最初に処理しなくちゃいけないお金。
そして問題はそこからです。
成長真っ只中の企業は、通常株主への配当はあまり行いません。
限られた資金は、事業拡大のための労働力や生産力を確保するために使います。
③従業員への給料:従業員に還元することで、より高い労働力の確保につながる
④未来への投資:備品や設備などに投資することで、より高い生産力の確保につながる
⑤株主への配当:株主に還元することで、資本力が維持できる
資本力を維持することに限られた資本を使う企業がどんな企業か。
それは、すでに成長期を通り過ぎ、成熟し、現状維持が目標になっている成熟企業なのです。
例えば米国株の成長真っ只中の企業と言えば、NASDAQの「テスラ」。
テスラは配当金を出していません。
また、GAFAMと呼ばれる米国の巨大IT企業のうち「Google」「Facebook」「Amazon」も配当金を出さない企業として有名です。
著しい成長を繰り返す成長企業は、通常配当金を出さないことが多いのです。
一方で、成長がひと段落した成熟企業は、配当で株主に還元することが多くなります。
なぜなら、これ以上投資をしても利益がついてきにくいからです。
例えば、高配当で有名な日本企業「JT(日本たばこ産業株式会社」のチャートを見てみましょう。


見事な右肩下がりだぁ…成熟した企業なのでしょうがないですね‥
ちなみに配当金を出していないAmazonとチャートを比べてみると…


成長企業=Amazonと成熟企業日本たばこ産業株式会社の違いがとてもよくわかるチャートです…。成熟企業は株価の値上がりによる利益(=キャピタルゲイン)は狙えないことが分かります。
理由② 配当金には税金がかかる
高配当株をおすすめしない理由のふたつめは、「配当金には税金がかかる」です。
あたりまえですが、配当金を受け取ると、受け取った額は「利益」になるので、税金がかかります。
具体的な配当金への課税額は以下のとおりです。
米国課税 | 日本課税 | |
米国配当金 | 10% | 20.315% |
日本配当金 | 0% | 20.315% |

特にアメリカの高配当株の場合は、二重に課税されるので約30%が税金徴収されます。毎回配当金をもらう度に3割引かれるって結構しんどいよね…。
利益確定すると税金がかかってしまうので、すぐに使うつもりのないお金であれば、そのまま投資しつづけているほうが結果的には利益率が高くなります。
キャッシュフローが今必要と感じている状態ならいいのですが、「今はキャッシュフローはいらないので種銭を増やしたい」と思っている資産形成途中の段階であれば、配当をもらってしまうのはちょっともったいないかもしれません。
理由③ 減配・無配リスクがある
高配当株をおすすめしない理由の3つめは、「減配・無配リスクがある」です。
高配当株を手にしさえすれば、毎年何もしなくても配当金が振り込まれると思っている人は、ちょっと考えが甘いかもしれません。
配当が出るか出ないか、配当金が増えるか減るかは、意外としょっちゅう変化します。
常に市場動向をみて、高配当株を買うタイミング・売るタイミングをチェックしておかなければ、大きく損をすることになりかねません。
企業業績が悪化した場合に、突然無配になることも珍しいことではないのです。
無配
=配当を行わないこと

今高配当株を買ったって、来年はどうなるかわからないんですよ。それが高配当株のコワイところ。
例えば、近年のコロナショックでは高配当で有名だった航空会社のANAが突然無配になりました。

どんな優良企業でも、とつぜんの赤字転落によって無配・減配になることがあります。
インデックス投資であれば、もともと複数社で分散されているし、赤字転落した企業は除外されて新しい企業が入るだけなので、大きな損失は出にくいです。
素人同然の個人投資家でも長期投資なら十分に勝てる可能性があります。
一方、個別の高配当株の場合、減配・無配はもちろん株価も大きく下落します。購入する際の目利き力もとても大事なので、ちゃんと投資の勉強をしている人でないと勝ちにくくなります。
➀業績が安定しているか
②アクシデントに強いビジネスモデルか
③安定して同じような配当金を出しているか

ちゃんと企業研究をしてからでないと、高配当株は買えないんですよね。
理由④ 配当利回りの罠がある
高配当株をおすすめしない理由の4つめは、「配当利回りの罠がある」です。
実は、配当利回りはあまり信用できないということをご存知でしょうか?
配当利回りの計算式は以下のとおり。株価が下がれば簡単に配当利回りが上がります。
「予想配当→」÷「株価↓」=配当利回り↑(株価が下がると予想利回りは高くなる)
企業の業績が悪化すると、株価はすぐに下がりますが、企業の配当予想は株価ほどすぐには見直されません。
そのため、配当利回りが少しの間、とても高いように見えることがあります。

企業が配当金の見直し(減配)をするタイミングって、ちょっと遅れるのが普通なんですよね…。「これはいい高配当株だ!」って思ってもひっかけの可能性もあります。むずー。やっぱり玄人向きだなぁ。笑
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それでも高配当株を買うメリット
これだけおすすめしない理由がある高配当株ですが、もちろんメリットもたくさんあります。

実際に高配当株が大好きな人も多いから、しょっちゅう株式投資のメディアで特集されてますよね。
ここからは高配当株を買うメリットも見ていきましょう。
メリット➀ 定期的に「不労所得」が得られる
メリット② トータルでみると利益が大きくなりやすい
メリット③ キャッシュフローの予測が立てやすい
メリット➀ 定期的に「不労所得」が得られる
それでも高配当株を買うメリットのひとつめは、「定期的に「不労所得」が得られる」です。
高配当株を買う場合、多くの人は「不労所得」に期待します。
キャピタルゲイン:株の値上がりによる利益
インカムゲイン:資産を保有していることで得られる利益(配当)

キャピタルゲインよりもインカムゲインに期待しますよね。不動産投資でいうところの家賃収入みたいなものだけど、不動産より換金性が高くて身軽という強みがあります。
一方、インデックス投資は、キャピタルゲインに期待して買います。
値上がりして売るまでは利益が確定しないので、日々の生活(=キャッシュフロー)にはなんの影響もありません。
もちろんインデックス投資でも、自分ルールを決めて定期的に一部を売却すればいいのですが、インデックス投資の売却はなんとなくやりにくいモノです。

売ったとたんに資産が目減りするような気がするんですよね。わたしもあんまり途中で一部だけ売る決断をした経験ないかも…笑
何も考えずに定期的に不労所得を得ることを目指すなら、高配当株をおすすめします。
メリット② トータルでみると利益が大きくなりやすい
それでも高配当株を買うメリットのふたつめは、「トータルでみると利益が大きくなりやすい」です。
これはもちろん自分の高配当株の目利き力にも関係するのですが、誠実に目利きをすれば、高配当株はキャピタルゲインとインカムゲインの両方を狙うことができるという意味で、トータル利益が大きくなりやすいと言われています。
有名な株式投資の研究者、ジェレミー・シーゲル教授。
彼は著書「株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす」の中で、「配当こそがトータルリターンを押し上げる」と説明しています。
配当利回りが高い銘柄を選んでポートフォリオを組んだ場合
=そのリターンは市場平均を年率3ポイント上回る
配当利回りが低い銘柄を選んだポートフォリオを組んだ場合
=そのリターンは市場平均を年率約2ポイント下回る
引用:「株式投資の未来 永続する会社が本当の利益をもたらす」より
質の良い高配当株は、私たちの資産を大きく増やしてくれる可能性が高いのです。
メリット③ キャッシュフローの予測が立てやすい
それでも高配当株を買うメリットの3つ目は、「キャッシュフローの予測が立てやすい」です。
株式投資を実際にやってみると誰もが思うでしょう。

「こんなに相場が毎日ころころ変わると、1年後どうなっているか全くわからない」特に2022年になってからめちゃくちゃ相場がゆれてて、わけわかんないよね。笑
これは今だけの問題ではなく、常に相場は大きく変化しているので、1年後に自分の資産がどのくらい増えるか、またどのくらい減るか予想をするのは困難です。
しかし、高配当株の配当金はその限りではありません。
比較的堅実な銘柄を選べば、1年後にどのくらいの配当を得ることができているか大体予想できます。
例えば配当金を1年に100万円もらいたい場合、利回りが約3%(高配当株は大体3%以上の配当利回り)だとすると、約3400万円を投資すればよいのです。
3400万円×3%=約100万円

まさに家賃収入と同じように、キャッシュフローの計算ができますよね。特にFIRE後だと予測の立てやすさはかなりありがたいかも…。笑
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リスクを減らす高配当株銘柄の選び方
高配当株には、これまでに見てきたようにメリットとデメリットの両方があります。
自分の今の投資環境に合わせて、本当に今高配当株が必要なのか考えてみましょう。
デメリットもわかるけど、やっぱり高配当株を買いたい!という方は、リスクを知った上で買うなら大歓迎!

普通に勉強になるしね!
しかし、少しでもリスクを減らすために、こんな高配当株の選び方があることも知っておきましょう。
選び方➀ 米国高配当ETFを購入する
リスクを減らす高配当株銘柄の選び方のひとつめは、「米国高配当ETFを購入する」です。
ETFは個別株と比べると、「減配」、「無配」のリスクを抑えることができます。
米国高配当ETFと言えば、以下の3つです。
VYM:約400社に分散投資されている
HDV:約80社に分散投資されている
SPYD:約80社に分散投資されている
これらの米国高配当ETFはすべて、1社だけではなく複数の企業に分散投資がされています。
1社だけに投資すると、その1社がアクシデントに見舞われるとインカムゲインもキャピタルゲインも双方にダメージを受けるのが高配当株です。
しかし、ETFの場合は、たとえ特定の銘柄が「無配」になっても自動で組み換えが行われるため、比較的安定した配当金を受け取ることができます。
具体的には以下記事で米国高配当ETFについて解説しています。
選び方② 連続増配銘柄を購入する
リスクを減らす高配当株銘柄の選び方のふたつめは、「連続増配銘柄を購入する」です。
配当利回りだけを見て高配当株に投資する人はいないと思いますが、きちんと「連続増配銘柄」であるかどうかチェックすることが重要です。
連続増配銘柄
=連続して増配を繰り返している銘柄
例えば日本株であれば、以下は有名な高配当株&連続増配企業です。
花王:連続増配31年
SPK:連続増配23年
三菱HCキャピタル:連続増配22年
小林製薬:連続増配21年
ユー・エス・エス:連続増配21年
ぜひ、いろんな銘柄を観察して自分が安心できる高配当株&連続増配企業を探してみましょう。
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インデックス投資と高配当株投資の違い

結局、高配当株資産が増えにくいなら、インデックス投資で資産を増やしてFIREしてから高配当株投資に切り替えるのがベストじゃない?

たしかに…!でも、FIREしてから急に高配当株投資に切り替えるのって、結構難しいから注意が必要だと思うよ。
インデックス投資と高配当株投資に必要なスキル
インデックス投資と高配当株投資は、全く違う種類の株式投資です。
インデックス投資:インデックス運用
高配当株投資:アクティブ運用
そのため、それぞれを運用していくときに必要なスキルも全然違います。
インデックス投資に必要なスキル
=相場に振り回されず、継続するスキル
高配当株投資に必要なスキル
=相場をよく見て、投資タイミングをはかるスキル

長年インデックス投資だけやってきた人が、急に投資タイミングをはかることができるかは微妙だよね…笑
インデックス投資の出口戦略は高配当株投資への切り替えではない
ひとつ言えるのは、若い時から高配当株投資も同時に勉強しておくと、両方できるようになるということです。

インデックス投資スキルも高配当株投資スキルもあると最強ですよね。
しかし、そこまで株式投資の勉強を本気でやるつもりがない人は、インデックス投資に合った「合理的な取り崩し方法」を選び、配当金と同じように自分で取り崩していけば大きな問題はありません。
【インデックス投資の出口戦略】
パターン➀ 資産残高の4%を定率で取り崩す
パターン② 引退時資産額の4%を定額で取り崩す

どちらも、4%ルールと呼ばれています。わたしはキャッシュフローがほしくなったらこの4%ルールに挑戦するつもりです(´▽`)
インデックス投資でも高配当株投資でも、自分の投資戦略にあったやり方をしていけばちゃんとキャッシュフローを作る方法はあるので、焦らずコツコツ投資していきましょう。
まとめ ~高配当株をおすすめしない理由4選~
高配当株は、定期的に安定したキャッシュフローを得られるため、とても人気がありますが、そのデメリットをきちんと押さえずに投資すると、ちょっともったいないかもしれません。
投資家の中には、高配当株はおすすめしないと言う人もいます。その理由は以下の4つです。
理由① 成熟した企業への投資が基本なので、株価の成長率は良くない
理由② 配当金には、必ず税金がかかる
理由③ 減配・無配リスクがある
理由④ 配当利回りの罠がある
しかし一方で高配当株には以下のメリットもあります。
メリット➀ 定期的に「不労所得」が得られる
メリット② トータルでみると利益が大きくなりやすい
メリット③ キャッシュフローの予測が立てやすい
きちんとリスク回避できる高配当株の選び方をするなら、高配当株はやっぱりおすすめ。
選び方➀ 米国高配当ETFを購入する
選び方② 連続増配銘柄を購入する
参考にしてみてね。
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