iDeCo(イデコ)をやろう!と思っているんですけど、
ちょっとまだ不安もあるし…最低掛金の5000円分だけやるのって意味ないですか?
そんな風に思っている人、いませんか?
そんなあなたは、さすがです。
自分にとって必要な資産形成施策がなんなのか、わからないまま多くの方が放置する中、ちゃんと前に進んでる!すごいです!
自分の資産状況を整理して、iDeCo(イデコ)が必要だと思ったら、なるべく早く始めたいところ。
時は金なりですもんね!
さて、「iDeCo(イデコ)を最低掛金である5,000円からはじめたら、一体どんな変化が起こるのか」。
一緒にシミュレーションしてみましょう。
今回は
・iDeCo(イデコ)のメリットをおさらい!
・iDeCo(イデコ)にトライ!最低掛金5,000円でシミュレーション
についてまとめてみたいと思います。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
iDeCo(イデコ)とは?
iDeCo(イデコ)とは、日本の私的年金制度のひとつ。
iDeCo(イデコ)
=個人型確定拠出年金
=個人が毎月決まった金額を積立てて運用し、60歳になったら引き出せるしくみ。節税メリットがある。
iDeCo(イデコ)の詳細が気になる方は、こちらのページも読んでみてください。
今回はiDeCo(イデコ)の詳細説明は、省きます。
今回のシミュレーションに関連する iDeCo(イデコ)のポイントだけ、ちょっと整理してみましょう。
ポイント① iDeCo(イデコ)は任意加入
日本の年金制度は、1階から3階までの3つの階層に分かれています。
1階は、国民全員が加入する公的年金の「国民年金」
2階は、国が管理・運営する職業に応じた上乗せ年金「国民年金基金」「厚生年金」
そして3階は企業や団体が管理・運営し、国民が任意で加入する「確定拠出年金」や「企業年金」です。
1階:国民年金
2階:国民年金基金、厚生年金
3階:確定拠出年金、企業年金
iDeCo(イデコ)は、国が運営・管理していますが、あくまで加入は任意です。自分にとって無理のない同じ金額を決めて、毎月運用していきます。
ポイント② iDeCo(イデコ)の最低掛金は5,000円
iDeCo(イデコ)の最低掛金は、5,000円/月です。
飲み会1回分くらい? iDeCo(イデコ)は、「投資」という習い事を「5,000円」で1つ始める気分でできそうですね。始めると、自然と勉強することになりますから!
1,000円単位で自由に設定できるので、5,000円以上なら、6,000円でも7,000円でもOKです。
こういうカスタマイズ可能な感じがありがたいよね~!
ポイント③ iDeCo(イデコ)の最高掛金は6万8,000円
iDeCo(イデコ)では、職業によって最高掛金が異なります。職業は4つのグループに分類されます。
グループ1:会社員
最高掛金:1万2,000円~2万3,000円/月
※企業年金の有無などによっても変更する
グループ2:自営業・フリーランス
最高掛金:6万8,000円/月
グループ3:公務員
最高掛金:1万2,000円/月
グループ4:専業主婦・主夫
毎月:2万3,000円/月
ちゃんと上限があるので、5,000円だってめちゃくちゃ少ないわけではありません。こう見ると、結構バラバラだしね。自分に合った金額で始めるのが、ベスト!
ポイント④ iDeCo(イデコ)の柔軟な掛金額設定
iDeCo(イデコ)では、2018年に制度改正が行われ、ますます掛金の設定が柔軟になりました。
【2018年1月1日の制度改正】
・月単位だけでなく年単位で拠出可能になった
・ボーナス時にまとめて拠出も可能になった
→拠出時にかかる手数料103円を12回から1回に節約できるようになった
iDeCo(イデコ)の掛金設定のQ&A
iDeCo(イデコ)って辞められるの?
iDeCo(イデコ)の掛金って増やせるの?
などよくある質問をまとめました。
質問① 最低掛金5000円は途中で増やせる?
A:できます。ただし、年に1回だけです。
iDeCo(イデコ)の掛金の変更は、毎年12月から11月に年1回だけ可能です。
何度も設定を変更できるわけではないので、よく考えて、タイミングを見て掛金の変更をする必要があります。
手続きはかんたんです。
iDeCo(イデコ)加入している金融機関に連絡して、 「加入者月別掛金額登録・変更届」をもらい、必要事項を記入して送り返せば対応完了です。
掛金の変更とその審査には時間がかかるので、変更したい場合は早めに対応しましょう。
最初は5,000円からはじめて、余裕が生まれたら少しずつ増やしていくのもありだよね。
質問② 払えなくなったらiDeCo(イデコ)は途中で辞められる?
A:運用は辞められません。しかし、拠出は中断できます。
万一、病気や失業などの経済的な事情で、月額5,000円の拠出金が払えなくなってしまった場合、支払い停止をすることができます。
その時は、iDeCo(イデコ)加入している金融機関に連絡して、「加入者資格喪失届」を取り寄せましょう。
拠出を停止している間は「運用指図者」として、これまでに振り込んだ額の運用だけすることができる立場に変更されます。
これまで積み立てた資金は、60歳まで引き出すことはできません。
iDeCoのメリットをおさらい!
iDeCo(イデコ)は、最低掛金5,000円からはじめることができます。
でも、ただ積み立てるだけだったら、自分でやればよくない?
そのほうが、失業とか病気で仕事がなくなった時のお金としても使えるし。
そうですよね、わかります。
でもそこはちゃんと、iDeCo(イデコ)にしかないメリットもあります。
それが、3つの税制優遇効果です。
iDeCoの3つの税制優遇効果
iDeCo(イデコ)には、「①掛金」「②運用益」「③給付」の3段階で税制優遇があります。
①掛金
②運用益
③給付
ここからはひとつずつ見ていきましょう。
税制優遇効果① 掛金
iDeCo(イデコ)では、掛金は全額所得控除になります。
所得控除
=個人的な経済事情を考慮して所得を少なく見積もり、税金の計算に反映させる制度
=「家族はいるか」「障碍者はいるか」「他の家族に所得はあるか」など個人的な事情を反映させる
所得控除は、所得がある人が優遇される制度です。
なぜなら、所得控除で所得を少なくし、その少なくなった所得から計算された「所得税」や「住民税」が少なくなるからです。
そのため、そもそも無職で所得がない方、所得が少ない方、専業主婦の方はあまりメリットがありません。
また、住宅ローンを組んでマイホームを購入した方も住宅ローン控除を利用していてすでに優遇されているので、メリットになりにくいといわれています。
税制優遇効果② 運用益
iDeCo(イデコ)では、掛金を運用していく時の運用益は課税されません。
何度売買を行っても、運用益は非課税です。
税制優遇効果③ 給付
iDeCo(イデコ)では、給付のタイミングが主に3つあります。
通常の老齢給付金として受け取る場合は、公的年金等控除が適用されます。
また退職金として一時金を受け取るときも退職所得控除が受けられます。
70歳になる前に高度障害者になった場合に受けとると、非課税になります。
①老齢給付金
=60歳になった場合に受け取る
年金:公的年金等控除が適用(雑所得)。税制上の優遇措置がとられる
一時金:退職所得控除が適用(退職所得)。税制上の優遇措置がとられる
②障害給付金
=70歳になる前に高度障害者になった場合に受け取る
年金:非課税
一時金:非課税
③死亡一時金
=死亡した場合に遺族が受け取る
一時金:相続税の課税対象
iDeCoシミュレーション!最低掛金5,000円の場合
iDeCo(イデコ)の3つの税制優遇効果のうち、②運用益と③給付は、運用実績によって異なり、予測が困難です。
しかし、①掛金については、「所得税と住民税の金額がどのくらい軽減されるのか?」、あらかじめ条件を決めることで、確認することができます。
ここからは実際に、 iDeCo(イデコ)で最低掛金5,000円を積み立てた場合に、いくらの税制優遇効果があるのか確認してみましょう。
前提条件:一人暮らしサラリーマンの場合
まずは前提条件を整理しましょう。今回は、以下の場合に限定します。
・サラリーマン(会社員)
・扶養親族なし
・給与所得控除のみを考慮
・年収は500万円
計算ステップ① 給与所得控除額は?
給与所得の金額は、給与等の収入金額から給与所得控除額を差し引いて算出します。
国税庁のホームページによると、その算出方法は以下のとおり。
給与等の収入金額 | 給与所得控除額 |
1,625,000円まで | 550,000円 |
1,800,000円まで | 収入金額×40%-100,000円 |
3,600,000円まで | 収入金額×30%+80,000円 |
6,600,000円まで | 収入金額×20%+440,000円 |
8,500,000円まで | 収入金額×10%+1,100,000円 |
8,500,001円以上 | 1,950,000円(上限) |
年収500万円の場合は、計算式は以下となります。
給与所得控除額=5,000,000円×20%+440,000円=144万円
計算ステップ② 所得税の税率は?
所得税の税率は、「課税所得額に応じて5~45%」と決められています。
課税所得額
=所得から各種所得控除の合計額を引いたもの
今回のケースの場合は…
課税所得額=500万円-144万円=356万円
で計算してみます。
国税庁のホームページによると、課税所得と税率の関係は以下のとおり。
課税所得 | 税率 |
195万円以下 | 5% |
330万円以下 | 10% |
695万円以下 | 20% |
900万円以下 | 23% |
1,800万円以下 | 33% |
4,000万円以下 | 40% |
4,000万円超 | 45% |
今回のケースの場合は…20%です。
節税① 所得税はいくらお得?
所得税率:20%がわかったので、所得税の節税額を求めてみましょう。
【前提条件】
月々の掛金:5,000円
所得税率:20%
【計算式】
月々の掛け金(5,000円)×12か月=年間掛金(6万円)
年間掛金(6万円)×20%=1万2,000円
【答え】
所得税における節税額=1万2,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって1万2,000円分節税できることがわかりました。
節税② 住民税はいくらお得?
次は住民税の節税額を求めてみましょう。
住民税は所得割を使い、一律10%と定められています。
所得割:所得金額に対する課税
均等割:所得により変動しない課税
【前提条件】
住民税率:10%
【計算式】
月々の掛け金(5,000円)×12か月=年間掛金(6万円)
年間掛金(6万円)×10%=6,000円
【答え】
所得税における節税額=6,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって6,000円分節税できることがわかりました。
節税③ 所得税+住民税でいくらお得?
月々の掛け金(5,000円)の場合の、iDeCo(イデコ)による所得税と住民税の節約額は、以下のとおり。
(所得税における節税額=1万2000円)+(所得税における節税額=6000円)
=1万8,000円
このように、毎月5,000円の掛金を支払うと、合計で1万8,000円分を節税できることになります。
こうなると、もうちょっとがんばって多くお金を入れてみたい気もしてきました。同じ条件の人が10,000円で計算してみたらどうなるか…やってみましょう。
iDeCoシミュレーション!最低掛金10,000円の場合
前提条件、給与所得控除額、所得税率、住民税率は同じという前提でiDeCo(イデコ)でどのくらい節税できるか計算してみます。
節税① 所得税はいくらお得?
【前提条件】
月々の掛金:10,000円
所得税率:20%
【計算式】
月々の掛け金(10,000円)×12か月=年間掛金(12万円)
年間掛金(12万円)×20%=2万4,000円
【答え】
所得税における節税額=2万4,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって2万4,000円分節税できることがわかりました。
節税② 住民税はいくらお得?
次は住民税の節税額を求めてみましょう。掛金5,000円の場合と同じ住民税率で計算します。
【前提条件】
住民税率:10%
【計算式】
月々の掛け金(10,000円)×12か月=年間掛金(12万円)
年間掛金(12万円)×10%=1万2,000円
【答え】
所得税における節税額=1万2,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって1万2,000円分節税できることがわかりました。
節税③ 所得税+住民税でいくらお得?
月々の掛け金(10,000円)の場合の、iDeCo(イデコ)による所得税と住民税の節約額は、以下のとおり。
(所得税における節税額=2万4,000円)+(所得税における節税額=1万2,000円)
=3万6,000円
このように、毎月10,000円の掛金を支払うと、合計で3万6,000円分を節税できることになります。
結構大きな節税額になってきました。
じゃあせっかくなので、最後、20,000円で計算してみたらどうなるか…やってみましょう。
iDeCoシミュレーション!最低掛金20,000円の場合
前提条件、給与所得控除額、所得税率、住民税率は同じという前提でiDeCo(イデコ)でどのくらい節税できるか計算してみます。
節税① 所得税はいくらお得?
【前提条件】
月々の掛金:20,000円
所得税率:20%
【計算式】
月々の掛け金(20,000円)×12か月=年間掛金(24万円)
年間掛金(24万円)×20%=4万8,000円
【答え】
所得税における節税額=4万8,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって4万8,000円分節税できることがわかりました。
節税② 住民税はいくらお得?
次は住民税の節税額を求めてみましょう。掛金20,000円の場合と同じ住民税率で計算します。
【前提条件】
住民税率:10%
【計算式】
月々の掛け金(20,000円)×12か月=年間掛金(24万円)
年間掛金(24万円)×10%=2万4,000円
【答え】
所得税における節税額=2万4,000円
所得税については、iDeCo(イデコ)によって2万4,000円分節税できることがわかりました。
節税③ 所得税+住民税でいくらお得?
月々の掛け金(10,000円)の場合の、iDeCo(イデコ)による所得税と住民税の節約額は、以下のとおり。
(所得税における節税額=4万8,000円)+(所得税における節税額=2万4,000円)
=7万2,000円
このように、毎月20,000円の掛金を支払うと、合計で7万2,000円分を節税できることになります。
5,000円からでも全然よいのですが、
やっぱり金額が増えれば増えるほどインパクトがありますね。
まとめ ~iDeCo5,000円分だけ投資するのは意味ない?~
今回は、iDeCo(イデコ)で最低掛金5,000円分だけ投資するは意味がないのか、所得税と住民税をシミュレーションしてみました。
条件は以下にそろえて、、掛金が5,000円/月~20,000円/月までで節税額がどのように変化するか見てみたところ…
・サラリーマン(会社員)
・扶養親族なし
・給与所得控除のみを考慮
・年収は500万円
iDeCo(イデコ)による、節税額はこのとおり。
掛金 | 節税額 |
5,000円/月の場合 | 1万8,000円 (1万2,000円+6,000円) |
10,000円 /月の場合 | 3万6,000円 (2万4,000円円+1万2,000円) |
20,000円/月の場合 | 7万2,000円 (4万8,000円+2万4,000円) |
これだけ節約できれば、「最低掛金5,000円分だけ投資するは意味がない?」と不安になる方も少ないのではないでしょうか?
iDeCo(イデコ)はメリットを感じる人と感じない人の差がはげしい制度です。自分が人生において、なにに価値を置くのか?っていう壮大な問題にもつながります。
自分は iDeCo(イデコ) をやったほうがいいのか、やるならいくらぐらいやるのがいいのか、検討の際の参考になったらうれしいです。
iDeCo(イデコ) の詳細が気になる方は、こちらの記事もどうぞ。