配当金で安定的に不労所得を得て、働かずにのんびり暮らすのが夢…
でも、高配当株はおすすめしないとか、やめとけって言われます。なんで?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・高配当株とは?
・高配当株をおすすめしない理由
・リスクが少ない高配当株の選び方&買い方
株式投資をはじめたら、一度は思うことー。
「配当金で安定的に不労所得を得て、働かずにのんびり暮らせたらいいなぁ…」
投資をはじめて15年のわたしだって、例外ではありません。
そりゃ、配当金がのどから手がでるほど、ほしかった時もあるさ。
でも、実際のところ、わたしは今現在(2023年11月)、1株も高配当株を持っていません。
今回は、わたしが高配当株を買わず、あまりおすすめしないのはなぜなのか、そして、高配当株を買うことを選んだ人に向けた、リスクを避ける買い方もまとめてみました。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
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高配当株とは
「高配当株」とひとことに言っても、その定義はあいまいです。
株式投資の利益は2種類
高配当株=インカムゲインが期待できる株
配当利回りの平均は?
高配当株の一般的な条件は?
ここではまず、「高配当株」の定義を整理してみましょう。
株式投資の利益は2種類
株式投資の利益は、キャピタルゲインとインカムゲインの2種類があります。
キャピタルゲイン(Capital Gain)
=資産の売却によって得られる利益
=値上がり益、売却益など
インカムゲイン(Income Gain)
=資産を保有していることで得られる利益
=配当金など
キャピタルゲインは、一般的に「値上がり益」、「売却益」などと呼ばれる利益のこと。
株の価値が上がることで得られる利益のことです。
一方のインカムゲインは、その株を持っている時に得られる利益のこと。
配当金は、インカムゲインのひとつですね。
株式投資は、このどちらも得るチャンスがありますが、その株によって「キャピタルゲインが期待しやすい株」と「インカムゲインが期待しやすい株」があります。
高配当株投資をメインにする=「インカムゲインに重点を置いた投資をする」ということになります。
この「インカムゲインに重点を置いた投資をする」戦略が、今の自分には合っていないので、枝豆は高配当株を持っていません。
高配当株=インカムゲインが期待できる株
高配当株とは、配当金がたくさんもらえる株のことを言います。
配当金がたくさんもらえる株かどうかの判断は、一般的に「配当利回り」をみて判断します。
配当利回りとは、株価に対する年間配当金の割合を示した指標のこと。
計算式は、以下のとおりです。
配当利回り
=株価に対する年間配当金の割合
=1株あたりの予想配当金(年間) ÷ 株価 × 100(%)
配当金は、企業が得た利益の一部を株主に還元するお金のことを指しますが、企業によってはモノで還元するケースもあります。
モノで還元する時は「株主優待」、カネで還元する時は「配当金」です。
配当利回りの平均は?
配当利回りの平均ってどのくらいなんだろう?
一般的には、2%程度だと言われているよ。
証券取引所のホームページで確認できる統計資料によると、日本の株式市場の平均配当利回り(2022/4~2023/10)は、以下のとおり。
プライム市場:2.31%
スタンダード市場:2.43%
グロース市場:1.11%
全市場平均:1.95%
一方、米国株の平均配当利回りは、日本市場より少し高い、2%代後半です。
銘柄 | 平均配当利回り |
---|---|
全銘柄 | 2.82 % |
NYダウ | 2.82 % |
ナスダック | 2.82 % |
S&P500 | 2.21 % |
配当利回りの平均は2%なので、この平均を上回る3%以上の株式のことを、高配当株と呼ぶことが多いようです。
厳密な定義があるわけではないんだけどね。
高配当株の一般的な条件は?
高配当株の一般的な条件は、以下のとおり。
配当利回り | 3%以上 |
ROE | 10%以上 |
自己資本比率 | 30%以上 |
配当性向 | 50%以下 |
時価総額 | 1,000億円以上 |
配当利回りが3%以上で、かつ安定した成熟企業であることが条件として扱われることが多いよ。
高配当株をおすすめしない理由
高配当株は、配当金がもらえるお得な株でしょ?なんでおすすめしない人が多いの?
たしかに…!笑 それは、配当金がもらえるのはなぜかを考える必要があるよ。
税金がかかり、運用効率が悪いから
値上がり益が狙えないから
減配・無配リスクがあるから
配当利回りには「罠」があるから
配当金のみで資産形成をするのは難しいから
投資セクターが偏る可能性があるから
銘柄選定や買付タイミングをが図るのが難しいから
それではひとつずつ説明していきましょう。
税金がかかり、運用効率が悪いから
高配当株をおすすめしない理由の1つ目は、税金がかかり、運用効率が悪いからです。
個人的には、これがいちばん気になっています…。
投資家が配当金を受け取ると、自動で利益が確定するため、税金が源泉徴収されます。
具体的な配当金への課税額は、以下のとおりです。
米国課税 | 日本課税 | |
---|---|---|
米国配当金 | 10% | 20.315% |
日本配当金 | 0% | 20.315% |
日本株の場合は、20.315%。米国株の場合は、そこに10%が上乗せされるよ。
米国の高配当株の場合は、日本の税金と米国の税金が二重に課税されるので、約30%が徴収されます。
(確定申告すれば、二重課税分は戻ってきます)
配当金をもらってからすぐに再投資したところで、税金分はひかれてしまうので、その分投資効率が悪くなります。
一方、インデックス投資(投資信託)なら配当金や分配金は自動で再投資され、利益確定を避けることができるので、投資途中で税金がかかることはありません。
今お金がほしい(=キャッシュフローを増やしたい)人にとって、配当金は大きなメリットですが、早く目標資産に到達したいと考えている人にとっては、逆に資産運用効率を下げてしまう可能性があります。
わたしは今、早く目標資産に到達したいので、勝手に利益確定されちゃう配当はほしくないんです…。
値上がり益が狙えないから
高配当株をおすすめしない理由の2つ目は、値上がり益(=キャピタルゲイン)が狙えないからです。
通常、企業は付加価値を作り出し、その付加価値がお金になります。
そして、そのお金を次の付加価値を作るための投資に使い、さらなる新しい付加価値を生み出します。
付加価値を作る
↓
付加価値で得た利益で次のビジネスに投資をし、次の付加価値を作る
↓投資&株価UP
その付加価値で得た利益でさらなるビジネスに投資をし、次の付加価値を作る
↓投資&株価UP
その付加価値で得た利益でまたもや次のビジネスに投資をし、次の付加価値を作る
企業が成長する(=株価が上がる)ためには、稼いだお金で次のビジネスに投資をする必要があります。
成長のためには技術開発や研究への投資がめちゃくちゃ大事です。
一方で、配当金はどこからでるのでしょうか?
配当金も企業の利益からでます。
超単純化すると…こんな感じ?
【企業の利益の内訳】
1:借金の返済(必須)
2:税金の支払い(必須)
3:従業員への給料(必須)
4:未来への投資
5:株主への還元・配当
企業は、借りていたお金を返したり、税金を払ったり、働いている従業員に還元した後に残ったお金で、未来への投資と株主への還元をします。
そのため、株主への還元(配当金)が多い会社は、未来への投資資金が減ってしまう可能性が高くなります。
逆に言うと、成長性が高い会社は、配当金を配ってる場合じゃないことが多いんだよね。
例えば、米国株の中でも成長真っ只中の企業と言えば、NASDAQの「テスラ」。
テスラは配当金を出していません。
また、GAFAMと呼ばれる米国の巨大IT企業のうち「Google」「Facebook」「Amazon」も配当金を出さない企業として有名です。
一方で、成長がひと段落した成熟企業は、配当で株主に還元することが多くなります。
なぜなら、これ以上投資をしても利益がついてきにくいからです。
例えば、高配当で有名な日本企業「JT(日本たばこ産業株式会社」のチャートを見てみましょう。
見事な右肩下がりだぁ…成熟した企業なのでしょうがないですね‥
ちなみに配当金を出していないAmazonとチャートを比べてみると…
成長企業と成熟企業の違いがとてもよくわかるチャートです。成熟企業は、株価の値上がりによる利益(=キャピタルゲイン)は狙えないことがわかるよね…。
減配・無配リスクがあるから
高配当株をおすすめしない理由の3つ目は、減配・無配リスクがあるからです。
実は配当金って、突然減ったり、なくなったりすることがあるんです。
業績が悪くなれば、減配(配当金を減らすこと)もありますし、業績の低迷が続けば配当金がなくなる(無配)こともあり得ます。
減配=配当が減ること
無配=配当を行わないこと
今日、高配当株であっても、その配当利回りが将来ずっと維持されるとは限りません。
配当利回りは、あくまでただの指標。企業が配当を保障してくれているわけではありません。
だから、業績が低迷しているにもかかわらず、高配当を続けている企業には注意が必要です。
今高配当株だって、来年はどうなるかわからないんですよ。それが高配当株のコワイところ。
例えば、コロナショック時には、それまで高配当株として有名だった航空会社のANAが突然無配になりました。
どんな優良企業でも、とつぜんの赤字転落によって無配・減配になることがあります。
このANAのケースのように、無配・減配だけにとどまらず、株価の下落が伴うことも。
踏んだり、蹴ったり、です…。高配当株は、本当に難しい…。
一方、高配当株投資に比べて失敗しにくいのは、インデックス投資です。
なぜなら、そもそも分散効果が高く、赤字転落した企業はリバランスされて、新しい企業が入るだけ。
大きな損失は出にくく、高度な目利きも必要ないので、初心者でも比較的勝ちやすいというメリットがあります。
➀業績が安定しているか
②アクシデントに強いビジネスモデルか
③安定して同じような配当金を出しているか
深い企業分析をしないと、高配当株は買えないんですよね。
配当利回りには「罠」があるから
高配当株をおすすめしない理由の4つめは、配当利回りには「罠」があるからです。
実は、配当利回りはあまり信用できないということをご存知でしょうか?
配当利回りの計算式は以下のとおり。
株価が下がれば、簡単に配当利回りが上がります。
「予想配当→」÷「株価↓」=配当利回り↑(株価が下がると予想利回りは高くなる)
企業の業績が悪化すると、株価はすぐに下がりますが、企業の配当予想は株価ほどすぐには見直されません。
そのため、配当利回りが少しの間、とても高いように見えることがあります。
企業が配当金の見直し(減配)をするタイミングって、ちょっと遅れるのが普通なんです。「これはいい高配当株だ!」って思っても、ひっかけの可能性があります。
配当金のみで資産形成をするのは難しいから
高配当株をおすすめしない理由の5つめは、配当金のみで資産形成をするのは難しいからです。
え?配当金だけで暮らしている人、SNSにいっぱいいるじゃん?
いるにはいるけど…でも、かなりの資産家じゃないと難しいはずだよ。
毎月10万円の配当金を得ることを目標にして、具体的な計算をしてみましょう。
例えば、2023年11月の東証プライム市場の配当利回りと株価の平均は、以下のとおりです。
配当利回り平均値: 2.17%
株価平均値:2,790円
このケースの場合、1株あたりの年間配当金額は、約61円になります。
年間の配当金=2.17%×2,790円=約61円
月10万円(年間120万円)の配当金を得るためには、19,672株以上の株式の購入が必要です。
さらに、19,672株を購入するには、約5,489万円の購入資金が必要になります。
必要株数:年間120万円÷配当金61円=19,672株
必要資金:19,672株×2,790円=約5,489万円
10万円/月を得るだけでも、5,500万円が必要って考えると…結構大変…。
人気の米国高配当株でも計算してみましょう。
【毎月10万円の配当収入を得るための必要資金】
ファイザー | コカ コーラ | 米国高配当株式 ETF(VYM) | |
---|---|---|---|
配当利回り | 5.34% | 3.22% | 2.97% |
株価 | 30.51 | 56.44 | 105.50 |
1株あたりの配当金 | 1.63 | 1.82 | 3.13 |
必要株数 | 4983 | 4463 | 2594 |
必要資金 | 2,246万円 (152,031ドル) | 3,721万円 (251,892ドル) | 4,042万円 (273,667ドル) |
20万円/月が必要であれば、この2倍の資金を手元に作らなくてはなりません。
さらにいつ減配・無配になるかわからないとなると、かなりリスキーです…。
投資セクターが偏る可能性があるから
高配当株をおすすめしない理由の6つめは、投資セクターが偏る可能性があるからです。
高配当株になりやすいセクター(業種)、なりにくいセクターがあるんです。
【高配当株が多い業種】
エネルギー事業関連
たばこ事業関連
通信事業関連
投資をする時は、分散を効かせてリスクを減らすのがセオリーですが、高配当株のみを買おうとすると、かなり業種が偏ります。
業種が偏れば、暴落タイミングも似ているため、どうしても値下がりの影響を大きく受けてしまいます。
もちろん景気動向に業績が左右されにくい銘柄(生活必需品、ヘルスケアなど)を組み入れることで多少の回避はできますが、高配当にこだわり過ぎるのは危険です。
高配当株投資が好きな人は、ディフェンシブ銘柄もたくさん持っている印象があります。
銘柄選定や買付タイミングをが図るのが難しいから
高配当株をおすすめしない理由の7つめは、銘柄選定や買付タイミングを図るのが難しいからです。
高配当株投資って、実は玄人向けの投資だと言われているの。
高配当株投資をする時、注目すべき数字は「配当利回り」だけではありません。
前述したように、「配当利回り」にはダマしも多いので、減配リスクが低い優良銘柄を、厳密な企業分析によって選定する必要があります。
さらに、たとえ優良銘柄を見つけることができたとしても、買付のタイミングが悪いと長期間、含み損を抱えることに。
高配当株は、成熟企業が多いので、高値で買ってしまったが最後、数年単位でキャピタルゲインを得るのは難しくなるでしょう。
高配当株は、割安な時に買わないと大変なことに…泣
やるべきこととは、2つです。
・普段から優良銘柄をみつけられるようにスクリーニングしておく
・割安になった最適なタイミング(暴落時)を逃さず、購入する
この2つの能力が同時に備わっている人は、もう結構な株式投資のプロだと言えます。
素人が手をだすと痛い目にあうのが、高配当株投資です…。
インデックス投資ならもっと簡単に勝てるのに…。
買ってはいけない高配当株の特徴
絶対に買ってはいけない高配当株の特徴は、以下のとおり。
配当利回りが異常に高い
営業利益や経常利益が減少している
配当性向が100%以上である
急に配当額が増えている
一つずつ見ていきましょう。
配当利回りが異常に高い
配当利回りが異常に高い高配当株には、注意が必要です。
なぜなら、企業業績が悪化している可能性があるから。
なぜ高配当なのか…この理由が重要なの。
業績がいいから…というわけではない時もあるんです。
前述したように、配当利回りは、株価がちょっと下がっただけで、かんたんに上がります。
「予想配当→」÷「株価↓」=配当利回り↑(株価が下がると予想利回りは高くなる)
配当は株価ほどすぐに変化しないので、株価が下がる=企業の業績悪化が原因で、配当利回りが高く見えることがあるのです。
そんなこといったって…配当利回りが高すぎるかどうかって、どうやって判断するの?
うーん、難しいけど、わたしは日本取引所グループのホームページで平均配当利回りを見ておくようにしてるよ。
平均配当利回りは、およそ2%。
7%以上だと、良くも悪くも、なにかしらの原因があると言われています。
営業利益や経常利益が減少している
たとえ高配当株でも買ってはいけないのは、営業利益や経常利益が減少している株です。
そもそも、配当金の原資になるのは、企業の利益です。
その利益が減少しているのに、多くの配当金を株主に渡しているとしたら、その状態を長く続けるのは不可能であることは想像に難くないでしょう。
営業利益
=企業が本業で稼いだ利益
=売上高ー原価ー販管費
経常利益
=企業が通常行っている業務の中で得た利益
=売上高ー原価ー販管費ー営業外損益
純利益
=企業経営にかかる利益で配当の原資となる
=売上高ー原価ー販管費ー営業外損益ー特別損益・税金
お金がないのに、お金を配ってる状態は、健全じゃないもんね…。
営業利益が減っていたら、本業で稼ぐ利益が減っているということ。
売上が下がっているのかもしれませんし、人件費、広告費、消耗品費などの費用の割合が増えている可能性もあります。
経常利益は、本業が上手くいっていても(=営業利益が増えていても)返済や利息の負担が大きくなっていたり、他の事業活動が上手くいっていないと下がる傾向があります。
純利益は継続的な事業活動に関係が薄い損益も混ざってしまうので、経営分析の際には経常利益がいちばんよくみられます。
純利益が黒字でも、営業利益や経常利益が不安定な企業は、近い将来、減配や無配になる可能性を秘めています。
配当性向が100%以上である
いくら配当金がほしくても、配当性向が100%以上の高配当株は、注意が必要です。
配当性向とは、企業が利益のうち、どのくらいのお金を配当に回しているか確認する指標のこと。
通常はおよそ20~40%を推移し、50%を超えると、高配当株と言われます。
配当性向
=利益のうち、どのくらいのお金を配当に回しているか確認する指標
=およそ20~40%が通常のレベル
=1株あたりの配当÷1株あたりの利益×100
100%を超えるってことは、配当金が利益より多いってことです。
配当性向が100%を超える場合、大きく分けると2つの可能性が考えられます。
・1株あたりの配当が増えた
・1株あたりの利益が減った=業績悪化
配当性向をどのくらいにするかは、企業によって違います。
あらかじめ高い配当性向を公表して、株主に寄り添った経営をすることをアピールするケースも少なくありません。
配当性向100%を目標として掲げている企業もあるよ。
高配当株として有名な日本企業の「三ツ星ベルト」は、業績が好調であることもあり、配当について、「2023年3月期および2024年3月期の連結配当性向は100%を目標」と宣言しています。
【三ツ星ベルトの配当利回りと配当性向(2023/11現在)】
予想一株配当:250.0円
予想配当利回り:5.69%
前期配当性向:100.4%
一方、業績悪化によって、1株あたりの利益が減り、一時的に配当性向が上昇しているケースも少なくありません。
配当に影響が出るまでに時間がかかるんです。
急に配当額が増えている
高配当株に見えていても、実はその一瞬だけだった…ということもあります。
例えば、特別配当や記念配当です。
記念配当=上場記念や創立記念など、企業のお祝いごとに合わせて支払われる配当のこと
特別配当=一時的な企業利益の増加による配当のこと
記念配当や特別配当は、悪いことではありませんが、短期的な配当です。
一時的な配当額の増減に惑わされていると、資産運用も不安定になります。
長期・継続的な配当が大事!一時的な配当に惑わされないことが大切です。
リスクが少ない高配当株の選び方と買い方
高配当株だからと言って、飛びついてしまうのはNGです。
業績や将来性をきちんと分析してから購入するか、あらかじめリスクが少ない方法で買えるよう、選び方と買い方に気をつけましょう。
注目のポイントは以下のとおり。
企業業績がよい銘柄を選ぶ
財務状況がよい銘柄を選ぶ
過去の配当実績がよい銘柄を選ぶ
高配当ETFを購入する
連続増配株ETFを購入する
インデックスも同時並行で投資する
高配当株は準備第一!タイミングが重要
必ずしも出口戦略を配当金にする必要はない
普通に勉強になるしね!
一つずつ見ていきましょう。
企業業績がよい銘柄を選ぶ
高配当株を購入する際の最大のポイントは、企業業績がよい銘柄を選ぶことです。
配当利回りばっかりみてると、業績悪化企業をつかんじゃうよ!
配当利回りは参考程度に、営業利益や経常利益が堅調に推移している企業を選びましょう。
業績が悪い企業は、配当を出し続けることはできません。
今は高配当株銘柄でも、近い将来、減配・無配になるリスクが高いことを念頭に置いておきましょう。
財務状況がよい銘柄を選ぶ
高配当株は企業業績だけ良くても、高い配当を出し続けられるかどうかはわかりません。
長期的に配当を出し続けられる体力があるかどうかを判断するためには、時価総額や自己資本比率(ROE)なども確認する必要があります。
時価総額
=企業の「規模」を測る指標
=株価×発行済株式数
=時価総額が1,000億円以上の銘柄なら安心
自己資本比率(ROE)
=企業の「収益性」を測る指標
=当期純利益÷自己資本×100
=自己資本比率が10%以上の銘柄なら安心
時価総額は、企業の規模を測る指標。
安定的に運用する基本的な体力があるかどうかがわかります。
一般的には時価総額が1,000億円以上あれば安心で、突然の無配や減配リスクは少ないと言われています。
さらに、自己資本比率も気にしておけるとベストです。
過去の配当実績がよい銘柄を選ぶ
高配当株は、過去にさかのぼって、配当実績をチェックしてから購入するのがおすすめです。
過去のデータを見れば、急に増配、無配、減配する会社はすぐに気がつけます。やらかしている会社は、またやらかすかもしれないです。笑
配当利回りは、安定的に3~6%を出し続けられている銘柄を、配当性向は50%を超えない銘柄を選ぶと安定的な配当が期待できます。
高配当ETFを購入する
高配当株選びは、かんたんではありません。
さらに、ずっと相場に張り付いて、市場のニュースを逃さずキャッチしなくてはなりません。
企業分析が必要だし、時間がかかります。サラリーマン投資家とか、副業投資家にはなかなか厳しいかも…。
んな副業投資家におすすめなのが、高配当株がセットになった、高配当ETFを購入することです。
【代表的な高配当ETF3種】
銘柄名 | VYM | HDV | SPYD |
---|---|---|---|
配当利回り | 3.12% | 4.47% | 5.26% |
組み入れ数 | 約400銘柄 | 75銘柄 | 80銘柄 |
ベンチマーク | FTSEハイディビデンド・イールド・インデックス | モーニングスター配当フォーカス指数 | S&P500高配当指数 |
特徴 | 時価総額加重平均型で、米国株式市場の高配当銘柄400社で構成 | 米国株式市場の高配当銘柄かつ財務健全性が考慮されている75社で構成 | 米国株式市場の高配当銘柄で会社規模の大小は関係なく均等配分で構成 |
高配当ETFのメリットは、1つの銘柄を買うだけで分散投資が可能なことです。
銘柄選定の必要もないので、個別株を買う時のような企業分析も必要ありません。
とはいえ、構成銘柄のチェックは必要だけどね。
コスパ良く、健全な高配当銘柄を見つけ、さらに減配や無配リスクが抑えられるのは、高配当ETFの大きなメリットです。
連続増配株ETFを購入する
配当金がほしいなら、配当利回りの高さだけでなく、連続で「増配」もしくは、高い配当金を維持している企業への投資も検討したいところ。
連続増配銘柄
=連続増配が続いている銘柄
=コカ・コーラ(61年連続)、エイ・ビー・ビー(49年連続)、花王(33年連続)などが有名
連続増配株に関しても、分散投資が可能な連続増配株ETF「VIG」が存在します。
連続増配株ETF「VIG」も、配当金が欲しい人の注目度が高いETFです。
銘柄名:VIG
配当利回り:1.89%
組み入れ数:約250銘柄
ベンチマーク:S&P U.S. ディビデンド・グロワーズ・インデックス
特徴:米国の連続増配性のある大型企業が投資対象
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インデックスも同時並行で投資する
高配当株を購入したいと思ったら、インデックス投資も同時並行で投資することを検討しましょう。
個人的には、やっぱり高配当株一択は、リスク高いと思うのよ…
高配当株は、配当金を定期的に振り出している分、企業価値の維持・成長が難しい銘柄です。
そして、購入タイミングをつかむのが難しく、上昇したときにつかんでしまうと、長い間資産が目減りするリスクがあります。
その点、インデックス投資は高配当株ほどタイミングを重視する必要はありません。
淡々と入金していくことが大事なので、両方同時に行うことでリスク分散が可能です。
インデックス投資に必要なスキル
=相場に振り回されず、継続するスキル
=資産の最大化が目的
高配当株投資に必要なスキル
=相場をよく見て、投資タイミングをはかるスキル
=今現在のキャッシュ獲得が目的
特に高配当株投資に強い興味がある人は、インデックス投資にも目を向けてみてほしいです。
高配当株は準備第一!タイミングが重要
高配当株への投資は、とにかくタイミングが重要です。
株価が大きく暴落した時、配当利回りや企業業績の変更点を狙って、がっつり買っていく必要があります。
素人がいきなりそんなベストなタイミングで買えると思います?…買えないよw
そのため、普段から企業分析をし、いくつかの銘柄に目をつけておくことが大事。
今は高配当株投資はやっていませんが、昔は目を付けた銘柄をリスト化していました。
普段から注目銘柄をリストアップし、観察し続けることが必要です。
必ずしも出口戦略を配当金にする必要はない
インデックス投資をしている人も、ゆくゆくは高配当株に変換していかないといけないと思っている人が多いと思います。
わたしもちょっと思ってました。
もちろん、高配当株投資はとても勉強になるので、スキルアップとして挑戦することは大事だと思っていますが、必ずしも将来的な出口戦略に、高配当株投資への切り替えが必要ではありません。
特にサラリーマン投資家であれば、インデックス投資に合った「合理的な取り崩し方法」を選べば、配当金と同じように自分で取り崩して定期収入を作ることが可能です。
取り崩しのほうが、好きな時にできるから、自由度は高いですよね。
【インデックス投資の出口戦略】
パターン➀ 資産残高の4%を定率で取り崩す
パターン② 引退時資産額の4%を定額で取り崩す
どちらも、4%ルールと呼ばれています。わたしはキャッシュフローがほしくなったらこの4%ルールに挑戦するつもりです(´▽`)
インデックス投資でも高配当株投資でも、自分の投資戦略にあったやり方をしていけば大丈夫。
どちらもキャッシュフローを作る方法はあるので、わたしは配当金にはこだわらず、インデックスメインでコツコツ投資していく所存です。
高配当株がおすすめな人
高配当株がおすすめな人はこんな人です。
すでに人生の目標金額に達している人
今、自由に使えるお金がほしい人
銘柄分析に時間を使える専業投資家の人
将来のキャッシュフローの予測を正確に立てたい人
一つずつ見ていきましょう。
すでに人生の目標金額に達している人
もうすでに自分の人生の目標金額が手元にある人は、高配当株投資をおすすめします。
資産をこれ以上増やしたいと思っていない人です。
高配当株投資は、これから資産を増やそうとしている人にとっては、非効率でおすすめしずらいですが、もうゴールテープをきったという人にとっては、ストレスなくキャッシュフローが手に入るので、自信をもっておすすめできます。
今、自由に使えるお金がほしい人
投資目的が、将来の資産のためではなく、今のキャッシュフローを増やすための人。
こんな人にも高配当株投資はおすすめです。
定期的に入ってくる配当金は、やっぱり心強いもの。
生活費の足しにもなりますし、「配当金は教育費に使う」などと用途を決めて運用するのもよい方法です。
銘柄分析に時間を使える専業投資家の人
銘柄分析ができる時間がある方は、ぜひきわめてほしいのが高配当株投資です。
はっきり言って、インデックス投資はそんなに専門知識がなくてもできるので、スキルアップしたいなら高配当株投資のほうがおすすめです。
わたしも時間があればもっと勉強したい!副業投資家のつらいとこです。
プロの投資家として自信を持って投資を続けたい方は、高配当株の企業分析からはじめましょう。
将来のキャッシュフローの予測を正確に立てたい人
将来のキャッシュフローの予測を正確に立てたい人は、インデックス投資より高配当株投資がおすすめです。
高配当株を購入すると、実際に配当金が手元に残ります。
今の資産なら、毎月いくら入ってくると実体験としてわかるので、資産を増やすモチベーションにもつながります。
常に相場は大きく変化しているので、1年後に自分の資産がどのくらい増えるか、またどのくらい減るか予想をするのは困難です。
しかし、高配当株投資をしていれば、その増減も含めて貴重な体験ができます。
特に、そろそろFIREするぞって具体的な計画を立て始めた人は、キャッシュフローの予測ができるのはありがたいかも…
高配当株をおすすめしない人
一方、高配当株をおすすめしない人は、以下の通り。
なるべく短期間で資産を増やしたい人
まだ人生の目標金額が手元にない人
銘柄分析に時間を使えない副業投資家の人
一つずつ見ていきましょう。
なるべく短期間で資産を増やしたい人
資産を短期間で増やしたいなら、配当金がメインの高配当株投資よりも、値上がり益がメインのインデックス投資がおすすめです。
なぜなら、分配金や配当金が再投資される分、効率よく資産を増やすことができるからです。
配当金が分配されちゃうと、その分企業は投資しにくく、成長が遅くなる可能性があります。
高配当株投資は一定時間勉強して、企業分析ができるようになる必要があるので、初期のタイムラグも発生してしまう可能性があります。
まずは、インデックス投資で投資体験を積みながら実際の投資をはじめてしまうほうが、結果的に早く資産が増える可能性があります。
まだ人生の目標金額が手元にない人
すでに人生の目標金額に達してしまい、これ以上増やす必要がない人ならまだしも、これからまだまだ資産を増やしたい人は配当金を受け取っている場合ではありません。笑
配当金で生活しようとすると、数千万円を手元に置いておく必要があるので、将来的に高配当株の比率を上げていくにしても、まずは資産が増えやすい方法で増やしていくことが先決です。
銘柄分析に時間を使えない副業投資家の人
副業投資家の弱点は、とにかく時間が少ないことです。
高配当株投資をするなら必要不可欠な銘柄分析をする時間が取れず、配当利回りの罠にはまって、変な株を変なタイミングで購入してしまう可能性があります。
高配当株を高値掴みしてしまうと、軌道修正が難しく、長期的に含み損を抱えることに。
そんなリスクの高い投資をするぐらいなら、コアサテライト戦略の守りの投資として、まずはインデックス投資はじめましょう。]
コアサテライト戦略
=ポートフォリオを「守り」と「攻め」に分ける運用方法
=通常は守りが7割、攻めが3割が良いとされている
わたしみたいなサラリーマン投資家でも、インデックス投資をコツコツ続けて、最近は個別株にも挑戦。資産を確実に増やせる自信がつきました!
まとめ:高配当株はおすすめしない!私が買わない理由
高配当株とは、配当金がたくさんもらえる株のこと。
聞こえはいいですが、配当利回りだけにこだわると長期的に資産を増やしにくいループに陥ってしまう可能性があります。
わたしが高配当株をおすすめしない理由は、以下の通り。
税金がかかり、運用効率が悪いから
値上がり益が狙えないから
減配・無配リスクがあるから
配当利回りには「罠」があるから
配当金のみで資産形成をするのは難しいから
投資セクターが偏る可能性があるから
銘柄選定や買付タイミングをが図るのが難しいから
特にわたしのような、人生の目標資産額にまだ到達していない投資家は、高配当株投資を意識しすぎると、資産運用の効率化ができなくなります。
その一方で、買い方さえ間違えなければ、インデックス投資一本よりもリスク分散になる可能性も秘めているのが、高配当株でもあります。
企業業績がよい銘柄を選ぶ
財務状況がよい銘柄を選ぶ
過去の配当実績がよい銘柄を選ぶ
高配当ETFを購入する
連続増配株ETFを購入する
インデックスも同時並行で投資する
高配当株は準備第一!タイミングが重要
必ずしも出口戦略を配当金にする必要はない
要は、資産運用の目的次第!こんな人には自信をもって高配当株投資をおすすめします。
すでに人生の目標金額に達している人
今、自由に使えるお金がほしい人
銘柄分析に時間を使える専業投資家の人
将来のキャッシュフローの予測を正確に立てたい人
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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