新興国株式はおすすめしないってほんと?
メリット、デメリット、将来性を教えて!
今回は、こんな方に向けた記事です。
▼本記事の内容
・新興国株式はおすすめしない理由
・それでも投資したい!新興国株式の将来性
・新興国株式をポートフォリオに組み入れる際の注意点
・新NISAでおすすめできる新興国株式インデックスファンド
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
新興国株式が「やめとけ」「おすすめしない」と言われがちな大きな理由は、すでに全世界株式インデックスファンドに10%程度組み込まれているからです。
新興国株式はその将来性を期待されますが、同時にリスクも大きいため、すでにオルカン(eMAXIS Slim全世界株式)などのインデックスファンドを購入している場合は、それで十分と言えます。
新NISAのつみたて投資枠で、すでにオルカンを買っている人はそれだけでもOK!わたしはオルカン派ではないので、新興国株式だけ別で買ってます。
今回は、新興国株式のデメリットや将来性について、さまざまなデータを元に解説します。
新興国株式とは?
株式投資をはじめると、「新興国」という言葉をよく聞くようになります。
新興国とは?
新興国インデックスファンドの指数
一つずつ見ていきましょう。
新興国とは?
「新興国」は、今現在の経済水準が低く、今後高い成長性を秘めた国々のことを指します。
新興国(エマージングカントリー)
=今現在の経済水準が低く、今後高い成長性を秘めた国々のこと
=具体的には、中国、台湾、韓国、インド、ブラジル、南アフリカ、ロシア、サウジアラビア、メキシコ、タイ、マレーシアなど
新興国の経済がこれから成長するかどうかは、誰にもわかりません。
しかし、すでに発展しきった先進国株式よりも、爆速で成長する可能性を秘めています。
夢があるなぁ~。
新興国インデックスファンドの指数
新興国インデックスファンドの指数には、主に2種類があります。
MSCIエマージング・マーケット・インデックス=新興国27カ国の大型株・中型株
FTSEエマージング・インデックス=新興国24カ国以上の大型・中型株
株価指数名 | MSCIエマージング マーケット・インデックス | FTSEエマージング インデックス |
---|---|---|
運用会社 | MSCI社 | FTSE社 |
タイプ | 時価総額加重 | 時価総額加重 |
構成銘柄の国数 | 新興国27カ国以上 | 新興国24カ国以上 |
構成銘柄の企業規模 | 大型株・中型株 (1,437社) | 大型株・中型株 (2,176社) |
世界の時価総額カバー率 | 約85% | 約98% |
主要構成国 | 中国、台湾、 韓国、インドなど | 中国、台湾、 インド、ブラジルなど |
投資対象国の違い | 韓国及びポーランドを 「新興国」と分類 | 韓国及びポーランドを 「先進国」と分類 |
MSCIエマージング・マーケット・インデックスとFTSEエマージング・インデックスの一番大きな違いは、構成銘柄の国数と企業規模です。
MSCIはより多くの新興国の大型株・中型株への投資ができるのに対し、FTSEは、国数の分散はひかえめでありながら、中型株の中でも小型株寄りの企業まで幅広く網羅しています。
そのため、世界の時価総額カバー率がMSCIが85%に対し、FTSEは98%と大きく異なります。
小型株が伸びると思う場合はFTSE、よりカントリーリスクを減らしたい時はMSCIを選ぶのがよさそう…!
新興国への投資というと、リスクが高くて不安定なイメージを持つ方もいますが、それはあくまで個別株の場合。
インデックスファンドの中には、NISA口座で購入可能な長期安定成長を期待されている銘柄もあります。
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新興国株式はおすすめしないと言われる理由(デメリット)
新興国株式はおすすめしないと言われる主な理由は、以下のとおり。
ボラティリティが高い(ハイリスク・ハイリターン)
パフォーマンスは米国株に劣る
GDPと株価は必ずしも連動しない
人口ボーナス期が終わった国も含まれる
信託報酬・手数料が高い
通貨価値の変動リスクが高い
新興国株式そのものの流動性が低い
新興国株式の投資情報が得にくい
一つずつ確認していきましょう。
ボラティリティが高い(ハイリスク・ハイリターン)
新興国株式は、高い成長性が期待できる反面、ボラティリティが高いことが懸念されています。
ボラティリティとは、価格変動の度合いのこと。
ボラティリティ
=価格変動の度合い
一般的に「ボラティリティが高い」っていうと、株価が上がったり下がったり、せわしないことを言うよ。
新興国株式のボラティリティの高さの原因として、以下のようなものが挙げられます。
・政治や経済が不安定で、何が起きるかわからない
・政権交代による社会的な不安が大きい
・クーデターや戦争などのアクシデントが起きる可能性がある
・突然のバブル形成と崩壊の可能性が高い
・通貨の大幅な変動、急激なインフレーションやデフレーションの予測ができない
新興国は、まだ発展途上にある国。
成長のポテンシャルは高いですが、その分政治や経済が不安定で、高いリスクを享受する必要があります。
例えば、カントリーリスクの具体例は、以下のとおりです。
年 | 国 | できごと |
---|---|---|
2001年 | アルゼンチン | 国債が債務不履行 |
2009年 | ジンバブエ | ハイパーインフレ &デノミネーション |
2014年 | タイ | 軍事クーデター |
2014年 | ロシア | クリミア危機&ウクライナ紛争 |
2018年 | トルコ | 通貨安&インフレ |
2019年 | インド | カシミール地域紛争 |
2021年 | ミャンマー | 軍事クーデター |
いくらインデックス投資で分散しても、新興国株式インデックスに含まれる国はそのほとんどが固有のリスクを持っているので、ある程度のリスクは覚悟しなくてはなりません。
新興国株式独特のリスクを負えない場合は、オールカントリーや米国株投資のほうがおすすめです。
パフォーマンスは米国株に劣る
新興国株式がおすすめしないと言われるのは、リスクがかなり高いにも関わらず、パフォーマンスは米国株に劣るからです。
リスクが高いなら、リターンは多くあれ…って、誰でも思うよね…。笑
実はわたくし枝豆も、株式投資をはじめたばかりの2010年代に、「BRICs」のうちの特にブラジルの成長性に期待し、投資をしていました。
BRICs
=ブラジル、ロシア、インド、中国、南アフリカの頭文字を取って作られた略称
=2000年代以降に著しい経済発展を遂げた国を集めた言葉
しかし、注目されていたほどは株価が上がらず…。
後から振り返ってみると、米国株のほうがリターンが高かったということがわかりました。
以下は、eMAXIS Slim 新興国株式インデックスとeMAXIS Slim 米国株式インデックスの近年の比較ですが、やっぱり米国株が右肩上がりなのに比較して、新興国株式は横ばいです。
この事実を目にした投資家は、みんな口をそろえて「新興国株式はおすすめしない」と言い始めています。
わたしも実体験があるので、おすすめしずらいのが正直なところ…。何年も前から伸びる伸びると期待されているわりに、実際はあまり伸びていないのがここ数年のようです…。これから爆速で伸びる可能性もあるけどね。笑
2020年まで伸び悩んだからこそ、2020年以降は爆速で伸びる可能性も無きにしもあらずです。
新興国株式のポテンシャルに期待する投資家は未だに多く、新興国株式は批判を浴びながらも注目されています。
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GDPと株価は必ずしも連動しない
新興国株式を単純におすすめできない理由のひとつに、経済的な成長(GDP)と株価が必ずしも一致しないことがあります。
新興国のGDPは伸びていますが、同じように株価も伸びるわけではありません。
例えば、新興国の代表ともいえる中国。
中国のGDPは2000年代から急速に成長していますが、国内企業の時価総額が同じように伸びているかというと、そうではありません。
もちろん両方右肩上がりではあるけど…経済の成長と企業の収益はイコールというわけではなさそう。
株価は、経済の成長とは違い、市場の期待感も含まれた数値になることが多いと言われています。
特定の産業が伸びるだけだと、全体の株価にはあまり影響を与えませんし、政治や外交の問題が影響して株価だけが伸び悩むこともあります。
さらに、国内通貨の価値が低下するなどの要因で、海外投資家からの投資が大きく減少し、株価が下がってしまうこともあります。
人口ボーナス期が終わった国も含まれる
新興国株式に投資をする際、いろんな国に分散投資ができるインデックスファンドを買う方法があります。
しかし、新興国の中には、すでに人口ボーナス期が終わってしまった国が含まれているため、単純におすすめすることができません。
人口ボーナス期とは、15歳から64歳までの労働人口がそれ以外の人口の2倍になる時期のことで、この時期に経済的な成長が進みやすいとされています。
人口ボーナス期
=15歳から64歳までの労働人口がそれ以外の人口の2倍になる時期
=労働人口÷従属人口が2以上になっている期間
日本の人口ボーナス期は、1990年代。アメリカ、カナダ、オーストラリアは2010年まで続いているので、かなり早い終了です。
新興国の人口ボーナス期は、以下の通り。
国 | 人口ボーナス期 |
---|---|
中国 | 2010年に終了 |
ロシア | 2010年に終了 |
台湾 | 2020年に終了 |
ブラジル | 2020年に終了 |
タイ | 2030年に終了 |
インドネシア | 2030年に終了 |
マレーシア | 2040年に終了 |
インド | 2040年に終了 |
南アフリカ | 2040年に終了 |
もちろん先進国に比べたら、新興国のほうが人口ボーナス期が長く続きます。
でも、すべての新興国が続くわけではありません。
特にインデックスファンドの組み入れ割合が大きい国の中には、人口ボーナス期が終わってしまった国も含まれています。
インデックスファンドの場合、複数の国に分散投資されているというメリットがありますが、逆に言えば成長が鈍化している国にも投資してしまっていることになるので注意が必要です。
中国の組み入れ割合が30%って…結構大きいよね。そんなにいる?って正直思う…。
信託報酬・手数料が高い
新興国株式に投資するインデックスファンドがおすすめしにくい理由のひとつに、信託報酬や手数料の高さがあります。
信託報酬とは、投資信託の運用のために払う費用のことで、毎日投資家から徴収されます。
信託報酬
=投資信託の運用のために払う費用のこと
毎日徴収されるため、なるべく信託報酬が低い投資信託を選ぶ必要がありますが、新興国株式インデックスファンドは一般的に、信託報酬が高めです。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス:0.1518%以内
eMAXIS Slim 米国株式インデックス:0.09372%以内
さらに、アクティブファンドだと、信託報酬が安いものでも0.2%程度のものが多くなるので、投資銘柄は慎重に選ぶ必要があります。
米国株式インデックスが安すぎるっていうのはもちろんあります。
通貨価値の変動リスクが高い
新興国株式へ投資する際は、基本的にその国独自の通貨を使うことになります。
新興国の通貨は、米ドルや円と比較すると、価格が変動しやすいという特徴があります。
たとえ株価が変わらなくても、通貨の価値が半分になってしまえば、資産はかんたんに半分まで下がってしまいます。
【通貨の価値が変わる原因】
政治的な不透明性・不安定性
経済指標や政策金利の影響
経済成長率の低迷
市場の不完全性
高インフレ など
この表は、直近5年間の米ドル、ロシアのルーブル、ブラジルのレアル、中国の元の変化を表したものです。
水色の米ドルと比較すると、他の国の通貨の変動が、かなり大きいことがわかるでしょう。
ロシアのルーブルはちょっとヤバい…笑
このリスクを許容できないなら、新興国株式へ投資するのは難しいかもしれません。
新興国株式そのものの流動性が低い
新興国株式がおすすめできないと言われてしまうもうひとつの理由は、新興国株式そのものの流動性が低いことです。
新興国株は、米ドルや円で売り買いされている商品に比べて、取引量がどうしても少なくなりがちです。
そのため、購入したい金額で買えなかったり、売りたい時にすぐ売れないというデメリットがあります。
新興国株式の投資情報が得にくい
投資家が新興国株式への投資を躊躇するのは、そもそも投資材料となる投資情報が、先進国に比べて入ってこないからです。
日本やアメリカの情報なら、ニュースサイトやSNSでいつでも確認できますが、言語が違う新興国のニュースが手元に届くのは、かなり時間が経ってから。
正しい投資判断ができるタイミングかどうかは、難しいところです。
とにかくよくわからない新興国。それでも投資したいかと言われると…。悩む人も多いようです。
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新興国株式への投資のメリットや将来性は?
リスクは多そうだけど、新興国株式の将来性ってどうなの?
将来性に関しては、やっぱり期待せざるをえない理由がいっぱいあるんだよね!
今後10年の予想年率リターンは6~8%?
2050年には世界5大国のうち半分以上を新興国が占める?
今が買い?先進国株式よりも株価が割安
一つずつ見ていきましょう。
今後10年の予想年率リターンは6~8%?
5.9兆米ドル(約638兆円)の資産を運用している、世界最大級の運用会社と言えば、「バンガード」。
バンガード社は、定期的に今後の金融市場に関する予想をしていますが、2023年11月に彼らが発表した株式・債券の今後10年の年率リターン予想によると、新興国への期待は大きいものであることがわかりました。
【今後10年の予想年率リターン】
米国債 4.8%~5.8%
海外債券 4.7%~5.7%
米国株 4.2%~6.2%
米国除先進国 7.0%~9.0%
新興国 6.6%~8.6%
引用:Vanguard economic and market outlook for 2024: Global summary
これまでかなり市場環境が良かった米国株が4~6%と予想されているのに対し、新興国へ期待する年率リターンはなんと、6~8%。
新興国は人口増加や都市化が進行しているだけでなく、自国の経済を発展させるために外国の企業を積極的に受け入れています。
例えば、インドの大手財閥タタ・グループは、世界の巨大半導体企業のエヌビディアとAI(人工知能)分野で提携することを発表しました。
米半導体大手エヌビディア(NVDA.O), opens new tabは8日、インドの大手財閥リライアンス・インダストリーズ(RELI.NS), opens new tabおよび有力財閥タタ・グループとAI(人工知能)分野で提携すると発表した。
もちろん天下のバンガード社であっても、将来の見通しを確実に当てることは不可能です。
でも、新興国の種蒔き作業は確実に進んでいて、これからの株価の伸びを期待させています。
アメリカに引っ張ってもらっている印象がありますね。そろそろ本当に新興国の伸びが拡大し始める?いやぁ、どうでしょ?笑
2050年には世界5大国のうち半分以上を新興国が占める?
株式市場は実体経済への予想で動くため、「株価は実体経済を先取りする」とよく言われます。
ゴールドマン・サックス・グローバル投資調査部が発表したデータによると、今から約25年後の2050年には世界GDPランキングの上位は新興国が締め始めると予想されています。
この予想レポートの通りの世界になることを前提にすると、株式市場はもう少し早くから変化し始めることも期待できます。
【新興国の経済成長が期待できる理由】
人口増加による消費の拡大
高い経済成長率
天然資源が豊富
土地の広い国が多い など
新興国は、のびしろしかないわ…。いつ来るかはわかんないけど。笑
今が買い?先進国株式よりも株価が割安
新興国株式がおすすめされるもうひとつの理由は、先進国株式と比較すると、割安な水準にある銘柄が多いからです。
新興国株式のPERは、過去平均を下回っています。
PER(株価収益率)
=株価/1株あたりの当期純利益
過去平均PER:11.3倍
2023年8月のPER:9.2倍
引用:株式投資の次の一手は? ~割安な新興国高配当株式に注目|ピクテ・ジャパン株式会社
先進国株式の株価がどんどん上がってしまっている今、実は新興国への投資がお得なタイミングである可能性があります。
新興国株式をポートフォリオに組み入れる際の注意点
新興国株式を資産ポートフォリオに入れるなら、気を付けたほうが良い注意点があります。
信託報酬が安い銘柄を選ぶ
純資産額が大きい銘柄を選ぶ
新興国株式の保有割合は10~20%程度が目安
50~60代は無理に保有する必要がない
一つずつ見ていきましょう。
信託報酬が安い銘柄を選ぶ
新興国株式に投資をするなら、必ず信託報酬が安い銘柄を選びましょう。
新興国株式は、先進国株式に比べて手数料は高めです。
新興国株式のインデックスファンドは、複数あります。
このうちどれを選ぶか迷ったら、いちばん最初に信託報酬(運用コスト)をチェック。
できるだけ、信託報酬(運用コスト)が安い銘柄を選びましょう。
純資産額が大きい銘柄を選ぶ
新興国株式に投資をするなら、純資産額もしっかりチェックしてから購入しましょう。
大人気の定番インデックスファンドのオールカントリーや全米株式の場合は、王道のファンドではなくてもそれなりに純資産額が集まっていて、途中でファンドがなくなるリスクは低いかもしれません。
しかし、新興国株式の場合は話が別。
あまり人気のないファンドを選んでしまうと、純資産額が少なすぎて繰り上げ償還になる可能性があります。
【純資産額が少ないことによるリスク】
・充分な運用資産が確保できていないため、運用成績が上がらない
・繰り上げ償還(運用中止)になる など
新興国株式を購入する際は、純資産額がなるべく大きい銘柄を選ぶのがおすすめです。
新興国株式の保有割合は10~20%程度が目安
これまで見てきたように、新興国株式はリターンとリスクの双方が大きい商品です。
そのため、投資ポートフォリオにおける新興国株式の割合を、慎重に考える必要があります。
一般的におすすめされるのは、新興国株式の割合をポートフォリオ全体の約10~20%程度に抑えること。
実際に、NISA月間売れ筋投資信託ランキングベスト3の常連である「eMAXISSlim 全世界株式(オールカントリー)」の場合、新興国の割合が約10%入っています。
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)
=別名「オルカン」
=世界中の株式市場に広く分散投資することができるファンド
=手数料も低コストで、長期的なリターン向上が期待できる人気商品
引用:eMAXISSlim 全世界株式(オールカントリー)|目論見書
eMAXIS Slim全世界株式(オールカントリー)は、その名のとおり、全世界をまるっと購入できる投資信託。
先進国が90%、新興国が10%の割合で都度、調整されています。
オルカンは「全世界に投資できる」という特徴ばかりが取り上げられますが、実は「新興国にもちょうどよく投資できる」という意味でも、とても優れています。
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50~60代は無理に保有する必要がない
新興国株式への投資は、先進国株式への投資に比べて高リスクです。
リスクをどれぐらい取るかは、投資家の年齢やライフプランにもよるので、正しい割合というのはありません。
もし、投資家がまだ20~30代であれば、大きなリスクをとっても挽回可能なため、新興国株式の割合を高めることができますが、50~60代は無理をしてまで新興国株式を保有する必要がないともいえます。
自分のポートフォリオの割合を全体的に整理して、必要あれば新興国株式の組み入れを検討しましょう。
自分の正解は、自分にしか出せません。自分に合ったリスクとリターン、考えてみましょう。
新NISAでおすすめできる新興国株式インデックスファンド
2024年からはじまる新NISA。
NISA口座なら、非課税で360万円まで運用可能です。
今回は、新NISAのつみたて投資枠で運用可能な、新興国株式インデックスファンドのうち、おすすめの投資信託を集めました。
引用:つみたてNISA対象商品届出一覧|金融庁(2023年12月21日時点)
https://www.fsa.go.jp/policy/nisa/20170614-2/26.pdf
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま)
楽天・新興国株式インデックス・ファンド
iFree 新興国株式インデックス
一つずつ見ていきましょう。
eMAXIS Slim 新興国株式インデックス
eMAXIS Slim 新興国株式インデックスは、王道中の王道の銘柄です。
eMAXIS Slimシリーズは大人気シリーズです!オルカンやS&P500も有名で、驚きの低コストを実現しています。
純資産が最大規模で、新興国株式インデックスファンドの中でも人気が高い銘柄です。
つみたてNISAで投資でき、信託報酬も安いため、今後もまだまだ純資産が増えていくことが予想できます。
新興国27カ国の大型株・中型株が含まれた、MSCIエマージング・マーケット・インデックス(配当込み、円換算ベース)と連動した投資成果を目指すため、新興国インデックスファンドの中でも分散が効いている印象があります。
項目 | 詳細 |
---|---|
ベンチマーク | MSCIエマージング・マーケット・インデックス |
基準価格 | 13,614円 |
純資産 | 1271億2800万円 |
信託報酬 | 0.1518% |
トータルリターン | +6.44% |
為替ヘッジ | ✖ |
つみたてNISA | 〇 |
投資対象 | 新興国株式 |
受託機関 | 三菱UFJ信託銀行 |
取り扱い証券会社 | SBI証券 松井証券 マネックス証券 楽天証券 岡三オンライン フィデリティ証券 など |
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【考察】つみたてNISAで元本割れする確率は?確率をゼロに近づける方法を解説!
SBI・新興国株式インデックス・ファンド(雪だるま)
SBI・新興国株式インデックス・ファンド(愛称:雪だるま)は、新NISAのつみたて投資枠で運用できる新興国株式インデックスファンドの中で、唯一の株価指数のFTSEエマージング・インデックスと連動する投資信託です。
ほとんどのインデックスファンドが、MSCIエマージング・マーケット・インデックスに連動しているのでめずらしいよ。
FTSEエマージング・インデックスは、MSCIエマージング・マーケット・インデックスと比較すると、大型&中型企業のみならず、小型企業まで幅広く、投資対象にしている点が異なります。
MSCIが世界の時価総額のうちの約85%をカバーしているのに対して、FTSEは約98%をカバー!
また、MSCIは韓国とポーランドを新興国と分類していますが、FTSEでは、この両国を先進国に分類しているため、対象に入っていません。
新興国株式のうち小さい企業や韓国・ポーランドの企業にもまんべんなく投資していきたいと思う方には、SBI・新興国株式インデックス・ファンドがおすすめです。
項目 | 詳細 |
---|---|
ベンチマーク | FTSEエマージング・インデックス |
基準価格 | 13,501円 |
純資産 | 235億9200万円 |
信託報酬 | 0.176% |
トータルリターン | +7.29% |
為替ヘッジ | ✖ |
つみたてNISA | 〇 |
投資対象 | 新興国株式 |
受託機関 | りそな銀行 |
取り扱い証券会社 | SBI証券 マネックス証券 楽天証券 SMBC日興証券 岡三オンライン など |
楽天・新興国株式インデックス・ファンド
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、新NISAのつみたて投資枠では運用できませんが、とても人気があるファンド。
というのも、ここ数年のリターンが前述した王道の投資信託よりも高く出ているんですよね。
その理由は、連動している指数の違いです。
楽天・新興国株式インデックス・ファンドは、「FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)・インデックス(円換算ベース)」と連動した投資成果を目指しています。
FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)は、FTSEエマージング・インデックスよりもさらに多くの企業(特に小型株)へ投資する指数。
FTSEエマージング・インデックスが約2000社への投資であるのに対し、FTSEエマージング・マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株)は約4500社への投資をしています。
株価指数名 | FTSEエマージング インデックス | FTSEエマージング マーケッツ・オールキャップ(含む中国A株) |
---|---|---|
運用会社 | FTSE社 | FTSE社 |
タイプ | 時価総額加重 | 時価総額加重 |
構成銘柄の国数 | 新興国24カ国以上 | 新興国24カ国以上 |
構成銘柄の企業数 | 2,176社 | 4,590社 |
投資対象の違い | 企業規模の分散が小さい | 企業規模の分散が大きく 小型企業の比率が大きい |
王道系のファンドではないので、純資産額が低めで、信託報酬も低くはありませんが、王道は選びたくないあなたにはおすすめの投資信託です。
項目 | 詳細 |
---|---|
ベンチマーク | FTSEエマージング・マーケッツ・ オールキャップ(含む中国A株) |
基準価格 | 13,227円 |
純資産 | 32億1200万円 |
信託報酬 | 0.212% |
トータルリターン | +7.93% |
為替ヘッジ | ✖ |
つみたてNISA | ✖ |
投資対象 | 新興国株式 |
受託機関 | 三井住友信託銀行 |
取り扱い証券会社 | SBI証券 松井証券 マネックス証券 楽天証券 auカブコム証券 など |
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iFree 新興国株式インデックス
最後のiFree 新興国株式インデックスも、ちょっと変わり種のFTSE RAFI エマージング インデックス(円換算)がベンチマークの投資信託です。
ここ3年のトータルリターンだと、このiFree 新興国株式インデックスがいちばん成果がいいんです…!変わり種なのにw
FTSE RAFI エマージング・インデックスは、株主資本、キャッシュフロー、売上、配当に着目して銘柄選定やウェイト付けが行われているため、投資対象がかなり厳選されています。
株価指数名 | FTSEエマージング インデックス | FTSE RAFI エマージング インデックス |
---|---|---|
運用会社 | FTSE社 | FTSE社 |
タイプ | 時価総額加重 | スマートベータ |
構成銘柄の国数 | 新興国24カ国以上 | 新興国12カ国以上 |
構成銘柄の企業数 | 2,176社 | 397社 |
投資対象の違い | 国の分散が大きい | 国の分散が小さく その分ブラジルの比率が大きい |
めちゃくちゃ厳選されていて、分散投資効果は低いですが、直近のリターンは目を見張るものがあります。
気になる人は、詳しく調べてみてください。
項目 | 詳細 |
---|---|
ベンチマーク | FTSE RAFI エマージング・インデックス |
基準価格 | 18,555円 |
純資産 | 13,096百万円 |
信託報酬 | 0.374% |
トータルリターン | +13.73% |
為替ヘッジ | ✖ |
つみたてNISA | ○ |
投資対象 | 新興国株式 |
受託機関 | 三井住友信託銀行 |
取り扱い証券会社 | SBI証券 マネックス証券 楽天証券 大和証券 など |
新興国株式インデックスは不要ってほんと?
ここでは新興国株式インデックスを4種類ご紹介しました。
ご紹介した4種類のような新興国株式に特化したインデックスファンドを選ぶのもおもしろいですが、前述したように新興国はリスクが高くなりがちです。
自分のポートフォリオ全体のバランスを考えながら購入しないと、気が付いたらリスクの高いポートフォリオになってしまっていた…というのもよく聞く話。
人によっては、あえて新興国株式インデックスファンドを買わなくても、すでにオルカンなどで新興国に投資しているケースもあるので、全体をきちんと見直してから購入するのがよさそうです。
実は「知らぬ間に新興国株式持ってた!」っていう人、多い気がする…。笑
ちゃんと自分の持っている投資信託の中身を整理してから購入しましょう。
まとめ:新興国投資はやめとけ?おすすめしない理由
新興国株式をおすすめしない理由(デメリット)は、以下のとおりです。
ボラティリティが高い(ハイリスク・ハイリターン)
パフォーマンスは米国株に劣る
GDPと株価は必ずしも一緒に伸びない
人口ボーナス期が終わった国も含まれる
信託報酬・手数料が高い
通貨価値の変動リスクが高い
新興国株式そのものの流動性が低い
新興国株式の投資情報が得にくい
ハイリスク・ハイリターンであるのは否めないため、投資初心者にはなかなかおすすめしにくいのが正直なところ。
しかし、これから先の将来の成長性が期待でき、リスクがとれる人なら多少は持っておきたい商品です。
今後10年の予想年率リターンは6~8%?
2050年には世界5大国のうち半分以上を新興国が占める?
今が買い?先進国株式よりも株価が割安
安易に手を付けるとケガをするので、きちんと自分のポートフォリオを整理して、リスクを摂り過ぎないように調整しながら購入するのがおすすめです。
信託報酬が安い銘柄を選ぶ
純資産額が大きい銘柄を選ぶ
保有割合は10~20%程度が目安
50~60代は無理に保有する必要がない
特に全世界株式インデックスファンドをすでにお持ちの方は、気が付かないうちに新興国株式をそれなりに持っている可能性もあります。
自分の資産ポートフォリオを見直しながら、組み入れ比率を検討してみましょう。
それでは今日もまめまめ楽しい一日を。
\NISAが気になる方は、この記事もおすすめ(*´▽`*)/