SOXLって長期保有しても大丈夫?
半導体業界の10年後が気になる…
世界半導体産業は23年Q4から回復し、2024年も好調が続いています。
特に半導体株「エヌビディア」は2023年に239%も急騰し、2024年に入ってもなお上昇を続け、ついには時価総額がグーグルの親会社アルファベットを抜いて1兆8300億ドル(約275兆円)に到達しました。
この半導体ブームを受けて、半導体レバレッジETF「SOXL」に注目が集まっています。
でも、半導体レバレッジETF「SOXL」は本当に長期保有に向いている金融商品なのでしょうか?
そこで今回は、SOXLが長期保有に不向きな理由を徹底解説!
その構成銘柄や注意点、今後の展望を整理してお伝えします。
▼本記事の内容
SOXLって長期保有しても大丈夫?
半導体業界の10年後が気になる…
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
SOXLが長期保有に不向きな理由(デメリット)
結論から言うと、SOXLの長期保有はおすすめできません。
その理由は、以下のとおり。
分散が弱くボラリティが高いから
大暴落・急落のリスクがあるから
経費率・信託報酬が高いから
半導体市場はシリコンサイクルが発生するから
2024年問題が懸念されているから
詳しく整理してみましょう。
分散が弱くボラティリティが高いから
SOXLは、半導体セクターに特化したレバレッジ型ETFで、ICEセミコンダクターズ・インデックスの運用実績の3倍の投資成果を目指しています。
そのため、等倍のETFと比較すると、かなりボラティリティが高い商品であることが知られています。
ボラティリティ=価格変動の度合いを示す言葉
ジェットコースター並みに価格変動が大きいってことね。
例えば、半導体1倍ETF「SOXX」と半導体株ブル3倍ETFの「SOXL」。
比較してみると、こんなに上昇・下落幅が違うのです…。
引用:SOXLDirexionデイリー半導体株ブル3倍ETF|株探
たまたまここ数年は半導体セクターが好調なので、下落幅に比べて上昇幅が高いように見えますが…。
それは目の錯覚かも…笑
いちばん値が高い2021年12月ごろに「これからもっと半導体セクターは盛り上がるぞ」と思って、SOXLを購入した人がいるとしましょう。
1年後、なんとその価値は、6分の1まで激減しています。
1000万円がなんと160万円に…。ものすごく心臓が強くないと持ち続けるのは困難です。
もちろん、そのまま持ち続けた人は、そこからまた半値の500万円ぐらいまで持ち直していますが、そこまでに1年以上かかっています。
SOXLが長期保有に不向きなのは、このボラティリティの高さ。
特に長期保有を考えている投資家にとっては、この高いボラティリティが大きなリスクとなり得ます。
放置している間に、ほぼ0円まで価値が下がってしまった…なんてこともなきにしもあらず…とにかく SOXLは市場の微細な変動が大きな価格変動を引き起こすため、予期せぬ損失に繋がり、目が離せないのです。
大暴落・急落のリスクがあるから
SOXLのようなレバレッジETFは、市場が急激に動いた場合、その影響を大きく受けます。
特に半導体セクターは、技術の進化が早く、市場の需要も変動が激しいため、大暴落や急落のリスクが常に存在します。
例えば、世界的な半導体の供給不足や、特定の技術の陳腐化などが原因で、SOXLの価格が急落する可能性があります。
長期保有を目指す投資家にとっては、こうした突然の市場の変動により、投資資金が大きく減少するリスクを常に抱えることになります。
「SOXL」がコワいのは、ブル3倍ETFだからといって、1倍ETF×3のリスクでは収まらないということです。
さっきと同じように、半導体1倍ETF「SOXX」と半導体株ブル3倍ETFの「SOXL」で比較してみましょう。
例えば、ヨコヨコした相場だった2022年。
半導体指数連動SOXXの1年リターンは、約30%のマイナスでした。
同じ期間に3倍レバSOXLの1年リターンは、約125%のマイナスです。
引用:SOXLDirexionデイリー半導体株ブル3倍ETF|株探
約30%×3=90%かなと思いきや…それよりも減少割合はかなり大きくなります。
レバレッジが効いた金融商品は、相場の上昇と下落を繰り返すことで、どんどん下がっていってしまいます。
そのため、単純に3倍下げるわけではありません。
レバレッジ型の商品がコワい理由は、下落相場の場合はより下落しやすく、上昇相場の場合はより上昇しやすくなるところ。
だから、かなり心臓が強くないとSOXLを長期保有するのはムリだと思います…わたしはちょっとヤだな…笑
経費率・信託報酬が高いから
SOXLはレバレッジ型ETFとして、半導体セクターに特化した投資を提供していますが、その経費率や信託報酬は他の一般的なETFに比べて高めに設定されています。
経費率 | |
---|---|
SOXX | 0.35% |
SOXL | 0.72% |
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXX:US
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXL:US
具体的には、SOXLの経費率は約0.72%となっており、これは投資額に対して年間で約0.72%のコストがかかることを意味します。
そもそも経費率とは、ETFの運営のためにかかるお金(経費)のこと。
金融商品の運用は無料ではできません。
そして、わたしたちはこの経費をETFを持ち続ける限り、毎日支払っています。
例えば、まとめて100万円を買った場合、SOXXは3500円/年がかかり、SOXLは7200円/年がかかります。
SOXX 100万円×0.35%=3,500円
SOXL 100万円×0.72%=7,200円
投資金額が1000万円だとすると、経費や信託報酬は小さな額ではありません。
SOXX 1000万円×0.35%=35,000円
SOXL 1000万円×0.72%=72,000円
1年しかSOXLを持たないならまぁいいのだけど、長期で保有するつもりならこの経費率は複利効果を通じてリターンを圧縮する要因になります…。
半導体市場はシリコンサイクルが発生するから
SOXLは、そもそも半導体セクターのETFです。
半導体市場はシリコンサイクルと呼ばれる、約4年周期での景気循環がみられます。
引用:半導体市場とは 好況と不況、3~4年周期で繰り返す|日本経済新聞
シリコンサイクル
=半導体業界の構造的な景気変動サイクル
=約4年の周期で好況と不況を繰り返す
なんで半導体だけが、独自のサイクルがあるの?
それは半導体が技術革新の世代入れ替えや設備投資のタイミングで必要になるからだよ。
好景気時には半導体の需要が増加し、市場は活況を呈しますが、逆に経済が不景気に陥ると、その影響をダイレクトに受けることになります。
半導体は多くの産業で基礎的な部品として使用されているため、経済全体の動向がこのセクターのパフォーマンスに直結します。
したがって、長期保有を考える場合、経済全体のサイクルを見極めることが重要となり、不景気時には価格が大きく下落するリスクを常に考慮する必要があります。
2024年問題が懸念されているから
2020年頃から続いている世界の半導体不足。
2024年に解消すると言われています。
そもそも半導体不足の原因は、ひとつではありません。
米中経済摩擦の影響で、中国製の半導体利用が減少したから
コロナの影響で、工場閉鎖等で供給が減少したから
コロナの影響で、リモートワークが増加し、半導体製品の需要が増えたから
ウクライナ戦争によって、半導体に利用する部品の調達が困難になったから など
しかし、米中経済摩擦やコロナの影響も落ち着き、少しずつ半導体市場は落ち着きを見せています。
その落ち着きがそろそろ来るのでは…いわれています。
これまでの半導体市場の盛り上がりが大きかったこともあり、急激に冷え込むことも懸念され、半導体ETFの行く先が心配されているのです。
もちろん、ますます半導体市場が盛り上がりを見せる、これからますます盛り上がりを見せるという予想を発表する専門家も少なくありません。
電子機器の売上高は、2023年第3四半期の前四半期比7%増からさらに成長し、2023年第4四半期には同22%増になる見込みだ。ICの売上高は、こうした最終製品需要の改善および在庫の正常化に伴い、2023年第3四半期の同7%増に続き、2023年第4四半期は同4%増となることが予測されるという
結局、未来のことはだれにもわからないし、半導体市場は、さらに予測が難しい…。
SOXLの長期保有はかなり勇気がいるのは確かなようです。
とはいえ、やっぱり人気のSOXL。長期保有するかどうかは別として、お楽しみ銘柄の一つとしては要チェック。ここからは、基本を整理してみましょう。
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SOXLとは
SOXLの正式名称は、Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF(Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares)と言います。
SOXL
=Direxionデイリー半導体株ブル3倍ETF
=Direxion Daily Semiconductor Bull 3X Shares
=半導体セクターに焦点を当てたレバレッジ型の上場投資信託(ETF)
特徴を詳しく見てみましょう。
レバレッジ型のETFである
ICE半導体指数に連動している
年率パターンが高い
配当金よりも値上がり益重視である
レバレッジ型のETFである
SOXLは半導体セクターに焦点を当てたレバレッジ型の上場投資信託(ETF)で、基準となる指数の日々のパフォーマンスを3倍にすることを目指している金融商品です。
長期保有に向かない理由が、この少々攻撃性の高い「レバレッジ型」という点でしたね。
レバレッジ型ETFは、借入れや金融派生商品を使用して、基準となる指数のリターンを増幅させることを目的としています。
特にSOXLは、その日の半導体指数のパフォーマンスを3倍にすることを目指す、かなりリスクテイカーが好きそうな商品。
SOXLって、2倍じゃ満足しない、少々ギャンブル好きな人に人気がありそうな商品だよね…w
レバレッジ型ETFは、市場の上昇時には投資家に大きな利益をもたらす可能性がありますが、市場が予想と反対に動いた場合、損失は3倍を超えてどんどん大きくなってしまうので、投資家はこの点を十分に理解し、慎重に投資を行う必要があります。
「3倍レバ」ときいて、3倍ならいいか…と思っている人は要注意。実際は、ヨコヨコした相場の場合、3倍どころじゃありませんよ。
ICE半導体指数に連動している
2024年現在、SOXLは「ICE半導体指数」をベンチマーク指数としています。
「2024年現在」とわざわざ言うのには理由があって…実は2021年8月25日にベンチマーク指数が変更になりました。
この二つの指数はどちらもアメリカ市場に上場している会社から選ばれる30銘柄であるという点は一緒です。
SOX指数(旧ベンチマーク指数)
=アメリカの時価総額上位30の半導体企業のパフォーマンスに連動する指数
ICE半導体指数(現ベンチマーク指数)
=アメリカの浮動株調整時価総額上位30の半導体企業のパフォーマンスに連動する指数
いちばん大きな違いは、ICE半導体指数は浮動株調整後の時価総額でランキングされていること。
浮動株=市場で投資家に取引されている株のこと
固定株=創業者や役員が持っている株のこと
固定株が入っていないので、より「市場の投資家が取引されている株」を細かく見ていることになります。
より現実的な株式市場を反映している数字をベンチマークするようになったと言えそう…!
詳しく違いを見てみると、以下のとおり。
SOX指数 | ICE半導体指数 | |
---|---|---|
計算方法 | 時価総額加重平均型 | 時価総額加重平均型 |
計算開始 | 1993年12月1日 | 2021年4月13日 |
浮動株調整 | なし | あり (浮動株比率は最低5%) |
対象銘柄数 | 30銘柄 | 30銘柄 |
対象時価総額 | 1億ドル以上 | 1億ドル以上 |
組み換えタイミング | 年に1回(9月) | 年に1回(9月) |
リバランスタイミング | 年に4回(3、6、9、12月) | 年に3回(3、6、12月) |
年率パターンが高い
SOXLは、そのレバレッジ効果により、市場の動きを3倍に増幅することを目的としています。これにより、市場が好調な時には、他の非レバレッジETFや株式に比べて高い年率のリターンを実現する可能性があります。
実際にコロナ以降の2020~2021年は爆上げしました。
2022年に爆下げを経験したものの、直近5年のパフォーマンスは、340%増となり、1倍のSOXXよりも好成績を納めています。
引用:Googleファイナンス
この高い年率パターンは、市場の下落時にも同様に3倍の損失をもたらす可能性があるため、高リスク・高リターンの投資が好きな投資家には人気がありますが、長期保有でほったらかしたい安定志向の投資家には不向きです。
あくまで自分のリスク許容度に合わせて所有しましょう。長期保有を考えている場合、市場の波に乗る戦略だけでなく、下落リスクに対する備えも重要だよ。
配当金よりも値上がり益重視である
SOXLは、配当金の支払いを目的とした投資商品ではありません。
半導体等倍ETFのSOXXと配当金利回りと直近配当額を比較しても、以下のとおり。
SOXL | SOXX | |
---|---|---|
配当金利回り | 0.66% | 0.72% |
直近配当額 | 0.06318 | 1.123282 |
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXL:US
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXX:US
もちろん、SOXXだって高配当ETFじゃないので、本当に配当金が欲しい人用のETFではありません。
SOXLのうまみは、あくまで値上がり益。それも、あくまでマイナスになることも覚悟した上での短期に限ります。
SOXL | SOXX | |
---|---|---|
3ヶ月トータルリターン | 73.18% | 23.10% |
3年トータルリターン | -4.58% | 13.91% |
5年トータルリターン | 36.47% | 29.30% |
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXL:US
https://www.bloomberg.co.jp/quote/SOXX:US
レバレッジETFは、基本的に短期間での価格変動を利用して利益を得ることを目指しているので、高いリスクを負うことを覚悟した投資家のみ持つことができる商品です。
リスクをとる覚悟がある人だけ、買いましょう。
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SOXLのメリット
これまでお話したように、SOXLの長期保有はデメリットも多いです。
でも長期保有にこだわらなければ、特定の戦略を持つ投資家にとって多くのメリットがあることも忘れてはいけません。
短期投資でも利益が狙える
少額から投資ができる
高いリターンが見込める
一つずつ見ていきましょう。
短期投資でも利益が狙える
SOXLは、ICE半導体指数の日々のリターンを3倍にすることを目的としています。
このレバレッジ効果により、市場の小さな上昇でも大きな利益を生み出す可能性があります。
特に、半導体セクターが好調な時期や、特定のイベントが半導体セクターにポジティブな影響を与えることが予想できる場合は、短期間で大きな利益を得られる可能性があります。
短期決戦でチャレンジしたい投資家にとっては、とても魅力的です。
少額から投資ができる
SOXLはETFなので少額からでも投資をはじめることができます。
また、レバレッジETFは、通常の株式投資と比較して少ない資本で高いリターンを目指すことが可能という点からも、大きな初期投資を必要としない点が大きなメリットです。
いろんな投資家が市場に参入しやすくなり、特に投資経験が少ない方や、投資資金が限られている方にとっても、投資の機会が広がります。
高いリターンが見込める
SOXLの最大の魅力は、なんといっても半導体セクターの成長によって高いリターンを得る可能性がある点です。
半導体セクターが絶好調な時は、こんなに期待しやすいETFはないよね…
半導体業界は、技術の進歩が早く、新しいアプリケーションの開発によって市場の需要が拡大しています。
このセクターの成長が続く限り、SOXLはその動きを3倍に増幅して反映するため、投資家は大きな利益を得るチャンスがあります。
ただし、高いリターンを目指すことは同時に高いリスクを伴うため、投資判断には慎重な分析とリスク管理が必要です。
SOXLは、投資上級者向きと言えそう!
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SOXLの構成銘柄
SOXLは、半導体セクターの成長を反映するために、業界をリードするいくつかの重要な企業の株式を含んでいます。
これらの企業は、技術革新と市場の需要拡大により、セクター全体のパフォーマンスに大きな影響を与えています。
ここでは一部の有名企業を紹介してみるよ!
Texas Instruments (テキサス インスツルメンツ)
テキサス インスツルメンツは、アナログICやプロセッサなど、幅広い半導体製品を提供する世界的な企業です。
その製品は、自動車、産業、個人電子機器など、多岐にわたる分野で使用されています。
テキサス インスツルメンツの強固な市場地位と持続的なイノベーションは、SOXLのパフォーマンスに寄与しています。
Intel (インテル)
インテルは、パーソナルコンピューターおよびデータセンター用のプロセッサの主要な供給元として知られています。
同社は、コンピューティング技術の進化において中心的な役割を果たしており、その技術革新はSOXLにとって重要な価値を持ちます。
Broadcom Limited (ブロードコム)
ブロードコムは、通信、データセンター、ソフトウェア、ストレージなどの分野で幅広い半導体ソリューションを提供するリーディングカンパニーです。
同社の製品は、世界中のデジタルインフラの基盤を支えており、SOXLの多様性と成長ポテンシャルを高めています。
Qualcomm (クアルコム)
クアルコムは、モバイル通信技術の開発において先駆的な役割を果たしています。
特に、スマートフォン用チップセットや5G通信技術の分野でのリーダーシップは、SOXLのテクノロジー革新の側面を強化しています。
Nvidia (エヌビディア)
エヌビディアは、グラフィックスプロセッシングユニット(GPU)の開発で最もよく知られていますが、その技術はゲーミングから人工知能、データセンターまで、さまざまな分野で応用されています。
エヌビディアの革新的な製品と市場での地位は、SOXLにとって大きな成長ドライバーとなっています。
エヌビディアは、2023年大活躍した銘柄でした!2024年以降も期待大?!今後に期待できるかどうかを予想するため、これまでの歴史も整理してみましょう。
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これまでのSOXLの価格動向とチャート
SOXLは3倍レバレッジ型のため、市場環境にとても敏感に反応します。
引用:Googleファイナンス
SOXLが影響を受けた、過去数年間の重要なイベントを追ってみましょう。
5G通信技術の発展で半導体に関心が高まる
近年、半導体技術は自動車からスマートフォン、データセンター、そして最先端のAI技術に至るまで、あらゆるデジタルデバイスの核となっています。
技術革新の裏には、必ず半導体がいます…。
技術の普及と進化に伴い、半導体セクターへの関心が高まり、ここ数年はSOXLの価格も上昇傾向にありました。
特に、5G通信技術の展開やIoTデバイスの増加は、半導体の需要をさらに押し上げる要因となっています。
PCやスマホはもう世界中に供給しきったので、半導体はもう下火なんじゃ…とたまに言われるけど、さらに新しい分野で半導体のニーズは高まっているので、そうとも言い切れないですよね…。
コロナ禍による急落
2020年初頭、世界的なコロナウイルスの流行は、多くの市場に混乱をもたらしました。
半導体セクターも例外ではなく、供給チェーンの中断や生産の遅延により、短期的にはSOXLの価格が急落しました。
しかし、リモートワークやオンライン教育の需要増加により、パソコンや通信機器への需要が高まり、その後に急激に回復。
半導体バブル?!のような現象がおき、とても注目されました。
米金利上昇による下落
2021年に入ると、経済の回復期待とインフレ懸念から米国の金利が上昇しました。
高金利環境は、成長株やリスク資産の魅力を低下させるため、SOXLを含むテクノロジー関連の投資商品には否定的な影響を及ぼしました。
金利の上昇は、投資家がリスクを再評価し、一時的に価格が下落する要因となりました。
爆益後の爆下げ…ここで大きく損をした投資家も多かったと言います…ジェットコースターだね、ほんと。長期保有するつもりで買っちゃった人は、大変です…
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SOXLの値動きの特徴と将来を予想する際のポイント
SOXLの値動きを予想するのは、カンタンなことではありません。
半導体って本当にわかんない…
でも、最低限の価格動向を理解すれば、人によっては見えてくる将来もあるのかもしれません。
米国市場の景気との関係
半導体分野の活発化
地政学的リスクへの弱さ
ここからは半導体セクターの重要なポイントを整理してみましょう。
米国市場の景気との関係
SOXLの価格は、米国経済全体の健全性と密接に関連しています。
米国のGDP成長率、失業率、消費者信頼感指数などの経済指標は、半導体セクターの需要を左右し、SOXLのパフォーマンスに影響を与えます。
特に、技術革新が経済成長の重要なドライバーとなっている現在、米国市場の景気はSOXLの将来の値動きを予想する上で重要な要素です。
アメリカの大企業の中でも今後の技術革新に多大な影響を与えると期待されている、マグニフィセントセブン。
マグニフィセントセブン+αで構成される「FANG+」と比較してみると、その推移は比例しているのがわかります。
引用:Googleファイナンス
もちろん「FANG+」はレバレッジ商品ではないので緩やかだけど…上昇・下落のタイミングは似てますね…
半導体分野の活発化
半導体技術の進歩と新しいアプリケーションの開発は、SOXLの価格に大きな影響を与えます。
5G通信、人工知能、自動運転車、IoTデバイスなど、新しい技術の普及は半導体の需要を増加させ、SOXLに投資する機会を提供します。
半導体セクターの活発化は、SOXLの価格上昇の可能性を示唆しており、業界のイノベーションと市場の動向を注視することが重要です。
イノベーションの波をとらえることができる投資家は、SOXLの波もとらえることができるのかもしれません。
地政学的リスクへの弱さ
半導体産業は、グローバルな供給チェーンに依存しており、地政学的なリスクに弱い面があります。
米中貿易戦争やその他の国際的な紛争は、半導体の供給網に影響を与え、SOXLの価格にボラティリティをもたらす可能性があります。
また、特定の国や地域での政治的不安定や規制の変更も、半導体セクターに影響を及ぼし得ます。
したがって、地政学的リスクの動向を理解し、それがSOXLの将来の価格に与える影響を考慮することが、投資戦略を立てる上で不可欠です。
ロシアのウクライナ侵攻で、世界の半導体製造は大きな打撃を受けました。今後も半導体セクター銘柄は、地政学的リスクに弱い可能性が高いです。
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SOXLの10年後はどうなるの?今後の見通し
…で、SOXLの10年後はどうなるの?
いやぁ…それはわかんない。笑 でも、一般的にはこんなことが言われているよ。
今後も激しいボラティリティは否めない
米国金利の影響は大きい
半導体需要増加の影響は大きい
一つずつ見ていきましょう。
今後も激しいボラティリティは否めない
SOXLはレバレッジETFであり、その性質上、市場の変動によって価格が激しく変動することが予想されます。
半導体業界は技術革新が非常に速く、新しい技術や製品が市場に登場するたびに、セクター全体の価値が大きく変わる可能性があります。
このため、SOXLの価格も短期間で大きく上下することが予想され、投資家は高いリスクを覚悟する必要があります。
長期保有のつもりでSOXLを買うのはあまり適さない時代がまだまだ続きそうです。
米国金利の影響は大きい
金利は投資の世界において重要な要素であり、特にレバレッジを利用した投資商品に大きな影響を与えます。
米国の金利が上昇すると、リスク資産への投資の魅力が低下し、SOXLのような商品の価格にも影響を及ぼす可能性があります。
逆に、金利が低下すると、リスク資産への投資が促進され、SOXLの価格上昇に寄与するかもしれません。
2024年のどのタイミングで、米国金利の変動が起こるのか…そのタイミングの影響を受ける可能性は高いです。
半導体需要増加の影響は大きい
半導体の需要は、AI、機械学習、電気自動車、IoTデバイスなど、新しい技術の発展に伴い、今後も増加すると予想されます。
これらの技術が社会に広く普及するにつれて、半導体セクターはさらに成長し、SOXLの価値を高める可能性があります。
特に、エネルギー効率の高い半導体や、新しい通信技術に対応したチップの需要は、今後数年間で大きく増加すると見られています。
新しい技術革新が起こる5秒前を私たちは生きているのかも?半導体セクターの動向もそうですが、世界の技術革新もとても楽しみです。
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SOXLに投資をする方法
SOXLに投資したい!どんな方法があるの?
実はSOXLへの投資方法はひとつじゃないよ。一つずつ整理していきましょう。
現物取引
CFD取引
SOXLはNISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)で買える?
現物取引
現物取引は、SOXLの株式を直接購入し、所有する最も基本的な方法です。
証券口座を通じて、市場価格でSOXLを購入し、価格の上昇を期待して保有する方法です。
この方法は、投資の基本を学びたい初心者や、長期的な視点でセクターの成長に賭けたい投資家に適しています。
CFD取引
CFD(差金決済取引)は、SOXLの価格変動を利用して利益を目指す方法です。
実際にETFを所有するのではなく、価格の上昇または下降に賭けることができます。
レバレッジを利用することも可能で、少ない資本で大きな取引ができる反面、リスクも高まります。
短期的な価格変動を利用したい経験豊富なトレーダーに適しています。
SOXLはNISA・iDeCo(個人型確定拠出年金)で買える?
日本におけるNISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)を利用してSOXLに投資することはできません。
NISA(少額投資非課税制度)やiDeCo(個人型確定拠出年金)は、基本的に長期保有を目的とした制度です。
そのため、SOXLなどのレバレッジの効いた商品は目的対象外!残念だけど、非課税枠ではなく、通常の特定口座で取引することになるよ。
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SOXLの取引におすすめのネット証券
SOXLの購入は、ユーザーフレンドリーなプラットフォームと充実した投資情報を提供してくれるネット証券を使うのがおすすめです。
SBI証券
マネックス証券
IG証券
楽天証券
SBI証券
SBI証券は、日本最大級のネット証券会社の一つで、幅広い金融商品の取り扱いと高度な取引ツールを提供しています。
SOXLを含む多くの海外ETFの取引が可能で、初心者から上級者まで幅広い投資家に対応しています。
マネックス証券
マネックス証券は、充実した海外市場の情報と分析ツールを提供し、海外ETFの取引に強みを持っています。
SOXLのようなレバレッジETFに関心がある投資家にとって、有用なリサーチ情報や投資支援ツールが魅力です。
IG証券
IG証券は、CFD取引に特化した証券会社で、幅広い金融商品のレバレッジ取引を提供しています。
SOXLの価格変動を利用したい投資家にとって、柔軟な取引戦略を実行できるプラットフォームです。
楽天証券
楽天証券は、使いやすい取引プラットフォームと競争力のある手数料で知られています。
SOXLをはじめとする海外ETFの取引に対応しており、投資情報やツールも充実しています。
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まとめ:SOXLが長期保有に不向きな理由7選!10年後はどうなるの?
SOXLは、半導体セクターの動向に敏感に反応するレバレッジETFです。
その特性上、短期的な投資には適していますが、以下の理由から長期保有には不向きとされています。
高いボラティリティ: レバレッジ効果で、大きな価格変動を引き起こす
レバレッジの再調整: レバレッジ再調整は、長期的な成果に悪影響を及ぼすことも
経費率の影響: 高い経費率は、長期保有時のリターンを圧縮
市場の変動性: 半導体セクターは技術革新や経済状況の変化により、大きな変動があり
地政学的リスク: 供給チェーンの問題や政治的な緊張が価格に影響を及ぼすことも
景気循環の影響: 経済全体の景気循環が半導体セクターのパフォーマンスに大きく影響
技術の進化: 新しい技術や製品が既存のものを迅速に置き換える可能性
将来的にSOXL(半導体セクター)がどんな成長を遂げるのか、それは誰にもわかりません。
しかし、10年後の見通しを考える上で外せないのが、AI、5G、IoT、自動運転車などの技術革新です。
技術の発展が、半導体の需要を増加させることが期待されています。
その一方で、レバレッジETFの性質上、SOXLは高いリスクとボラティリティを伴います。
単純に右肩上がりでの発展は考えにくいため、長期保有に向かないのは事実ですが、それでもSOXLが好きな人は、常に市場を観察しながら、用心深く、今後の動向を見守っていく必要があります。
SOXLへの投資は、市場の深い理解と、半導体セクターの将来の動向に対する洞察が必要です。
投資家は、定期的な市場分析と最新の業界情報に基づいて、柔軟な投資戦略を立てるのがおすすめです。
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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