返済中の人
今すぐ奨学金を繰り上げ返済したほうがいい?
奨学金を一括返済するデメリットはあるの?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・奨学金を一括返済するデメリット
・筆者が奨学金を一括返済・繰り上げ返済しないと決めた理由
・奨学金を一括返済・繰り上げ返済したほうがいい人
今や、学生の3人に1人は借りていると言われている奨学金。
労働者福祉中央協議会の調査(※1)によると、学生時代に奨学金を利用していたと答えた人は、約35%にも上ります。
実はわたしも学生時代に奨学金を借り、大学に行くことができた学生のひとり。
当時は、奨学金という「借金」を抱えてしまったことを不安に思い、とにかく早く繰上げ返済や一括返済をしようと、せっせとアルバイトをしていました。
でも、途中で気がつくんです。「あれ、一括返済しなくてよくない?」と。
結論から言うと、私は奨学金の一括返済や繰り上げ返済を、一切しないことに決めました。
今回は、そんなわたしの経験談と、わたしが思う奨学金を一括返済するデメリットをまとめました。
奨学金を繰り上げ返済しようとしている方の参考になれば、うれしいです。
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
経験談:わたしのリアルな奨学金借入額と返済状況
奨学金とは、高等学校以上の学生を対象に学費用に貸与されるお金のこと。
財源は国費で、奨学金が受けられるかどうかは、毎年一定の基準で選考されます。
奨学金が借りられることが決まったら、手続きをして、毎月分割でコツコツ返済。
学業終了後20年以内に返済することが、借りた人の義務になっています。
奨学金
=高等学校以上の学生を対象に学費用に貸与されるお金のこと
=返還義務がある「貸与奨学金」と返還義務がない「給付奨学金」があり、また
「貸与奨学金」には利子がつかない「第一種奨学金」と利子の付く「第二種奨学金」がある。
奨学金制度を運用しているのは、独立行政法人「日本学生支援機構」です。わたしが大学生のころは、「日本育英会」という団体名でした。
当時は、奨学金を借りると「奨学金手帳」という手帳がもらえます。
奨学金手帳の中には、日本育英会法の第1条が…!
第1条
日本育英会は、優れた学生及び生徒であって経済的理由により修学に困難があるものに対し、学費の貸与等を行うことにより、国家及び社会に有為な人材の育成に資するとともに教育の機会均等に寄与することを目的とする
わたしは貧乏だったので、奨学金制度がなければ大学に通うことができませんでした。ほんと、感謝しかありません!
わたしが借りた奨学金借入額を公開!
わたしが借りたのは、貸与型奨学金。
「貸与型」の中で「第一種奨学金」と呼ばれる、「無利子」の奨学金です。
こちらが借りた時にもらった「第一種奨学生手帳」です。
奨学金手帳を手に入れたとき、よかった!借りられた!という安心と同時に、かなり不安にもなりました…。
うわぁ…とうとうわたし、借金してしまった。コワイコワイコワイ…どうしよう…本当に大丈夫なのだろうか。社会人になったとたんに返済義務を負うのってプレッシャーエグい…(´;ω;`)
…そう思いながらも、とにかく必死にアルバイトをしてお金を稼ぐしかありません。
結果的に、大学在学中に奨学金を全額返せるぐらいの貯金を作ることができました。
(プレッシャーを感じたのがかえって良かったのかもしれません。笑)
わたしのリアルな返済状況は?
奨学金手帳には、いくら借りて、いくらずつ返すなど、奨学金を借りた条件の詳細が書かれています。
当時、もらった「第一種奨学生手帳」の中に書かれている内容をご紹介すると、以下のとおり。
貸与見込み額:1,470,000円
返還回数:156回
割賦月額:9,423円
年利:(空欄)
途中まで、わたしは学生の間に全額一括返済する予定で、アルバイトにいそしんでいました。
ちょっぱやで1,470,000円稼いでやる!!貧乏をなめんなよww …みたいな感じでした。笑
しかし、…それはやめました。
早く一括返済することに大きな意味がないこと、そして逆にデメリット(=機会損失)があることに気がついたからです。
結局、一括返済はもちろん、1円も繰り上げ返済はせずに、ひたすら毎月継続返済して、約13年間(156月分)を30代中盤まで返済し続けました。
コツコツは得意です!無事に払い終わってよかった!(´▽`)
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奨学金には2種類がある
わたしの場合は、「貸与型」&「無利子」の奨学金を借りていましたが、奨学金には大きく分けると、2種類があります。
給付奨学金
貸与奨学金
一つずつ見ていきましょう。
給付奨学金
給付奨学金は、返済がいらない奨学金です。
返済がいらない奨学金は、学力基準と収入基準、そして資産基準を満たす学生が応募できます。
学力はもちろん、経済状況についても一定の基準があり、受給の条件は厳しくなります。
【学力基準 ※一部抜粋】
・全履修科目の評定平均値が、5段階評価で3.5以上であること
・.将来、社会で自立し、及び活躍する目標をもって、進学しようとする大学等における学修意欲を有すること
【収入基準 ※一部抜粋】
・第1区分
あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円未満であること
・第2区分
あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が100円以上25,600円未満であること
・第3区分
あなたと生計維持者の支給額算定基準額の合計が25,600円以上51,300円未満であること
生計維持者とは、その家計の世帯主さんのことです。
ご両親とか…ご親戚とかが普通です。
奨学金制度は、毎年少しずつルールが変わっているので、申し込みをする前に必ず独立行政法人日本学生支援機構のホームページを確認してね。
貸与奨学金
貸与奨学金は、返済が必要な奨学金です。
返済が必要な奨学金は、利子の付かない「第一種奨学金」と、利子の付く「第二種奨学金」があります。
こちらも学力はもちろん、経済状況についても一定の基準があります。
ただし、経済状況については給付奨学金と比べると受給の条件はゆるくなります。
生活が困窮するほどの超貧乏でなくても、貸してもらえるんです。
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奨学金の返還利率には2種類がある
「第二種奨学金」を借りる場合は、利息が発生します。
利息は入学年度や個人によって、若干ちがうよ。みんな同額というわけではありません。
また、平成19年4月以降は、「利率固定方式」と「利率見直し方式」の2種類から、自分で利率を選ぶことができるようになりました。
利率固定方式
利率見直し方式
一つずつ見ていきましょう。
利率固定方式
利率固定方式は、借りた時から返還完了まで、利率が固定する方式です。
いわゆる市場金利の固定金利みたいなものです。
利率固定方式
=貸与終了時に決定した利率が、返還完了まで適用
=市場金利が変動しても変わらない
独立行政法人日本学生支援機構のホームページによると、以下のように説明されていました。
貸与終了時に決定した利率が、返還完了まで適用されます。
将来、市場金利が変動した場合も、利率は変わりません。
ずっと変わらないので、今金利が低ければ、利率固定がいちばんお得!
利率見直し方式
利率見直し方式は、5年ごとに利率が見直され、利率が変動する方式です。
利率見直し方式
=貸与終了時に決定した利率を、5年ごとに見直し
=市場金利が変動すると変わる
独立行政法人日本学生支援機構のホームページによると、以下のとおり。
貸与終了時に決定した利率を、おおむね5年ごとに見直します。将来、市場金利が変動した場合は、それに伴い利率も変わります。(将来、市場金利が上昇(下降)した場合は、貸与終了時の利率より高い(低い)利率が適用されます。)
利率固定方式と利率見直し方式、利率はどっちがいいの?
こればっかりは、時期によります。
令和3年度の4月の貸与利率(年利%)は、以下のとおり。
基本月額
利率固定方式:0.268%
利率見直し方式:0.003%
増額部分
利率固定方式:0.468%
利率見直し方式:0.203%
今は、利率見直し方式のほうがお得です。(現状は0.2~0.4%程度)
どちらの方式を選んでも、利率の上限は年利3%という決まりがあります。
今後3%に近くなっていくことがあれば、繰り上げ返済を検討する意味があるかもしれませんが、大きな金額ではないことは念頭に置いておく必要があります。
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【シミュレーション】奨学金の利子を計算してみよう!
たいした額じゃないって言っても、「利子」って聞くだけで、ちょっとコワい…
そういう場合は、奨学金の利子を具体的な数字でシミュレーションしてみるのが大事だよ。
ここからは、自分の奨学金の利子を具体的にイメージしてみましょう。
自分の奨学金借入額を確認する方法
今奨学金を借りている人は、簡単に自分の奨学金借入状況を確認する方法があります。
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自分の奨学金の利子を計算する方法
自分の奨学金の利子を計算してみましょう。
計算式は、以下のとおり。
貸与総額÷返済回数=1か月の返済必要額
1か月の返済必要額×12か月=1年の返済必要額
1年の返済必要額×年利率=1年の返済利子額
ここでは私の実際の借り入れ額で計算してみます。
【利率見直し方式を選んだ場合:0.203%】
1,470,000円÷156回=9,423円
9,423円×12か月=113,077円
113,077円×0.203%=230円
おおおお。やすぅ…笑
【最大利子3%の場合】
1,470,000円÷156回=9,423円
9,423円×12か月=113,077円
113,077円×最大利子3%=3,392円
いちばん高いパターンでも3,392円/年なので、とても良心的です。
本当に奨学金制度ってありがたい制度だよね。
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奨学金を一括返済するデメリット
奨学金を一括返済するデメリットは、大きく分けると3つあります。
手元の現金が減り、自己投資や成長のチャンスを逃す
奨学金の利子は安く、金銭的なメリットが小さい
無理な返済で生活に困り、消費者ローンを組む人も
一つずつ見ていきましょう。
手元の現金が減り、自己投資や成長のチャンスを逃す
奨学金を一括返済するいちばん大きなデメリットは、手元の現金が減り、自己投資や成長のチャンスを逃すことです。
わたしはこれが怖くて、奨学金の一括返済をやめました。
あたりまえですが、お金は有限で、使ってしまうとなくなります。
お金だけが重要なわけではありませんが、お金があればわたしたちはたくさんのことを実現することができます。
特に若い時は、将来のためにどんどん自己投資をする時期です。
・留学資金
・旅行資金
・資格取得のための資金
・専門学校に通う資金
・趣味を極めるための資金
・投資を勉強するための資金 など
20代で必死に貯めた預貯金を大事な投資資金を奨学金の返済に充ててしまったら、もったいないと言わざるをえません…。
私たちの人生はたった1度しかありません。
今後の人生をより豊かにするためにも、お金は計画的に使いましょう。
わたしは、奨学金の繰り上げ返済はせず、バックパッカーとして海外一人旅を経験したり、カナダ留学や、韓国で仕事をするために語学学校に通うなど、20代でたくさんの経験をしました。
この経験が、今のわたしを作っています!
奨学金の利子は安く、金銭的なメリットが小さい
奨学金を一括返済するもうひとつのデメリットは、奨学金の利子は安く、金銭的なメリットが小さいことです。
奨学金制度は、学生の負担を極限まで減らした素晴らしい制度です。
その利子は年間数百円。最大値まで利率が上がったとしても数千円です。
友達とごはんを食べに行くのを、年に1回がまんするだけで、支払い完了できるレベルです。
繰り上げ返済をすれば、もちろん支払期間を短縮し、利子の支払いを減らすことができますが、そのメリットは正直そこまで大きくありません。
さらに、ここ数年の市場金利はかなり低く、お金を借りることのデメリットが極限まで抑えられている時代です。
せっかく超低金利時代を生きているのに、数百円・数千円の利子分を得するためだけに、自分のお金を手放してしまうのは、本当にもったいないことです。
借金すること自体がストレスになる人は別として…本当に繰り上げ返済をする意味があんまりなくなってきているの。
無理な返済で生活に困り、消費者ローンを組む人も
奨学金を一括返済する最後のデメリットは、無理して返済することで、人生が一気にハードモードに切り替わってしまうことです。
これは怖いよ…。
そもそも奨学金を借りている時点で、その人は中流家庭以下のはず。
自分の力で生活を豊かにしたいと思って、とにかく奨学金を返済しなければ!と思ってしまうこともあるでしょう。
わたしがそうでした…
でも、ここで無理して奨学金を返済すると、人生のアクシデントに対応することができなくなります。
よくあるのは、病気になってしまったとか…
子どもができて、急に結婚することになったとか…
家庭が困窮してしまい、自分も家計を支える必要がでてきてしまったとか…。
そんな人生のアクシデント時に、現金を持ち合わせていないとどうなるでしょう。
頼れる人がいればまだよいのですが、解決方法が一切なく、高金利の消費者ローンやカードローンを組んでしまう人がいます。
奨学金なら金利はどんなに高くても、3%まで。
しかし、消費者ローンやカードローンは違います。
元本の金額が10万円未満のときの上限金利 → 年20%
利息制限法によって、貸付の上限利息は年20%まで。
これ以上は刑事罰の対象になりますが、逆に言えば3%を優に超えた金利を設定することができるのです。
貸金業者は、利息制限法に基づき貸付け額に応じて15%~20%の上限金利で貸付けを行わなければならず、利息制限法の上限金利を超える金利は超過部分が無効・行政処分の対象、また、出資法の上限金利(20%)を超える金利は、刑事罰の対象となっています。
ある程度の現金を手元に置いておくことは、自分の身を守るために重要なことなんです。
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奨学金を一括返済するメリット
奨学金を一括返済するデメリットばかりを言うと、メリットが一切ないのかと思われるかもしれません。
もちろん、一括返済のメリットもゼロではありません。
総返済額が減る
報奨金がもらえる人もいる
借金がなくなってすっきりする
一つずつ見ていきましょう。
総返済額が減る
奨学金を繰り上げ返済するメリットの1つ目は、総返済額が減ることです。
日本学生支援機構の第二種奨学金には、未返済の奨学金に金利がかかっています。
奨学金を繰り上げ返済すると、返還回数と返還期間が減るので、その分の利息を減らすことができます。
第二種奨学金の金利は、0.2%程度とかなり低額なので大きなメリットになるか迷う方も多いと思いますが、減る金額があることは確かです。
この総返済額が減るメリットに関しては、主に「第二種奨学金」の場合です。
返還の必要がない給付奨学金や、利子がつかない「第一種奨学金」は返済額が減るメリットはありません。
報奨金がもらえる人もいる
奨学金を繰り上げ返済するメリットの2つ目は、報奨金がもらえる人もいる(いた)ことです。
平成17年度(2005年度)に廃止されてしまった制度ですが、昔は繰り上げ返済をすると報奨金がもらえる制度がありました。
独立行政法人日本学生支援機構が発表する業務方法書によると、報奨金の内容は以下のとおり。
第4条
要返還者等(要返還者等のうち,要返還者が平成16年度に機構と貸与契約を締結した者に限る。)が第一種奨学金に係る最終の割賦金の返還期日の4年前までに第一種奨学金の返還未済額の全部を一時に返還したときは,その者に対し,当該返還により繰上返還したこととなる第一種奨学金に係る割賦金の金額につき5パーセントの割合で計算した金額を報奨金として支払うものとする。ただし,返還を開始した日の翌日から起算して7年以上(返還の期限を猶予されている期間を除く。)経過した後に返還未済額の全部を一時に返還したときに支払う報奨金は,当該返還により繰上返還したこととなる第一種奨学金に係る割賦金の金額につき3パーセントの割合で計算した金額とする。
整理すると、報奨金制度は以下のとおり。
報奨金
=「第一種奨学金」の返済者のみが対象
=平成16年度(2004年度)までに貸与開始している返済者が対象
=条件は、最終返還期日の4年以上前に一括返還を行うこと
なくなってしまって残念…この制度があれば、「第一種奨学金」の方にとってはある程度メリットがあったと言えそうです。
借金がなくなってすっきりする
奨学金を繰り上げ返済するメリットの3つ目は、借金がなくなってすっきりすることです。
奨学金の種類に関わらず、みんなが思うであろうメリットとして、「すっきりする」があります。笑
人によって奨学金を借りていることへのプレッシャーの感じ方はさまざまだと思いますが、毎月コツコツ支払うことに対して、ライフプランを立てにくく感じたり、もやっとし続けている人もいるかもしれません。
そんな心の負担を感じるなら、繰り上げ返済をさっさとしてしまってすっきりするのもひとつの手です。
意外と大事です。
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【経験談】わたしが一括返済しなかった理由
わたしが奨学金を一括返済しなかった理由は、主に4つ。
金銭的なメリットがないから
若いうちに経験にお金を使うことを優先したから
お金を増やす(投資)ことを優先したから
学生納付特例の追納を優先したから
一つずつ見ていきましょう。
金銭的なメリットがないから
わたしが借りたのは、「貸与型」の中で「第一種奨学金」と呼ばれる、「無利子」の奨学金です。
そう、わたしの場合、そもそも無利子。一括返済による金銭的なメリットはゼロです。
わたしの場合は借りた分のお金を返すだけなので、メリットがあるとしたら、単純に「借金がなくなってスッキリする」という気持ちの問題だけ。
「気持ちの問題だけのために、将来の自分への投資をあきらめていいのか?」
わたしは、自分への投資にその時の全財産を使うことにしました。
貸与額:1470,000円
返還回数:156回
返還期間:13年
割賦月額:9,423円(年間113,076円)
年間11万円なら、最悪アルバイトでもどうにかなるんじゃないかなと思ったの。
若いうちに経験にお金を使うことを優先したから
自分のために投資をすると決めてから、わたしが決めたのは大学卒業後に海外留学をすること。
・カナダに留学した(留学資金)
・韓国に留学した(留学資金)
実際に卒業後、1年だけ就職して、その後はカナダに飛び立ちました。
今思えば、このカナダ留学で、わたしの価値観は大きく変わったように思います。
あの時、日本を離れる決断ができなければ、もう少し「常識」に苦しめられた人生になっていたでしょう。
「常識」なんてものは幻想で、わたしはわたしの「常識」を勝手に作って、勝手にやっていけばいいのだということを、ちゃんと体感できました。
カナダで出会った、移民のみなさんにわたしは教えてもらいました。
そして、だれかの「常識」を時に無視しながら、時に敬いながら、「自分ならどうするか」をちゃんと切り離して思考することの大切さに気がつきました。
その時の学びがなければ、自分の価値観と向き合って生きていこうという考えに至らなかったはず。
さらに、韓国で暮らすきっかけをくれたのも、カナダで出会った友人です。
海外でお仕事をすることの大変さは誰でも想像できるかもしれないけど、逆に人と違うことをすることのメリットにも気が付けなかったと思います。
韓国で書いたブログが人気になって、賞をもらって、海外で書籍を数冊出版をするという経験をして、ありがたかった・がんばったというあたりまえの感想のほかに、「人と違うことをすると大変な分、メリットは大きい」ということに気がつきました。
その経験は、「なるべく早く奨学金を返そう」とお金を手放してしまってたら、絶対に気づきえないことでした。
お金を増やす(投資)ことを優先したから
もうひとつ、奨学金を返すことをあとまわしにしてわたしがしたこと、それは「投資」です。
今となってはちょっとめずらしいかもしれませんが、わたしの投資人生は株や投資信託よりも、不動産が先でした。
・投資用中古マンションを購入した(頭金)
当時はまだ、「サラリーマン大家さん」とか「中古マンション投資」とかいう言葉が、今ほどは一般的ではなく、書籍等もとても限定的だったため、会社員で投資用の中古マンションを買っている人はあまり多くありませんでした。
でも、わたしはカナダや韓国で、不動産を持っていて、贅沢ではないけど、時間を好きなように使って日々の生活を楽しんでいる人達を見ていたので、いつかは不動産を買ってみたいと思っていたんだよね。
会社員だったので、やろうと思えばフルローンで始めることもできなくはなかったと思うけど、最初はやっぱり怖かったので、多少頭金を作ってから1つ目の投資用中古マンションを買っています。
時はリーマンショックの直後。
今思うとかなり安く買えているので、運がよかったのかもしれません。
これも奨学金を一括返済しようとか、繰り上げ返済しようと思っていたらできなかったことのひとつです。
この投資経験があったからこそ、わたしは株や投資信託も抵抗なく始めることができました。
今思うと、いろいろとラッキーでした。
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繰り上げ返済しないほうがいい?わたしがしない理由と3つのデメリット
学生納付特例の追納を優先したから
もうひとつ、奨学金の返済をあとまわしにして、こっそりわたしがしていたことと言えば、国民年金保険料の追納です。
自分で大学の学費を払っていたわたしは、とにかく学生時代、とても貧乏でした。
そんな貧乏学生は、国民年金保険料の学生納付特例という制度を使うことができます。
国民年金保険料の学生納付特例制度
=大学(大学院)、短大、高等学校、高等専門学校、専修学校などに在学する学生が対象
=申請すると保険料の納付が猶予される制度
ありがたや~!
国民年金保険料の学生納付特例を申請していたわたし。
国民年金保険料の免除を受けていたため、老後に受け取る年金はその分減ってしまいます。
奨学金の返済を考えるほどの資金的余裕があるのであれば、追納という形で国民年金保険料を先に支払うほうが将来受け取る年金を最大化できます。
追納は、免除されてから10年以内までしかできないので、時間的な期限もあります。
わたしは無利子の奨学金を先に払うよりも、追納を優先しました。
この選択は間違ってなかったと思っています。
奨学金を一括返済・繰り上げ返済したほうがいい人
わたしは、奨学金の繰り上げ返済はあとまわしにしてよかったと感じています。
でも、その一方で、奨学金の一括返済や繰り上げ返済を先にしたほうがいい人もいます。
機関保証制度を使っている人
第二種奨学金かつ利子が高い人
早期に住宅ローンなどを組む予定がある人
詳しく見てみましょう。
機関保証制度を使っている人
奨学金を一括返済・繰り上げ返済したほうがメリットが大きい人は、機関保証制度を使っている人です。
期間保証制度
=保証機関の連帯保証を受ける制度
=奨学金の利子とは別に、一定の保証料の支払いが必要
機関保証制度を使っている人は、借りているお金以外に払っているお金の額が大きいため、一括返済・繰り上げ返済を検討する必要があります。
第二種奨学金かつ利子が高い人
第二種奨学金かつ利子が高い人も、奨学金を一括返済・繰り上げ返済をするほうがよい場合があります。
奨学金の返還額は、人によって大きく異なります。
自分の利子額が大きいと思う方は、一度繰上げ返済のメリットがどのくらいかをきちんと計算してみる必要があります。
わたしは無利子の奨学金だったけど、利子があり、さらにその利子の額が大きい場合は、一括返済・繰り上げ返済を検討しましょう。
早期に住宅ローンなどを組む予定がある人
奨学金を借りていても、住宅ローンは組めます。(詳しくは後述します)
しかし、奨学金の返済額が残っていると、住宅ローンなどを組む際の借り入れ可能額が多少減ってしまう可能性があります。
これは、返済負担率に奨学金が影響してしまうため。
返済負担率
=年収に占める、ローン返済額の割合のこと
=無理なく返済できる範囲が、通常25~30%以内だと言われている
奨学金の月々の返済額は、そんなに大きな額ではありません。
そのため、そこまで大きな影響があることは考えにくいですが、可能性のひとつとしては知っておくべきです。
実際、わたしは奨学金の返済額が残っている状態で、不動産投資を始めているので、住宅ローンが組めないわけじゃないよ。
また、住宅ローンを組む時期は、一般的に考えて、人生の節目となりやすい時期です。
結婚や出産などが重なり、ライフプランによっては綿密な計画が必要になるときでしょう。
この時までに奨学金を少しでも多く繰り上げ返済しておけば、将来的にもお金の計画がしやすくなる可能性があります。
こればっかりは、個人的な将来のライフプラン次第?!
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繰り上げ返済しないほうがいい?わたしがしない理由と3つのデメリット
奨学金を一括返済・繰り上げ返済する方法
奨学金には、繰り上げ返済ができる、「繰上返還申込み」という制度があります。
制度① 繰上返還申込み
繰り上げ返済の手続きはかんたんで、インターネットサービスの「スカラネット・パーソナル」から申しこむことができます。
繰上返還申込み
=パソコンやスマートフォンから「スカラネット・パーソナル」というサービスを通じて申し込み可能。
=全額返済、一部返済など返済の仕方は自分で選ぶことができる
奨学金には、「繰上返還申込み」以外にもいろんな制度があります。
①毎月の返済額を減額する「減額返還制度」
②返還を待ってもらう「返還期限猶予」
ひとつずつ見ていきましょう。
制度② 減額返還制度
奨学金は経済的理由などの事情がある場合、毎月の返済額を減額することができます。
減額返還制度
=月々の返済額を2分の1もしくは3分の1へ変更できる制度
「災害、傷病、その他経済的理由により奨学金の返還が困難であること」という条件がありますが、返済額を減額することが可能です。
しかし、減額返還制度を利用すると、返済完了までの期間が長くなることに対しては注意が必要です。
制度③ 返還期限猶予
奨学金の毎月の返済額は支払いが難しい場合は、返済の猶予をすることも可能です。
災害、傷病、経済困難、失業などの返還が難しくなった事情がある場合は、申し込みをして、審査を受けます。
ただし承認されない場合は返還を継続する必要があります。
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奨学金に関するよくある質問Q&A
最後に、よく心配される奨学金に対する疑問について、わたしの経験談からお答えしてみましょう。
質問① 奨学金を返済中はローンが組めないってホント?
A.いいえ、組めます。
わたしは、奨学金を返済中に投資用の中古マンションを購入しています。
ローン審査の時に通帳のコピーなどは提出しているので、もしかしたらその項目によって奨学金の返済中であることは見えたかもしれませんが、それが理由で不動産投資ローンが組めないということはありませんでした。
実際にわたしは、奨学金の返済中に不動産を購入しています。
※もちろん他の理由も含めたうえで、返済額が多い場合に多少考慮されることはあるかもしれません。私の場合は、当時奨学金の返済以外のローンは組んでおらず、なにかしらの延滞金等も一切ありませんでした。
質問② 奨学金を返済中は結婚に不利?
A.いいえ、わたしは返済中に結婚してます。離婚しちゃったけどね。笑
これはもちろん各家庭によると思いますが、私の場合は奨学金と結婚は一切関係ありませんでした。
最近は、奨学金の利用率も増えていて、夫婦で返済中という場合も多いと思いますので結婚に不利という感覚はありませんが、毎月いくらか確実に引き落とされるものなので、今後の夫婦生活で負担になるとお考えになるようであれば、先に支払うというのもありなのかも?しれません。
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プロフィール
まとめ:奨学金を一括返済するデメリット
奨学金は、貧乏な学生にとって、将来への突破口となりえるありがたい制度です。
無利子や低利子で借りられるため、無理して一括返済する必要はなく、将来のライフプランを考えた上で返済するタイミングをよく考える必要があります。
奨学金を一括返済する一般的なデメリットは、以下のとおり。
手元の現金が減り、自己投資や成長のチャンスを逃す
奨学金の利子は安く、金銭的なメリットが小さい
無理な返済で生活に困り、消費者ローンを組む人も
実際にわたしの場合は、一括返済や繰り上げ返済を一切することなく、学生時代から30代中盤まで、コツコツ返済し続けていました。
そのおかげで留学や海外生活、不動産投資経験を積むことができ、その経験は、今のわたしの価値観を大きく変えています。
今、奨学金を一括返済、もしくは繰り上げ返済することを迷っているみなさんも、将来のライフプランまでをきちんと考えた上で、自分にとって最良の選択をしてください。
それでは今日もまめまめたのしい一日を。
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