投資信託に複利効果はない、複利効果なんて嘘だよって聞いたんだけど…ほんと?複利効果を期待して、ずっと投資の勉強をしてきたのに…。泣
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・結論:投資信託の複利効果は嘘ではないけど、運要素も必要
・投資信託の複利効果が嘘にならないための4つの条件と選び方
20世紀最大の物理学者、アインシュタイン。
彼が「人類最大の発明だ」と称賛した、人類最大の金融システムと言えば「複利」です。
確かに、複利効果を活かした投資は、初心者投資家が最初に学ぶ、低リスク投資法の一つです。
実際に積立投資の複利シミュレーションのグラフの資産の伸びをみて、ウハウハな気持ちになり、投資の勉強へのモチベーションがあがった人も多いでしょう。
でも、この複利効果、できすぎだなーと思ったことはありませんか?
そんな勢いで全員が伸びたとしたら、みんな億万長者になれちゃう気がする!…とか疑っちゃう人もいるかもしれません。笑
さて、いったい投資信託の複利効果は嘘なのか?じっくり整理してみたいと思います。
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結論:投資信託の複利効果は嘘ではないけど、運要素も必要
一般的によく例に出される投資信託の複利効果は、嘘ではありません。
しかし、一方で「分配金を受け取らずに再投資をずっと盲目的に続けていれば、必ず20~30年後には億万長者になっている!」と考えるのは、ちょっと違います。
例えば、良くあるこのような投資信託の複利効果を示すシミュレーショングラフ。
このグラフは、元金100万円、利子率5%で30年間そのまま放置した場合の単利と複利のシミュレーションです。
年 | 単利(円) | 複利(円) | 差(円) |
1 | 1,050,000 | 1,050,000 | 0 |
2 | 1,100,000 | 1,102,500 | 2,500 |
3 | 1,150,000 | 1,157,625 | 7,625 |
4 | 1,200,000 | 1,215,506 | 15,506 |
5 | 1,250,000 | 1,276,282 | 26,282 |
6 | 1,300,000 | 1,340,096 | 40,096 |
7 | 1,350,000 | 1,407,100 | 57,100 |
8 | 1,400,000 | 1,477,455 | 77,455 |
9 | 1,450,000 | 1,551,328 | 101,328 |
10 | 1,500,000 | 1,628,895 | 128,895 |
11 | 1,550,000 | 1,710,339 | 160,339 |
12 | 1,600,000 | 1,795,856 | 195,856 |
13 | 1,650,000 | 1,885,649 | 235,649 |
14 | 1,700,000 | 1,979,932 | 279,932 |
15 | 1,750,000 | 2,078,928 | 328,928 |
16 | 1,800,000 | 2,182,875 | 382,875 |
17 | 1,850,000 | 2,292,018 | 442,018 |
18 | 1,900,000 | 2,406,619 | 506,619 |
19 | 1,950,000 | 2,526,950 | 576,950 |
20 | 2,000,000 | 2,653,298 | 653,298 |
21 | 2,050,000 | 2,785,963 | 735,963 |
22 | 2,100,000 | 2,925,261 | 825,261 |
23 | 2,150,000 | 3,071,524 | 921,524 |
24 | 2,200,000 | 3,225,100 | 1,025,100 |
25 | 2,250,000 | 3,386,355 | 1,136,355 |
26 | 2,300,000 | 3,555,673 | 1,255,673 |
27 | 2,350,000 | 3,733,456 | 1,383,456 |
28 | 2,400,000 | 3,920,129 | 1,520,129 |
29 | 2,450,000 | 4,116,136 | 1,666,136 |
30 | 2,500,000 | 4,321,942 | 1,821,942 |
30年後には、複利運用の100万円のほうが単利運用の100万円に比べて1.7倍も大きくなっています。
ひゃーーー複利効果、すごーーーーー!…って思っちゃう、あるあるのグラフです(*´▽`*)
しかし、実際にこんなにきれいに1.7倍まで成長するでしょうか?
答えはNOなんです。
複利に期待しすぎは危険と言われるたった1つの理由
複利に期待しすぎは危険と言われるたった1つの理由は、30年もの長い間投資をしていたら、必ずマイナス利率になる年があるからです。
短い期間の例ですが、ちょっと参考にお見せします。
例えばわたしが昨年のNISA枠で運用しているナスダック連動投資信託「iFreeNEXT NASDAQ100インデックスナスダック」の場合、ここ半年だけみても前月比プラス8%の時もあれば、マイナス12%の時もあります。
普通はこんな風に増えたり、減ったりを繰り返していきます。ナスダックだからボラティリティが大きいってのもちょっとはあるけど…笑 もっと他の例があればよかったんだけど、これぐらいしか一回投資して入れっぱなしの例がなかったので多めに見てください。笑
これを見てもわかるように、利子率は変動します。
シミュレーションでよくある元金、利子率、継続年の3要素のうち、変動があるのは利子率だけ。わたしたちの意思とは関係なく、市場に任せないといけない利子率は、人間がコントロールすることはできません。
だから利子率は変動してあたりまえ。シミュレーションのように、毎年5%はムリな話なのです。
本当はマイナスの年もあれば、プラスの年もあり、毎年必ず5%で増加することはほぼないよね…笑
元金:100万円
利子率:5%
継続年:30年間
複利のシミュレーションの通りに増えていく投資信託に出会える確率が低いということは、投資信託の複利効果が嘘とまでは言わないまでも…本当とも言いにくいのが本音。
だれにも未来のことはわからないからです。
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投資信託の複利効果が嘘にならないための4つの条件と選び方
それでは、投資信託の複利効果が嘘にならないための条件をまとめてみましょう。
これからお話する4つの条件を満たす投資信託を運用すると、いわゆるシミュレーションのままの複利効果が得られる可能性が高くなります。
嘘にならない条件① 右肩上がりの投資信託であること
投資信託の複利効果が嘘にならない条件の1つ目は、「右肩上がりの投資信託であること」です。
積立投資信託をしている方は体感していると思いますが、資産運用において積立型の投資をする人のリターンは、ピンポイントで投資する人のリターンと比べて、毎回多いかというとそうではありません。
なぜなら、積立型で買うということは、その投資対象の投資信託が高い時も安い時も必ず買うことになるからです。
もちろんその調整を細かくしている強者は、普通のピンポイントで投資する人よりもリターンが安定的に増えやすいと思います。
しかし、この強者たちは多数派ではないでしょう。
安くなっても高くなってもとりあえず買うことを続けていると、ドルコスト平均法によって、平均購入価格を低くすることはできますが、高い時に買わない選択をした人に勝てるかは難しいところです。
そうなった時に、絶対に投資信託への投資で増やそうとするなら、必ず右肩上がりで伸びている商品を購入する必要があります。
嘘にならない条件② 再投資できる投資信託であること
投資信託の複利効果が嘘にならない条件の2つ目は、「再投資できる投資信託であること」です。
複利効果を活かすのであれば、必ず必要なのが投資を続けることと、続ける中で必ず分配金を再投資することです。
継続する投資の中で、新規で買い足しするかどうか(=積立)は、どちらでもかまいません。(もちろん原資を増やしていったほうが資産を増やしやすくはなります)
大事なのは新しく買い足しすることではなく、運用で得た利益(分配金)を受け取らず、投資に回すことです。ほったらかしのガチホで問題ないのです。
再投資か分配金を受け取るかは、運用を始めるときに選ぶことができるので、複利効果を得たいのであれば必ず分配金を受け取らない「再投資」を選ぶ必要があります。
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嘘にならない条件③ ボラティリティが小さい投資信託であること
投資信託の複利効果が嘘にならない条件の3つ目は、「ボラティリティが小さい投資信託であること」です。
最初にお話ししたように投資信託の複利効果が嘘になるケースで大きいのは、たまに生まれるマイナス利率にリターンがひっぱられてしまうことです。
リターンがマイナス利率になってしまった年があると、その次の年は複利効果がほぼ得られない可能性があります。
例えば、100万円を投資するとしましょう。
1年目は10%のリターンがありましたが、2年目はそこから-20%に減ってしまいました。この場合は、2年目の金額はなんと88万円です。
年数 | 前年比 | 年末価格 | 分配金 |
1年目 | +10% | 110万円 | 0円 |
2年目 | -20% | 88万円 | 0円 |
3年目 | +10% | 96.8万円 | 0円 |
1年目に得られたはずの10万円の利益はもちろん、最初に投資した金額よりも12万円も減ってしまいます。
3年目にまたリターンが出たとしても、なかなか最初の金額に戻りません。
単利運用の場合は、1年目のリターンである10万円がすでに利確しているので、同じように2年目に目減りしたとしても、収益分に損失が及びません。
原資は80万円ですが、利益分の10万円と合わせて90万円になるので、88万円になってしまった複利の場合より2万円お得です。
年数 | 前年比 | 年末価格 | 分配金 |
1年目 | +10% | 110万円 | 10万円 |
2年目 | -20% | 80万円 | 0円 |
3年目 | +10% | 88万円 | 8万円 |
複利で運用する場合は、これまでに得られた利益にも損失が及ぶのですが、単利運用の場合は、これまでにえられた利益には損失が及ばないというメリットがあります。
単利運用
=これまでに得られた利益には損失は及ばない
複利運用
=これまでに得られた利益にも損失が及ぶ
結局50%目減りした資産をもとの水準に戻すには、+100%のパフォーマンスを出す必要があります。
サボってるお金は、来年、他のお金の倍働かないと取り戻せないってことね…(´;ω;`)
これが意外と現実的に難しいのが、複利効果の罠です。
マイナス利率の年が多かったり、ボラティリティが高い投資信託の場合は、うまく複利効果が得られにくくなるので注意が必要です。
嘘にならない条件④ 運用にかかるコストが小さいこと
投資信託の複利効果が嘘にならない条件の4つ目は、「運用にかかるコストが小さいこと」です。
これは当たり前のことなのですが、複利運用の場合、長期的に積み立てていく場合は特に運用にかかるコストがバカにならないので、1円でも少なくすることが大事なコツになります。
同じ投資信託でもインデックスファンドと言われるような指数連動型の場合は、購入時手数料がかからないノーロード商品も多いので、複利効果を得たい人にはおすすめです。
逆にアクティブファンドは、積極的に投資をしなくてはいけないため、調査経費などの手数料もとても多くなります。
複利効果を狙いたい場合は、アクティブファンドはあまりおすすめではありません。
まとめ ~投資信託の複利効果は嘘?~
今回は投資信託の複利効果は嘘なのか検証してみました。
投資信託の複利効果は嘘ではないですが、そこにはいくつかの投資条件が必要で、ある意味運も大事になります。
複利効果を期待して投資信託を購入するのであれば、以下の条件を満たす必要があります。
嘘にならない条件① 右肩上がりの投資信託であること
嘘にならない条件② 再投資できる投資信託であること
嘘にならない条件③ ボラティリティが小さい投資信託であること
嘘にならない条件④ 運用にかかるコストが小さいこと
具体的にこれらの4つの条件を満たしている投資信託で、今人気の商品と言えば、米国株や全世界の指数に連動したインデックスファンドです。
米国株を選ぶか、全世界を選ぶかは、人によって好みがあるとは思いますが、指数連動型のインデックスファンドは、利息の再投資が選べ、手数料も少ないのが特徴です。
また、現状は右肩上がりであり、またボラティリティも他のアクティブファンドと比べると少ないことが知られています。
参考にしてみてね。
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