「VIX指数が上がってきたら米国高配当ETFを買うぞ!」って投資家さんが言ってたの。どういう意味?VIX指数って?…もう英語わかんないよ…ヴィックスって薬用のど飴じゃないの?
こんな方、いませんか?
わかる!! わたしも最初は、薬用のど飴かなーって思ったもん。笑
投資用語として知っているとちょっとカッコイイ?!VIX指数!
わたしも最初はいったいなんのことなのか、さっぱりわかりませんでした。
でも、知ってしまえばかんたんで、株式投資の買い時判断や、それこそ金の投資判断にも使える、投資家の感情をあらわすおもしろい指標なんです。
今回は
・VIX指数(恐怖指数)とは?
・VIX指数に連動する米国ETFとは?
・VIX指数で高配当米国ETFや株式の買い時がわかるってほんと?
についてまとめてみたいと思います。
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VIX指数(恐怖指数)とは?
VIX指数は、米国のシカゴにあるシカゴオプション取引所が発表している株価指数のひとつ。
読み方は、VIX(ヴィックス)です。
注意:薬用のど飴ではありません。
VIX指数は、「株式市場に対する投資家の恐れや心配の感情を数値化したもの」で、別名「恐怖指数」とよばれています。
VIX指数の定義
VIX指数は正確に言うと、Volatility Index(ボラティリティ・インデックス)の略です。
ボラティリティとは、投資用語で価格変動の度合いのこと。
インデックスとは、指数とか指標という意味なので…
ボラティリティ・インデックス
=価格変動の度合い指数
ということになります。
特徴① VIX指数はボラティリティ(変動率)と関係が深い
投資をする人は、よく「ボラティリティが大きい」という言葉を使います。
ボラティリティとは、株価の高低の変動が大きいことを指し、リスクが高いことを言います。
ボラティリティが大きい=株価の高低さが大きい
ボラティリティが小さい=株価の高低さが小さい
VIX指数はアメリカの主要株価指数である「S&P500」の値動きを元にしているのがひとつの特徴!
「S&P500」を観察しながら、今後30日間でどのくらい株価が変動するか、ボラティリティの大きさを予想しています。
そして、以下のようなことを示している指標だと言われているの。
・今現在の株式市場がどのくらい株価の高低さがあるか?
・今現在の株式市場のリスクがどのくらい高いか?
・また、その値動きに対してどのくらい投資家がおびえているか?
特徴② VIX指数は投資家の不安感情と関係が深い
シンプルにいうと、
VIX指数が高い=投資家が不安になっている
VIX指数が低い=投資家が安心している
ということです。
もう少しで暴落がきそうだなぁ
こんな風に投資家たちの間で不安が募ると、VIX指数は大きくなっていくということですね。
投資家によって投資スタイルは異なりますが、VIX指数が上がってきたら株式を売却、VIX指数が下がってきたら株式を購入するっていうル―ルを決めている方もいるよね。たしかにそれはわかりやすくてありかも?
VIX指数とS&P500
VIX指数とS&P500のパフォーマンスは、負の相関関係にあります。
全く反対の動きをするってことね。
S&P500とは、米国の大企業500銘柄の株価の時価総額を元に算出した指数で、市場が成長すると自然に成長する、市場連動型の指標のひとつ。
S&P500
=「ニューヨーク証券取引所」「NYSE American」「NASDAQ」に上場している米国の大企業500銘柄の株価の時価総額を元に算出した指数
=市場が成長すると自然に成長する数値
VIX指数とS&P500は正反対の動きをするので、S&P500が大きくなると、VIX指数は小さくなります。
そして、S&P500が小さくなると、VIX指数は大きくなります。
投資家が「S&P500の値動きが激しくなりそう」と予想する=VIX指数上昇
投資家が「S&P500の値動きが安定しそう」と予想する=VIX指数下落
それではVIXは、どのくらいの値が平均値なのでしょうか?
VIX指数の基準
VIX指数は、0~100の数字(%=パーセンテージ)で表されます。
市場が安定している時は、大体10~20%の間を動きます。
そして、一般的に40%を超えるとかなりリスクが高いといわれる領域です。
通常時:10~20%
不安時:30%以上
警戒時:40%以上
VIX指数の類似指標
ここでもうひとつ、VIX指数に似ている指標をご紹介しておきましょう。
VIX指数と同じように投資家の心情をあらわす指標が他にもあるんです。
例えば、「Fear & Greed Index」がそうです。
Fear & Greed Index
=投資家の恐怖と貪欲の指標
Fear=数値が低い
投資家は恐怖を感じていて、株を売りやすい状況
金や債権など安全資産に資金が流入しやすい
Greed=数値が高い
投資家は安心していて、株を買いやすい状況
株券などリスク資産に資金が流入しやすい
Fear & Greed Indexも、VIX指数と同じように一定の基準があります。
通常時:40~50程度
警戒時:40以下
安定時:50以上
Fear & Greed Indexも市場動向を見る時の判断材料のひとつとして使われることがあるので、覚えておくとよいかもしれません。
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VIX指数の値動きのトレンド
VIX指数は、これまでにどんな値動きをしているのか、10年ほど前から少し歴史をおさらいしてみましょう。
誰もが恐れた金融と言えば、ギリシャ通貨危機ショックを思い出す方も多いのではないでしょうか?
2011年のギリシャ通貨危機ショックは、VIX指数40を超えた金融市場を大きく揺るがした事件でした。
2011年:ギリシャ通貨危機ショック
ことの発端は、2009年の新民主主義党から全ギリシャ社会主義運動への政権交代。
この政権交代で財政赤字が発覚しました。
そしてその財政赤字に対し、ずさんにも思えるほどの楽観的に考えられた財政健全化計画に世界的に不安の声が上がり、ギリシャの国債が格下げされることになったのです。
ギリシャの国債格下げをきっかけに、イタリアやスペインなどの国債の価格も大きく下落し、それが世界中の投資家の不安をあおりました。
2018年:世界同時株安(VIX)ショック
ギリシャ通貨危機ショックのあとにVIX指数が大きく揺れたのは、2018年です。
実は2018年って、わたしが投資を始めたここ10年で唯一年間リターンがマイナスになった年なんですよ。わたしだけじゃなくて、マイナス投資の経験をはじめてした投資家の方がとても多かった年なんです。それだけ相場が激震続きだったんですよね。
2018年は2月と10月に世界同時株安が起きており、この1回目のVIX指数の下落は「VIXショック」と呼ばれています。
「VIXショック」のきっかけは、アメリカの雇用統計です。
時間当たり賃金が予想を上回る伸びを示したことがきっかけとなり、米連邦準備制度理事会の利上げのペースが加速し、金利が大きく上昇しました。
これをきっかけに株価が急落しています。
雇用が回復してよかったねーって素直に喜んでいる暇はありません。
投資家にとって、「金利が上がる」ことは最大級の不安要因です。
良いことが起きたとしても、投資家によって予想していないことが起こると相場は揺れます。
2020年 コロナショック
そして、最後は、記憶に新しいコロナショックです。
コロナショックは、ここ10年の歴史をみても、最大級にVIX指数が揺れた大事件でした。金融危機以降で最高水準です。
コロナによって、一時的に世界規模で株価が暴落し、VIX指数は大暴騰。しかしこの大暴騰は長くは続かず、VIX指数も一気に下がります。
2020年に新型コロナが大流行した頃と比較すると、今はVIX指数も落ち着いてきて、比較的安定しています。
金融危機以外にも、世界が不安にかられるとVIX指数は大きく上昇する可能性があることがわかりました。
VIX指数の今後の見通し
VIX指数が、今後どうなるかは誰にもわかりません。
しかし、VIX指数の動きある一定の傾向があります。
傾向① VIX指数は、S&P500の動きに反比例する
VIX指数は、ボラティリティを示す数値ですので、S&P500やナスダック、アメリカの株価が安定的に伸びている場合は、下がっていきます。
逆に何かしらの市場のアクシデントが多く、投資家が予想できない変化や今後を不安視する変化があった時は、VIX指数が上がります。
・コロナショックからの回復
・金融政策の正常化、テーパリング、利上げ
・デルタ株などコロナの進化による感染拡大
その変化が良い悪いに関係なく、市場を揺るがす場合にVIX指数は変化します。
今後、コロナショックからの回復で市場は大きく変化していくことが予想できるため、VIX指数も変化があるかもしれませんね。
傾向② VIX指数は、予想が難しいと変化が大きくなる
VIX指数は、投資家の心情を示す数値ですので、予想が難しいと変化が大きくなります。
あらかじめ予想できるアクシデントより、予想できないアクシデントのほうが、VIX指数の数字は大きくなるでしょう。
金利上昇やテーパリングなどの金融施策より、自然災害のコロナショックのVIX指数が大きかったのはそのせいもあります。
そう考えると、今後も新型コロナウイルスのインド型(デルタ株)の次に何か新しいものが発見されたりすると、変異したりして状況が変わった時はコワいよね~
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VIX指数を株式投資に活用する方法
VIX指数は、株式投資に活用することができます。
活用① S&P500と併用してリスクヘッジする
VIX指数は、S&P500と負の相関関係があり、真逆の動きをしやすいとお話しました。
この特徴を生かして、S&P500が下落する時のリスクヘッジとして活用している投資家はとても多いです。
活用② 相場が大きく変動する時に利益を狙う
VIX指数は、ボラティリティが高い時に上がるので、「これから相場が揺れるぞ」と思った時に購入すれば儲けが出やすくなります。
逆に株価が安定して伸びていくだろうと予想するなら、VIX指数は下落するので、投資しないほうがよいということになりますね。
活用③ 投資家の気持ちを読むために利用する
実際に株式を売り買いするときに使うのではなく、周りの投資家の気持ちを読みたいときに使用する指標としてもVIX指数は役立ちます。
VIX指数が高い=不安な投資家が多い=売りやすい
VIX指数が低い=安心している投資家が多い=買いやすい
この通常の投資家の動きの裏を読んで動くと、利益を上げやすくなるかもしれません。
実際はかなり難しいことだから、私はあまり経験はないけど…笑
インデックス積立は、こういうタイミングを読んだ投資をしなくてもいいから、心おだやかにいられるんですよね。
活用④ 高配当ETFを買い増すタイミングの判断に利用する
インデックス積立投資信託は、毎月同じ日に自動的に買い増すことができますが、ETFは自動的に買い増すことはできず、自分で買っていくことになります。
この際の投資判断の1つとして、VIX指数を使う方もいらっしゃいます。
VIX指数が30を超えたタイミングで、一時的な下げ(買いチャンス)が発生する高配当ETFがあります。
それが、VYMとHDVです。
高配当ETF① VYM
VYMは、FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動している高い配当と安定した値動きで人気の米国ETFです。
常時400銘柄で構成されているので、分散投資がしやすく、株価の伸びも穏やかです。
VYM
=高い配当と安定した値動きで人気の米国ETF
=FTSEハイディビデンド・イールド指数に連動している
=常時400銘柄前後で構成される
=配当金がもらえる(年4回)
=米国株の中から大型株を中心に、予想配当利回りが市場平均を上回る銘柄で構成されている。金融・生活必需品・ヘルスケアなどが上位セクター。構成銘柄数が多く分散投資がしやすいが、不動産(REIT)は含まれておらず、株価の伸びはおだやか。
構成銘柄の例:
JPモルガン・チェース・アンド・カンパニー
ジョンソン・エンド・ジョンソン
ホーム・デポ
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G)
バンク・オブ・アメリカ など
VYMは、VIX指数との逆の連動性が高いことが知られていて、VIX指数が高くなってきた時に購入すると、結果的に押し目買いできる可能性が高いことが知られています。
際にGoogleファイナンスで株価の動きを確認してみたら、やはり逆相関していました。一つの目安になりそうですね。
高配当ETF② HDV
HDVは、モーニングスター配当フォーカス指数に連動している高い配当と安定した値動きで人気の米国ETFです。
米国株の中から財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い75銘柄で構成されているので、安定した配当金を確保できます。
HDV
=高い配当と安定した値動きで人気の米国ETF
=モーニングスター配当フォーカス指数に連動している
=常時75銘柄前後で構成される
=配当金がもらえる(年4回)
=米国株の中から財務の健全性が高く、持続的に平均以上の配当を支払うことのできる、質の高い75銘柄で構成されている。エネルギー・生活必需品・ヘルスケアなどが上位セクター。
構成銘柄の例:
エクソンモービル
ジョンソン・エンド・ジョンソン
シェブロン
ベライゾン・コミュニケーションズ
プロクター・アンド・ギャンブル(P&G) など
HDVも、VIX指数との逆の連動性が高いことが知られていて、VIX指数が高くなってきた時に購入すると、結果的に押し目買いできる可能性が高そうです。
今わたしも買いたい高配当ETF!VIX指数は高配当ETFの購入タイミングの参考にもなりそうですね。
VIX指数を株式投資に活用するデメリット
有益なVIX指数ですが、VIX指数に頼った株式投資を長期的に行うのは、疑問が残ります。その理由もまとめてみましょう。
デメリット① VIX指数は平時に上がる指標ではない
VIX指数への投資をメインにして、長期的に投資を続けながらもうけを得るのはとても難しいことです。
なぜなら、VIX指数は平時に上がる指標ではないからです。
S&P500と逆の動きをするということは、長期的に伸び続けているS&P500のように数字が上がり続けることはないことを指します。
デメリット② VIX指数は長期投資には向いていない
平時は下がり続けるので、あくまでスポットで行う短期的な投資に向いています。
もしくは、一時的に株価が下がる場所を見極めるヒントとして使うことも可能です。
ただし、それって相場が乱れる時を予想するってことだから、かなり投機的だし、高度なテクニックが必要な投資になりますよね…短期トレーダーさん向けのやり方な気がするなー。わたしはあまり推奨しません。
逆に長期でVIX指数を使うなら、株価が安定しているときに、VIXも同時に保有し、株価が下がったときにVIXで利益をえることを目的にする…という方法もあるかもしれません。
これなら、それもひとつの長期戦略だと言えそうです。
VIX指数自体に投資する方法
VIX指数自体は、あくまで株価指標なので直接投資することはできません。
しかし、なんとVIX指数に連動するETFがあるんです。
S&P500のボラティリティが大きくなると予想する人は、S&P500に連動するETFと同時にVIX指数に連動するETF買えば、リスクヘッジになるわけです。できちゃいますね、リスクヘッジ。笑
VIX指数に連動するETF
VIX指数に連動するETFにはいくつか種類があります。
VIX短期先物指数(1552)
VIX中期先物指数(1561)
米ドルベースの「S&P500 VIX短期・中期先物指数」を円換算した対象株価指数に連動する投資成果を目的としたETF。日本市場で買える。
iPath Series B S&P 500 VIX S(VXX)
ProShares VIX Short-Term Futures(VIXY)
S&P 500 ボラティリティインデックス(VIX)と連動する投資成果を目的としたETF。米国市場で買える。
VIX指数に直接投資する問題点
VIX指数は、そもそもその指数自体に投資をするものではなく、投資の目安として使われていました。
そして、2008年のリーマン・ショック以降、株式市場のボラティリティに直接投資する取引がアメリカで人気を博し、市場は年々拡大しているようです。
しかし、VIX指数に基づくボラティリティ関連の投資商品は、中長期的にみると損失が発生する可能性が高いことも同時に知られています。
あくまで短期投資のひとつとして考えておくことが重要です。
わたし個人的にはあまり投機はおすすめしていません。あくまで他の株式投資をする際の参考値として確認するのがおすすめです。投機は資産運用にはなかなかなりずらいからなぁ…。
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まとめ ~VIX指数の特徴と活用法~
今回は、コロナショック以降、注目されることが多いVIX指数についてまとめてみました。
アメリカでは人気のVIX指数に基づくボラティリティ投資ですが、日本でも少しずつVIX指数に注目する人が多くなってきたように思います。
VIX指数は、株式市場に対する投資家の恐れや心配の感情を数値化したものを指し、別名「恐怖指数」とよばれています。
その特徴は、株式市場のボラティリティ(変動率)と関係が深く、それが結果的に投資家の不安感情を数値化できること。
特徴① VIX指数はボラティリティ(変動率)と関係が深い
特徴② VIX指数は投資家の不安感情と関係が深い
具体的な数値の読み方としては、市場が安定している時は、大体10~20%の間を動き、一般的に40%を超えるとかなり市場が錯乱している状態です。
これまでには、2011年のギリシャ通貨危機ショック、2018年:世界同時株安(VIX)ショック、そして最近は2020年 コロナショックの時に大きく数値が上昇しました。
今後もVIX指数は、S&P500の動きに反比例し、市場にアクシデントや予想不可能な事件が起きたときに大きく上昇することが予想されます…。
VIX指数の活用法として、主なものは以下の4つ。
活用① S&P500と併用してリスクヘッジする
活用② 相場が大きく変動する時に利益を狙う
活用③ 投資家の気持ちを読むために利用する
活用④ 高配当ETFを買い増すタイミングの判断に利用する
投機投資としてVIX指数そのものに投資をするのもよいですが、リスクヘッジや市場の雰囲気をつかむために活用すると面白いかもしれません。
あくまで、VIX指数は平時に上がる指標ではないこと、そして長期投資には向いていないことは忘れないでね。
参考になったらうれしいです。