インデックス投資で失敗するポイントは?
失敗しないための対策とコツをおしえて!
インデックス投資は、投資初心者でも取り組みやすい基本的な投資法として人気です。
でも、簡単なようでいて奥が深く、思わぬ失敗をして投資を辞めてしまう人も多いみたい。
そこで今回は、インデックス投資で投資初心者が失敗するポイントとその対策を、投資歴15年のOL投資家が徹底解説!
失敗率を下げるコツや資産を雪だるま式に増やすための正しい手順を整理します。
▼本記事の内容
・そもそもインデックス投資とは?
・インデックス投資の失敗例や失敗理由は?
・インデックス投資で失敗しないための手順と長く続けるコツ
ご紹介内容はあくまで個人の見解と運用実績であり、正確性や安全性を保障するものではありません。また情報提供のみを目的としており、投資、法務、税務その他のアドバイスを意図しているわけでもありません。当サイトに掲載された内容によって生じた損害等の一切の責任を負いかねますのでご了承ください。詳細はこちら
インデックス投資とは?
インデックス投資とは、指数の値動きに沿った運用を目指す投資方法のこと。
指数に連動する動きをするので、値動きを上回る成績を目指すアクティブ投資と比べるとリスクが小さいのが特徴です。
インデックス投資=指数の値動きに沿った運用を目指す投資方法
アクティブ投資=指数の値動きを上回る運用を目指す投資方法
インデックス投資で目指す指数には、多くの種類があります。
名前 | 国 | 概要 |
---|---|---|
日経平均株価 (日経225) | 日本 | 東証プライム上場銘柄のうち、日本経済新聞社が選定した225銘柄の平均株価 |
東証株価指数 (TOPIX) | 日本 | 東証プライム上場銘柄のうち、全銘柄の時価総額をもとに算出する株価指数 |
NYダウ (ダウ平均株価) | 米国 | ニューヨーク証券取引所やナスダック上場銘柄のうち、代表的な30銘柄をもとに算出する平均株価 |
S&P500指数 | 米国 | ニューヨーク証券取引所やナスダック上場銘柄のうち、代表的な500銘柄の時価総額をもとに算出する株価指数 |
ナスダック総合指数 | 米国 | ナスダック上場銘柄のうち、全銘柄の時価総額をもとに算出する株価指数 |
アメリカのS&P500とか聞いたことあるんじゃないかな?他にも、米国上場の半導体関連30銘柄で構成されている「SOX指数」などの業種別指数なんかもあるよ。
インデックス投資でどのくらい儲かるのかは、そのインデックス投資の利回り次第です。
例えば、米国指数「S&P500」に連動した人気の投資信託、eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の場合、ここ10年の年間収益率の平均は、なんと18.81%。
【eMAXIS Slim 米国株式(S&P500)の年間収益率】
期間 | トータルリターン |
---|---|
2013年 | 60.4% |
2014年 | 31.7% |
2015年 | 0.9% |
2016年 | 6.1% |
2017年 | 17.5% |
2018年 | -7.7% |
2019年 | 30.5% |
2020年 | 10.3% |
2021年 | 44.5% |
2022年 | -6.1% |
平均値 | 18.81% |
もちろん、過去の実績はあくまで過去なので、これから先の未来も同じようなリターンが出せるかはわかりません。
でも、少なくともここ10年は比較的安定したリターンを生むことができています。
インデックス投資のメリット
インデックス投資のメリットを整理すると、以下のとおり。
数百円程度の少額から分散投資ができる
運用コストが低く、投資効率がよい
分配金が再投資でき、複利効果が得やすい
自動積立で投資を自動化・習慣化できる
ドルコスト平均効果によるリスクヘッジができる
NISA・iDeCo対応だから税制優遇がある
指数には、数十から数千の企業が含まれていて、国や業種など幅広く分散されています。
通常、個別株をひとつひとつ購入するとしたら、自分で企業分析を行い、地域や業種を上手く分散させる必要がありますが、それはほぼ不可能なくらい大変なこと。
初期設定に膨大な時間と金額がかかるだけでなく、定期的なリバランス作業も必要です。
インデックス投資なら自動分散&リバランスしてくれるので、高コスパで分散投資を行うことができます。
インデックス投資のデメリット
一方、インデックス投資のデメリットを整理すると、以下のとおり。
元本割れのリスクがある
短期的なハイリターンは難しい
保有コストがかかる
インデックス投資は、指数に連動した動きを目指す投資方法です。
そもそも平均を目指す投資なので、短期で大量に利益を出したい人向きではありません。
インデックス投資は、市場自体が拡大していくことを前提に、10年、20年単位でコツコツと積立投資を続けていきたい人におすすめです。
ただ、保有している間はずっと管理手数料(=信託報酬)がかかるというデメリットも。
投資信託のコスト
購入時:購入手数料
保有時:管理手数料(=信託報酬)
売却時:売却手数料
インデックス投資は、とにかく長期で持ち続けることが大事な投資法なので、この管理手数料(=信託報酬)をなるべく低く抑えることが重要になります。
インデックス投資の信託報酬は、一般的にアクティブ投資よりも安いです。
\つみたて投資が気になる人には、この記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】つみたてNISAをやって私が後悔したこと。ブログで語る本音と新NISAでの改善点
インデックス投資で失敗するポイントとその対策
ほったらかしが基本のインデックス投資は、失敗をしようとしたってできない…よね?
いやいやそんなことはないよ。笑
インデックス投資には、意外な落とし穴がたくさんあります。
考えられる失敗例は以下のとおり。
よくあるインデックス投資の失敗例をひとつずつ整理してみましょう。
月額投資額が多すぎる
インデックス投資は、基本的には一番最初に毎月の積立額を設定した後は、ほったらかしにする投資法。
そのため、最初の設定額が重要ですが、月額投資額が多すぎると失敗します。
え?多いほうがいいじゃん?
いや、最初はやる気まんまんで生活防衛資金ぎりぎり、もしくは多少攻めた大きな月額投資額を設定する人がいるのだけど、これはおすすめしません。
インデックス投資は、市場全体に分散投資することで、リスクを抑えながら長期的に資産を育てていきます。
市場全体に分散投資しているのですから、金融市場全体が上昇傾向にある時は自分の資産も増えていき、下降傾向にある時は減っていきます。
最初から大きな金額を投資すると、その乱高下にメンタルが耐え切れず、損失が増えた時に積立を辞めてしまう初心者投資家が多いのです。
例えば、毎月1万円を投資する場合と、10万円を投資する場合を比べてみましょう。
Aさん | Bさん | |
---|---|---|
投資額 | 1万円 | 10万円 |
市場の下落率 | 10% | 10% |
資産減少額 | 1,000円 | 1万円 |
AさんとBさんの資産減少額の違いは10倍。あたりまえだけど、1000円なら耐えられても、1万円だとムリ…という人も多いんじゃないかな?
金融市場の減少率は同じ10%でも月額投資額が多ければ多いほど、実際の資産減少額は増えていきます。
毎月1万円ずつ減少していく状態が数か月続いたら、メンタル管理は難しくなります。
市場が上昇相場に変化したタイミングでこれまでの損失が取り返せる可能性があると思っていても、成功体験がない初心者の場合は、メンタルを正常に保つことは容易ではありません。
特に生活防衛資金を削ってまで投資に資産を振っている人は、一気にやる気をなくしてしまう可能性があります。
投資をする上でいちばん重要なのは、自分自身のメンタル管理です。メンタルの強さに自信がない人は、無理な月額投資額設定をしないことが重要です。
分散投資を怠ることの危険性
インデックス投資は、そもそも市場の指数に投資する方法なので、分散投資ができていると考えがちです。
もちろんそれはある意味、正しいです。
しかし、そこで思考停止して、1本のインデックス投資信託に全乗っかりするだけでOKと考えると、失敗する可能性があります。
例えば、米国大型企業500社に投資する「S&P500連動型」の投資信託の場合、「500社に分散されている」ため、1社分の個別株を買うよりも安定感があります。
ただし、「米国大型企業」にしか投資をしていないという意味では、かなり偏った投資であることは言うまでもありません。
米国以外の先進国、新興国には一切投資していないということになるし、中型株・小型株への投資もしていません。
分散投資の方法には、主に以下の3つのパターンがあります。
資産分散=投資する資産を分散すること(株式、債券、不動産、暗号通貨、金など)
地域分散=投資する地域を分散すること(アメリカ、日本、欧州、新興国など)
時間分散=投資する時間を分散すること(つみたて投資など)
最初はインデックス投資のみからはじめてももちろんOK。
そこから自分の資産ポートフォリオをより強固にするための対策として、地域分散や資産分散も考えていきましょう。
手数料や信託報酬の高さによる損失
インデックス投資で保有する投資信託は、保有しているだけで信託報酬というコストがかかります。
投資をはじめて1年目、毎日少しずつ信託報酬という名のコストがかかっていることをわたしは知りませんでした。…だめじゃん。笑
信託報酬は保有する銘柄によって大きく違います。
信託報酬が高い投資信託を選んでしまうと、利益が思ったよりも上がらず、長期的にみて資産が育ちにくい状況に。
これは投資家としては、耐えがたい失敗です。
投資信託を購入するとかかる費用は、以下のとおり。
投資信託の場合
購入時:購入手数料
保有時:管理手数料(=信託報酬)
売却時:売却手数料
中でも長期保有が前提のインデックス投資の場合は、保有中にかかる信託報酬をなるべく低く抑えるのがポイントです。
例えば、私が投資1年目に購入したブラジルへの投資を行う「HSBCブラジルオープン」。
人気の投資信託「eMAXIS Slim米国株式(S&P500)」と手数料を比較した表が、以下になります。
HSBCブラジルオープン | eMAXIS Slim米国株式 (S&P500) | |
---|---|---|
購入時手数料 | 3.85% | 0%(ノーロード) |
信託報酬率(年率・税込) | 2.09% | 0.09372% |
いやぁ…めちゃくちゃ高い…。こだわりがあって買うならいいけど、無意識に買っちゃった時点で失敗ですね…。
例えば、HSBCブラジルオープンに100万円を投資した場合、1年間で支払う信託報酬は、20,900円です。
100万円×2.09%=20,900円
一方、eMAXIS Slim米国株式(S&P500)に100万円を投資した場合、1年間で支払う信託報酬は、937円です。
100万円×0.09372%=937円
この失敗を防ぐために、投資信託購入時は必ず目論見書を読み、手数料の一覧をチェックするようにしましょう。
さらに言うなら、購入手数料や信託報酬率が同じでも、総経費率が異なるケースがあります。
総経費率は目論見書には書いていないため、運用が始まってから定期的に発表される「運用報告書」もチェックする必要があります。
長期投資を継続できないことの危険性
インデックス投資は、長期投資が前提です。
短期で辞めてしまうとリターンが大幅に減り、投資本来の資産拡大という目標を達成することができず、失敗に終わります。
リターンが大幅に減っている時につみたてを辞めてしまうと、価値が高い時に大量に投資信託を買っていることになるので、平均取得価格を上昇させることに。
せっかく安く買える価値が低い時は資産を投下しないことになるので、高値掴みして損失を抱えてしまう可能性も高まります。
インデックス投資を始める時は、長期目標を立てることが必要不可欠です。
・老後の資金を準備する
・早期退職やFIRE資金を準備する など
目標が短期的だと、含み損に耐えられなくて積立を辞めたり、入金力を上げる努力ができずにいつの間にか途中離脱してしまう可能性が高まります…
米国の代表的な指数であるS&P500は、もちろん数年に何回かの暴落はありますが、基本的には右肩上がりに成長中。
引用:Google Finance
【S&P500の直近40年の暴落率】
出来事 | 暴落率 | 期間 |
---|---|---|
リーマンショック | -56% | 2007/10~2009/3まで暴落 |
ITバブル崩壊 | -49% | 2000/3~2002/10まで暴落 |
コロナショック | -34% | 2020/2~2020/3まで暴落 |
もちろん未来のことは誰にもわからないので、これからの動きは予想できません。
しかし、リーマンショックで資産が半分になった人も、ちゃんと資産は増えています。
長期でインデックス投資をするなら、以下の4点は意識する必要があります。
・絶対に暴落は来ること(暴落のない市場なんてない)
・リスクゼロの投資はないこと(リスクがイヤならやらない)
・短期の含み損に驚かないこと(そんなのあたりまえ)
・メンタルがヤバい時は、チャートを見ないこと(でも、積立はコツコツ続ける)
いちばんダメなのは、暴落時に狼狽売りをしてしまうこと。売ってしまったら、その時点で損失は確定し、大失敗という結果が残るだけです。
本来は暴落時は買い時です。
安くなったタイミングで、大量購入しておけば、次に来る上昇相場で大きく含み益を増やすことができます。
インデックス投資をするなら、暴落は絶対に定期的に来ることであると、納得してからはじめましょう。
暴落は来る!絶対!笑
自分のリスク許容度がわかっていなくて失敗
リスク許容度とは、投資をする際、どの程度の価格変動まで受け入れられるかを示す度合いのこと。
リスク許容度=投資をする際、どの程度の価格変動まで受け入れられるかを示す度合いのこと
自分のリスク許容度がわかっていないと、市場の動きに耐えられずに狼狽売りをしたり、逆に退屈すぎて意味を見出せずに市場からフェードアウトしてしまうなど、長期的に続けるのが難しくなります。
特にマイナス(=損失)になった時のリスク許容度は重要です。
株式投資を始めたばかりの時は、自分のリスク許容度はわからなくてあたりまえ。
だから、最初は目に見える情報から、自分のリスク許容度を測り、少しずつ慣れていくことが大切です。
【リスク許容度を考える上で参考になるデータ】
・性格
・年齢=若いほどリスク許容度が高い
・収入=多いほどリスク許容度が高い
・保有資産=多いほどリスク許容度が高い
・投資経験=長いほどリスク許容度が高い
・投資目的達成までの時間=長いほどリスク許容度が高い
20代の若者は、50~60代の中年に比べると、投資できる時間が長いため、たとえ損失が出てもリカバリーが可能です。
投資始めたばかりのころは、慣れない相場の動きに一喜一憂し、眠れない人もいるかもしれません。しかし、投資経験を積むと、1日で数百万円が動いても、まったく動じなくなります。
投資歴約15年のわたしは、1日100万円の動きでも、動じなくなりました。自分のリスク許容度に合わせた投資を行うことは、長期投資が必要なインデックス投資において、とても重要です。
流行りの銘柄に飛びついて失敗
インデックス投資にもいわゆる「流行」があります。
しかし、よく知らないのに流行りの銘柄に飛びついて投資を始めてしまうと、大きな失敗に繋がる可能性があります。
2024年の今は、AIやロボット、宇宙開発などに注目が集まっていて、関連する投資信託がたくさん生まれているよ。
eMAXIS Neo ドローン
=世界各国のドローン関連企業の株式等に投資
=S&P Kensho Drones Index(配当込み、円換算ベース)に連動
イノベーション・インデックス・AI
=世界各国の企業の中から、AI関連企業の株式に投資
=STOXXグローバルAIインデックス(ネット・リターン、円換算ベース)の動きに連動
eMAXIS Neo 宇宙開発
=世界各国の宇宙開発関連企業の株式等に投資
=S&P Kensho Space Index(配当込み、円換算ベース)の動きに連動
いわゆるテーマがはっきりしている投資信託は、わかりやすいため、とても魅力的にうつるかもしれません。
しかし、ここが落とし穴。
果たしてこのテーマは、本当に今だけの流行りではなく、継続的に成長する分野なのかー。
そこを、きちんと見極めることが必要です。
わたしもちょっと前の中国株系のインデックスとか、高齢化社会に向けたシニア株とか買っちゃって、微妙に失敗。…この経験がいい勉強になりました。笑
実際にちょっと流行に乗っているように見えるテーマ株は、期待していたよりも増えなくて途中で積立を辞めてしまうケースも多い印象があります。
市場が鈍化してくると、株価が下落するのが怖くなって、個人投資家が積み立てをやめてしまうので、結局含み損が膨らむ人が増えて、さらに評判が微妙になることも。
インデックス投資の基本は、とにかく「続けられるかどうか(=長期投資)」です。
短期的な流行を楽しみたいなら、そもそも最初から短期投資のつもりで楽しむのがおすすめです。
分配金再投資型を選ばずに失敗
「分配金再投資型」ってなに?
運用途中でもらえる分配金をもらわずに、自動で再投資することだよ。
インデックスファンドを購入すると、通常、分配金の受け取り方を2つの方法から選ぶことができます。
分配金再投資型
=分配金を受け取らずにそのまま投資に回す(利益が確定しない)
分配金受取型
=分配金を都度受け取る(受け取る度に利益確定となり、税金約20%がかかる)
もし、あなたが長期で資産形成することを目標にしていて、さらにその資産構築スピードを速めたいなら、「分配金再投資型」を選ぶのがおすすめです。
なぜなら、利益確定のタイミングが自分で選べるようになり、効率的に資産運用ができるから。
分配金を都度受け取っていると、その度に税金がかかり、さらに原資も増えにくいので、資産構築スピードが鈍化し、「思ったより増えない…」、「銘柄選定に失敗した…」と後悔する可能性があります。
例えば、マネックス投資でインデックス投資信託を購入する際は、以下のような選択肢が提示されます。
分配金受取型の中には、運用で得たリターン以上に頻繁に分配金が出るものも、一部存在します。
もちろん、投資信託を買った目的がキャッシュフローの増加(=分配金の受け取り)なら話は別ですが、通常インデックス投資を長期でやろうとしている人は、資産構築が目的の人が多いはず。
キャッシュフローの増加を狙うなら、そもそもインデックスファンドではなく、高配当株ファンドを選択するのがおすすめです。
最初はこの違いが判らなくて、無意味に分配金を受け取ってしまってました。要らないものは、ちゃんとNOを言うことが大事。笑
レバレッジ型などリスクが高い商品を選んで失敗
レバレッジ型などリスクが高い商品を長期のインデックス投資で選ぶのは、あまりおすすめではありません。
ちゃんと理解して買っているなら、問題ありません。でも、よくわからずにレバレッジ型を買って、含み損が拡大し、狼狽売りをしてしまう失敗がとても多いよ。
レバレッジ型
=ベンチマークの一日の動きに一定倍数をかけ、機械的に大きな値動きを目指す商品
=利益も損失も額が大きくなりやすい(元本割れもしやすい)
レバレッジ型の投資信託は、インデックス投資にはあまり向いていません。
なぜなら、信託報酬が高い商品が多く、リスクが高いから。
長期で資産形成を目指すインデックス投資家は、日々の運用コストを極力下げる必要がありますが、レバレッジ型の商品を選ぶとコストを下げるのがかなり難しくなります。
さらにレバレッジ型の投資信託は、下げ相場に入ると一転、加速度的に下落します。上げ下げを大きく繰り返すので、途中で積立を辞めてしまうケースがとても多いのです。
例えば、「iFreeNEXT NASDAQ100インデックス」と「iFreeレバレッジNASDAQ100」を比べてみましょう。
赤が普通のNASDAQ100インデックス、青がレバレッジ型です。
青のレバレッジ型は、上昇幅も下落幅も大きくて、赤の一般型を上下に追い抜いていきます。怖
種類 | 通常型 | レバレッジ型 |
---|---|---|
信託報酬率 | 0.495% | 0.99% |
トータルリターン:1ヶ月 | -2.55% | -6.26% |
トータルリターン:3ヶ月 | -3.41% | -20.25% |
トータルリターン:6ヶ月 | +21.54% | +10.57% |
トータルリターン:1年 | +25.51% | +31.31% |
トータルリターン:2年 | +9.56% | -20.83% |
トータルリターン:3年 | +21.98% | +4.89% |
トータルリターン:5年 | +22.85% | +21.66% |
レバレッジ型のトータルリターンが勝っているのは、1年後だけ。
タイミングを計らないと大失敗・大損する可能性も秘めているため、ほったらかしのインデックス投資には不向きであると言えるでしょう。
もしチャレンジしたいなら、長期積立のインデックス投資ではなく、短期のタイミング投資で動きを見張りながらやるのがよさそうです。
ちなみに、リスキーなレバレッジ型の投資信託は、非課税投資が可能なNISA制度では購入することができない商品になっています。やるなら特定口座でのチャレンジが必要です。
気分や相場によって積立額を変更して失敗
正直、インデックス投資だけをしている個人投資家は、ちょっとヒマです。
すると、積立額を増やしてみたり、減らしてみたり、さらには違う投資信託に乗り換えてみたり、積立をやめてみたりと、設定を変えたくなります。
設定を買えたくなる気持ちはわかる…笑
でも、この行動は要注意。設定変更が大きな失敗に繋がることもあります。
・平均取得単価がなかなか下がらず、モチベーションが下がる(含み益が得られるタイミングが遅れる)
・投資信託の乗り換えによって、無駄な利益確定が生じ、税金がかかる(投資効率が低下する)
・一度積立をやめると、どこからはじめたらいいか再度悩みだす(結局やめてしまう)
投資効率を最大にするには、とにかく触らずに放置するのがいちばん効率的です。
ロボアドバイザーに余分なコストを支払って失敗
賛否両論あるのは、証券会社等が行うサービス「ロボアドバイザー」に投資を任せること。
ロボアドバイザー
=AI(人工知能)を活用して、投資診断や投資アドバイス、運用などを行うサービスのこと
=無料のものから手数料がかかるものまで種類が多い
特に問題になりがちなのは、手数料がかかるタイプの「ロボアドバイザー」です。
上手に使えたら便利なんだけどね。
自分で投資判断を行うのとロボアドバイザーに任せるのには、以下の違いがあります。
・手数料がかかる(ものもある)
・投資の勉強をするチャンスを逃しやすい
ロボアドバイザーは、投資一任型と助言型があり、特に投資をすべて任せるタイプのものは手数料が高くなりがちです。
そのため、手数料負けしてしまう可能性も高く、あまりおすすめではありません。
さらに、ロボアドバイザーにポートフォリオの作成から投資判断まで、すべてを任せてしまうと、投資についての知識を身につける必要がなくなります。
インデックス投資から始める堅実な投資なら、正直、自分でできる人がほとんどだと思います。
もしロボアドバイザーを利用する場合は、手数料を含めたサービス全体をきちんと吟味してから利用しましょう。
\インデックス投資が気になる方は、この記事もおすすめ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】インデックスファンドとは?どんな種類がある?初心者におすすめの投資信託3選
インデックス投資で成功するためのコツ
インデックス投資の失敗例を参考に、成功するためのコツをまとめてみましょう。
一つずつ見ていきましょう。
長期の資産形成であることを理解する
インデックス投資は、長期の資産形成であることを理解しましょう。
インデックス投資は、長期でじっくりとリターンを得ることに長けた投資法です。
インデックスファンドを管理するファンドマネージャーもそのつもりで運用しているため、投資する側のわたしたちもその意識を忘れてはいけません。
長期投資であることが、本当の意味で理解できれば、選ぶ投資信託も自然と絞られてくるはず。
・トレンドに左右されない銘柄を選ぶ
・テーマがあるインデックスファンドや旬の業種には要注意
・レバレッジ型のインデックスファンドはコアにしない(やりたいなら別枠で)
インデックス投資は、少なくとも15年以上の長期で運用を行うことを前提にして、投資メンタルを育てていきましょう。
交付目論見書をしっかり読む
インデックス投資は、細かい企業分析をする必要がない反面、目論見書をしっかり読むことが大切です。
投資は自己責任。選択理由が、「ランキング上位だったから」「投資系インフルエンサーがおすすめしてたから」では、のちのち思わぬリスクに遭遇するかもしれません…。
交付目論見書には、投資信託の基本情報が掲載されています。
投資信託の目的
投資信託の運用方法
連動指数の情報
運用実績・利益率
信託報酬や手数料・コスト など
少なくとも上記の情報ぐらいは頭に入れて、「思っていたのと違う…」と思わないように理解を深めるのが大切です。
場合によっては、近年の「運用報告書」も一緒にチェックすると、生きた新しい情報を得ることができるのでおすすめです。
自分のリスク許容度を理解する
自分のリスク許容度は、投資をしながら養われていきますが、最初の段階では少なくとも以下の情報を整理しておきましょう。
【リスク許容度を考える上で参考になるデータ】
・性格
・年齢=若いほどリスク許容度が高い
・収入=多いほどリスク許容度が高い
・保有資産=多いほどリスク許容度が高い
・投資経験=長いほどリスク許容度が高い
・投資目的達成までの時間=長いほどリスク許容度が高い
インデックス投資は、無理をする必要はありません。
長期投資なので、自分がドキドキしないちょうどいい積立額を、とにかく続けることを目標にしましょう。
必ず信託報酬&経費率を必ずチェックする
初心者投資家の失敗が多いのは、信託報酬&経費率が高いインデックスファンドを選んでしまうこと。
コストの中でも保有している間にずっとかかる信託報酬は、なるべく低コスト化することが大切です。
少なくとも、年率0.5%以上のものは選ばないようにしましょう。
人気の投資信託は、0.09%とかも普通です。とりあえず安いものを検索してみるところからはじめよう!
必ず自動積立の設定をする
インデックス投資は、自動積立設定が必須です。
なぜなら、わたしたちは人間はどうしても思考する生き物で、無感情に続けることがニガテだから。
インデックス投資に大事なことは、続けることなので、既存の「積立設定」を最大限利用して、投資を自動化してしまいましょう。
人間に考える隙を与えてはいけないのです。笑
インデックス投資に限らず、株式投資に必要なのは、投資対象を分散することです。
分散投資
∟時間分散
∟資産分散
∟アセットクラス分散
∟地域分散
分散投資には、時間と資産の分散がありますが、インデックス投資を選んでいる時点で、すでに資産分散はできています。
あとは、自動積立設定で、時間分散をするだけです。
必ず分配金再投資型を選ぶ
まとまった資産をなるべく早く構築したいなら、インデックスファンドの購入時には、必ず分配金再投資型を選びましょう。
分配金再投資型=分配金を受け取らずにそのまま投資に回す(利益が確定しない)
分配金受取型=分配金を都度受け取る(受け取る度に利益確定となり、税金約20%がかかる)
分配金を都度受け取っていると、その度に税金がかかり、さらに原資も増えにくいので、資産構築スピードが鈍化し、「思ったより増えない…」、「銘柄選定に失敗した…」と後悔する可能性があります。
わたしは、ほんともう、分配金要らないの。笑
\NISAが気になる方は、こちらの記事も読んでみてね(*´▽`*)/
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財形貯蓄制度と積立NISAは併用する?どっちかやめる?2つの制度を徹底比較
運用状況は毎日見なくてOK(最低レビューは年1)
インデックス投資は、短期的な相場の上昇、下落は完全に無視でOKです。
そのため、毎日運用状況をチェックする必要はありません。
ただし、離れすぎていると知らぬ間にアクシデントが起きている可能性もゼロではないので、少なくとも1年に1回ぐらいは自分の資産状況の確認をするのがよさそうです。
わたしみたいに、入金が止まってた!!なんてことはないようにご注意ください。笑
収入と支出の最適化をして、入金力を上げる
インデックス投資を成功させるためには、とにかく入金力が重要です。
入金力を上げるためにできることは大きくわけると、2つだけ。
費用を削減する=節約や適切なコストの見直し
収益を増やす=本業・副業収入の増加
適切なコストの見直しのためには、特に固定費の見直しを優先するのがおすすめです。
・格安スマホの利用
・インターネット回線や電力会社の変更
・保険の見直しや不要な契約の解除 など
さらに、インデックスファンドの購入時にクレカ積立を使うことで、ポイント還元率を増やし、日々の生活費に充てることも可能な場合があります。
クレカ積立をしたことがない方は、利用している証券会社が「クレジットカード決済に対応しているか」も確認しておきましょう。
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インデックス投資で失敗しないための手順
インデックス投資がはじめたくなってきた!まずは何からスタートしたらいいの?
わたしはこんなステップを踏んで、インデックス投資をはじめたよ。参考にしてみて。
最後にわたしの経験をもとに、インデックス投資で失敗しないための手順を整理してみました。
ステップは大きく分けると、5つです。
一つずつ見ていきましょう。
STEP1:明確な目標設定
インデックス投資をはじめると決めたら、目標設定からはじめましょう。
【検討項目】
インデックス投資を「なんのため(目標)」にはじめるのか?
∟そのためには、「どのくらい」の資金が必要か?(量)
∟そのためには、「いつまでに」資金が必要か?(時間)
インデックス投資の目的が、老後資金の構築の人と、住宅資金の構築の人、サイドFIREや早期リタイアの人では、ゴールとなる金額や時間配分が大きく異なります。
\わたしの投資目標詳細は、こちらの記事を参考にしてね(*´▽`*)/
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わたしの投資運用方針と資産目標
STEP2:適切な積立額設定
目標の確認ができたら、適切な積立額を設定しましょう。
適切な積立額設定のためには、今の収入や支出を一度洗い出して、余剰資金を算出することが必要です。
【検討項目】
今現在の収入合計額はいくらか?
今現在の支出合計額はいくらか?
毎月の余剰資金はどのくらいか?
目標から算出する必要積立額はどのくらいか?
余剰資金ー積立額はマイナスか?
マイナスの場合、マイナスを補う計画は?
余剰資金とは、手持ちの資産のうち、生活費や非常時の資金を差し引いた、当面使う予定がないお金のこと。
余剰資金=手持ちの資産のうち、生活費や非常時の資金を差し引いた、当面使う予定がないお金
余剰資金の設定を間違えると、投資を長く続けることが困難になります。
もし、余剰資金がマイナスになるのであれば、そのマイナス分を埋め、プラスに持っていくための計画を先に作りましょう。
節約をするとか、引っ越しをするとか、副業をするとか、転職するとかね。
余剰資金がないのに投資をやろうとしている人は、そもそも順番が間違ってます。笑
STEP3:適切なアセットアロケーション設定
ここまで考えられたら、自分に合ったインデックスファンドを探す必要があります。
その時に必要なのが、適切なアセットアロケーション設定です。
アセットアロケーション
=運用する資金を国内外の株や債券などにどのような割合で投資するのかを決めること
アセットアロケーションは、自分の目標や期待リターン、積立可能額、そしてリスク許容度によっても異なります。
【検討項目】
自分の目標に適した期待リターンはどのくらいか?
自分の積立可能額から期待リターンをシミュレーション
自分のリスク許容度も加味して、インデックスファンドを検索
候補となるインデックスファンドの目論見書を読みながら、設定ファンドを確定
STEP4:計画的・継続的なレビュー&リバランス
積立設定後は、情報収集とレビューを定期的に行います。
毎日:ニュースチェック
月一:月間レビュー
年一:年間レビュー
リバランスは、定期的に過度なリスクをとっていないか、自分の目標とかけ離れていないかをチェックするもの。
インデックス型の投資信託の場合は、そもそもファンドマネージャーが詳細なリバランスはしてくれているので、その状況を改めて理解する時間を持つだけでもOK。
ただし、自分の目標との乖離については、自分でチェックする必要があります。
【検討項目】
過度なリスクをとってないか?
今の投資方針が自分の目標に合っているか?(目標との乖離確認)
各ファンドの状況が変化していないか?(既存ファンドの手数料、運用成績等)
もっと適切な投資信託の選択肢が増えてないか?(新ファンドの選択肢の検索等) など
過度なリスクをとっていないかどうかの判断って難しい…
たしかに…わたしはこんなチェックをしているので、よかったら参考にしてね。
【市場環境の変化によって資産が高リスク化していないか?】
市場の動き→株価、金利、為替レートなど
経済の動き→投資対象となる国や企業の経済状況、戦争、地域問題等
STEP5:投資に関する学習とスキルアップ
インデックス投資をはじめた後も、ずっと投資に関する勉強は必要です。
最近は、SNSなどでもたくさんの情報が発信されているので、経済資料や書籍以外にも先輩投資家さんの発言やセミナーなどに耳を傾けてみるのがおすすめです。
情報収集
勉強&スキルアップ
情報の精査とフィルタリング
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まとめ:インデックス投資で失敗するポイントとその対策
インデックス投資は、指数の値動きに沿った運用を目指す投資方法です。
インデックス投資=指数の値動きに沿った運用を目指す投資方法
アクティブ投資に比べると、大きく失敗することもなく、初心者向きの投資法だと言われていますが、もちろんリスクのない投資法なんてありません。
考えられる失敗ケースは、以下のとおり。
でも、これらの失敗は、ちゃんと準備と理解をすれば避けることができます。
投資初心者の方は、準備を徹底した上で、やっぱりインデックス投資からはじめるのがおすすめ。
そのために、まずは、自分の投資目標を整理するところからはじめてみましょう。
それでは今日も、まめまめたのしい一日を。
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