2024年にNISAが新NISAに変わるって聞きました。それも…改悪だとか?!NISAで投資信託への投資を始めたばかりなのに…一体なにが変わるの?注意することありますか?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・結論:新NISAの「一般NISA」、改悪と感じてもおかしくない!
・新NISAの改悪点と改善点
・新NISAで得する人・損する人
・新NISAに変わることによる注意点3選
安定的な資産形成を目的として、2014年にスタートしたNISA (少額投資非課税制度)。
当初はなかなか導入が進まなかった印象ですが、最近は老後2000年問題への不安も取りざたされ、多くの方が投資に興味を持ち、NISA制度を利用し始めたように思います。
私の周りにもNISAはじめたーっていう人がめちゃくちゃ増えました!
やっとNISAの手続きができた!と思ったのもつかの間、なんと2024年にNISAが新NISAに生まれ変わることが発表されました。
しかし、発表直後から新NISAの評判は悪く、ネットで検索すると、「新NISA」=「改悪」のウワサが後を絶ちません…。
今回は、新NISAは本当に改悪するのか、2024年以降の新NISAの変更点をおさらいしながら、注意点をまとめてみました。
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結論:新NISAの「一般NISA」、改悪と感じてもおかしくない!
ずばり、新NISAの「一般NISA」に関しては改悪と感じてもおかしくありません。
改悪と言われてしまう理由と新たな課題
改悪と言われてしまうのは、主に「一般NISA」について。そしてそのポイントは、以下の2点です。
改悪ポイント① さらなる複雑化
改悪ポイント② 自由な投資への制限
ただでさえ3種類もあるNISA。複雑なことに対して当初から不満がありました。
3種類もあったら、どれを選んだらいいか…ちょっとだれかおしえてくださる~? 一般NISAとつみたてNISAって何が違うのかしら?
しかし、さらに2024年以降の新NISAはさらに複雑化。なんと、2階建て構造になります。
そして、投資できる商品が減り、選択の幅が狭まります。
国民の家計の安定的な資産形成をサポートするのはよいのですが、新たな課題も生まれています。
改悪による課題① 複雑化により、ますます利用ハードルが上がる?
改悪による課題② 自由な投資の制限により、国民の投資意識が育たない&誤解が生じる?
確かに複雑なのはちょっと辛い…。w 改悪という意見もありますが、一方でやっぱり非課税制度はありがたいので、ちゃんと理解して利用していきたいですね。
2024年のNISA制度の変更には、大きなテーマとして「期間延長」があります。
新NISAの大きなテーマは期間延長
特に3種類あるNISA制度のうち、「一般NISA」については、そもそも2023年までで終了することがあらかじめ告知されていた制度でした。
一般NISA:2023年まで (19年以降の投資分はロールオーバーできない)
つみたてNISA:2037年まで
ジュニアNISA:2023年まで
人生100年時代に向けて、家計の安定的な資産形成をサポートすることを目的として作られたNISA制度ですから、2023年で終わるというのは、ちょっとおかしなはなしです。
わたしの周りの投資家さんたちと話していても、そもそもテスト的に導入された印象が強かったので、なんとなく「まぁ、期間延長されるんだろうね」みたいな話をしてました。 失敗しない限りは、まぁ続くよね、みたいな。続いてよかった~笑
ざっくり、変更の方向性を確認したところで、ここからはNISAと新NISAをより細かく比較していきましょう。
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新NISAの改悪点と改善点① 一般NISAと新NISA
まずは、2023年までの一般NISAと、その代わりに2024年から運用される新NISAを比較します。
NISAと新NISAの新旧比較表
一般NISA | 新NISA | |
年間投資上限枠 | 120万円 | 1階: 20万円 2階: 102万円 合計: 122万円 |
非課税期間 | 5年間 (19年以降の投資分はロールオーバーできない) | 5年間 (1階部分は期間終了後につみたてNISAにロールオーバーできる) |
投資可能期間 | 2023年まで (時価ベースで「新NISA」にロールオーバー可能) | 2028年まで |
投資対象商品 | ・株式投資信託 ・国内・海外上場株式 ・国内・海外ETF、ETN ・国内・海外REIT ・新株予約権付社債(ワラント債) | 1階: つみたてNISAと同様の商品 (金融庁が定める投資信託200本) 2階: ・株式投資信託 ・国内・海外上場株式 ・国内・海外ETF、ETN ・国内・海外REIT ・新株予約権付社債(ワラント債) ※レバレッジを効かせている投資信託、及び上場株式のうち整理銘柄・監理銘柄を投資対象から除外 |
一般NISAから新NISAへの変更による改悪ポイントは、大きく分けると以下の3点です。
改悪①:投資枠が2階建て構造になって複雑化する
新NISAでは、投資枠が2つに分割されることになりました。
1階部分(20万円)
=つみたてNISAと同様の商品で運用可能。
2階部分(102万円)
=これまでの一般NISAと同様の商品で運用可能。
(一部レバレッジを効かせた投資信託などは除外予定)
これまでの「一般NISA」と「つみたてNISA」をくっつけたみたいな制度です。国はどうやら私たちに長期的な積立をさせたがっているみたい…。これまでと同じ2階分もなるべくリスクが低くなるように投資金額を減らし(120万円→102万円)、リスクが高い商品も選べなくなります。
原則としては、1階部分のつみたて投資を行わなければ2階部分での投資はできない仕組みを採用しています。
今までにNISAを開設していた方や、取引経験がある方は、手続きすれば例外的に1階部分を使用しなくていいとのこと。でも、認められたとしても1階部分の20万円の枠で他の商品が買えるわけではなく、単純に使えないだけなのだそうです。最大102万円ね。厳しい…。
なぜ2階建てにするのかという疑問について、金融庁はその意図を以下のように述べています。
現行の一般NISAは、家計の安定的な資産形成の支援に加え、成長資金の供給拡大を目的に設けられた。新NISAについては、一般NISAが担っている成長資金の供給拡大を促しつつ、あわせて少額からの長期・積立・分散投資を行える制度に改組するものだ。
引用:
金融庁 新しいNISA制度の概要と改正の狙い
https://www.fsa.go.jp/frtc/kikou/2019/20200203_P32-35.pdf
金融庁は、長期・積立・分散投資をかなり強く推奨しています。
金融庁が長期・積立・分散投資をかなり強く推奨している理由のひとつに、日本人がリスク性資産に疎いことがあります。
金融広報中央委員会「金融リテラシー調査 2019年」の結果によると、約7割の人がリスク性資産を購入したことがないと答えています。
改悪② つみたて機能があるのに非課税期間は5年のまま
新NISAも旧NISAと同じく、非課税期間は5年です。
1階部分はつみたてNISAと同じなのに、非課税期間は5年って短くない?!普通のつみたてNISAは25年なのに…。
長期投資の場合は時間を味方にしないと増えないという意味では、つみたてNISAと同じように20年~30年程度の非課税期間がほしいところです。
5年後に1階部分はどうするのかというと、つみたてNISAへロールオーバーすることが可能です。
あっちにやったり、こっちにやったり、めんどうに感じる方もいらっしゃるかもしれませんね。 ロールオーバーは自動ではできないですからね。もうずっとつみたてNISAで運用したほうが楽かも。笑
ただ、ロールオーバーさえすれば、新NISAでの5年+つみたてNISA20年で、最大25年間非課税で運用できます。
新NISA:20万円×5年
つみたてNISA40万円×20年
合計:900万円の非課税枠で運用可能
ありがたいけど…たいへん…w
改悪③ 投資できる商品が減る
新NISAでは、レバレッジを効かせている投資信託や上場株式のうち整理銘柄・監理銘柄が投資対象から除外されることになりました。
金融庁が発表している「新しいNISA制度の概要と改正の狙い」資料によると、除外の理由は以下の通りです。
NISAの政策目的である「家計の安定的な資産形成の支援」および「成長資金の供給拡大」の観点から、これらの政策目的に沿うものとは考えにくい
引用:
金融庁 新しいNISA制度の概要と改正の狙い
https://www.fsa.go.jp/frtc/kikou/2019/20200203_P32-35.pdf
旧NISAでは、つみたてNISAは自由度低め、一般NISAは自由度多めという差別化が上手くできていた気がするけど、新NISAでは2つの制度の差別化があいまいになっている…ように見えますね。自由に好きな時に好きな銘柄が買えるところが、一般NISAの良い点だったんだけどなー。
ここまでは改悪点ばかりを述べてしまいましたが、もちろん新NISAは悪いことばかりではありません。
投資額の一部だけでも、非課税になるのはありがたいです。
そもそも「期間延長されないと困る!」と思っている方が多かったと思いますが、期待通りNISA (少額投資非課税制度)は延長されました。それと同時にロールオーバーの期限も延長されています。
改善ポイント①:年間投資枠上限が2万円分(120万円→122万円)増える
改善ポイント②:投資可能期間が2028年までに延長される
改善ポイント➂:一般NISAから新NISAにロールオーバーできるようになる
引き続きありがたい非課税制度ではありますが、2階建てになって複雑化したこと、自由度が減ったことによって不満の声が目立ってしまっているようです。
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新NISAの改悪点と改善点② つみたてNISA
ドルコスト平均法は、タイミングをはかる必要がありません。つみたてNISAは、変更ありません。制度はそのままに5年間延長されます。
つみたてNISAの新旧比較表
つみたてNISAは、変更ありません。制度はそのままに5年間延長されます。
旧つみたてNISA | 新つみたてNISA | |
年間の投資上限枠 | 40万円 | 40万円 |
非課税期間 | 20年間 | 20年間 |
投資可能期間 | 2037年まで | 2042年まで(5年延長) |
投資対象商品 | 金融庁が定める投資信託200本 | 金融庁が定める投資信託200本 |
新NISAの改悪点と改善点➂ ジュニアNISA
ジュニアNISAは、廃止が決定しました。
2024年以降は新規購入ができません。また、これまでの入金分は、18歳未満でも払い出し可能になりました。
新NISAで得する人・損する人
新NISAは、自由度が減り、少し複雑化はしますが、基本的には今までと同じ一部の投資額の非課税制度です。
今までの一般NISAと比較して、得する人・損する人はどんな人なのか確認してみましょう。
得する人① 既に通常NISA口座で投資を行っている人
既に通常NISA口座で投資を行っている人は、これまでロールオーバーできなくなる2019年以降、自分の投資中の金額がどうなるのか不明確でした。
しかし、新たに新NISA制度ができたことによって、NISA口座で保有している株や投資信託を新NISA口座にロールオーバーできることになりました。
このため、最大で10年間、非課税期間を延長することができます。
ある程度みんな延長されることを予測しながらやっていたと思うので、得する人…と言えるかはわかりませんが、安心はしたよね。笑 わたしは安心しました。
損する人① 投資したかった商品が除外されてしまった人
残念ですが、新NISAでは、レバレッジを効かせている投資信託や上場株式のうち整理銘柄・監理銘柄が投資対象から除外されることになりました。
NISAでこれらの商品の運用がしたかった人は、希望がかなわなくなります。
どうしても投資したい場合は、NISA口座ではなく特定口座で運用するようにしてください。
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新NISAに変わることによる注意点3選
それでは最後に2024年にNISAが新NISAに変わることによる注意点を整理してみましょう。
注意点① 改悪だとしても、投資をやるならNISAから
2024年にNISAが新NISAに変わることを「改悪」だと思ったとしても、税制面でのメリットが多いのは事実です。
投資をやるなら、一般の特定口座を開くよりは、練習だとおもってNISA口座から始めましょう。
注意点② ロールオーバーは忘れずに
新NISAでロールオーバーの期間も延長されましたが、ロールオーバーが必要になるのは5年後です。
ロールオーバーは勝手にしてくれる制度ではありませんので、忘れないように自分の資産を管理しましょう。
忘れそうな人は、新NISAよりつみたてNISAを選ぶというのもひとつの作戦として有効かもしれません。
注意点➂ 投資信託もリスク資産のひとつ
新NISAでは、レバレッジを効かせている投資信託や上場株式のうち整理銘柄・監理銘柄が投資対象から除外されることになりました。
これだけをみると、除外されない投資信託は安全で低リスクだと思ってしまうかもしれませんが、それは誤解です。
元本保証の商品でない限りリスクはつきものなので、リスクがあることは念頭に置きながら投資にチャレンジすることをおすすめします。
まとめ ~新NISAの改悪点と改善点~
ずばり、新NISAの「一般NISA」に関しては改悪と感じてもおかしくありません。
改悪と言われてしまうのは、主に「一般NISA」について。
そしてそのポイントは、以下の2点です。
改悪ポイント① さらなる複雑化
改悪ポイント② 自由な投資への制限
もともと複雑だった制度のさらなる複雑化や自由な投資への制限はあるものの、引き続き私たちの投資へのハードルを下げてくれる非課税制度であることに変わりはありません。
2023年で終了する可能性もあったNISA (少額投資非課税制度)は、私たちの期待通り新NISA として延長されました。
それと同時にロールオーバーの期限も延長されています。
ト平均法が儲からないと言われる理由は、主に3つあります
改善ポイント①:年間投資枠上限が2万円分(120万円→122万円)増える
改善ポイント②:投資可能期間が2028年までに延長される
改善ポイント➂:一般NISAから新NISAにロールオーバーできるようになる
投資をしてみたいけど、まだ実際にはできていない方は、まずはNISAから勉強してみましょう。
参考にしてみてね。
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