会社の制度として、財形貯蓄があります。財形貯蓄と積立NISAってどっちがいいのかな~?もしくは併用するっていうのもあり?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・結論:財形貯蓄制度と積立NISAの併用は条件次第ではあり!
・財形貯蓄制度と積立NISAの違い(比較)
・財形貯蓄制度と積立NISAの併用がリスク分散になる理由
会社員(サラリーマン)の方なら、会社の福利厚生制度として「財形貯蓄制度」がある方も多いハズ。
従業員の計画的な貯蓄をサポートしてくれ、一部非課税優遇措置もあるありがたい制度です。
でも、最近は会社とは関係なく、個人で申し込みをする必要がある「NISA」「つみたてNISA」などの新たな非課税制度が生まれていて、「どっちをやればいいの?」もしくは「併用するのもありなの?」と混乱している人も多そうです。
特に「財形貯蓄制度」と「つみたてNISA」は、自動で毎月定額が引き落としされていくという意味ではとても似てますよね。混乱する気持ち、わかります…。
今回は、財形貯蓄制度と積立NISAは併用したほうがいいのか?財形貯蓄制度と積立NISAの違いも踏まえつつ、整理してみましょう。
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結論:財形貯蓄制度と積立NISAの併用は条件次第ではあり!
ずばり、財形貯蓄制度と積立NISAの併用は条件次第ではありです。
条件次第というのは、すべての人に財形貯蓄制度と積立NISAの併用をおすすめするかと問われれば、おすすめしないという意味です。ちょっとその条件からお話してみましょう。
財形貯蓄制度と積立NISAを併用する場合の4つの条件
財形貯蓄制度と積立NISAを併用する場合の条件は、以下のとおりです。
併用の条件① 資金に余裕があること/資金を増やしたい気持ちが強くないこと
併用の条件② 資金に余裕があると使ってしまうこと
併用の条件③ お金の管理をなるべくしたくないこと
併用の条件④ 将来的に家を買う具体的な予定がある
基本的に自分で自分のお金の管理ができる人は、ムリに併用する必要はないと思います。
まずは、自分が毎月積み立てられる金額を考えて、楽しい生活を送りながら併用することが可能なのか見直してみることからおすすめします。
そもそも財形貯蓄制度と積立NISAを併用するかしないかの前に、併用したらほぼ余裕資金がなくて、精神的に疲れてしまって、資産運用がキライになった…みたいなことになったら、意味ないです。笑 ムリは禁物よ。
財形貯蓄制度と積立NISAを併用する場合の併用方法
財形貯蓄制度と積立NISAを併用する・併用しないと言っても、それには3つのパターンがあります。
パターン① 財形貯蓄制度と積立NISAを併用する
パターン② 財形貯蓄制度だけやる
パターン③ 積立NISAだけやる
財形貯蓄制度は、資金を守る役割が強い制度で、増やすことに適した制度ではありません。
しかし、財形貯蓄制度はお給料から自動で天引きされるため、お金があればあるほど使ってしまう人やお金の管理がめんどうな人にとっては、とてもありがたい制度です。
手元にあるお給料を増やしたい気持ちが大きかったり、自己管理を徹底していて家計管理も得意である場合は、あまり向いていません。
一方、積立NISAは資産を守る役割も強い制度ではありますが、増やすことも視野にある制度です。
自分で守るか攻めるか、方向性を選択することができるので、財形貯蓄制度よりは自由度が高くなります。
よって、選ぶ選択肢としておすすめなのは、財形貯蓄制度と積立NISAを併用するか、積立NISAだけやるの2択になります。
【おすすめのパターン】
パターン① 財形貯蓄制度と積立NISAを併用する
パターン③ 積立NISAだけやる
財形貯蓄制度は時間を味方にしずらいので、「パターン② 財形貯蓄制度だけやる」はおすすめしないなぁ…。ちなみにわたしは「パターン③ 積立NISAだけやる」を選んでます。笑
財形貯蓄制度と積立NISAの併用をおすすめする人
財形貯蓄制度と積立NISAの併用をおすすめする人は、以下の通りです。
【おすすめする人】
自分で家計管理をするのがニガテ・キライな人
手元に余裕資金があるとすべて消費してしまう人
リスク分散思考が強い人
将来的に家を買うことが決まっている人
【おすすめしない人】
資産を増やしたい人
リスク分散の程度は自分で都度選択したい人
お給料が多く、資金に余裕があって、家を買うこともすでに決まっている、そしてお金のことはなるべく考えたくない!という感じであれば、財形貯蓄制度の中でも「住宅財形貯蓄」という種類とつみたてNISAを併用するのもよさそう!笑
併用すべきかどうかは、個人個人のお金に対する考え方や環境、将来のライフプランによって大きく異なります。
自分の場合は併用が必要なのかを考えるために、財形貯蓄制度と積立NISAについて違いを振り返りながら、比較してみましょう。
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財形貯蓄制度とは?
財形貯蓄制度は、企業が従業員の資産形成を支援する福利厚生制度のひとつです。
財形貯蓄制度
=企業が従業員の資産形成を支援する福利厚生制度のひとつ
=従業員の資産作りを支援するために、給料から自動で一定額が天引きされる
=加入は従業員の任意で、企業が強制することはできない
あくまで従業員が入りたかったら入ればいいし、入らなくてもいいっていう自由な制度です。自分で決められるなら、ないより、あったほうがいいよね。笑
財形貯蓄制度の歴史は古く、1971年に制定された「勤労者財産形成促進法」に基づいて作られました。
その目的は、従業員の貯蓄や持ち家の取得を促進するためのもの。
一部税制優遇はありますが、最近構築された「NISA」や「つみたてNISA」よりはそのメリットは少なく、とにかく給料から自動天引きされることにうま味がありました。
高度成長期で、銀行の利子も高い時代ですよね!自分でお金の管理をするのがヘタな人に、確実に貯蓄させるための制度です。「銀行に預けておくだけで増えるんだから、ちゃんと預けときなさいよ、できないならやってあげるから!」みたいな、おせっかいだけどいいおばちゃんみたいな制度です。笑
財形貯蓄制度の非課税優遇措置
財形貯蓄制度には、以下の3種類があり、それぞれ非課税優遇措置が異なります。
①一般財形貯蓄
非課税優遇措置なし。引き出し自由。
②住宅財形貯蓄
550万円まで非課税。住宅購入資金としてしか引き出せない
③年金財形貯蓄
550万円まで非課税。年金としてしか引き出せない
財形貯蓄の金利が0.01%程度の今、①の一般財形貯蓄はほとんど意味がないよなぁ…。ほんとに自動天引きで、無駄遣いしないようにしてくれる以外のうま味がないのよw
財形貯蓄制度のデメリット・注意点
財形貯蓄制度のデメリット・注意点は以下のとおり。
①利率が低い
国内市場は低金利が続いていて財形貯蓄の金利は0.01%程度のため、運用益は期待できません。
②一般財形貯蓄の場合は、非課税優遇措置はない
住宅財形貯蓄と年金財形貯蓄にはありますが、一般財形貯蓄には非課税優遇措置はありません。
③目的外の引き出しをすると課税対象になる
住宅財形貯蓄なら住宅、年金財形貯蓄なら年金以外の引き出しをすると、利子に通常通り20%が課税されます。転職などで財形貯蓄が続けられなくなった時も「目的外の引き出し」になります。
こう見てみると…財形貯蓄制度にはデメリットはないものの、メリットもあまりなくて、正直そんなに意味がない…かな?笑 でももちろんお金があればあるほど使っちゃう人にとっては、代わりに管理してくれるという意味で意味があります!
\財形貯蓄制度についてもっと知りたい人はこちらの記事もどうぞ(*´▽`*)/
【合わせて読みたい】
財形貯蓄制度はやめたほうがいい理由ともっとおすすめの資産形成法3選
積立NISAとは?
積立NISAは、2018年1月からスタートした国が管理する少額・積立・分散投資に最適な税制優遇制度です。
積立NISA
=国が管理する少額・積立・分散投資に最適な税制優遇制度のひとつ
=加入は国民の任意で、国が強制することはできない
財形貯蓄制度と大きく違うのは、会社じゃなくて国が管理していること。そして目的も大きく違います。財形貯蓄制度は、とりあえず天引きで預貯金させようとしてたけど、積立NISAは、税制優遇をして投資させようとしていますよね(´▽`) 時代の違いだなぁ。
積立NISAの非課税優遇措置
積立NISAは、年間40万円まで、最長20年間、最大800万円まで非課税で投資・運用できます。
非課税投資枠:年間40万円
期間:最長20年間
最大非課税投資額:800万円(40万円×20年間)
投資対象は国民が自由に決められるので、その運用益は人によって違いますが、最近好調な米国株のインデックス型の投資信託ならば、大体年率4~7%で増えていくと言われています。
毎月一定額を自動で積み立ててくれるので、財形貯蓄制度と同じように無駄遣いしてしまうリスクを下げられます。
財形貯蓄と同じように自分で家計管理ができない人用の制度ではあるけど、とにかく今の時代は利子がないに等しいので、財形貯蓄制度より増える可能性も減る可能性も高くなります。うまく増やせた時は、非課税優遇措置がかなり効いてくるよね!笑
財形貯蓄制度と積立NISAの比較表
これまでの内容を踏まえて、財形貯蓄制度と積立NISAの比較表を作ってみました!
財形貯蓄制度 | つみたてNISA (少額投資非課税制度) | |
目的 | 目的別の資産形成 (住宅・老後など) | 中長期の自由な資産形成 (老後など) |
対象者 | 財形貯蓄制度導入企業の従業員 | 日本国民 |
限度額 | 限度額なし | 年間40万円 |
税制優遇措置 | 住宅財形貯蓄と年金財形貯蓄を合わせて、合計550万円まで利子は非課税 (一般財形貯蓄は、優遇措置なし) | 運用益は全額非課税(最大20年間) |
投資対象 | 預貯金がメイン | 国の基準を満たした株式投資信託がメイン |
リスク | 低い | 選択する投資対象による (低い~中程度) |
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財形貯蓄制度と積立NISAの類似点
定期的に積み立てるという点では財形貯蓄とつみたてNISAは同じです。
家計管理がニガテな以下のような人でも、継続的に貯蓄することができます。
自分で家計管理をするのがニガテ・キライな人
手元に余裕資金があるとすべて消費してしまう人
財形貯蓄制度と積立NISAの最大の違い
一般的に財形貯蓄は預貯金であり、投資信託というリスク商品しか選べないつみたてNISAと対照的です。
そのため、財形貯蓄制度は低リスク、積立NISAは中リスクだと言えるでしょう。
財形貯蓄制度:低リスク
積立NISA:中リスク
自分で家計管理をするのがニガテ・キライな人ではなくても、リスク分散しないと不安な人は財形貯蓄制度と積立NISAの併用はありだと思います!
財形貯蓄制度と積立NISAの併用がリスク分散になる理由
財形貯蓄制度と積立NISAの併用がリスク分散になる理由は、投資対象が明らかに異なるからです。
財形貯蓄制度:預貯金
積立NISA:投資信託
財形貯蓄制度と積立NISAを併用することで、預貯金と投資信託の両方に積み立てできるというメリットがあります。
もちろん預貯金はほぼ増えないことが前提ではあるのですが、資産を守りたい人によっては安全資産の置き場所を持っておくことは悪いことではありません。
積立NISAに積み立てるお金はあくまでリスク資産なので、減ってしまうことも十分にあり得ます。そのリスクが大きいと感じる人によっては、財形貯蓄制度と積立NISAを併用することで、リスク分散が可能です。
まとめ~財形貯蓄制度と積立NISAは併用する?~
結論として、財形貯蓄制度と積立NISAの併用は条件次第ではありです。
しかし、財形貯蓄制度と積立NISAは併用するかは、個人個人の考え方や性格によって違います。
財形貯蓄制度と積立NISAの併用をおすすめする人は、以下の通りです。
【おすすめする人】
自分で家計管理をするのがニガテ・キライな人
手元に余裕資金があるとすべて消費してしまう人
リスク分散思考が強い人
将来的に家を買うことが決まっている人
基本的には併用しない場合は、財形貯蓄制度だけをするのはあまりおすすめしません。
低利子の現代では、財形貯蓄制度のしくみはあまりメリットがないからです。
リスク分散の観点からは、財形貯蓄制度と積立NISAの併用はおすすめです。
財形貯蓄制度:預貯金
積立NISA:投資信託
参考にしてみてね。
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