リスク分散のために純金積立をしようとしたら、
投資家の先輩に「やめとけ」と言われました。なんで?
そもそも、純金積立のメリット・デメリットってなんですか?
今回は、こんな疑問にお答えします。
▼本記事の内容
・そもそも純金積立とは?
・なぜ純金積立はやめとけと言われるの?
・純金積立がおすすめなのはこんな人
株式投資をしている方なら、一度は「金」への投資を考えたことがあるかもしれません。
特に、暴落ダメージ回避のために「純金積立」がおすすめされることは多く、気になっている方も多いのではないでしょうか?
実際に株式投資をしているわたしも、金や純金への投資を考えたことがあります。
でも、純金積立に関連する情報を整理した結果、今のわたしの投資目標やスタンスには合っていないと感じ、純金積立をするのはやめました。
でも、人によってはすごく役立つ可能性もあるよ。
そこで今回は、純金積立を徹底解説。
なぜ純金積立はやめとけと言われるのか、なぜわたしは純金積立をするのをやめたのか、具体的な例を用いながら整理してみましょう。
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そもそも純金積立とは?
純金積立とは、純度の高い金を毎月一定額継続して購入していく投資法のことをいいます。
株式とは違う動きをしがちなので、リスク分散や資産を守る目的ではじめる人が多いよ。
純金積立
=純金を一定額ずつ、定期的に積み立てる投資法のこと
詳しく見てみましょう。
金と純金の違い
金と純金って同じもの?
純金も金の一種だよ。でも、純金は金の純度が高いもののことを言うよ。
そもそも「金」は、地球上に存在する鉱物です。
でもただの石のような鉱物とは違い、埋蔵量に限界があります。
金の産出量:3,000トン/年程度
金の市場供給量:4,500トン/年程度
地球内埋蔵量:54,000トン程度
引用:World Gold Council
いくらでもでてくるわけではないから価値があります。金=価値があるっていうのは、世界の共通認識と言ってもいいよね。
金には種類があります。
例えば、「24金」とか「18金」という言葉を聞いたことがある人もいるでしょう。
数字は鉱物の中の金の量を指し、数字が多いほうが金の純度が高いことを意味します。
一般的に「24金」と呼ばれているものが「純金」です。「純金」はその99.9%が金でできています。
金=18金と呼ばれる、75%が金でできた鉱物
純金=24金と呼ばれる、99.99%が金でできた鉱物
18金は、金以外に、銀や銅、パラジウムなどが混ざっているんだって。
金はとてもやわらかいので、そのままでは加工しずらいという難点があります。
だから、銀や銅、パラジウムを混ぜて固くし、アクセサリーや道具を作ります。
純金積立の仕組みと特徴
この貴重な純金を、毎月一定額ずつ購入し、積み立てることができる投資商品のことを、純金積立と言います。
純金積立
=純金を一定額ずつ、定期的に積み立てる投資法のこと
純金積立には、毎月購入額を決めて購入する「定額純金積立」と、毎月グラム数を決めて購入する「定量純金積立」の2種類があります。
定額純金積立=毎月購入する価格が同じ
定量純金積立=毎月購入するグラム数が同じ
純金積立の特徴は、以下のとおり。
【純金積立の特徴】
・少額から投資できる
・自動積立でほったらかしでもOK
・大暴騰や大暴落の可能性が株より少ない
・株とは逆の動きをしがちなのでリスクヘッジにも良い
金融機関にもよりますが、比較的少額から購入することができますし、自動積立も可能です。
金融機関 | 最小投資額 |
---|---|
楽天証券 | 1,000円 |
SBI証券 | 1,000円 |
マネックス証券 | 1,000円 |
ある意味、ほったらかし投資ができるので、計画的に資産形成をする際の選択肢のひとつとして投資家に人気があります。
株式投資とは違う値動きをするので、株式投資のリスクヘッジのために購入する投資家もいますが、なかなか上手く活用できない投資家が多く、「純金積立はやめとけ」と言われやすいことも事実です。
純金を買う方法には、他にも現物を保有する方法や、金のETFを買う方法があります。
特にETFは気軽に買えるので、わたしの周りでも人気だよ。
有名なのは、「GLD」や「GLDM」かな?
項目 | GLD | GLDM |
---|---|---|
設定日 | 2004年11月18日 | 2018年6月25日 |
純資産総額 | $56,649.29(百万米) | $5,996.64(百万米) |
総経費率 | 0.40% | 0.10% |
配当利回り | なし | なし |
特徴 | 元祖と言われている 安定感のある金ETF | 2018年に生まれた最新金ETF さらに低コスト化を実現 |
ETFで純金を購入する=金の価格に連動した投資信託を購入することになるので、現物ではありません。
実際に金を金庫に入れて管理するよりも、金に連動するETFの方が低コスト!…でも、やっぱり金ってクセが強い商品ではあるんよね…。
純金積立が「やめとけ」と言われる7つの理由
純金積立が「やめとけ」と言われる7つの理由は、以下のとおり。
手数料が高いから
インカムゲインがないから
スプレッドが広いから
相対的に価値が決まるから
資産価値が増えにくいから
為替の影響を受けるから
詐欺事件が多く、イメージが悪いから
一つずつ見ていきましょう。
手数料が高いから
純金積立が「やめとけ」と言われるいちばん大きな理由は、手数料が高いことです。
純金積立は長期投資だから、継続的にかかる手数料が高いのはかなりのデメリットです。わたしが純金積立をやめたいちばん大きな理由もこれ…。
手数料の種類は多く、購入手数料、買付手数料、売却手数料のほか、サービスによっては年会費や引き出し手数料を支払わなくてはならないこともあり、投資効率はあまりよくありません。
例えば、純金積立の大手企業、田中貴金属さんの純金積立手数料は、以下のとおり。
積立購入金額の合計 | 3,000円~29,000円 | 30,000円~49,000円 | 50,000円~ |
積立手数料(税込) | 2.5% 1,000円につき25円 | 2% 1,000円につき20円 | 1.5% 1,000円につき15円 |
うーん…手間がかかるからしょうがないとは言え…ちょっと株式の投資信託と比べると、高い…。
例えば、一般的な投資信託(米国株S&P500など)と手数料をくらべてみましょう。
純金積立 | 積立投資信託 | |
---|---|---|
最小投資金額 | 1000円~ | 100円~ |
想定利回り | 2~6% (※運用による) | 4~10% (※運用による) |
手数料 | 2~3% (※サービスによる) | 0.09%程度 (※サービスによる) |
特徴 | 安定・実物 | 変動・金融 |
最近は特に、積立投資信託の手数料がどんどん下がっているので、純金積立の手数料の高さは気になりますね…。
ただ、根本的に「積立投資信託」と「純金積立」を比べるのは、ちょっとナンセンスかもしれません。
なぜなら、積立投資信託は貨幣が基本の金融資産なのに対し、純金積立はモノ自体(金)に価値がある現物資産だから。
貨幣:そのモノ自体には価値がない(国の信用が担保)
純金:そのモノ自体に価値がある(希少性がある現物資産)
管理が必要な現物資産の手数料が高くなるのは、ある意味あたりまえ。
純金積立の手数料を高いとするか、低いとするかは、個人の考え方によるでしょう。
普段から株式投資をしているわたしからみると、投資効率が悪いように見えるけど、確かに目的が違うから何とも言えない…。笑
インカムゲインがないから
純金積立は、資産を保有していることによって得られる利益(=インカムゲイン)がありません。
インカムゲイン
=資産を保有していることによって得られる収益
=利息、配当、株主優待など
キャピタルゲイン
=売却することによって得られる収益
=売却益、値上がり益など
純金積立は、金を保有し続けたところで、特に新しい価値は生みません。
例えば、100万円を純金積立で保有した場合、1年後も配当金や分配金はゼロです。
しかし、この間に米国高配当株ETF「VYM」に投資をしておけば、約3万円分の配当を得ることができます。
大きな資産になればなるほど、配当金や分配金がないことによるデメリットは大きくなります。
資産規模が小さいならいいけど…資産が大きくなると効率の悪さにむずむずしてきそう…。
さらに、手数料が年間2%程度かかってしまうため、いくら安全資産とはいえ、資産がマイナスになる可能性も大きいというデメリットがあります。
わたし、配当や株主優待はいらない派なのだけど…株式投資のように分配金や配当金を再投資して複利効果を効かせたい気持ちはあるのよね。それも純金積立の場合は難しいです。
スプレッドが広いから
スプレッドとは、購入価格と買取価格の差額のことを指します。
スプレッド
=購入時の値段と売却時の値段が違うこと
(売るときのほうが安い)
スプレッドが広いということは、購入価格と買取価格の差額の幅が広いということ。
この差額を作っているのは、主に仲介手数料です。
【純金積立のスプレッドの広さに関する注意点】
・仲介手数料が安い運営会社を選ぶ必要がある
・取引回数が増えると、損失額も大きくなる
・大きな儲けがないと、手数料分負けてしまう
スプレッドは、金取引の手数料みたいなもので、金の購入にはFXと同じようにスプレッドがあります。
しかし、FXのスプレッドは0.2銭(ドル円)程度。
純金積立のスプレッドは預けた金額の1.5%前後で、実際かなり割高になりやすいという欠点が。
これが「純金積立は損をしやすい」と言われやすい理由のひとつになっています。
相対的に価値が決まるから
金の価格は、常に変動しています。
しかし、金の物質的な価値は不変です。
ん?だとしたら、金の価格ってなんで変わるの?
金の物質以外、いわゆる外部環境で変わるよ。
例えば、インフレによって通貨の価値が下落したり、株式相場で大暴落があったりすると、金に資産が預けられ、金の価値が突然高騰することがあります。
金は、みんなの逃げ場所(リスク回避資産)になっています。だから「金=有事の資産」って呼ぶこともあるよ。
【金の価値が変わる原因例】
・インフレ/デフレ
・不況
・株価の暴落
・世界情勢や経済情勢の変化 など
純金積立をメインの投資にしてしまうと、自分の資産をいっさいコントロールできなくなってしまうので、金を自分のポートフォリオのメイン資産にするのは難しいでしょう。
株式のほうが株が上がる理由が明確で、直接的です!そのほうが予想しやすいし、ある程度はコントロールできて管理しやすいよね。
資産価値が増えにくいから
純金積立がやめとけと言われやすいのは、資産価値が増えにくく、値動きがないと損をしがちだからです。
一般的に安定的で、不安定な経済・金融市場に強いといわれる金ですが、逆にどんなに経済・金融市場が良くても増えにくいというデメリットがあります。
こちらは、200年前に1ドル投資したら、200年間でいくらになるかをまとめたグラフですが、株式と比較すると、かなり残念な結果になっています。
ひーーーー。おそろしいぐらい増えてない…泣
株式:704,997倍
長期国債:1,778倍
短期国債:281倍
金:4.52倍
現金:0.05倍
金は、ここ数年かなり値上がりしていますが、この傾向は200年を通してみても珍しく、基本的には市場の変動が大きい不安定な相場の時に、お金を逃がしておくための市場と考えられてきました。
今後はどうなるかは、誰にも分りません。
しかし、これまでの推移をみると、増やすための市場になるかどうかは難しいところです。
お金を守りたい人にとって、純金は役立ちます。でも、お金を増やしたい人にとって純金市場が役立つかどうかは…うーん、どうだろう。
為替の影響を受けるから
為替の影響を受けるのも、純金積立から足が遠のく理由のひとつです。
国際的に使われている金の取引単位は、「トロイオンス」といいます。
1トロイオンス=約31.1035g
1トロイオンス分の価格は、一般的に米ドルで発表されることになっています。
金を日本で売買する場合は、為替レートによって日本円にしたときの値段が変わります。
すなわち、円高になると金の値段は安くなります。
金は金の値段の上下だけでなく、為替相場の影響も受けることから、さらに予想が難しくなります。
そのような理由から、単純な利益目的の場合は利用しにくい資産だと考える投資家が多いようです。
金は米国経済に明るくないと、なかなか持ちにくい資産のイメージがあるんだよな~。
詐欺事件が多く、イメージが悪いから
正直…ちょっと怖いイメージもあるんだよな…
ほんと?最近は仮想通貨系の詐欺事件が増えてるけど、昔はたしかに金関連の詐欺事件って多かったのかも…
実は詐欺事件の中には、金にまつわる事件も多く存在します。
もちろん純金積立は、詐欺事件に多いとまでは言い切れません。
しかし、金は現物資産であり、価値がゼロにはならないことから、信用しやすいと考える人も多いみたい。
現物資産ってなぜかみんな信用するよね…不動産も詐欺っぽい事件多いしなぁ…
これまでに起きた、金にまつわる事件をいくつかあげてみましょう。
1985年豊田商事事件
=1985年に発生した被害総額2,000億円超の大型詐欺事件(豊田商事は1985年に破産)
=存在しない金を売却するという手口で、出資金をだまし取った
インドネシア金投資詐欺
=2017年~2018年ごろに発生した被害総額1億円超の詐欺事件
=インドネシアで仕入れた金を元に月8%の配当金と元金が保証されるという手口で、出資金をだまし取った
PGA・プランスゴールド詐欺被害
=2020年ごろに発生した被害総額400億円超の詐欺事件
=ビットコインやイーサリアムなどの仮想通貨を用いた「アービトラージ」で、出資金をだまし取った
みんな、現物資産だからって油断は禁物。金、不動産などなど…ダマされないで!
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純金積立のメリット
純金積立はやめとけって言われる理由ばっかり話しちゃったけど、もちろんメリットもたくさんあるよ。
少額からスタートできる
資産価値がなくならない
現物保有の必要がない
インフレに強い
暴落に強い(有事のときに価値が上がる)
一つずつ見ていきましょう。
少額からスタートできる
純金積立は毎月1,000円程度の少額から積立購入できます。
100円からはじめられる株式の積立購入ほどではありませんが、これは大きなメリットだよね。
証券会社別の最低購入金額は、以下のとおり。
SBI証券:1,000円
楽天証券:1,000円
マネックス証券:1,000円
金を直接買ったり、金ETFを買う場合は、最低数万円がかかります。
純金積立の場合は、ドルコスト平均法でコツコツ購入できるので、時間の分散投資も可能で、全体の購入価格を抑えることができます。
資産価値がなくならない
金は、不動産などと同じように、そのもの自体に価値があると認められた「実物資産」です。
実物資産
=そのもの自体に価値がある資産のこと
=土地、建物(不動産)、貴金属(金、プラチナ、銀など)、美術品、穀物(大豆、トウモロコシなど)などを指す
実物資産の対極にあるのは、「金融資産」です。
金融資産
=そのもの自体には価値がないが、現金化できる資産のこと
=現金、株式、債権、投資信託、保険(掛け捨て以外)、商品券など
金融資産は、そのもの自体には価値がありません。
金は、世界中で認められた価値の高い「鉱物」です。
その美しさを活かした貴金属としての利用だけでなく、工業用や医療用の用途も増え、ますます人気が高まっています。
現物保有の必要がない
純金積立の場合、現物保有の必要がないのも大きなメリットです。
金って資産価値が高いし、結構重いから、物理的に管理するのは大変です。
資産価値が高いので、きちんと貸金庫や倉庫を借りたり、何らかのセキュリティ対策を講じる必要があります。
一方、純金積立の場合は、運営会社が管理してくれるため、管理コストや手間を考える必要はありません。
セキュリティへの不安が生じることもなく、気楽に運用しやすいでしょう。
インフレに強い
金は、インフレに強いといわれています。
インフレ
=モノの値段が上がり、通貨の価値が下がること
お金の価値が下落するインフレ時には、モノそのものに価値がある実物資産の価値が上がりやすいと言われています。
金も現物資産として人気が高いため、価格が上昇しやすくなります。
コロナ禍でインド政府が大量に金を購入したことが話題になっていたけど、これもインフレを懸念しての金購入だと言われています。中国やタイもたくさん金を買うので、2021年は金の値段がかなり上がっています。
暴落に強い(有事のときに価値が上がる)
金は、株式市場が暴落したり、世界中が混乱している有事のときこそ、価値が上がりやすい「守りの資産」です。
これは、金の採掘コストに関係があります。
金を採掘するには、膨大な採掘コストがかかります。
そのため金の価格が下がった時には、採掘することができません。
採掘することができないと、金の供給量が減ります。供給量が減ると、金の価値は上昇します。
【金の供給量と需給量のしくみ】
金を採掘する。金の量が増える(供給量↑)
↓
金の価値が下がる。ほしい人が増える(需要量↑)
↓
金の採掘が止まる。金の量が減る(供給量↓)
↓
金の価値が上がる。ほしい人が減る(需要量↓)
このように採掘量が変わることで、自然に供給量と需要量が調整されていきます。
これが、株式や投資信託のように価値のブレが大きくなりすぎない理由です。
金の量と値段がうまく調整されていくので、大暴落・大暴騰が起こりにくいのです。
実際に株式と金のパフォーマンスを見てみると、みごとに逆相関しています。
金のETFのパフォーマンスが黄色、米国株のS&P500のパフォーマンスが青!青が上がると、黄色が下がり、青が下がると、黄色が上がる…という感じです。
だから、株価の暴落を支えてくれると言われているんだね。
純金積立がおすすめな人
純金積立は、万人におすすめすることはできませんが、一部の方にとってはとてもいい投資方法のひとつです。
株と違う値動きをする商品でリスク分散したい人
資産を増やすよりも守りたい人
純粋に金が好きな人
ここでは純金積立がおすすめの人を確認してみましょう。
株と違う値動きをする商品でリスク分散したい人
株式投資がメインの方にとって、コワいのが暴落や不況のリスク。
そんな暴落時にダメージを軽減してくれるのが、純金積立です。
金は資産価値が安定的であり、株式市場とは異なった動きをするので、経済的な混乱が起きたときのリスクを軽減するのにおすすめです。
純金積立以外だと、債券も株式と違う動きをするから、リスク分散におすすめだよ。
資産を増やすよりも守りたい人
純金積立は、多くの資産を持っていて、大きく増やすよりも守りたい人におすすめです。
少ない資産でなるべく早く増やしたい人が純金積立にほとんどの資産を投下してしまうと、明らかな機会損失になります。
どちらかというと、資産を守る必要がある人こそ、純金積立は向いています。
純金積立は、安心・安全でリスクが低いポートフォリオを作る必要がある人におすすめです。
純粋に金が好きな人
純金積立は、金が好き!金がかっこいい!と思っている人にももちろんおすすめです。
現物資産であることもあって、投資するものの中でもファンが多いのが、「金投資」です。
好きなものを持っているだけでテンションは上がりますよね。どうせ買うなら、純金積立で少しずつ買っていくことも検討してみてください。
「ドルコスト平均法」によって、価格が変動するリスクを軽減できます。
純金積立でも金融機関によっては、金貨などで受け取ることが可能です。
純金積立をおすすめしない人
逆に純金積立がおすすめできない人は、こんな人です。
新NISAの非課税枠で投資をしようとしている人
米国経済や為替がよくわからない・興味がない人
手数料を払いたくない人
ケースごとに見ていきましょう。
新NISAの非課税枠で投資をしようとしている人
純金積立は、新NISAの非課税枠での投資ができません。
非課税枠で金に投資がしたい人は、金関連の投資信託やETFの購入を検討しましょう。
でも…個人的には非課税枠を金投資で埋めるのはおすすめではないかな…
新NISAは、あくまで投資の利益に対してかかる税金が非課税になる制度です。
金投資は他の投資と比べると守りの資産としての意味あいが強く、利益幅に大きな期待ができる商品ではありません。
新NISAの非課税枠を効率的に使うなら、金への投資よりも、株式投資、それもインデックス投資でコツコツと積立をするほうがおすすめです。
米国経済や為替がよくわからない・興味がない人
純金積立をするのであれば、米国の株式市場や経済、そして為替についての知識が必要不可欠です。
なぜなら、金の市場動向は、どうしても米国経済の事情によって変動してしまうため。
特に、米ドルの値動きと連動(逆相関)しやすいという特徴があります。
米ドルが高くなる=金の価格が安くなる
米ドルが安くなる=金の価格が高くなる
今は経済や為替に詳しくなくても、興味があれば大丈夫。
しかし、興味もないのに、ただただ純金積立を始めてしまうと、よくわからないまま市場に振り回されてしまい、為替リスクが高まっている状態に気が付けないことも多そうです。
金投資をするなら、経済の勉強が必須になります。
手数料を払いたくない人
前述したように、純金積立は手数料が多い投資です。
買付手数料
売却手数料
保管手数料など
株式投資などと比べると、かなり投資コストが高いので、損しやすいのは否めません。
手数料が気になる人は、純金積立よりも、金に連動するETFか、他の資産でリスク分散しましょう。
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金の値動きの特徴と今後!筆者は純金積立をする?しない?
金の値動きは比較的安定していると言われていますが、実は、2020年以降、今までにないペースで高騰しています。
これまでの純金の価格の相場推移
田中貴金属のホームページによると、金の価格は、2010年以降比較的安定的に推移してきました。
しかし2020年、これまでの値動きと少し異なり、高騰しています。
参考小売価格(税抜)
2010年:3,477円/グラム
2011年:4,060円/グラム
2012年:4,321円/グラム
2013年:4,453円/グラム
2014年:4,340円/グラム
2015年:4,564円/グラム
2016年:4,396円/グラム
2017年:4,576円/グラム
2018年:4,543円/グラム
2019年:4,918円/グラム
2020年:6,122円/グラム
引用:田中貴金属のホームページ
この理由は、主に以下の2つ。
価格上昇理由① 金の需要の高まり
価格上昇理由② コロナショック
ひとつずつ、みていきましょう。
上昇理由① 金の需要の高まり
一つ目の金の価格の上昇理由は、シンプルに「金の需要が高まっている」ことが挙げられます。
これまでの金は、単なる実物資産でした。
しかし、最近はその用途の幅が広くなっていて、投資対象として価値が上がってきています。
例えば、パソコンなどの精密機械の素材として使われたり、医療器具の部品として使われたり、工業利用の幅も大きくなっています。
そして、これからますます金の需要が上がっていくことが期待されています。
上昇理由② コロナショック
二つ目の金の価格の上昇理由は、「コロナショック」です。
世界中が新型コロナウイルスによって震撼し、経済の先行きが不透明になりました。
基本的に金は、経済が不安定になると買われる傾向にあります。
なぜなら、金は暴落に強い資産だと考える投資家が多いからです。
株式投資などリスクが大きいと思われる資産をたくさん購入していた投資家たちは、度重なる暴落に備えて、自分の資産を避難させようとします。
その避難先が、金というわけです。
今後も世界的な不協和音が起きた時は、金が買われ、価格が高騰する可能性があります。
2020年の金の価格の上昇は、これまでにあまりないモノでした。
これだけ金の価格上昇が進むと、いつ下落するのか、心配になります。
ここからは金の価格が下落する理由もいくつかおさらいしておきましょう。
下落理由① 供給量の増加
一つ目の金の価格の下落理由は、「供給量の増加」です。
特徴のところでご説明したように、金の需要自体が減少したり、供給量が増加しすぎると金の価格は下落します。
これは単純に、市場に金が出回り過ぎてしまったことが原因です。
下落理由② 米国ドルの価値の上昇
二つ目の金の価格の下落理由は、「米国ドルの価値の上昇」です。
金は、米国ドルの相場と逆相関にあることが知られています。
ドルの価値が上昇すると、金の価格は下落します。米ドルのレートが上昇している時は、注意が必要です。
下落理由③ 金融不安の解消
三つ目の金の価格の下落理由は、「金融不安の解消」です。
金は、世界が経済的かつ金融的な不安に陥ると価値が上昇する資産です。
一方で、その経済的かつ金融的な不安が解消されたときには、価値が下落します。
株式市場の盛り上がりと同時に金の価格が下落するのはよくあることです。
今後、コロナショックからの回復で、金の価格がどうなるか…引き続き観察したいですね。
筆者が純金積立をしない理由
純金積立、おもしろそうだなとは思います。
株式市場が暴落する度に、「あーーー金、買っておこうかなー」ってちょっと思う。笑
しかし、わたしは、現状、純金積立をするつもりはありません。
いちばん大きな理由は、わたしの今現在の投資目標と純金積立があまり合っているとは思えないから。
資産を増やしたい今は、多少の暴落は目をつむって、とにかく入金額を増やすことに集中したいからです。
さらに言うと、純金積立のコストの高さも気になっています。もし金投資をするのであれば、わたしはETFでの購入を検討するかもしれません。
現物資産と言えば、わたしは不動産も持っているので、不動産を売る時が来たら他の現物資産の検討をするのもよいかなと感じています。
どちらにしろ、少し遠い将来なのかなという印象です。
まだまだ守りに入る時期ではないので、すぐすぐに純金積立をする予定はありません。でも、純金積立をすると、付随していろんな勉強ができそうではあるので、将来的には、やってみる可能性もゼロではありません(*´▽`*)
\枝豆の投資方針と資産目標の詳細はこちらから(*´▽`*)/
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まとめ:なぜ純金積立はやめとけと言われるの?
純金積立は、株式や投資信託とは違う動きをするので、分散投資のひとつとして有用な投資法です。
しかし、資産価値がふえにくく、手数料も高いので、「早く資産を増やしてFIREしたい!」「儲けたい!」と思っている方にとっては、今すぐ役立つ投資手法ではありません。
純金積立が「やめとけ」と言われる7つの理由は、以下のとおり。
手数料が高い
インカムゲインがない
スプレッドが広い
相対的に価値が決まる
値動きがないと損をする
詐欺事件が多く、イメージが悪い
逆に「資産を守りたい!」「安定的なポートフォリオを作りたい」「金が好きだ!」という方には、かなり役立つ投資手法になるかもしれません。
どちらにしろ、資産分散自体は、だれもが検討すべきことです。
例えば、純金積立がおすすめなのはこんな人です。
株と違う値動きをする商品でリスク分散したい人
資産を増やすよりも守りたい人
純粋に金が好きな人
自分の資産やポートフォリオをよく見て、純金積立を入れたほうがよいのか、それともまた違う分散方法を採用するか、ゆっくり考えてみてくださいね。
それでは今日も、まめまめたのしい一日を。
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