
最近よく「バリュー投資」「グロース投資」って聞くのだけど、
どういう意味?初心者にはどっちがおすすめ?
代表的な株式投資の2つの方法、「バリュー投資」と「グロース投資」。
とても定義が難しい「バリュー」と「グロース」。同じ銘柄でも、その株が「バリュー株」だと言う人もいるし、「グロース株」だと言う人もいるなど、意見が分かれることも多々あります。
実はこの2つ、必ずしも相反する投資用語ではありません。銘柄によっては「バリュー株」であり「グロース株」である場合も少なくないのです。
「バリュー株」も「グロース株」もそれぞれメリットとデメリットがあるので、どちらか一方を選ぶというよりは、両方ともポートフォリオに組み込むのがおすすめです。
ここ1年はグロース株がとても元気だったので、バリュー投資はもう古いって思っている人もいるかもしれませんが、本当にそうでしょうか?
今回は
・バリュー投資とは?
・グロース投資とは?
・バリュー投資とグロース投資の違い
についてまとめてみたいと思います。
バリュー投資とは?
バリュー投資の「バリュー」とは、日本語に直すと「価値」を指します。
バリュー=価値
バリュー投資は、「価値」に注目して行う投資のことをいいます。
バリュー投資の基本的な考え方と定義
バリュー投資は、今現在の企業の価値と本来の企業の価値を比較して、本来の価値が現在の価値より高ければ、将来的に値上がりすると考えます。
現在の企業価値>本来の企業価値=値上がりしない=投資しない
現在の企業価値<本来の企業価値=値上がりする=投資する
これが、バリュー投資の基本的な考え方です。

言い方を変えると、バリュー投資はよく「株価が割安な企業に投資すること」って言われるよ。
バリュー投資
=株価が割安な企業に投資すること
バリュー株とは、株価が割安な株のことを言います。
バリュー株
=株価が割安な株
バリュー投資の神様=ウォーレン・バフェット氏
バリュー投資の神様と言われている投資家と言えば、ウォーレン・バフェット氏です。。
ウォーレン・バフェット
誕生日:1930年8月30日
国籍:アメリカ
2021年12月現在で、なんと91歳ですが、今も現役で投資家として活動されています。
ウォーレン・バフェット氏が世界最大の投資持株会社であるバークシャー・ハサウェイの経営権を握ることになった1965年から約50年の間に、バークシャー・ハサウェイの株価はなんと20,000倍になりました。
※この間に、米国大型株の動向をあらわす株価指数のS&P500は、140倍になっています。

スゴイ投資家さんなのはもちろん、90歳を超えても投資家として活動されているのがすごすぎますw
ウォーレン・バフェット氏の投資の特徴は、「長く同じ銘柄を持つ」ということです。
多くの投資家が株価が安い時に買い、高い時に売るという行動を繰り返す中で、ウォーレン・バフェット氏は株式の長期保有を理想とし、推奨しています。
ウォーレン・バフェット氏の主な運用手法がバリュー投資であることから、 ウォーレン・バフェット氏 は「バリュー投資の神様」と呼ばれています。
バリュー投資の指標
バリュー投資は、株価が割安な銘柄に投資する方法です。
ということは、「割安かどうか?」を常に判断する指標が必要です。このめやすとして一般的に使用されるのが、PER(株価収益率)とPBR(株価純資産倍率)です。
PER
=株価収益率
=株価÷1株あたりの利益
PBR
=株価純資産倍率
=株価÷1株あたりの純資産
バリュー投資ではPER・PBRが低いと「割安」、高いと「割高」と考えて、割安な銘柄に投資します。
バリュー投資の計算例:PER
試しにPERを計算してみましょう。
株価が1,000円で、1株あたりの純利益が100円だった場合、PERは10倍になります。
例:
株価:1,000円
1株あたりの純利益:100円
計算式:
1,000円(株価)÷100円(1株あたりの純利益)=10倍
PERの平均は、一般的に15倍程度です。10倍なので、この株は割安と判断できます。
PER:10倍<15倍 →割安
バリュー投資の計算例:PBR
PBRを計算してみましょう。
株価が1,000円で、1株あたりの純資産が800円だった場合、PERは1.25倍になります。
例:
株価:1,000円
1株あたりの純資産:800円
計算式:
1,000円(株価)÷800(1株あたりの純資産)=1.25倍
PBRの平均は、一般的に1倍程度です。1.25倍なので、この株は割高と判断できます。
PBR:1.25倍>1.倍 →割高
バリュー投資の指標の注意点
有名なバリュー投資の指標であるPERとPBRですが、これだけで割安・割高を判断するのは難しいというのが、一般的な投資家の見解です。
もちろんPERとPBRは、参考になる数値ではありますが、あくまで参考でしかありません。

そりゃそうよね。テストの成績がクラスで1番でも、将来成功するかは限らないもんね。あくまでPERとPBRは、「あー将来性があるかもね~」って思うぐらいの軽いめやすでしかありません。
では、PERとPBRの他には、どんなことを気をつけてバリュー投資をすすめるべきなのでしょうか?
参考ポイント① 大型株は避ける
大型株と呼ばれる時価総額が大きい銘柄は、流動性が高く、売られたり、買われたり、安定しにくい傾向にあります。
大型株とは、時価総額が大きな株のこと。それだけ知名度もあり、小さいニュースでもみんなが注目しています。そのため、すぐに買われるし、すぐに売られます。流動性が高くなりがちなのです。
大型株
=上位100銘柄
=時価総額と流動性が高い
中型株
=上位400銘柄
=時価総額と流動性が中程度
小型株
=大型株・中型株に含まれない全銘柄
=時価総額と流動性が低い
大型株は、PERとPBRを見て、割安だと思ったとしても、市場の流れが変わったら、すぐに割高に反転します。
その一方で、中小型株は流動性が少ないので(あまり注目されていないので)、安定しやすいというメリットがあります。
より安定したバリュー投資をしたい場合は、大型株を避けるのがおすすめです。
参考ポイント② 成長性も見込める銘柄を選ぶ
バリュー投資は、基本的には長く1つの銘柄を持ち続けることを理想としています。長期的に持つことが前提なので、その銘柄の成長性も無視できません。
ただやみくもに長く持ち続ければいいというのではなく、割安な株であることはもちろん、成長する見込みがある銘柄を長期的に保有することで利益が大きくなります。
バリュー株投資とグロース株投資は、結果的に持つ株があまり変わらないと考える投資家が一定数いるのは、成長性もきちんとチェックした上で購入しているためです。
参考ポイント③ 現預金が多い銘柄を選ぶ
バリュー投資は、基本的には長く1つの銘柄を持ち続けることを理想としています。
ということは、その長い時間の中で、必ず大不況が来ます。大不況が来ても、安定して成長することができる銘柄を持つのが理想です。
その判断基準のひとつとして、有利子負債よりも現預金等が多いかどうかをチェックする方法があります。
現金をたくさん持っているキャッシュリッチな企業は、やはりいざと言う時につぶれにくく、とても頼りになります。
参考ポイント④ 売上高営業利益率が高い銘柄を選ぶ
長期的に成長していく企業は、競争力があり、かんたんには真似できない独自性があります。利益率が多いというのは、その独自性を判断する指標のひとつです。
長期的に持つことが前提なので、投資で一時的に儲けただけの企業や、本業が不安定だけど常に副業で儲けを得ているなどの不安定な企業はバリュー投資にはあまり向きません。
バリュー投資向きのバリュー株では、特に本業で利益がきちんと出ている場合に多くなる営業利益が安定して伸びている必要があります。
その判断指標のひとつとして「売上高営業利益率」をチェックするのもおすすめです。
参考ポイント⑤ 応援できる銘柄を選ぶ
最後は、やっぱり自分が応援できる銘柄を選びましょう。
急に数字からは離れてしまうのですが、その企業が好きかどうかはバリュー銘柄を選ぶ上でとても重要です。

「この会社が伸びていく先の世界はおもしろいなー」とか、「この会社が伸びていけない世の中は、ちょっとやだな」とか、結構そういう基準で銘柄選びをしたり、お買い物をしたりしがちです。笑 そうするとこの世にあふれるニュースがみんな興味深くなるのでおすすめだよ。
なんとなくこの会社ずるい感じがしてやだなとか、この会社ってかっこいいなとか、なんでもいいと思います。
長く投資を続けるバリュー投資において、意外と大事だなと思うのは、やっぱり応援できるかどうかです。ずっと自分のポートフォリオに入り続けるわけですから。

あまり好きでない銘柄は、いざと言う時にすぐに売りたくなります。笑
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バリュー株のメリット・デメリット
バリュー株を購入すると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
ここからは、グロース株と比較したときのバリュー株のメリットとデメリットを整理してみましょう。
メリット① 株価のボラティリティが低くて安心感がある
バリュー株は、もともと割安でこれ以上大きな下落をする可能性が低い株です。
安く買って高く売ることを目指した投資なので、市場全体の短期間の下落はあまり気にする必要がありません。ずっと見張っていないといけない局面もないので、安心感があります。
メリット② 配当や株主優待を受けやすい
バリュー株は、もともと割安なので配当利回りが高くなる傾向があります。
また魅力的な株主優待があるなど、持っているだけで楽しいというメリットがあります。

普通に応援しやすいんですよね、優待あるし。でもこんなデメリットもあります。
デメリット① 株価が上昇するまでに時間がかかる
割安になっている株を買うバリュー投資は、長期的にリターンを得るための投資法です。
短期的にはグロース株などにはかなわないので、がっかりすることもあるかもしれません。減りにくいので資金を守りたいときにはよいのですが、攻めるタイミングではタイミングを逃す可能性があります。

同時に買ったグロース株が爆上げしていると、あれ…選択間違ったかも?って思いがちです。笑
デメリット② 資金の流動性が低下する
中長期的な投資が前提であるため、動かせない資金の割合が増えるというデメリットがあります。
同じ金額をグロース株に投資していれば、10倍に増えたタイミングでほぼ変わらないことも多いので、資産を効率的に使えないというデメリットがあります。
それではつづいて、よく比較されるグロース投資についても基本を確認してみましょう。
グロース投資とは?
グロース投資の「グロース」とは、日本語に直すと「成長」 を指します。
グロース=成長
グロース投資は、「成長」に注目して行う投資のことをいいます。
グロース投資の基本的な考え方と定義
グロース投資は、企業の売上高や利益が伸びている、成長企業に投資する方法です。
すでに成長している企業なので、PERやPBRを見ると市場平均よりも高くなります。

基本的には割高株でしょうがない感じです。人気の株だからね。
例えば、グロース株の代表と言えば、最近は「テスラ」が有名です。
テスラの12月27日現在のPERとPBRは以下の通りです。
PER:1,667倍
PBR:43.2倍
PERの平均は、一般的に15倍程度なのですが、なんと1,600倍越えです…すごいですよね。
グロース投資とは、成長が期待できる企業に投資することを言います。
グロース投資
=成長が期待できる企業に投資すること
グロース株
=成長が期待できる株
グロース投資の指標
グロース投資は、成長が期待できる銘柄に投資する方法です。
成長が期待できる株かどうかのめやすとして一般的に使用される指標は、ROEや売上高成長率などの成長指標です。
ROE
=自己資本利益率
=当期純利益÷自己資本
売上高成長率
=(当期売上高-前期売上高)÷前期売上高
グロース株を探すうえでは、継続して成長しているかどうかを見極めることが大切です。

継続して成長できるかどうかを確認するためには、直近1年の売上高成長率だけではなく、長期で見ないと難しいのですけど、そうするとチャンスを逃すのよね…むずぅ。
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グロース株のメリット・デメリット
グロース株を購入すると、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
今度はグロース株のメリット・デメリットを見てみましょう。
メリット 10倍~100倍のキャピタルゲインが狙える
成長企業を探し当てることができれば、株価が数倍になることもあるのがグロース株の魅力です。
また、それぞれの銘柄が派手な動きをするのもあり、メディア等にも情報が出やすいので、応援できる銘柄を選びやすいという楽しさもあります。
デメリット① 株価が割高である
グロース株は、とにかく株価が割高です。
投資家からの人気が集中してしまうので、株価が上がりやすく、テスラなどではなんと1000倍です。
こうなると本当に上昇トレンドが続くのか、そしていつまで続くのかは見極めが重要ですし、リスクも高くなります。
デメリット② 配当への期待ができない
グロース株は、成長するために投資をしていくので、投資家への配当はあまり行われません。配当金目当ての場合は、あまり向いていない銘柄です。
バリュー 投資とグロース投資の違い
バリュー 投資とグロース投資は、どちらが古くてどちらが新しいとか、どちらが儲かりやすくて、どちらが儲かりにくいなどの違いはありません。
しかし、リスクが高くなりがちなのは、グロース株です。それはリターンも高いので、当然のことともいえます。
リスクが高い=リターンが高い
コロナ禍以後はグロース株がかなり順調に伸びているので、メディア等グロース株が取り上げられがちですが、これはたまたま。
どちらもバランスよくポートフォリオに組み込み、バランスよく成長させることがおすすめです。
まとめ ~バリュー投資とは?グロース投資の違い~
今回は、バリュー投資とグロース投資の違いについてまとめてみました。
バリュー投資は、「価値」に注目して行う投資のことをいいます。
グロース投資は、「成長」に注目して行う投資のことをいいます。
バリュー投資
=株価が割安な企業に投資すること
グロース投資
=成長が期待できる企業に投資すること
バリュー 投資とグロース投資は、どちらが古くてどちらが新しいとか、どちらが儲かりやすくて、どちらが儲かりにくいなどの違いはありません。
今はたまたま時期的に、グロース株が取り上げられがちですがそれはコロナ禍の株価の値上がりが異常に好調だから。
本質的には、両方のバランスが大事です。
参考にしてみてね。
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