
最近よく聞く「ユニコーン企業」ってなに?日本政府は2023年までにユニコーン企業を20社作ろうとしてるってほんと?
そうなんです。
2018年ごろからよく耳にするようになった「ユニコーン企業」。
これからの日本の成長戦略の中で、「ユニコーン企業」を増やすことが目標のひとつになっています。
今回は
・ユニコーン企業とは?(定義)
・日本のユニコーン企業育成計画とは?これから増える?
・ユニコーン企業ランキング一覧(日本・アメリカ)
についてまとめてみました。
ユニコーン企業とは?
まずは、「ユニコーン企業」の定義を整理してみましょう。
ユニコーン企業の定義
「ユニコーン企業」には、3つの条件があります。
この3つの条件を満たした企業のことを「ユニコーン企業」と言います。
条件① 評価額が10億ドル以上であること
条件② 創業10年以内であること
条件③ 未上場であること
一般的に「評価額が10億ドル(約1040億円)を超える未上場のスタートアップ企業」のことを、「ユニコーン企業」と言います。株式上場している企業は「ユニコーン企業」には該当しません。
ユニコーン企業
=評価額が10億ドル(約1040億円)を超える未上場のスタートアップ企業(創業10年以内)

創業10年以内って…なんかお笑い芸人さんのM-1みたいだけど、企業版M-1じゃないよw
「ユニコーン企業」という言葉は、2013年に投資会社「カウボーイ・ベンチャーズ」の創業者であるアイリーン・リー氏が作った投資用語です。
そもそも「ユニコーン」は一角獣とも呼ばれる額に1本の角が生えた、伝説の生き物です。
勇敢な動物として描かれることもあれば、凶暴で傲慢な動物として描かれることもあるし、純真で高尚な動物としても描かれます。
スコットランドでは王家の象徴にもなっていて、紋章獣のひとつでもある不思議な生き物です。
名づけ親の投資家アイリーン・リー氏は、「投資家に巨額の利益を及ぼす希少な存在」として評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業のことを「ユニコーン」と名付けました。
ユニコーン企業の種類
ユニコーン企業には、3つの種類(段階)があります。
1段階目:ユニコーン企業
=評価額が10億ドルを超える未上場のスタートアップ企業
2段階目:デカコーン企業
=評価額が100億ドルを超える未上場のスタートアップ企業
3段階目:ヘクトコーン企業
=評価額が1000億ドルを超える未上場のスタートアップ企業
評価額の大きさによって、呼び名がこのように違います。
評価額が1,000億ドル(約11兆円)以上の企業は、今現在世界に1社しかありません。
その1社とは、TikTok(ティックトック)のサービスを展開している、中国のByteDance(バイトダンス)です。

TikTokのByteDanceは、おばけ企業ですね…ついつい毎日寝る前に見ちゃうはずだよ…。笑
今や世界企業のひとつとなったFacebookを提供するMetaも、創業当時はユニコーン企業として認識されていました。
ユニコーン企業には、将来世界をけん引する企業がたくさん含まれている可能性があるのです。
国別のユニコーン企業数
それでは、ユニコーン企業はどこの国に多いのでしょうか?
多くの人の予想通り、ユニコーン企業数1位の国はアメリカです。
アメリカの調査会社「CBインサイツ」の報告による、世界のユニコーン企業数は以下のとおりです。
アメリカ:50%
中国:19%
インド:5%
英国:4%
イスラエル:2%
引用:日本貿易復興機構ジェトロ ビジネス短信 2021年10月12日
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/cc19e788e306a296.html
なんと7割がアメリカと中国で、日本は全くランクインできません。
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なぜ日本はユニコーン企業が生まれにくいのか?
残念ながら、今日本ではなかなかユニコーン企業が生まれていません。
その理由は一体なんなのでしょうか?
主な理由として3つがあると言われています。
理由① そもそも日本人は起業意識が低い
ユニコーン企業が生まれにくい理由の1つ目は、そもそも日本人は、諸外国に比べて起業意識がかなり低いことが挙げられます。
米国バブソン大学と英国ロンドン大学が中心となり1999年から実施されている「Global Entrepreneurship Monitor(グローバル・アントレプレナーシップ・モニター)」(GEM)調査の「起業意識の国際比較データ」によると、日本人はすべての項目で意識水準が低いことがわかりました。

【日本人の割合が低い項目】
・周囲に起業家がいる
・周囲に起業に有利な機会がある
・起業するために必要な知識、能力、経験がある
・起業することが望ましい
・起業に成功すれば社会的地位が得られる
日本人は周りに起業している知り合いがおらず、起業自体が身近でないだけでなく、実際に起業することで利益があることが実感できない人が多いことがわかります。
起業無関心者の割合の推移においては、他国が2割~4割なのに対し、日本ではなんと8割近い人が起業に無関心なことがわかっています。

理由② 未上場株式の取引市場がない
ユニコーン企業が生まれにくい理由の2つ目は、未上場株式の取引市場がないことが挙げられます。
取引市場がなければ、市場自体がなかなか育ちません。
アメリカや中国は、ベンチャー企業やスタートアップを育てる制度が多く、リスクマネーの供給が多いと言われています。
リスクマネー
=企業の将来性を評価し、投資資金の回収不能リスクを覚悟の上で提供する資金のこと
しかし日本でも少しずつ、環境構築はすすめられています。
例えば、株式投資型クラウドファンディング「ファンディーノ」を運営する日本クラウドキャピタルは2021年の12月、未上場企業の株式を個人投資家が自由に売買できる取引市場「ファンディーノマーケット」をスタートさせました。
今後はもっと多くのサービスが登場することが予想されています。
理由③ ベンチャーキャピタル(VC)の投資額が少ない
ユニコーン企業が生まれにくい理由の3つ目は、ベンチャーキャピタル(VC)の投資額が少ないことが挙げられます。



アメリカと比較して少ないだけじゃなくて、減ってきている…ww
日本ではベンチャーキャピタルからの資金調達のハードルが高く、ベンチャーキャピタル(VC)から資金を到達するよりも、上場を選ぶ起業も多いとか…ますます企業が育ちにくい環境が出来上がっているのです。
日本のユニコーン企業育成計画とは?これから増える?
日本のユニコーン企業は少なく、またユニコーン企業が育ちにくい環境であることがわかりましたが、日本政府はこの状況をよしとしていません。
2018年に発表された「未来投資戦略2018」では、2023年までにユニコーン企業を20社創出することを目標に、日本も市場環境を変えていくことに挑戦しています。
【目標】
2023年までにユニコーン企業を20社創出

2023年って、あと2年?!結構すぐだけど大丈夫かなw
日本経済新聞社が2021年12月に発表した内容によると、ユニコーン企業は6社から11社に倍増しています。
経済産業省がスタートアップを支える支援体制「 スタートアップ・エコシステム支援パッケージ」やスタートアップ企業の育成支援のため「J-Startup」などのサービスが少しずつレベルアップしていることがわかりますね。
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ユニコーン企業ランキング一覧(世界)
ここからは世界のユニコーン企業ランキングを一覧で見ていきましょう。
ここに出てくる企業が数年後に世界の株式市場をひっぱる存在になるかもしれません。
世界のユニコーン企業価値ランキング上位5社(2021年9月時点)
順位 | 企業名 | 企業価値 | 国名 | 事業分野 |
1 | バイトダンス(ByteDance) | 140.0 | 中国 | モバイルソフト・サービス |
2 | ストライプ(Stripe) | 95.0 | 米国 | オンライン決済サービス |
3 | スペースX(Space X) | 74.0 | 米国 | 航空宇宙・防衛 |
4 | クラーナ(Klarna) | 45.6 | スウェーデン | 後払い決済サービス |
5 | キャンバ(Canva) | 40.0 | オーストラリア | デザイン制作サイト |
https://www.jetro.go.jp/view_interface.php?blockId=32521217
https://www.jetro.go.jp/biznews/2021/10/a835f67cf4c61be5.html
世界では各種オンラインサービスやFinance(金融)とTechnology(IT)が融合したフィンテック(決済サービス)が増えていて、これらの企業が伸びている印象があります。
ユニコーン企業ランキング一覧(日本)
日本経済新聞社調査した「NEXTユニコーン調査」では、日本のユニコーン企業11社が時価評価額順にランキングされています。
順位 | 企業名 | 企業価値 | 事業分野 |
1 | プリファード・ネットワークス | 3561億円 | AI開発 |
2 | スマートニュース | 2017億円 | 情報収集アプリ |
3 | スマートHR | 1731億円 | クラウド型人事労務ソフト |
4 | TBM | 1336億円 | プラスチック・神代替素材 |
5 | スパイバー | 1312億円 | 次世代素材 |
https://www.nikkei.com/article/DGXZQOUC22BCH0S1A121C2000000/?unlock=1
一部のユニコーン企業について、詳しく見てみましょう。
日本のユニコーン企業① プリファード・ネットワークス
設立:2014年
代表者:代表取締役 西川 徹
2021年9月時点の評価額:3561億円
プリファード・ネットワークスは、日本のIoT分野での活用を中心にディープラーニングの研究と開発を行うスタートアップ企業です。
グリーのゲーム事業ブランドであるWFSと、AI技術を活用したアプリケーションを共同開発したり、三井物産と一緒にアメリカで医療事業の新会社「プリファード・メディシン」を設立すると発表したり、積極的に他社とコラボレーションしながら、常に50件以上のプロジェクトを進行しています。
株式上場のうわさも多い企業ですが、最高経営責任者(CEO)をつとめる西川徹代表兼最高経営責任者(CEO)は、必要なければ、新規株式公開(IPO)をしたくないと新聞取材で答えています。
日本のユニコーン企業② スマートニュース
設立:2012年
代表者:代表取締役 鈴木健
2021年9月時点の評価額:2017億円
スマートニュースは、 スマートフォン用のニュースアプリを提供するスタートアップ企業です。
2013年12月には「Google Play Best of 2013」において「アプリオブザイヤー2013」を受賞し、2021年の9月には251億円の資金調達を実施し、大きな話題になりました。
日本国内では、SMBCベンチャーキャピタルや任天堂創業家の山内万丈氏が運用するYamauchi-No.10 Family Officeなどが出資しています。
しかし、スマートニュースは特にグローバル展開を重視していることもあり、海外からも出資が多く、世界的に注目されるユニコーン企業となっています。
社会や市場に合わせてどんどんサービスを広げていく印象のスマートニュース。
新型コロナウイルスの特設チャンネルを作ったり、米大統領選挙時にはスライダーを左(リベラル)右(コンサバティブ)に動かすことで、表示される政治ニュースが変わる独自機能を作るなどアイデアもおもしろく、今後が期待されています。
日本のユニコーン企業③ スマートHR
設立:2013年
代表者:代表取締役 宮田 昇始
2021年9月時点の評価額:1731億円
スマートHRは、クラウド型人事労務ソフトウェアを手掛けるスタートアップ企業です。
「社会の非合理をハックする。」というミッションを掲げ、人事・労務分野であらゆる「紙作業」をなくすクラウド型人事労務ソフトウェアの運営をしています。
「週刊東洋経済」の「すごいベンチャー100」に取り上げられ、2019年6月には61.5億円を調達2021年6月には156億円を調達し、推定評価額が約1700億円となり、今後の成長がますます期待されています。
ユニコーン企業ランキング一覧(アメリカ)
ユニコーン企業を中心に非上場企業に投資するファンドを運用しているHiJoJo Partners株式会社が発表した「米国ユニコーン100社リスト(2021年10月版)」では、アメリカに本拠を置くユニコーン企業を企業評価額順に100社リストアップしています。
ランキングは以下のとおりです。
順位 | 企業名 | 企業価値 | 事業分野 |
1 | Stripe | $152.00 | 決済プラットフォーム |
2 | SpaceX | $74.31 | 宇宙輸送、衛星インターネットサービス |
3 | Instacart | $39.00 | 食料品購入代行 |
4 | Databricks | $38.00 | データ分析ソリューション |
5 | Waymo | $30.75 | 自動運転車両開発、無人タクシー |
6 | Epic Games | $28.70 | ゲーム開発、ゲーム開発プラットフォーム |
7 | Rivian | $27.60 | 電気自動車開発 |
8 | Chime | $25.00 | モバイル銀行 |
9 | Kraken | $20.00 | 暗号資産の取引所 |
10 | Acrisure | $17.50 | 保険の仲介 |
https://www.hijojo.com/directory/unicorn100
一部のユニコーン企業について、詳しく見てみましょう。
アメリカのユニコーン企業① ストライプ(Stripe)
設立:2011年
設立者:パトリック・コリソン、ジョン・コリソン
2021年10月時点の評価額:$152.00
ストライプ(Stripe)は、兄弟であるパトリックとジョン・コリソンが共同設立した決済プラットフォーム企業です。
2014年3月の段階でビットコインに対応し、発生原価を自動的に計算して、たった7日間で銀行口座に振り込めるようにするなど取り組みが画期的です。
現在2022年の上場に向けた話し合いを行い、1000億ドル以上の評価額を視野に入れているとも報じられています。
アメリカのユニコーン企業② スペースX(SpaceX)
設立:2002年
設立者:イーロン・マスク
2021年10月時点の評価額:$74.31
スペースXは、電気自動車メーカー、テスラの創業者であるイーロン・マスク氏が創業した宇宙開発企業です。
スペースXは、テスラを凌ぐ可能性を秘めると言われ、注目されています。
注目の理由は、宇宙インターネット事業の「スターリンク」です。
地球の周回軌道に張り巡らせた小型衛星を使って、地球全体でインターネットを利用できるようにするという壮大な事業で、すでにアメリカやカナダでβ版のサービスが開始されています。
宇宙インターネット事業の「スターリンク」の開発は順調で、日本でも2022年からKDDIを通じて利用可能になる予定となっています。
アメリカのユニコーン企業③ インスタカート(Instacart)
設立:2012年
設立者:Apoorva Mehta, Max Mullen, Brandon Leonardo
2021年10月時点の評価額:$39.00
インスタカート(Instacart)、は食料品の即日配達サービスを運営するアメリカのスタートアップ企業です。
アマゾン(Amazon)の元従業員Apoorva Mehtaが創設し、2015年には約2億7500万ドルを調達し、「アメリカで最も有望な企業」として世界的な経済誌であるForbesに掲載されました。
コロナ禍のおこもり需要も相まって順調に発展し、2021年には元アメリカフェイスブック社でモバイル・商品部門を10年間率いたフィジ・シモ氏が新CEO(最高経営責任者)に就任しました。
2021年の上場を狙っていたものの、フィジ・シモ氏は計画を延期します。理由は、食料品宅配以外のサービスを広げるため。これからの発展が期待されるユニコーン企業のひとつです。
まとめ ~ユニコーン企業とは?注目企業ランキング一覧~
以下の3つの条件を満たした企業のことを「ユニコーン企業」と言います。
条件① 評価額が10億ドル以上であること
条件② 創業10年以内であること
条件③ 未上場であること
ユニコーン企業
=評価額が10億ドル(約1040億円)を超える未上場のスタートアップ企業(創業10年以内)
残念ながら、今日本ではなかなかユニコーン企業が生まれていません。
その理由は以下の3つが挙げられます。
理由① そもそも日本人は起業意識が低い
理由② 未上場株式の取引市場がない
理由③ ベンチャーキャピタル(VC)の投資額が少ない
そんな中でも今後の活躍が期待される日本のユニコーン企業も存在します。
日本のユニコーン企業① プリファード・ネットワークス
日本のユニコーン企業② スマートニュース
日本のユニコーン企業③ スマートHR
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