よし!株式投資をするぞ
投資信託を買ってみるって決めた!
と思ったら、まずやること。それは、証券会社で口座を開くことです。
そして、口座を開くときに、最初にナニコレ?って思うポイントが口座の種類ではないでしょうか?実は口座には種類があるんです。
この口座の種類、税金の払い方にも関わる大事なポイント。適当に決めちゃうと後で大変なことになります。

わたしもたしか最初のころ…え、ナニコレ?一般口座?特定口座?普通に株をやりたいだけだから一般口座でいいんやない?って思った気がします。ところがどっこい、普通の人は特定口座のほうがいい場合が多いの。意外なとこに落とし穴。笑
今回は
・証券会社の口座の種類「特定口座」とは?
・一般講座・NISA口座との違い
・特定口座の種類「源泉徴収あり」「源泉徴収なし」の違いとメリット・デメリット
についてまとめてみたいと思います。
特定口座とは?
特定口座とは、株や投資信託を買いたい場合に、それらを保有しておくための口座のひとつ。
実はすごーく古くからあるわけでなく、2003年に新証券税法が導入されたのに合わせて作られた口座です。
特定口座ができた理由
2003年に導入された、新証券税法。それまでとなにが違うかというと、大事な変化は以下の2点。
変化① 株や投資信託の売却益にかかる税金が「申告分離課税」になった
変化② 株や投資信託の配当や分配金にかかる税金が「申告分離課税」になった
申告分離課税とは、お給料などの他の所得とは分けて税金を計算して、別途、確定申告をすることで税金を収める課税方法のことをいいます。
申告分離課税
=給与などの他の所得とは分離して税額を計算し、確定申告によって納税する課税方法
すなわち…2003年から、株をしたいと思った個人投資家は、自分で確定申告をしないといけなくなったんです。

こりゃたいへん。「確定申告めんどいなー」と思ってるめんどくさがりさんは、それだけで投資するのをあきらめちゃうかもしれません。
この普通のサラリーマンや主婦など、今まで確定申告をしてこなかった人たちが確定申告をするハードルの高さは、もちろん国もわかっています。確定申告を間違えて、税金を多く支払ったり、逆に少なく支払ったり、税務署の混乱も目に見えています。
そこで!みんな大変だろうなーと思った国が作った口座が、この「特定口座」です。
特定口座と一般口座の違い
もともとあった「一般口座 」と、確定申告をかんたんにするために新たに作られた「特定口座」、一体なにが違うのでしょうか?この違いを詳しく見ていきましょう。
違い① 特定口座の開設には「特定口座開設届」が必要
まず、特定口座を開設するときは、「特定口座開設届」が必要です。
「特定口座開設届」は特に難しい書類ではありませんが、上場株式等保管委託契約または上場株式等信用取引契約をきちんと読み、契約を結ぶ必要があります。
また、「特定口座開設届」を提出する際には、個人番号カードや住民票などの本人確認書類の提出が必要になります。
開設手続きはかんたんですが、書類提出なども必要なので、一般口座よりは多少時間がかかります。
違い② 特定口座は証券会社から「特定口座年間取引報告書」が交付される
特定口座を持っていると、証券会社がわたしたちのかわりに「特定口座年間取引報告書」を毎年作って、共有してくれます。
特定口座年間取引報告書
=年間の譲渡損益や配当金、またそれらに関する源泉徴収税額が記載された書類
この書類を見れば、自分で計算しなくてもかんたんに確定申告書を作成することができます。
違い③ 「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類がある
特定口座には、以下の2種類があり、どちらがよいか選ぶことができます。
種類① 源泉徴収あり
→証券会社が確定申告を代わりにしてくれる
種類② 源泉徴収なし
→証券会社が作った特定口座年間取引報告書を元に、自分で確定申告をする
自分で確定申告をしない場合は、源泉徴収ありを選びます。
※しかし、例外として株取引の際に損失が出た場合は、自分で確定申告をする必要があります。
一般口座にメリットはあるのか?
特定口座は、証券会社で特定口座年間取引報告書を作ってくれ、また源泉徴収ありにすると確定申告までしてくれます。
一方、一般口座を選んだらこれらの作業を自分でやらないといけません。一般口座を選ぶ意味はあるのでしょうか?
実は2010年12月までは、一般口座に「みなし取得費の特例」を使うことができるというメリットがありました。
みなし取得費の特例
=確定申告を行う場合に「実際の取得価額」と「みなし取得費」のどちらか有利な方を選択し、その譲渡損益を計算できる制度
しかし、今はみなし取得費の特例は使えませんので、実際の一般口座のメリットはほとんどなくなっています。また特定口座のうち源泉徴収ありの特定口座の普及率が92.72%(2021年6月末時点 ※日本証券業協会調べ)になっていて、多くの方が特定口座の源泉徴収ありを選択しているようです。

92.72%は思った以上かも…わたしも特定口座の源泉徴収ありを選んでいます。
特定口座とNISA口座の違い
一般口座、特定口座のほかに、もうひとつ証券口座には、NISA口座があります。
NISA(少額投資非課税制度)とは、投資による利益が一定期間非課税となる制度です。
NISA口座を開設すると、通常利益が出た場合にかかる税金約20%がかからないという税金優遇があります。損失がでても他の口座と損益通算や繰り越し控除はできませんが、長期間投資をすることが前提であれば、損失がでたままになる可能性はかなり低くなります。
まずは、非課税のNISA口座を最大限使って、その後にまだ投資予算がある場合は特定口座を開くというのが一般的です。
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特定口座のメリット・デメリット
特定口座には、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があることはご説明しました。
そして、その違いは証券会社が確定申告をしてくれるかどうかだとお話しました。たしかにそうなのですが、人によっては証券会社に確定申告を任せると、損をしてしまう場合があります。
ここからは実際にどちらを選んだらよいか、メリットとデメリットを整理してみましょう。
①特定口座の「源泉徴収あり」を選んだ場合
特定口座の「源泉徴収あり」を選ぶと、証券会社がわたしたちの代わりに所持している株式や社債、投資信託などの譲渡損益をすべて計算してくれます。
そして、所得税と住民税を源泉徴収した上で、納税まで済ませてくれます。
しかし、個人の事情にまでは配慮してくれません。個人の事情とは、例えば以下のような例があります。
①年間20万円以下しか利益がないサラリーマンや年金所得者の場合
サラリーマンなどの給与所得者や高齢者などの年金所得者は、年間20万円以下の利益については納税不要です。しかし、「源泉徴収あり」を選択すると、自動的に税金が引かれることがあります。
②損失が出た場合
損失が出た場合には、自分で確定申告しないと譲渡損失の繰越控除を受けることができません。
繰越控除とは、その年に出た損失を、最長3年間にわたって利益と通算できる制度のことです。
繰越控除
=その年に出た損失を、最長3年間にわたって利益と通算できる制度
例えば、今年100万円の損失が出てしまった場合、翌3年間にわたって、100万円の利益をあげてから、やっと課税されるようになります。
しかし、繰越控除は繰越す年と翌3年間は毎年確定申告をしなければならなくなるので、手間はかかります。損失が出た場合は、手間も踏まえて考慮する必要があります。
これらを踏まえて、「特定口座の「源泉徴収あり」を選んだ場合のメリットとデメリットはこちらです。
【メリット】
①確定申告しなくてよい
②確定申告をする場合も「特定口座年間取引報告書」があるので、かんたん
③確定申告をしない場合でも、譲渡所得が配偶者控除、扶養控除を判定する際の所得基準に合算されない
【デメリット】
①給与所得者や年金所得者の年間20万円以下の利益については納税不要であるにもかかわらず、自動的に税金が引かれてしまう
②特定口座の「源泉徴収なし」を選んだ場合
特定口座の「源泉徴収なし」を選ぶと、「特定口座年間取引報告書」を作る計算までは証券会社がしてくれます。でも、税金の計算や納税は自分でする必要があります。
【メリット】
①給与所得者や年金所得者の年間20万円以下の利益については納税が不要
②確定申告をする場合も「特定口座年間取引報告書」があるので、かんたん
【デメリット】
①確定申告を自分でしなければならない
②配偶者控除、不要控除を判定する際の所得基準に合算される
株式投資の口座の選び方
これまで説明してきたように株式投資をする時におすすめの口座は、特定口座です。現状は、一般口座にするメリットがあまりありません。
自分で確定申告がしたい人は、特定口座を選んだ上で、「源泉徴収なし」を選択するのがベスト。しかし、ご事情によっては他の口座を選んだほうが良い人もいます。ここからはみなさんの状況別に、どの口座がおすすめか整理してみましょう。
ケース① 特定口座>源泉徴収ありがおすすめの人
特定口座>源泉徴収ありが適している方は、確定申告を自分でするのがめんどうな人、細かい確定申告上のルールがわからない人です。
証券会社がすべて税金の計算をして納税してくれるので、大変便利です。

わたしもずっとこれです。細かいルールがわからない&めんどくさい人は絶対コレがおすすめです。
ケース② 特定口座>源泉徴収なしがおすすめの人
特定口座>源泉徴収なしが適している方は、納税しなくていい税金を絶対とられたくない、または確定申告を自分で正しくすることができる知識をお持ちの方です。
ケース③ 一般口座>がおすすめの人
一般口座が適している方は、1年間の譲渡益(売却益)の見込み額が小さいため、所得控除を考慮すると確定申告が不要となる方です。学生や専業主婦の方などが該当することが多いです。詳しい要件は税理士等の専門家へご相談ください。
ケース④ NISA口座>がおすすめの人
NISA口座が適している方は、まだ株式投資をやったことがない人です。特定口座を開く前に、まずはNISAの非課税枠を最大限使ってから、特定口座を開くようにしましょう。
まとめ ~特定口座のメリット・デメリット~
証券会社の口座の種類「特定口座」とは、2003年に新証券税法が導入されたのに合わせて作られた口座です。
株や投資信託の売却益、そして配当や分配金にかかる税金が「申告分離課税」になり、個人投資家が自分で確定申告をしないといけなくなったことで、証券会社が代わりに確定申告をしてくれる特定口座が作られました。
特定口座は、「源泉徴収あり」と「源泉徴収なし」の2種類があります。
「源泉徴収あり」は、確定申告を証券会社に任すことができます。
「源泉徴収なし」は、確定申告を自分でやる必要がありますが、証券会社から「特定口座年間取引報告書」が交付されるので、一般口座よりも確定申告がかんたんです。
「源泉徴収あり」は、確定申告を証券会社に任すことができる代わりに、給与所得者や年金所得者の年間20万円以下の利益については納税不要であるにもかかわらず、自動的に税金が引かれてしまうなどのデメリットがあるので、「源泉徴収なし」を選んで自分で確定申告をすることも可能です。
今現在は、一般口座を選ぶメリットがほとんどないので、特定口座を選ぶことをおすすめしますが、まだ一度も株式投資をしたことがない方は、まずはNISA口座を開いて、非課税枠を最大限活用してから特定口座を開くのがおすすめです。
参考にしてみてね。
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