前回は、「ESG投資とは?」について、なるべくわかりやすく解説してみました。

時代は、ESG投資なのはわかった!
じゃあ、具体的に米国株・日本株でESG投資に力を入れている企業はどこ?
そういってくださるのを、待ってました!
今回は
・ESG投資銘柄のパフォーマンスの現状(2022年最新版)
・ESG投資の注目銘柄(日本株・投資信託・脱炭素編)はどれ?(2022年最新版)
についてまとめてみたいと思います。
ESG投資銘柄のパフォーマンスの現状
国連からPRI(責任投資原則)が公表され、「ESG投資」という言葉が一般的に使われるようになって、早15年。
最初は机上の空論だと思われがちだったESG投資でしたが、個別銘柄のパフォーマンスも悪くなく、企業の長期的な成長のためにはESG投資が必要不可欠であることもわかってきました。
株価のパフォーマンスにどれだけの好影響をもたらすことができるかについては、まだ検証段階ではありますが、ESG投資に前向きな人を少しずつ増やすぐらいには良い結果が出ているようです。
日本はまだまだESG投資の後進国だと言われているので、海外の銘柄事例や検証内容も含めて、ESG投資銘柄のパフォーマンスの現状(2022年最新版)をまとめてみたいと思います。
銘柄パフォーマンスの現状① ESG投資地域「米国」の場合
こちらは、Googleファイナンスで確認できた米国の代表的な株価指数「S&P500」と「S&P500ESG指数」の株価の比較です。
ほぼ同じ軌道をたどっていますが、2021年の夏ごろから少しだけ、「S&P500」よりも「S&P500ESG指数」のほうがパフォーマンスが良い状態が続いています。

少しずつではありますが、現状はESG投資でお金が集まる銘柄のほうが通常の指数よりはパフォーマンスが良くなりやすい傾向になってきていることがわかります。

まだ、結論を出すには早いですが、長期的な企業発展に向けたESGの取り組みが、投資されやすい方向に振れているのはうれしいですね。
銘柄パフォーマンスの現状② ESG投資地域「日本」の場合
こちらは、MSCI(モルガン・スタンレー・キャピタル・インターナショナル)の資料で確認できた日本の株価指数とMSCIが管理するESG指標「MSCI JAPAN ESG SELECT LEADERS Gross Return JPY Index」の比較です。

こちらもアメリカの指数の比較とほぼ同じ軌道をたどっていますが、2021年の夏ごろから少しだけ、「日本株」よりも「日本株ESG指数」のほうがパフォーマンスが良い状態が続いています。
MSCI JAPAN ESG SELECT LEADERS Gross Return JPY Index
=MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ指数
=時価総額上位700銘柄 銘柄(MSCIジャパンIMIトップ700指数 ) を対象とする包括的 ESG リスクをとらえる指数
日本でも少しずつではありますが、ESG関連で投資される銘柄のほうが通常の指数よりはパフォーマンスが良くなりやすい傾向にあることがわかります。

昨年まではコロナの影響で不安定だったんだけど、2021年からは順調ですね。2022年のESG投資も期待したくなります。
日本でESG投資の銘柄パフォーマンスが好調な理由
日本でESG投資の銘柄パフォーマンスが好調な理由は複数ありますが、その中で注目されたのが、年金積立金管理運用独立行政法人「GPIF」の投資拡大です。
2017年7月、日本の年金積立金管理運用独立行政法人「GPIF」が、長期的に安定した公的年金の運用をするために、ESGを考慮して投資を行うと発表をしました。
具体的には、以下の3つの指数への投資をはじめています。
ESG投資先① FTSEブロッサムジャパン
ESG投資先② MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ
ESG投資先③ MSCI日本株女性活躍指数
ひとつひとつの指数について、詳しく見てみましょう。
ESG投資先① FTSEブロッサムジャパン
FTSE Blossom Japan Index(FTSEブロッサムジャパン)は、世界的な指数算出会社であるFTSE Russell社が公表している株価指数です。
環境、社会、ガバナンス(ESG)の観点から優れていると判断された日本企業の株式銘柄で構成されています。
指数名のBlossomは、「開花する」、「発展する」という意味の英語です。

日本の春のさくらを思い出させるステキな名前ですよね。名づけ親の方、センスいい!笑
ESG投資先② MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズ
MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズは、米国・ニューヨークに拠点を置くMSCI社が公表している株価指数です。
日本株の時価総額上位700銘柄のうち、各業種の中から相対的に優れたESG評価の企業を選別して構築される指数です。
ESG投資先③ MSCI日本株女性活躍指数
MSCI日本株女性活躍指数は、MSCIジャパンESGセレクト・リーダーズと同じく、MSCI社が公表している株価指数です。
日本株の時価総額上位700銘柄のうち、MSCI が新たに開発した性別多様性スコアに基づき、業種内で性別多様性に優れた企業を選別して構築される指数です。

これら3指数すべてに採用されている企業がなんと80社以上あるんだって。そしてそれらのESGエリートの企業は、なんと平均的な東証株価指数(TOPIX)よりも成績がよいらしいの。うれしい傾向!
実際に年金積立金管理運用独立行政法人「GPIF」がESG投資を始めた2017年ごろから、上記の指数ランキングに入っている企業の株価は順調です。
例として、3指数すべてで採用されている銘柄をひとつ挙げてみましょう。
富士通(株)(6702)は、上記のESGに関連する3つの指数すべてで採用されている、ESGエリート企業です。業績はかなり順調で、17年末から株価は2.6倍になっています。
もちろんESG投資のみの影響であるとは言えませんが、少なからず影響はありそうです。

ESG投資の注目銘柄「日本」の場合(2022年最新版)
ここからは、日本市場で上場中のESG投資の注目銘柄を見ていきましょう。
経済紙「東洋経済」が掲載したESG企業ランキング(銘柄)によると、日本株の中でESGへの取り組みに力を入れている企業ランキングトップ10は以下の通りです。
東洋経済ESG企業ランキング
1位:SOMPOホールディングス
2位:丸井グループ
3位:オムロン
4位:KDDI
5位:NTTドコモ
6位:富士フィルムホールディングス
7位:東京海上ホールディングス
8位:日本電信電話
9位:セイコーエプソン
10位:花王
引用:東洋経済
ESG企業ランキング(銘柄)トップ3について、それぞれのESGへの取り組みと株価の推移を順番に見ていきましょう。
銘柄① SOMPOホールディングス
保険事業を行うSOMPOホールディングスは、率先して「環境負荷の削減」に取り組んでいます。
そのおかげで、ESGの「環境」項目については他の企業を圧倒的に抑える形になりました。
SOMPOホールディングスは、群馬県・赤城山や長野県・富士見町などの全国の自治体と協定し、積極的に森林整備活動を行っています。
また、2021年度からは、日本国内外の石炭火力発電所に新規の保険引き受け・投融資を実施しない方針を決め、脱石炭への取り組みも進めています。
環境への取り組みだけではありません。
2021年9月改訂の資料「損害保険ジャパンのダイバーシティ推進の取組み」によると、女性管理職比率25.7%、男性育児休業取得率93.9%など、働きやすさの指標もかなり高くなっています。
また、SDGs(持続可能な開発目標)への取り組みとして注目されているのは、インド現地法人であるUniversal SOMPO General Insurance (USGI)の農村地域の自立支援への貢献です。
医療や健康への備えが十分でない農村地域の低価格での医療保険の提供や農業従事者への家畜保健などを通じて、グローバルな自立支援活動をされています。
コロナ禍で打撃は受けたものの、全体的には株価も右肩上がりで好調です。

銘柄② 丸井グループ
小売だけにとどまらず、フィンテックやスタートアップ投資も行う丸井グループは、率先して「ESGを踏まえたサステナビリティの実現」を目指すことを目標のひとつにしています。
SDGs(持続可能な開発目標)に合わせて、丸井グループ自体の目標「お客さまのダイバーシティ&インクルージョン」を掲げ、年齢や性別に関係なく、高齢者、障がい者、外国人やLGBTQの方など、すべてのお客さまに対応した設備環境づくりに力を入れ、LGBTQに関してはLGBTQ研修やイベントも行っています。
60歳で定年退職を迎えた社員が希望した場合の再雇用支援制度も充実していて、希望者は70歳まで働くことができたり、障害者雇用率も2.63%を誇るなど、対顧客だけでなく、社員間のダイバーシティも進んでいます。
小売はコロナ禍で大きく打撃を受けた業種のひとつですが、着実に回復しています。


銘柄③ オムロン
電子部品やヘルスケア製品を展開するオムロンも、サステナビリティ投資の株価指標「ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSI World)」の構成銘柄に5年連続で選定されるほど、世界的に有名なサステナビリティ企業です。
ダイバーシティを推進する中で、毎年女性リーダーの育成のための「OMRON WOMEN WILL研修」を実施したり、メンター制度も設けています。
また世界的なSDGsの取り組みについては、ボトムアップでプロジェクトが動くことも多いと言います。
開発事例1:「動く義足」
SDGsが掲げる「誰一人取り残さない」社会実現に向けて、すべての人の自由で平等な生活の実現を目指した取り組みのひとつ。
インドネシアの生産工場で働くエンジニアたちが「下肢切断者の同僚の力になりたい」という動機から「動く義足」を開発。
開発事例2:糖尿病ワンストップ治療センター「MMC(Metabolic Management Center)」
糖尿病患者情報を各診療科間で共有し、専門医療スタッフによる最適な治療をワンストップで実現する事業を設立し、中国の484か所の病院に導入。

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ESG投資におすすめの投資信託の場合(2022年最新版)
個別銘柄でESG投資をするのもいいけど、そこまで偏った投資はしたくないから、いったん投資信託やETFで挑戦してみようと思う方も多いと思います。
ESG投資におすすめの投資信託をいくつかご紹介します。
ESG投資信託① CAMESG日本株ファンド
ESG関連の投資信託は複数ありますが、中でも注目されているのがキャピタルアセットマネジメント株式会社が運用している、「CAM ESG日本株ファンド」です。
「CAM ESG日本株ファンド」は、ESG投資をしたい方向けに、ESG分析と財務分析の結果を50%ずつ組み入れ、総合スコアを出し、その結果に基づいて、組み入れ銘柄を決定しています。
CAM ESG日本株ファンドに組み入れられている組入銘柄は以下の通りです。
組入銘柄の内訳(2021年12月現在)
銘柄 | 業種 | 構成比 |
6594:日本電産 | 電子機器・部品 | 3.60% |
9983:ファーストリテイリング | アパレル販売 | 3.40% |
6702:富士通 | 電子機器・部品 | 3.00% |
8035:東京エレクトロン | 電子機器・部品 | 3.00% |
4519:中外製薬 | 医薬品 | 2.70% |
6146:ディスコ | 機械 | 2.50% |
6383:ダイフク | 機械 | 2.50% |
6869:シスメックス | 電子機器・部品 | 2.30% |
6758:ソニー | 家電 | 2.30% |
ただESG投資向きの銘柄をそろえるだけではなく、財務分析もきちんとされているので、パフォーマンスも安定していて、日経平均株価等の市場指数はきちんと超えているのがうれしいところ。
リターン:3.43%
純資産額:21億4500万円
日経平均株価に投資するETF等と比べると、現状は高パフォーマンスが出る確率が高くなっています。

「CAM ESG 日本株ファンド」は松井証券で100円から購入できます。
ESG投資信託② 脱炭素ジャパン
ESG投資の中でも、最近特に注目されている脱炭素に焦点を当てた投資信託が「脱炭素ジャパン」です。
「脱炭素ジャパン」は、野村アセットマネジメント株式会社が運用している、脱炭素社会の実現に取り組む日本企業を中心に投資するファンドです。
ただ脱炭素を語る企業を集めたわけではなく、きちんと各企業の脱炭素への取り組み度合いをモニタリングして、脱炭素ビジネスの収益貢献やマネジメントのESGへの取り込み等について評価を行って、構成銘柄を決定しています。
脱炭素ジャパンに組み入れられている組入銘柄は以下の通りです。
組入銘柄の内訳(2021年12月現在)
銘柄 | 業種 | 構成比 |
4063:信越化学工業 | 化学 | 6.00% |
6501:日立製作所 | 総合電機 | 4.70% |
3402:東レ | 繊維 | 4.50% |
6594:日本電産 | 電子機器・部品 | 4.30% |
6201:豊田自動織機 | 自動車部品 | 3.80% |
5301:東海カーボン | ガラス・土石 | 3.80% |
7267:本田技研工業 | 自動車 | 3.60% |
4188:三菱ケミカルホールディングス | 化学 | 3.60% |
6902:デンソー | 自動車部品 | 3.60% |
2021年の夏にできたばかりの新しいファンドなので、まだリターンは出ていませんが、これからが注目の分野ですね。
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まとめ ~ESG投資の注目銘柄2022~
日本株においてESG投資銘柄のパフォーマンスの現状は、指数を上回った動きをすることが多く、今後もESG投資への期待が高まりました。
もちろんまだ新しい投資法なので、株価のパフォーマンスなどは注意してみていく必要はありますが、短期的視点での株式投資しかしていない方は長期的な視点を持つきっかけとしてESG投資にチャレンジするのもおすすめです。
経済紙「東洋経済」が掲載したESG企業ランキング(銘柄)によると、日本株の中でESGへの取り組みに力を入れている企業ランキングトップ10は以下の通りです。
東洋経済ESG企業ランキング
1位:SOMPOホールディングス
2位:丸井グループ
3位:オムロン
4位:KDDI
5位:NTTドコモ
6位:富士フィルムホールディングス
7位:東京海上ホールディングス
8位:日本電信電話
9位:セイコーエプソン
10位:花王
引用:東洋経済
それぞれ今のところは高パフォーマンスを出しており、信頼できる銘柄が集まっている印象があります。
また、ESG投資全体の考え方には同意するから挑戦したいけど、ESG投資を個別銘柄で行うほどはまだパフォーマンスが心配と言う方は、投資信託もありかもしれません。
日経平均などの指数よりは、現状はパフォーマンスが出やすいことがわかっています。
ESG投資信託① CAMESG日本株ファンド
ESG投資信託② 脱炭素ジャパン
脱炭素などは今後は当たり前になっていく可能性もあるので、逆に意識していない企業が認められない時代が来る可能性もあります。
今後もESG投資は注目ですね。
参考にしてみてね。
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